更新日令和3(2021)年6月16日

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vol.2 世の中は、思いどおりにいかないことが多い

私がイメージしていた孫の誕生は、分娩室の前でパパやじいじ・ばあばが無事の出産を祈りながら待っていると、「オギャー」とベビーの泣き声。

看護師さんが出てきて、「おめでとうございます!元気な女の子ですよ。」

…なんて、昔のドラマの見過ぎだろうか。

 

実際の出産にもそれぞれにドラマがある。ずーっと昔のことだとしても、その話を始めると、ばあば達の思い出話は長くなりがちだ。

でも、出産自体の話はしても、分娩室の外側については、私の周りではほとんど話題になったことがない。

ゆえに新米ばあば達は、誕生を待つ側の光景を知らないことも多いのではと思う。

 

しかし今回は、感染症対策のため院内で誕生を待つのは夢のまた夢

それどころか、入院中はパパさんでさえ面会できない

 

思いどおりにいかないことが多い…ね。

 

でも、そのルールにより院内の感染症のリスクは低減され、ママとベビーは守られる。

だから、(とてもとても残念だけれど)ありがたいルールであると自分に言い聞かせる。

 

でも、初めての出産。

ママ(娘)は不安だろうなぁ…

あっという間に迎えた出産の日

そんな中、ママは計画分娩を選択、あっという間に出産の日を迎えた。

ばあばの時間の流れは、昔よりちょっとだけ早いのだ。

 

出産の当日は、感染症対策で病院内には入れない。

リモートによるママの応援係は、パパさんが一番だろう。

そうなると出産の日にばあばができることは、無いに等しい。

 

私にできたのは、たった2つのことだけだった。

  • 母子の無事を離れた場所から祈ること
  • 今後、人手が必要になった時に休暇をとるために、今日はいつもどおり働くこと

パパさんの勤務は不規則で夜勤もある。

ばあば・じいじが、今後をささやかでもサポートするよと予告しておけば、初めての子育てに対する「心の力み」は少しだけ和らぐかもしれない。

ただし、ばあばを取り巻く状況はそれぞれで異なる。自身の体調不良や何らかの不測の事態が起きれば、役に立てるかどうかは定かではない。

 

思いどおりにいかないことは多いのだ。

プレばあば期の情報収集

子育てをサポートするにあたり、プレばあば期の情報収集は、私にはとても意味のある事だった。

ベビー服の着合せの謎は解け、保健師さんによる沐浴講座の動画もチェックした。

 

そして情報収集してわかったのは、「今と昔は違う」ということ。

 

  • 湯上りに新生児に湯冷ましを飲ませる必要はない
  • 虫歯の菌をうつさないように、スプーン類の共有NGは徹底する 等々…他にもいろいろと違う。

一般的にいわれていることが昔とは違っている。

 (そうだったんですか…)

 

令和の時代、少しだけ手を伸ばせば、「ばあば・じいじ向けの情報」も簡単にゲットできる。

行政情報やクチコミのみならず、様々なホームページに情報があり、赤ちゃん用品店などでは、祖父母向けの「ママ・パパ応援準備リスト」をくれる所もあるらしい。

 

しかし、調べ始めると「情報」というのはインターネットを含め量が多く、いろいろな人がいろいろなことを発信している。私のようなマイペース派は、予習で深みにはまらないことをお勧めしたい。

 

得た情報の中から「自分に合った」参考になりそうなことを選びとって役立てる、広義の情報リテラシーのような心構えを持っておきたい。

ばあば、フライングするべからず。

またばあば・じいじ向けの準備リストも様々だ。

準備リストをゲットしたからといって、ばあばが独断でベビー用品を用意しない方がよい場合もある。

 

「ベビー服ちょっと買ったよ。哺乳瓶とかも用意しておこうか?」とばあば。

「それ、私も選びたいよ~」とママ。

「そ…そうだよね~」

 

ばあば、フライングするべからず。

ママ・パパが使いやすい物でないとね。

 

ばあば・じいじが子育てをサポートするには、ほんの少しだけママ・パパとすり合わせしておくと、子育て当事者とサポーターの「行き違い」を減らすことができそうだ。

ジェネレーションギャップはもちろん、親子であっても性格は違う。自覚しきれない行き違い要素やストレスの芽は、出産前に少しでも摘んでおきたい。

ついに、待望のベビーがやってくる!

そうこうしているうちに退院の日のお迎え係は、パパさんとじいじに決定。

私は退院後の通院の送迎担当となった。

 

ついに、ばあば・じいじの家に待望のベビーがやってくる!

 

退院当日も仕事だったばあばは、お迎え班をうらやましく思いつつ、うかれた気持ちで家路を急いだ。

 

(ばぁば)「ママ・ベビー、おかえり~!!!!!」

(ママ)「…ただいま」

 

退院したてのママは、こちらのテンションとはうらはらに、とても疲れている様子だった。

ちょっともうろうとしている感じさえする。

 

令和の時代でも変わらない、ママの体にとって「出産」は大事件である。

 

「がんばったね!おかえり!!」

明るく言ってみたものの、ママの体調が心配だ。

自分自身のことも、時折気にかけて

普段、若者と共に働いているばあばは、ふと思う。

もし、身近に出産を控えた人がいたら、何かあれば抱え込まないで、家から電話で、産前・産後のケアや身体についての専門家の保健師さんや、子育て全般の悩みや不安を相談できる子育て支援アドバイザーと話すことができることを伝えておきたい。

それと、ベビーだけでなく、自分自身のことも時折気にかけてほしい。

 

ばあば・じいじのサポートの有無に関わらず、「子育て」は病院のかた、保健師などの専門のかた、地域のかたや友人、いろいろな人の関わりが必要になっていく。

気づかないところで応援してくれている人はたくさんいる。

 

成長のステージごとに、ゆるやかに多くの人に関わってもらいながら子は育つ。

夫婦だけのこれまでのような暮らし方は、一旦、横においておくことになりそうだ。

 

そして、体や心がシンドイ時には、誰かに何かをお願いしていいし、行政や民間のサービスなどを使ってもいい。

 

体調が優れない日は、フトコロが痛くても思い切って、お弁当のデリバリーなどが続いてもいいんじゃないかな。

産後は、今までのように家事ができる時期ではないのだから。

 

産後の体調や環境は様々だ。心身の疲れに根性論は通用しない。

さらに産前に思い描いていたものとは異なることが待っていることもままある。

 

何しろ、思いどおりにいかないことは多いのだから。

 

ウチの場合、ばあばのチカラは微力だ。

だとしても、何よりもママの言葉に耳を傾けたい。

改めてそう思うばあばであった。

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