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更新日令和3(2021)年5月12日

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共にまもり育てる柏の原風景~守り人の杜~

柏市酒井根~2014年から現在までカシニワにて活動中~

2021年3月14日、下田の杜を訪れ、里山に関するお話を地権者様・活動団体の方々から聞かせて頂きました。

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下田の杜について

柏市の自然拠点として位置付けられている下田の杜は、住宅地に囲まれた都市緑地(2.1ha)を含む全域「5.4ha」にわたる水と緑の豊かな自然が残る里山です。

地形の特色である谷津田が残り、植生や水辺の環境が多様な生きものの生息場所となっています。
田んぼや畑では季節ごとの農作業が行われ、里山の農耕文化が継承されています。
また旧斎藤家住宅吉峰荘には「古民家」「野馬土手」などの文化遺産があります。

下田の杜での活動について

「NPO法人下田の杜里山フォーラム」では、[自然・文化遺産の保全][子どもの情操・学校教育支援][地域社会との交流・協働][保全手法の研究・実践]という4つの項目を大切にし、一年を通して活動をしています。具体的な活動は下記のとおりです。

1.[自然・文化遺産の保全]

里山の自然や景観を保全するため、広場では草刈り、樹林地では落ち葉掃きや枯枝処理などの維持管理を行っています。
また緑地内の歴史的遺産の保全を行っています。

2.[子どもの情操・学校教育支援]

幼少児から大人までの自然教育支援、地域の小学校児童を対象に野外学習、稲作体験の支援および出前授業を行っています。
また中学校や大学の総合学習の取組への支援を行っています。

3.[地域社会との交流・協働]
下田の杜が「地域の宝」として子どもから大人まで楽しめる「ふれあいの里」となるよう夏まつりや里山まつりを実施しています。
また近隣の落ち葉の清掃活動も行なっています。

4.[保全手法の研究・実践]
下田の杜の自然の実態を把握するため、池や田んぼ、緑地の動植物の調査を継続的に行なっています。
また「まてや再生プロジェクト」として文化遺産である古民家(まてや)の再生に向けての調査を行なっています。
調査結果を基に下田の杜を恒久的に残すための保全制度及び保全手法の研究を行なっています。

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「下田の杜の自然を守る会」では、景観維持、旧斎藤家住宅吉峰荘・農地の維持管理支援、自然環境学習事業・各種イベントの事業支援等を行っています。

現在では多岐にわたる活動を展開しておりますが、今日に至るまでには長い歴史がありました。

下田の杜の保全の歴史

1975年
下田の杜の地形・植生・景観・豊かな湧水・多様な生きもの・住居・野馬土手などの文化財をセットにして次の世代に引き継ぐため、地権者は「下田の杜の自然を守る会」を設立、地道な保全活動を始める。

1980年
地権者の好意で、杜の一部北部の台地がボーイスカウト柏第5団野営場に、中央の低地が子どもの遊び場になる。

1994年
「さかいねの自然を考える会」が発足。
西山町会環境対策委員会が地権者の合意を取り付けて、酒井根・東山と合わせて3町会で緑地保全の署名活動を進め、陳情が市議会で採択される。

1995年
地権者の全面的な協力を得て「下田の森自然公園友の会」が活動を開始。
2020年に発展的に解散するまで自然環境保全・地域教育活動推進の中核的役割を担うこととなる。

1996年
柏市緑の基本計画で、下田の杜が酒井根下田自然拠点となる。

1999年
一部の緑地(1.7ha)が景観と生きものの多様性に配慮した柏市の「酒井根下田の森緑地」として利用を開始し、恒久的な保全が担保されるようになる。

2000年
「下田の森里山協議会」が都市緑地の管理受託としての活動を始める。

2008年
一部の緑地(北部と東部の台地の樹林1.5ha)が酒井根特別緑地保全地区に指定される。

2009年
さらに一部の緑地(旧斎藤家住宅吉峰荘の宅地など0.3ha)が都市緑地に指定され、計2.0haが柏市の都市公園として位置付けられる。

2014年
樹林の一部がカシニワ(2団体)の登録地となる。

2018年
「下田の森里山協議会」を発展的に解消し、「特定非営利活動法人下田の杜里山フォーラム」を設立。
改めて杜を守り育てる活動の展開を始める。

2021年
さらに一部の雑種地など(0.1ha)が都市緑地として指定され、計2.1haが柏市の都市公園として位置付けられる。
同じく東部の畑(生産緑地地区)や北部の樹林など(1.1ha)が特別緑地保全地区に指定され、計2.6haが酒井根特別緑地保全地区として位置付けられる。

用語解説

柏市都市部公園緑地課「緑地保全について」(別ウィンドウで開きます)

多様な生き物たち

下田の杜の樹林地、低地、水辺には多くの生きものが生息しています。
トンボやバッタなどの昆虫類を含む節足動物は約1470種、フクロウやカワセミなどの鳥類は65種、草本類や木本類などの植物は約440種、菌類は約220種が確認されています。

文化遺産

旧斎藤家住宅吉峰荘(母屋、古民家まてや、温室、木小屋、古井戸など)、野馬土手(掘)などの歴史的遺産の保全に努めています。

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保全・活用について

先述のとおり、下田の杜は都市公園(都市緑地)としてその一部を公有地化したものの、大部分は民有地が占めています。

「特定非営利活動法人下田の杜里山フォーラム」は、杜全体の自然と文化遺産を永続的に保全するために2018年に設立されました。法人化することによって、人材の確保、運営体制の合理化、資金の確保、社会的信用などが得られると考えています。

「特定非営利活動法人下田の杜里山フォーラム」と「下田の杜の自然を守る会」では、下田の杜の恒久的保全に向けた全域公有地化と利用に関わる課題があるものの、下田の杜が地域の人に守られ愛され続けるよう、地域社会とのつながりを大切にしています。

例えば小学生や中学生を対象とした野外学習では「自然に触れる体験」を通じた環境教育を行い、また大学生や社会人を対象とした教育活動も実施しています。こういった自然教育支援を通じて下田の杜が多世代が楽しめる”地域コニュニティーの拠点“となることを目指しています。

このように緑地保全を推進するとともに、里山の活用にも積極的に取り組んでいます。

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訪問時の注意事項について

下田の杜を末永く未来へと残していくために、ルールを守って訪問しましょう。

  • 動植物の採取・持ち込みはおやめください。
  • ペット同伴はご遠慮ください。
  • 未開放エリアへの進入は禁止です。
  • すべてのエリアが禁煙です。
  • 夜間の利用は禁止です。
  • ゴミは必ず持ち帰りましょう。

リンク

下田の杜里山フォーラムのホームページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

 

ご協力くださった関係者様、お忙しいところご丁寧に対応頂き、本当にありがとうございました。

お問い合わせ先

所属課室:都市部住環境再生課

柏市柏255番地-1(柏市役所分庁舎2-2階)

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