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更新日令和7(2025)年5月28日

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vol.9 大きくなってからの絵本デビューはもう手遅れ?のおはなしと草花の絵本

iconこんにちは!

絵本×わらべうた×ベビーキッズマッサージで我が子に愛を伝えることを

最優先にした子育てを提案する「hoobaru」を主宰しながら、

現役の保育士でもあるつじなか あかねさんのブログへようこそ!

 

  1. 絵本と子育てについての質問にお答えする「あかねさんに絵本のことを聞いてみよう」
  2. テーマに沿った絵本を年齢別にご紹介する「あかねさんイチオシの絵本紹介
  3. 季節のわらべうたをご紹介する「ほおばるわらべうた動画

の3本立てで≪絵本のある子育て≫の魅力を発信しています♪

あかねさんに絵本のことを聞いてみよう!

Question:うちの子はもう6歳。絵本をほとんど読んであげませんでした。もっと早くあかねさんのお話を聞きたかったです。もう手遅れですよね・・・。

Answer:hoobaruの活動の9割が赤ちゃんや小さなお子さんとそのママ向けです。すると「上の子には全然絵本読んであげなかった。上の子の時に話を聞きたかった。」とおっしゃるママさんにお会いします。絵本の読み聞かせに手遅れなんてことは全くありません。何歳からでも始められます。これからだって全然間に合います!!!

が、その前に大前提として、乳幼児期の子育てに絶対絵本を読まなければならない!なんてことはありません。

子育てで一番大切なのは≪我が子にたっぷり愛を伝えて、愛されている実感で満たしてあげること

その手段のひとつが「絵本」というだけで、絵本を読まなければ我が子に愛されている実感を与えることができないわけではありません。これまでに我が子と目と目を合わせ体を寄せ合い向き合う時間が持てていたことがあるのではないでしょうか。子どものペースに合わせてお散歩した…子どもと一緒にお料理した…子どもの好きなものに一緒にハマった…なんでもいいのです。我が子と心通わせる何かがあればそれで子育て100%満点だと思います。

もしお子さんとまだその手段を持てていないのなら、絵本をぜひ利用してみてください。

今からでも全然遅くない。

 

ただ、6年間絵本を読み聞かせる習慣がなかった子に絵本読みの習慣をつけるのは容易ではありません。今まで積み上げてきた生活リズムがあるでしょうし、絵本は刺激が少なく主体的に心と脳を動かさないと楽しむことができないので、そこに気持ちを向けるのは一朝一夕にはいかないかもしれません。デジタルなものが日常に根付いていたらなおさらです。

でも絵本の楽しさを知り、絵本を読んでもらう時間がママの愛を独占できる時間だと実感できさえすれば、すぐに絵本読みは習慣化できると思います。

そんな大きくなってからの絵本デビューにオススメなのは断然昔話の絵本です。

読み聞かせ 読み聞かせ2

 

昔話は絵本よりも長い長い歴史があります。昔話は本という形あるものではなく、語りという目には見えない形で受け継がれてきました。囲炉裏を囲んでおじいさんやおばあさん、お父さんお母さんが子どもに娯楽として語っていました。その際に心と記憶に残ったおはなしだけが、その子が大人になった時にそのまた子どもに語られる…。そうやって子どもの心に残ったおはなしだけが現代に残ってきました。

ですから≪何百年も前から現代にいたるまで語り継がれている昔話=子どもが絶対的におもしろいと感じるおはなし≫ということです。そんなうまみだけが濃縮されたようなおはなしは、どんな時代の子どもにとっても「おもしろい」に決まっています。

昔話は語りの文化。

目からの情報なしにおはなしを楽しめる、耳だけで想像できるような工夫がなされています。

安易に「想像力」を刺激してくれるので、絵本初心者でもおはなしの世界に誘いやすい!

想像力を刺激してくれる秘密は5つ!


感情を詳しく描写しない

物語の中では人間のさまざまな感情に出会います。それを全て「目に見える行動」によって表していて、そこから読者の中にある感情と合致させます。

例えば「あの子は悲しんだ」→「あの子はおいおい泣いた」

幼児には「悲しい」という言葉だけで登場人物の悲しみを自分のものとして受け止めることは難しく、自分の知ってる「悲しい」気持ちと合致して考えることはできません。「泣いた」と目に見える表現で描かれるだけで自分が泣いたときの感情と合致させることができます。

細かい設定がない

一番おおもとの本筋だけを追い、余計な装飾が削られています。読み継がれていく過程で無駄のない「うまみ」だけが凝縮されています。

だいたいの昔話が「むかしむかし あるところに」で始まります。時間も場所も限定せず人物描写や情景も省いて出来る限り簡素化することで、あれこれ想像しなくて済む分、どんどん動いていくおはなしについていけるように工夫されています。

物音・におい・手触りなどがリアルに感じられる

五感が擬音を用いて生き生きと語られています。

さるかに合戦「柿がざらんざらんとなっている」

 →枝が重みで揺れるほど沢山なっているのが想像できる。

ももたろう「桃がつんぶくかんぶく流れてくる」

 →重くて大きな桃がゆっくり流れてくるのが想像できる。

…というように、想像力が研ぎすまされるように工夫されています。

3度の繰り返し

『ももたろう』では、犬・猿・キジがお供になるやりとりが3度繰り返されます。

『さんまいのおふだ』では、鬼婆から逃れるための行動を3度繰り返します。

同じ展開が繰り返されることで、先を想像しやすくなります。前の展開で学習し「知っている」という安心感のもとおはなしについていくことができます。途中でおはなしについてこれなくて意味が分からなくなってしまうとか、途中で迷子になってしまうのを回避することができます。自分が今おはなしの中のどこにいるのかをつかむ手助けにもなっています。

いいおじいさん・わるいおじいさん

先ほどの3度の繰り返しと同様に、いいおじいさんがした体験をわるいおじいさんも同じように経験することで「知っている」という安心感でおはなしを読み進めることができます。

また、いいおじいさんのやりとりでつかめなかった流れも悪いおじいさんのやりとりで「ああそういうことね」と復習することができ、深く内容が理解できるようになります。


昔話は、詳しい内容は知らなくてもなんとなく知っているものが多いのではないかと思います。《3度の繰り返し》《いいおじいさん・わるいおじいさん》でもお伝えしたように、何にも知らないおはなしよりもちょっと知っているおはなしの方が「知っている」安心感で抵抗なく絵本を読めると思います。

絵本デビューに昔話絵本をぜひ試してみてください。

 

昔話絵本は同じおはなしでも様々な出版社から出版されています。どれを読んであげたらいいか迷う方の為に、昔話絵本大好きな我が子のお気に入りの昔話絵本をご紹介します。

ももたろう 松居直 再話/赤羽末吉 絵 福音館書店
こぶじいさま 松居直 再話/赤羽末吉 絵 福音館書店
さんまいのおふだ 水沢謙一 再話/梶山俊夫 絵 福音館書店
したきりすずめ 那須田淳 文/はたこうしろう 絵

小学館

さるじぞう

大黒みほ 再話/斎藤隆夫 絵 あすなろ書房

おすすめの昔話の絵本

 

あかねさんイチオシの絵本紹介

今回のテーマは・・・野花の絵本】

春から夏に向けて、外に出れば沢山の草花と出会うことができます。昨日まで咲いていなかった花が咲いていたり、色や形が変わっていたり、種を飛ばすようになっていたり・・・。日々色んな姿を見せてくれます。

そんな自然の変化を喜び、自然と遊ぶことを楽しめるということは、小さなことに喜びを見いだせるということです。小さな幸せを感じられる子は、ささやかな出来事や日々の平凡な暮らしをより豊かでキラキラしたものにできると思います。そういう子は生きる力の強い子になるはずです。

そんな感性が育つように、外で出会える野花に絵本でも出会ってあげることをオススメします。絵本で見たものは目につきやすいから出会いやすく、出会った時の喜びはひとしおです。

おすすめの絵本 外で読む様子

0~1歳さんにオススメ

たんぽぽたんぽぽ みなみじゅんこ 作/アリス館

たんぽぽたんぽぽ

春のわらべうたが絵本になっています。公園や広場で沢山出会えるたんぽぽの綿毛。その綿毛をふーっと吹き飛ばすときに歌います。綿毛との出会いが楽しみになること間違いなしの絵本です。

 

2~3歳さんにオススメ

じっちょりんのあるくみち かとうあじゅ 作/文溪堂

じっちょりんのあるくみち

じっちょりんという小さな生き物を知っていますか?道端や庭先にいつの間にか咲いている雑草はじっちょりんが植えているんですよ。普段は目に入らない道端の小さな野花たちに目を止め、そこに物語を感じることができるでしょう。いつもの日常をちょっと豊かにしてくれる絵本です。

 

4~5歳さんにオススメ

ざっそうの名前 長尾玲子 作/福音館書店

ざっそうの名前

絵が刺繡で描かれている美しい絵本です。太郎君がおじいちゃんに雑草の名前を教えてもらうおはなしです。おはなしの中に身近な雑草がたくさん登場して名前も書かれているので、太郎君と一緒に雑草に詳しくなれちゃいます。それがすべて刺繍で描かれているので感動します。じっくり見て楽しみたい絵本です。

 

6歳~にオススメ

野の花えほん 春と夏の花 前田まゆみ 作/あすなろ書房

野の花えほん 春と夏の花

春から夏にかけて咲く野花のあれこれを教えてくれる絵本。名前や特徴だけでなく、名前の由来や見分けるコツ、遊び方、食べ方まで書かれています。図鑑の写真とは違い、色鉛筆で繊細に優しく描かれているので、写真では分からない部分やあたたかみを感じることができます。


絵本を読んだらぜひ外に出て同じ草花に出会ってみてください。出会った後は絵本でもう一度出会ってみてください。経験がより豊かになりますよ。

ほおばるわらべうた動画

道端や公園で野花に出会ったら必ず一緒に出会えるもの、それは虫です。

今回はハチさんのわらべうたをご紹介します。

はちはちごめんだ

ママの人差し指をハチに見立てて、お子さんの周りを飛び回ります。最後の「ちくっ」でお子さんの鼻先やおでこをツンとつつきます。くすぐり遊びが好きな子にはわきの下やわき腹などお子さんのくすぐったいポイントに「ちくっ」とするとニコニコ笑顔になること間違いなしです。とっても簡単なので赤ちゃんでも喜んでくれるし、大きくなってもおにごっこのように逃げ回って楽しんでくれるし…息の長いわらべうたです。

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