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毎年9月24日から9月30日は、結核予防週間です。
結核患者は依然として発生しており、決して過去の病気ではありません。
日本の結核罹患率は減少傾向にありますが、年間12,000人以上の方が新たに発症し、約1,900人の方が亡くなっています。結核は現在も日本の主要な感染症です。
(柏市の状況)
柏市では令和3年に27名の結核患者が登録されました。柏市の罹患率は、平成30年より減少傾向にあります。
しかし、働き盛りの20~50歳代では発見の遅れ、特に受診の遅れが目立っています。結核は症状に気づきにくいため、発見・治療が遅れてしまいやすい病気でもあります。そのため、健康診断を定期的に受診することや気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することが重要です。
(厚生労働省2022ポスター)
(令和3年柏市結核患者年報より)
結核は結核菌を原因とする、人から人へ伝染する感染症です。症状の進んだ患者の咳やくしゃみに含まれる結核菌が小さな粒子となって空気中を浮遊し、これを吸い込むことで感染します(空気感染)。感染した場合、肺に病巣をつくる肺結核がもっとも多く見られますが、感染した部位により、腸結核、骨結核、リンパ節結核などが認められます。
結核患者の全てが他者へ感染させるわけではありません。
肺結核や咽頭結核などの患者で、たんの中に結核菌が含まれている場合のみです。発見が早く、たんの中に結核菌が含まれていないようなら、人に感染させることはありません。
結核菌に感染しても、全ての人が発病するわけではありません。発病する割合は10人に1~2人です。発病の鍵を握るのが免疫力、抵抗力です。昔感染した結核菌が体のどこかに眠っていて、何十年もしてから再活動し、発病することもあります。
免疫力の低下しやすい疾患(糖尿病、悪性腫瘍、透析中、じん肺、免疫抑制剤使用、胃切除、HIV等)の方や、免疫力の弱い高齢者や乳幼児は発病しやすい状態にあります。
結核の初期症状は風邪とよく似ています!
これらの症状が2週間以上続いた場合には、結核を疑い、サージカルマスクを着用の上、受診が必要になります。
(注意)高齢者では呼吸器症状がでないことも!
肺結核を発病すると呼吸器症状を伴いますが、高齢者では全身衰弱、食欲不振、体重減少などの症状が主で、目立った呼吸器症状がないこともしばしば認められます。
結核の専門病院に入院治療が必要です。
周囲に感染させる危険性がないため、外来にて通院治療となります。
標準的な治療では、3、4種類の抗結核薬で治療します。6ヵ月から9ヵ月間、毎日薬を飲み続けることが必要です。薬の飲み忘れ等により、結核菌が薬のきかない薬剤耐性菌になることがあるため、患者さんが薬を確実に飲むことができるよう、保健所が服薬支援を行っています。
結核治療には、感染症法に基づき結核医療費公費負担申請制度があります。
結核の予防には、発病予防と重症化予防、他者への感染予防があります。
結核の発病には、免疫力、抵抗力が関係しています。免疫力の弱い、高齢者や乳幼児だけでなく、若い世代でも過度なダイエットや睡眠不足等によって免疫力が低下し、発病に至るケースもあります。
また糖尿病などの免疫力を低下させる疾患をお持ちの場合、病状が悪化することによって発病する可能性が高まります。
規則正しい生活を行い、他の疾患の病状のコントロールをしっかり行いましょう。
結核を発病しても、定期的に健診を受けていれば重症化する前に早期に発見することができます。年に一度は必ず胸部エックス線検査を受けましょう。
また長く続く咳など気になる症状がある場合、健康診断を待たずに早めに受診しましょう。早期に受診し発見することができれば、他者へ感染させることや、結核の専門病院へ入院することなく、外来治療ができます。
BCGは結核予防のワクチンで、重症の結核(髄膜炎や粟粒結核等)の予防に有効とされています。乳幼児は免疫力が弱く、結核発病した場合、重症化しやすいため、生後1歳までにBCG接種をするようにしましょう。
結核だけでなく、咳やくしゃみ、痰が出る場合には、他者への感染を防ぐために咳エチケット(口と鼻を押さえて咳をする、マスクの着用等)をしましょう。
結核菌は食器や衣類、道具類をとおして感染することはありません。結核菌は日光(紫外線)や加熱に弱い特性があり、居室の十分な換気やリネン類の日光消毒により、感染の心配はなくなります。使用した居室やリネン類について、特別な消毒は必要ありません。
保健所では、医師や保健師、診療放射線技師が結核のご相談に応じておりますので、お気軽にご相談ください。
保健所保健予防課感染症・疾病対策担当
電話番号04-7167-1254
ファクス04-7167-1732
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