更新日令和3(2021)年10月1日

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vol.5 徒歩ではスープの冷める距離、車なら冷めない距離

ある日の夕方、渋滞ぎみのばあばの車を1台の電動自転車がサッと追い抜ていった。

<むむっ。華麗なるペダルさばき。>
子ども用のイスがついた自転車をこぐ女性は、恐らくどこかのママさんで保育園にお迎えに向かうところか。

ばあばは思い出す。

そうそう、仕事と子育ての両立は、毎日が時間とのたたかいだよね。
夕方のお迎えから子どもを寝かしつけるまでが、朝に次ぐピークタイムだ。

走り去っていくママさん(らしきかた)に心でエールを送る。

<ママさ~ん、どうかお気をつけて…>

今のばぁばのささやかな夢

育休中のウチのママとパパにも、この先、保活(保育園入園のための活動)が待っている。
二人がうまく分担できればいいが、パパさんには夜勤もある。
復職に備え、ばあばとじいじ、それにファミリー・サポート・センターなど、複数のサポーターを確保できたら少しは安心できるかしら?

ママとパパは、今後の子育て戦略として、ばあば・じいじと同じまちに引っ越してくることを選択した。
ママたちの新居は、ばあばたちの家から、徒歩ではスープの冷める距離、車ならスープが冷めない距離。絶妙だ。

そんな変化もあって、ばあばのささやかな夢は、いつか、ママに代わって保育園にお迎えにいってみることだ。
でも、ワーキングばあばが、いざというとき、ママの役に立てるかは未知数…。

といっても、ベビーは、まだ3か月になるところ。
復職のハナシは、ちょっと気が早かった。

…3か月というと、間もなく誕生100日だ。

ばあばは、ハッとした。

生後100日って「お食い初め」をやる時期では!

お食い初めって、誰がやるの?
パパさん側の実家がやるのかな?
今どきは、子ども夫婦だけでやるウチも少なくないとも聞く…

頭の中に疑問が渦巻く。

しかし、今の時代、「こうしなければならない」という正解はない。

…まぁ、ウチの場合は、ママとパパの意向に沿っていればOKかな。

 

さりげなく、ママにお食い初めの予定を聞いてみると、特に準備しておらず、もうすぐ100日だなぁと思っていたところだという。

 

ママとパパは毎日忙しそう。
ということは、ばあばの出番かも!

 

<…もっと早く確認しておけばよかった>

 

中食ブームの昨今、通販でもステキなお食い初めセットが多数出ているが、今からの発注では、急きょ決まった日程には間に合いそうにない。
それにお食い初め用の器は、必ずしも買わなくていいのかも。

 

コロナ前だったら、和食屋さんの個室でお祝いする選択肢もあったかもしれない。
でも、ベビーとまだ体調が気になるママ。
おウチでいつものメンバーでささやかなお祝いがいいかな。

おうちでお食い初め

近所の和食屋さんには、店内用のお食い初めのお膳メニューがある。
断られるのを覚悟でテイクアウトの相談してみると、ベビーのお食い初め用のお膳だけでも注文OKといってくれた。
しかもお料理は、お店で使う立派なお膳に盛り付けし、歯固め石も用意してくれるという。

ありがたい!

 

<準備は整った>

 

ベビーの料理の注文をしただけだが、一人つぶやいてみるばあば。

 

いつものメンバーだけで行うお食い初めのドレスコードは、写真を撮るので「少しだけよそ行き」、それでいて「ベビーのヨダレOKの服」。
お食い初め本番は、スタンダードな(といってもリサーチして知った)手順で、じいじが離乳食が始まっていないベビーに食べさせるような仕草など、一連の所作をする。

 

<この先、ベビーが食べることに困りませんように>

<丈夫な歯が生えますように>

 

それから記念写真を撮り、後は大人たちの食事の時間。
皆でベビーのお膳もおいしくいただく。

 

<もう少ししたら、離乳食が始まるね>とママ。

<今は、安全なベビーフードがたくさん市販されているから、大変だったら、そっちも活用しようね>
ばあばは、すかさず持続可能な離乳食ライフを提案。

 

和食屋さんのおかげで、ベビーのお食い初めのお膳はとてもステキなものになり、無事にお祝いを終えることができた。
お食い初めに立ち会えて、ママ・パパに感謝!

ちょっとした思いやりが身に染みる

片付け後にお膳を返却にいくと、お店の方々が、
「どうでしたか?」とか「おめでとうございます」など、うれしそうにお祝いの言葉をくれ、ソーシャルディスタンスを保ちながらいろいろと会話した後、外に出て見送ってくれた。

お客とはいえ、経営が大変な時期に温かな対応に何だかジーンときた。
最近、お店の人とこんなやり取りなかったなぁ。

コロナの影響で、ばあばの日常もちょっと変わってしまった。
誰もが大変な時だから、ちょっとした思いやりが身に染みる。

今後、新たな生活様式がどう変化していくか分からないけれど、ベビーにまつわる行事はこれからもいろいろやってくる。

誕生日、節句、七五三、入学…
私たちの役割やいかに?

ばあばとじいじのハテナは、これからも続きそう。

「スープが冷めない距離」を電動自転車で

また後日、娘夫婦が車ならばスープが冷めない距離にある自宅から、ベビーカーを押して歩いてやって来た。

 

ばあば<えっ?ママのウチから歩いて来られるんだ!>

ママ <え?歩けないと思ってるの?>

 

むむっ。歩ける距離だったのか。
いやいや、私は歩けませんよ。
電動自転車があると便利なのかなぁ…ふとあのママさんと電動自転車を思い出す。

 

声をかけようとベビーカーに目をやると、先日よりも大きくなったように見えるベビーと目が合った。

 

<あれ?またちょっとお兄ちゃんになったんじゃない?>

 

最近、会うたびにその成長に目を見張る。
生れた頃とは顔つきも仕草も違う。
数日会わなかっただけで変化がある成長著しいベビー。

そして、ママ・パパも試行錯誤しながらも、親として日々成長しているように見える。
孫のために張り切るじいじも然り。

一方、ばあばは成長よりも現状維持の色が濃い。
先日は、日に日に重くなるベビーを抱っこした際に肘を痛めてしまった。

 

…身体的には、現状維持も危ういばあば。
でも、気持ちだけは、ベビーやママたちと共に「自称、日々成長中」と言うことにしている。

 

そんな一進一退のばあばをよそに、
お食い初めからしばらくして、ベビーの黄昏泣きがはじまるのだった。

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