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更新日令和3(2021)年7月15日

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vol.3 言われなくてもわかっているであろうけどつい言ってしまう「おまじない発言」

ベビーは待ってくれない。

誰とも面会できず、出産に1人で臨んだ娘は、退院直後、とても疲れているようだった。

でも、ベビーは待ってはくれない。何かしらの欲求を泣いて知らせてくれる。

泣くことは、ベビーのメインコミュニケーションだ。

 

<…だから、泣いても焦らなくていいのよ>

ばあばは、かつて自分が言われたことをママ・パパに言ってみた。

 

言われなくても分かっているであろうことをつい口にするのは、ママを思うばあばのおまじないのようなものだ。

私は「おまじない発言」と呼んでいる。(…あまりしつこいと嫌がられるので気をつけよう。)

 

病院から直行で里帰り&子育て生活が始まったが、その時点で、ママはいつもと様子が違っていた。

コロナ下の入院と出産という大事件に体が驚いてしまったのか、免疫力が下がり、私が体験したことのない症状をいくつか抱えていた。体がとてもだるいようにも見える。

産後の心身の変化は人それぞれなので、産後のママの変調に気付いた時は、周囲から受診を勧めてほしいと、ばあばは願う。

里帰り出産のルーティーン

産後のママは、オムツ替え・授乳・横になることの繰り返しが毎日の重要なミッションとなった。

この地道な繰り返しがベビーには必要なのだ。家事があまり得意ではない ばあばも、そしてじいじも、少しばかりやる気スイッチが入った。

 

仕事の日は、分担して掃除に洗濯、朝食・昼食を用意して出勤し、夜は急いで夕飯を作り、ベビーの沐浴後は、ママと短いティータイムをとる。

日中の出来事や気がかりに思っていること、ママの体調などの話をしながら、夜に一杯のお茶を飲む。

 

産後すぐは、ウエストがゴムのスカートさえ入らなくて驚いたとか、

体が回復したら、一緒に買い物に行きたいねとか、とりとめのない女子トークもする。

 

日中、ベビーと二人きりのママ。

このティータイムがささやかな気分転換になっているといいな。

パパの労いの言葉は、ママの心の栄養

ママが求めるものは、ばあばでは用事が済まないことも多い。

体のことは病院に相談し、パパさんと会えない日は、電話で話すことを束の間の楽しみにしている。

パパさんとの電話の後は、心なしか顔色がいい。

 

<パパの労いの言葉は、ママの心の栄養だ>

と、ばあばは思う。

 

夫婦で子育ての時代といっても、出産だけはパパにお願いできない。

だから、新米パパさん、産後のママに温かい言葉をよろしくね。

まるまる一晩、ベビーを預かった夜のこと。

それからしばらく経っても、ママの体調はシンドイようだった。

それでもベビーのことだけは、自分がやるという気持ちが強いようで、毎日何とかがんばっている。

でも、ばあばは時間を気にせず、心ゆくまでママ(娘)を眠らせてあげたいと思ってしまう。

 

産後のシンドイ時期は、いつか終わりが来ることを1年生ばあばたちは知っている。

でも、いつ終わるかよくわからないシンドイ「今」があることも、何となく記憶に残っている。

 

だからある日、思い切ってママに提案してみた。

<一晩、ベビーをばあばたちがみるから、ママは一人で思い切り眠ってみたら?>

 

体調が優れないママは、その提案を受け入れてくれた。ばあばたちの出番だ!

普段、母乳がメインのベビーに、ばあば・じいじが哺乳瓶での夜の授乳に挑戦する。

日中に哺乳瓶で授乳してみるなど、すでに予習はできている。

 

毎日しっかり眠くなるばあばの辞書に徹夜という文字はない。

しかし、孫を世話できるうれしさと、新生児を任せてもらう緊張感から、授乳予定時間の少し前に目覚めることができた。

<やればできる、私!>…目覚まし時計を使ったんだけどね。

 

ベビーがミルクを飲む姿は、とてもかわいい。

子育ての当事者ではない‟ゆとり”から、しみじみそう思えるのかもしれない。

出産や子育ての経験があるからといって、ばあばとママでは、見えている風景や心持ちは違うように思う。

 

ママは授乳しながら、次にすべきことを考えていたり、いろいろな心配や疑問を抱えていたりする。身も心も忙しいのだ。

だから、ばあばは、ママのことをわかっているつもりになり過ぎてはいけないと思う。

でも、伝えられることもある。

ベビーは話せないうちから、コミュニケーションによる育ちが始まっている。

親や周りの人がかけてくれる言葉を耳にしたり、温もりを感じたりすることで、言葉や愛情の貯蓄をスタートしているように思う。

 

産後のベビーとの会話は一方通行。ママ・パパの言葉かけは遠慮がちだ。

一方、ばあば・じいじは、新生児であっても遠慮がない。

 

授乳時は、

<おいしいね。いっぱい飲んでね。いいね~>

 

オムツ替えの時には、

<出たね。えらいね~。やったね~>

と、声をかける。

 

それを見て、ママたちはベビーへの声かけが上手になっていく。

「何かあったらいつでも言ってね」

ベビーが生後1ヶ月を迎え、「12分の1バースデイ」をささやかにお祝いする頃、ママは、まだまだ不調を抱えつつも、少しずつ入院中の様子を教えてくれた。

 

誰にも面会できない入院中は、助産師さんがよく声をかけてくれたそうだ。

<何かあったら、いつでも何でも言ってね!ね!>

会うたびにそう言われたそうだ。

 

感染症対策で、誰も立ち会うことができなかった出産。

この「おまじない発言」により、何かあれば声をかけられる人がいると思いながら出産に臨めたのはありがたかった。

 

里帰りの同居生活中は、そんな話を聞く機会も持ちやすい。

いつもより娘夫婦と濃密に関わることができる貴重な時間だ。

 

この里帰りが終った後、お互いにとってちょうどいい関わり方ってどんなかな?

それは、まだわからない。

「自分の人生を生きることも忘れてはいけない」

私の先を行く先輩ばあばたちは言う。

<子ども夫婦のサポートは大切だが、それでいて自分の人生を生きることも忘れてはいけない>

子ども夫婦が親として育ち、孫が生きる力を持てるように、私たちは出過ぎず、いい塩梅に応援することが大事ということのようだ。

 

また、長い人生いろいろあるけれど、それでもばあばたちが心豊かに過ごす姿を見せるのは、きっと親孝行ならぬ子孝行になると思う。

子ども夫婦がいつかたどるであろう子育て卒業後の世界は、そして年を重ねることは、悪いことばかりではないと伝わるといい。

 

それに、先輩方によると、子ども夫婦との関わり中では、

祖父母の「子離れ」は、子ども夫婦の「親離れ」より難しい場面が多いらしいのだ

 

だからその格言は、人生の先輩から、ばあば1年生に向けた、素敵に生きるための「おまじない発言」として、今後も心に留めおくことにしたい。

 

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