更新日令和3(2021)年11月25日

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vol.6 ベビーの黄昏泣きと、初めてのお泊り

お食い初めからしばらくして、ベビーの黄昏(たそがれ)泣きが始まった。

毎日、夕方頃に怒ったように泣き出して、抱っこしても泣き止まず、不快の原因ははっきりしない。

それも成長過程の1つと思うばあばは、力強い泣き(ママたちはギャン泣きと呼ぶ)さえも喜ばしく感じてしまうが、パパがいない日に1対1で過ごすママがブルーになる日があるのは想像にたやすい。

ママが休息を兼ねて遊びに来た日も、夕方になると不満があるという感じで力強く全力で泣き、泣き疲れたところで、パタッと眠りだした。

 

眠る直前まで全力で泣くベビー。

 

時々なら、かわいいねの一言だけど、これが毎日続くとお互いにシンドイに違いない。

気になるのはベビーの泣き声だけじゃない

ママ(娘)は、ベビーの大泣きが近所迷惑ではないかと気にしている。

それもそのはず、1つの出来事でも、周りの反応はいつだってさまざまだ。

 

孫が生れるより以前に、外で遊ぶ子どもの声に対するシニアさんたちの声を耳にする機会があった。

ある人は、「外で遊ぶ子どもの声がうるさい」とイラ立っていた。

一方である人は、「子どもは遊んでなんぼ。子どもの声が聞こえてくる地域って、活気があっていいよね。」とにこやかだった。

どちらも本心のようだった。

 

それぞれの感性も、取り巻く事情もさまざまだから意見が異なる。

批判的な人だって、病気の家族がいるのかもしれない…お互いに想像力が求められる。

 

でも、不寛容な出来事がままある昨今、事情が許す限りは子どもに寛容であれ。とばあばは願う。

誰だって、そうやって大きくなってきたのだから。

ママたちは、365日休みナシ。

それに、子どもがこども園や幼稚園、保育園等に通うようになるまでの間、ママたちは、ともすると365日休みナシだ。

子育てが今の最大のミッションだとしても、心身健康に子育てを続けていくために、ママ・パパには、自分自身のメンテナンスも忘れないでほしい。

 

ばあばとしては、ママには、女性特有のがんの健診を受けてほしいし、妊娠中に控えていた歯のメンテナンスもしてほしい。

それに、パパさん、祖父母、親族、信頼できる友人、保育サービス…、自分に合った協力者を見つけて、よりよく子どもと関われるように、時々は誰かに子どもを任せて気分転換にチャレンジしてはどうだろうか。

 

そんな訳で、ばあばたちは、ママたちの結婚記念日にベビーをお泊りで預かることを申し出てみた。

 

ママの反応はというと、子どもを自分以外の誰かに長時間預けるということに少し不安そうだった。

何しろ出産以来、ママとベビーは長時間離れたことがない。

 

そこでママが思いついたのは、はじまったばかりの離乳食や伝えておきたいことをメモにして、ばあばたちに託すことだった。

 

何も考えずに「預かる」と言ってしまったが、具体的にやってほしいことや注意点を知っておくことは、預かるばあばサイドに必要な備えだと気づいた。

(なるほど、保育園や一時預かりで、ベビーの情報を聞かれるわけだ)

さぁ、ベビーを預かって離乳食にも挑戦だ。

明日まで、ばあばとじいじ、ベビーでちょっと長めのお留守番。

ワクワクするけど、0歳児と思うとちょっと緊張…。

 

ベビーの食事は、まだミルクがメインで、食事はちょっぴり。

授乳の回数が多いうちは、1日に何度も哺乳瓶を洗って消毒したり、

オムツを替えたり、その合間に自分たちが食事をしたりちょっと忙しい。

ママ・パパの慌ただしい日常が垣間見えた。

 

そして預かりの日も、夕方に黄昏泣きがはじまった。

<泣き方が力強いね>

元気さを喜びつつ、抱っこして眠らせようと試みるが、ベビーはまるで何かに怒っているみたい…。

 

素人なりに調べてみると、黄昏泣きについては諸説あるが、ベビー自身もなぜ泣いているのかわからない時もあるとか、ないとか。

ベビー自身、感情がごっちゃになったり、心と体がちぐはぐなことも起きたりもするらしい。

そうだった。成長中ってそんなこともあるよね~。

 

ばあばたちは声をかけつつ、ベビーの泣きに付き合う。

しばらく泣いた後、腕の中でパタッと泣き止み眠りだした。

<いい仕事したね。おやすみ~>

ベビーの変化は、黄昏泣きだけではない。

話しかけるとよく笑い、絵本を読んであげるとこれまで以上によく反応し、本をつかむようになり、一層、絵本を楽しむようになった。

大変なところだけに注目せず、できるようになったことも見逃さず、成長のほめポイントとして、ママたちに報告しよう!

 

<離乳食は、おかゆとかぼちゃのペースト少々、ミルクは160ml飲んだよ。絵本をよく見るし、ご機嫌です>

ご機嫌の方は、本当は「晴れ時々雨」だけど、まぁいいか。

 

預かり中の様子は、時々、写真と共に携帯に報告をいれた。

ベビーが元気にしているとわかれば、ママとパパも少しは安心できるだろう。

こうやって少しずつ、ママとベビーは、別々に活動することを重ね、やがて保育園などに通うようになるのだろう。

自分が子どもだった頃

ベビーのお昼寝中に、ふと、自分が子どもだった頃を思い出す。

 

自分にとって、祖父母は何だか特別な存在だった。

でも、実際に自分がばあばになってみると、できないことはたくさんあるし、知らないこともたくさんあるまま…。

教えられることって、そう多くないのかもしれない。

 

できそうなことといえば、年を重ねていくことや命を全うする姿を見せることぐらいなのかも。

 

昔は、親戚やご近所との距離が近く、なんなら家畜も飼っていた。

虫や生き物を捕まえる遊びの機会も多く、誰かや何かの生や死が、今よりも近くにたくさんあって、気づかないうちに、日常の経験の中にいくつもの命の学びがあったような気がする。

 

これから訪れる人生の黄昏どきは、病気や体力の低下によって、スマートにはいかないことも多いかもしれない。

それでも百聞は一見にしかず。

きっと将来、ばあばやじいじが年を重ねる姿から、ベビーも何か学ぶこともあるだろうと思いたい。

 

でも、まぁ、それは先の話。

遊ぶの大好き、よく眠る、減塩生活…何かと共通点が多いベビーとばあばたち。

命の授業はもう少し後にして、

しばらくは、ベビーの陽気な遊び仲間としてやっていこう。

 

黄昏泣きのベビーは、ママが長らく不在だったという時間の概念はまだないようだった。

一方、ママ・パパは、初めて別行動という冒険を終え、翌日、ベビーと感動の再会を果たした。

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