ホーム > 計画・取組み > 過去の計画・取り組み > 柏市人口ビジョン及び柏市地方創生総合戦略 > 令和2年度柏市地方創生総合戦略評価委員会 会議録
更新日2022年8月29日
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令和2年12月21日(月曜日)午後2時30分から午後4時
WEB会議
飯塚委員、石橋委員、伊藤委員、小出委員、瀧上委員、中嶋委員、野村委員、宮入委員、山下委員
(1名欠席)
飯田企画部長、稲荷田企画部次長兼経営戦略課長、北村経済産業部理事兼商工振興課長、他10名
飯田企画部長より挨拶。趣旨は以下のとおり。
事務局より、初出席の委員を紹介。
委員長及び副委員長を次のとおり選出。
事務局より、令和元年度評価及び概要について資料1をもとに説明。
事務局より、令和元年度事業概要及び成果等について資料2-1及び資料2-2をもとに説明。趣旨は以下のとおり。
「AI・IoTによる新ビジネスを実現するための新産業創出拠点計画(資料2-1)」
「都市との共生による新たな『農村地域』創出事業(資料2-2)」
(宮入委員長)
新産業創出拠点計画について、勉強会とマッチイングイベントについては、それぞれ開催時期が9月と11月になっている。民間企業を相手にするにはタイミングが遅い気がする。市役所で計画を立てた後実施するには半年くらい経ってしまうのはわかるが、通常は春に種をまいて、刈り取るのが秋ではないか。秋口に開催して手応えはいかがか。
(事務局)
本事業では、事業者の方々の課題の把握、解決策の提示を1年間かけて行うことがメインであった。前半は事業者の課題把握をした。その解決策として、後半に事業者マッチングと勉強会を開催した。
本来であれば、年度初め、あるいは次年度に向けて年度後半に実施するのが通常であるが、今回は19件マッチングということで、それぞれの企業の課題や強みに対応した事業者の引き合わせをしたことから、マッチングの精度が上がったと認識している。
また、勉強会についても、年度内の課題解決ではなく、中長期的な部分で企業の課題をどうしていくかを中心としたもので、企業にとって翌年度以降のデジタルトランスフォーメーションを検討する際の貴重な機会になったと認識している。
(宮入委員長)
本事業の成果の根拠は、19件のマッチングがすべて成立したと仮定して、創出見込額1.6億円とされているが、少し疑義が生じる。19件すべてが成立する確率はどれくらいか。
(事務局)
マッチング後、具体的に繋がっている案件も多いが、最終的な契約成立までは事業者同士の協議のため教えていただけない部分もある。確実に契約締結したのは1件で1,500万円と承知している。その他は引き続き検討調整を進めている。コロナの影響で、今年度から新しい事業をスタートする予定であったものが延期になっており、現在のところ1.6億円すべてが契約成立になっていないことは確認している。
(宮入委員長)
物事を評価する時は、想像や空想の世界では評価できない。仮定では1.6億円だが、実際は1,500万円なので、確率10パーセントを「成果」と言わなければならないのではないか。今後、成果の捉え方について検討をしていただきたい。
(山下副委員長)
柏市は地方創生交付金事業として、手賀沼を核とした水辺のにぎわい事業をやっているが、我孫子市も手賀沼に面しており似たような事業がある。我孫子市との連携や相乗効果を得られるような情報交換などはされているのか。
(事務局)
我孫子市とは、本事業単体でいえばDMO設立などの協議や情報交換はしている。特に水辺の活性化のための拠点である手賀沼フィッシングセンターは市境にあるので、各種事業の後援や情報共有、支援の検討、連携を取っている。
また、我孫子市とは協議会を通じて連携を進めており、我孫子市、本市を含めた手賀沼地域全体として情報収集や発信など民間主導の連携を実施している。
(飯塚委員)
資料2-2には広報PRの強化と書いてあるが、道の駅しょうなんが改装されれば、地方創生に向けた柏市の財産になると思う。弊社ではRecampしょうなんを取り上げて、読者から大変反響があった。柏市には素敵なところがたくさんあり、今後の人口流入にもつながると思う。マイクロツーリズムを含めて、市外にもっとPRしていく予定はあるのか。
(事務局)
手賀沼地域のPRは基本的に柏市民の方、特に柏市周辺を訪れる方をメインターゲット層とする予定である。しかし、市外やインバウンドを検討していないわけではなく、色々な情報媒体を使い、距離の垣根を超え、SNSなど一般の方の力も借りながら、この地域から周囲に滲み出ていくようなPRを行っていきたい。
(宮入委員長)
ここからは、お一人ずつご発言をお願いしたい。総合戦略の目指す姿である「行きたい 住みたい・選ばれ続けるまち・柏市」の実現のためには、すべての項目がきちん繋がっていなければうまくいかない。来年度の総合戦略の評価については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けることが想定される。このため、まちの賑わいを今後どのように維持向上させるかという視点に加え、目標値未達成の評価項目について、どのように達成に向けて取り組むかなどのアイデアをそれぞれご専門の立場からいただきたい。今回はすべての委員に5分程度ご意見をいただきたい。
(飯塚委員)
「行きたい 住みたい・選ばれ続けるまち・柏市」など最終的な地方創生のテーマに繋がるには、流動人口を増やすことが大事で、また実際に住んでいるママ達が「子育て仲間がいない」と回答した件数が多いことは課題だと思う。若い共働き世代が住み続けたいと思うことと、他県の方が柏市に興味を持ってもらえる施策が今後必要だと思っている。手賀沼など観光都市としての柏は認知されていないので、こうした財産を他県の人にPRすることで、流動人口も増えたり、住み続けたいまちになるのではないか。
出生率については、在住市民に向けた施策も必要だが、市外の子育て世代にも柏市が魅力的であることを伝えるとよい。先日市長インタビューで、今後GIGAスクール構想が始まり、市内に学術研究機関もあることから、現在より大容量のインターネット通信ができると伺った。教育に強い柏市を市外に伝えることで、共働きのママやパパが住みたいと思えるまちづくりに繋がると思う。
昨年の同委員会でも質問したが、県外に対するシティプロモーションを実施する課が柏市には今もないと思う。弊社ではリビング柏という媒体も作成しており、他県や他市からは移住促進のPRに関する仕事も請け負っている。東葛エリアの他市でも移住促進事業は強化している。柏市は魅力的なところが多いので、いずれかの課が、柏市のことを県下に伝えることで、現在より活性化し、子育て世代がずっと住み続けるまちに育っていくのではないか。
(石橋委員)
評価項目12の「子育て仲間がいないと回答した割合」に関して、ICTが発展する中で、市役所に来なくてもWEBで相談に応じることも検討されてはどうか。
(事務局)
現在提示している資料は令和元年度の事業に対する評価であるが、ご指摘のICTの活用に関連することとして、現在のコロナ禍の情勢を受け「子育ての閉塞感を感じる親が多い」という大きな問題意識を担当部が持っている。子育て世代の疲弊が顕著になっていることを問題として、現在対応策を検討している最中であり、今後の取組の中で、ICTを活用した相談体制も検討していくと聞いている。実態に合った取組について、様々な課を交えて必要な施策を検討したい。
(石橋委員)
評価項目17と20は密接に関連すると思っている。耕作放棄地の解消は、新規就農者への対応を含め、どのように行うのかセットで考える必要がある。以前柏市では、ブルーベリーのブランド化を政策的に誘導した時期もあるが、柏市ブランドの育成も含めて総合的に取り組む必要がある。新規就農者の関係も、里親支援など制度としては整っているが、新規就農者同士の交流や情報交換の場を設けることで、問題への対応、苦労話、やりがいなど、積極的に外部に情報発信していくことで、これから就農を考える人への情報提供にもつながると思う。
(伊藤委員)
評価項目2の「市内主要観光エリア流動人口」について。そごう柏店の跡地利用がいまだ見えてこない。我々が普段接している中小企業の皆様との話では、跡地が活性化したり、新しい商業施設としての活用が見えないと東口はどんどん廃れていってしまうと常々話題に挙がる。民間の私有地で行政が立ち入るのは難しいかもしれないが、ここまで長引いているので、なんとか手を打つ必要があるのではないか。
幸い、柏市には様々なプロスポーツチームがあり、ポテンシャルはかなり高いので、もっとアピールするとよい。例えば、商店街にのぼり旗や看板を立てたり、市内にラッピングバスを走らせれば、ファンがリツイート、インスタグラムに挙げるなどして、近隣や県外からもファンが来る可能性もある。色々なツールを使うことが大切で、アイデア勝負である。事業者と行政が一体となって地域活性化のためにツールを活用することが一案である。
今回の評価時点では、セブンパークアリオ柏ができておらず、また新型コロナウイルスの影響が反映されていないが、実態としては、商業施設が歯抜けで、撤退も出てきている。それを踏まえた新しい施策が必要だ。
評価項目18の誘致企業数の関係では、大手の物流企業や近隣事業者が広い土地を探しているが、空いている土地を探すのが一苦労と聞く。企業を市に連れて来るための税優遇はあっても、立地場所がないので、経済産業部等で一元的に土地を斡旋できれば、我々もアプローチしやすく、企業の方も探しやすいと思う。
資料2-1地方創生推進交付事業のインキュベーションマネージャーの企業訪問に関して、銀行でもお客様同士のビジネスマッチングに力を入れている中、本事業で具体的にどんな案件、どういった事例があるか具体的にお示しいただくと、我々もお役に立てることがあるかもしれない。インキュベーションマネジャーへ金融機関からのアプローチはできないものなのか。話し合いができれば、我々の持っている情報とうまくマッチングできるかもしれない。具体的事例を交えてお示しいただけるとありがたい。
(小出委員)
柏市は魅力的な市で、結果もある程度出ている。総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、全国で転入超過が多い20都市のうち、流山市が8位、柏市が9位となっており、特に0~14歳の転入者は柏市が全国3位となっている。新聞にも掲載されたことだが、アピールの中に加えていただけると分かりやすい。色々な施設があり、非常に魅力的なまちなので、もっとアピールして、人口を増やしていくとよい。
(瀧上委員)
評価項目2について質問する。昨今はニューノーマルにおける諸々の対策が必要とされているが、柏市の観光戦略を伺いたい。
(事務局)
ご指摘の点については積極的に取組を進めてきた。柏駅前中心市街地の賑わいづくりに向け、ラグビーワールドカップや東京オリンピックで国内外から多くの方が訪れることを想定し、海外向けに飲食店の指先確認マップの作成や日本語が話せない方のためのメニュー作成に対応した。コロナ禍の中で、新しい生活様式に対応したビジネスの創出として、チャレンジ支援資金を活用し36の事業を展開している。社会情勢や人の流れに対応した形で、新しい人の流れをつくることに引き続き取り組みたいと考えている。
(瀧上委員)
千葉県の東葛、葛南エリアについては、一都三県の中で唯一マンションや住宅の販売が増えており、定住人口が徐々に増えつつある。いかに千葉県エリアに定住人口を根付かせるか、観光戦略とあわせて進めていく必要がある。特に定住の要素上位に、教育の充実が挙げられているので、政策として沿うとより素晴らしいまちになる。
柏の強みはスポーツにあると思っている。第87回皇后杯全日本バスケットボール選手権大会で優勝した女子バスケットボールJX-ENEOSサンフラワーズ、Jリーグの柏レイソル、ラグビートップリーグのNECレッドロケッツとのホームタウン契約などをうまく活かし地域活性していくとよい。
手賀沼をベースとした自然豊かな地域もある。昨今は空前のアウトドアブームで市場規模5千億円と言われている。柏にはアルペンアウトドアーズフラッグシップストアがある他、柏の葉T-SITEには国内テントメーカーOgawaやA&F COUNTRYが集中している。キャンプブームがあるかは分からないが、こういったものを活用しながら、柏市内を回遊し、手賀沼で体験できるようになると、モノ消費よりコト消費に志向が移っている昨今において、より誘客が見込めると考える。
(中嶋委員)
指標を見たファーストインプレッションで、まず驚いたのは、色々な項目がバランスよくできているということ。県内や首都圏、郡部において転入超過でなく過疎化が進んでいる地域では、どれかが立つとどれか立たない傾向が強い。柏市は、交通網や観光資源など色々なことができているという感覚。
我々は金融機関なので、企業誘致はしっかりやっていかなければならないと思う。戦後ベッドタウンだけで栄えたところは20年経つと子どもがいなくなり、高齢化したまちになっている。産業を興し続けていかなければならないが、バランス良くできているのが柏だと思う。
(野村委員)
評価項目2について、コロナ禍では感染防止がとても大事だが、一方で、なかなか外出できない状況において非日常を体験したい方、新しい体験を求める方は多いと思う。
感染拡大防止をしつつ、どうやって遠くから人を呼び込むか。例えば、JR東日本と連携し、熱海からグリーン車を使い、3密を回避しつつ遠方から人を運ぶこともできる。グリーン券(千円程度)は何かしらの形でキャッシュバックし、柏駅周辺の飲食店を利用してもらうことで経済効果も考えられる。グリーン車を3密回避の手段として、活用の検討をしてみてはどうか。また、単にキャッシュバックするのではなく、柏インフォメーションセンターと連携して、訪れた人から良いところやダメなところなどのデータを取れる仕組みがあるとよい。熱海はシティプロモーションに力を入れているので、連携することでノウハウを得られる。柏にもシティプロモーションができる専門の人がいると望ましい。柏には手賀沼があり、海沿いにはない魅力がある。キャンプ、グランピング、柏セントラルから手賀沼までキャンピングカーや二階建てバスなどの移動手段を用いると、非日常を体験できると思う。
農政課に関わることであるが、柏発の新しい農作物がどんどん出てくると良い。チャレンジの意味で、さまざまな助成金をインセンティブにして活性化を図るとよいのではないか。新しい農産物や手賀沼モデルをつくり、より活性化していくことで相乗効果が得られると思う。
(山下副委員長)
基本目標1「柏市への新しい人の流れをつくる」について、相対的には順調だと思う。評価項目の2と7は、そごう柏店の跡地利用の問題が影響していると思う。閉店から既に4年以上経過しており、柏市を訪れる人を残念な気持ちにさせているのではないか。こうしたイメージは数値に表れにくいが、様々な面で影響を与えるように思えるので、できるだけ早期に計画の具体化が必要だ。柏駅周辺は市の顔なので、市として積極的に関与する必要がある。後ほど、そごう柏店の跡地利用計画が具体的にどうなっているかお話できる範囲で聞かせていただきたい。
基本目標2「柏市の若い世代の出産・子育ての希望をかなえる」について、いくつか達成されていない項目もあるが、相対的には順調に推移していると思う。評価項目14の「認可保育園等の入園保留者数」については、市の人員体制に余裕がないことも考えられる。他自治体ではAIを活用した支援システムも導入されているので検討してはどうか。
基本目標3「柏市の産業を活性化し安定した雇用を創出する」について、いずれの評価項目も行政と事業者には多大な労力と時間、また高い能力が必要であることから、未達成の項目が多いが、引き続き粘り強く継続していく必要がある。評価項目21の農商工連携については、高い技術や企画力、一定規模の生産ロットが必要で、個人の農家にはやや荷が重いため、農協や農業生産法人をパートナーとして連携促進を図ってはどうか。
基本目標4「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する」について、令和元年度の数値が示されていない項目が多いので評価しにくいが、特段大きな課題はないと思う。ただ、評価項目23の「交通事故発生件数」は様々な要素が影響しているので、柏市単独の施策ではどうにもならない部分だと思う。近年の事故の特徴として、高齢者の夜間歩行中の事故や高齢ドライバーの運転ミスによる事故があるので、こういったものに対応できるよう、地道に取り組んでいくしかない。
また、先程のシティプロモーションについて、柏市には専門の部署ないという話だったが、専門部署がある自治体では、マスコミや民間の専門知識を持った人を管理職として採用しているので参考にしていただければよい。
農政課の交付金事業について、我孫子市も手賀沼の水辺を活かした交付金事業をしているので、相乗効果が得られそうな部分は連携するとよい。
(宮入委員長)
ただ今ご質問のあったとおり、そごう柏の跡地利用についてどの程度検討されているのか。
(事務局)
そごう柏の跡地利用については、優先交渉権者である三井不動産と市役所の関係部署である都市部、経済産業部で常に情報共有している。三井不動産からの情報提供もいただいている。交渉は継続中で、商業施設等まちの賑わいを演出するような施設の検討をお願いしている。
(宮入委員長)
いつぐらいに、どんなふうになるかは現在も検討中ということか。
(事務局)
そうである。
(宮入委員長)
今回一番問題とされていたところなので、ぜひ速やかに対応をお願いしたい。短い時間だったが、委員の皆さんからご意見いただいたことは、各担当課にフィードバックいただきたい。
私からは一点だけ申し上げる。基本目標1から4は総合計画に紐づけて策定されたものだが、未達成の多い基本目標については、来年度から新しくなる総合戦略においては積み残しになってしまうので、指標の設定の仕方も含め、今一度吟味いただきたい。それぞれの評価項目が独立しているわけではないので、関連付けて相乗効果を考える必要がある。例えば、インバウンドや県域を越えた事業を拡大するのは非常に難しくなっているので、基本目標1と2を結びつけるなど、しっかりと庁内で議論を活発化させていただきたい。
事務局より、資料3について説明。趣旨は以下のとおり。
令和元年度に実施した「AI・IoTによる新ビジネスを実現するための新産業創出拠点計画」及び「都市との共生による新たな『農村地域』創出事業」について、出席全委員より「総合戦略のKPI達成に有効であった」と評価を得た。
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