更新日令和7(2025)年9月16日

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令和7年度第1回柏市在宅医療・介護多職種連携協議会会議録

1開催日時

令和7年7月3日(木曜日)午後7時から午後9時まで

2開催場所

柏地域医療連携センター(Webと参集のハイブリッド形式)

3出席者

(1)委員

松倉座長、古賀委員、石橋委員、寺田委員、藤田委員、齊藤委員、大塚委員、ワーファ委員、佐野委員、土谷委員、狩野委員、小林委員、堀田委員、西田委員、志村委員、中村委員、土橋委員、横尾委員、柴田委員、宇佐見委員、笠原委員、中川委員、青柳委員、飯島委員、荒木委員

(欠席)金江委員、日笠委員、辻委員、高林委員

(2)行政

高橋健康医療部長、宗得健康政策課長、島澤高齢者支援課長、小出地域包括支援課長、鞍橋救急課長

(3)事務局(地域医療推進課)
岡村次長兼課長、熊井専門監、林専門監、飯塚副主幹、井上主査、野﨑主任、吉田主事、山本主事、山田主事

4議事等

  • 柏モデルガイドブック改訂の検討状況について
  • 令和6年度版柏市死亡小票分析について
  • 令和7年度生活満足度調査について
  • 報告
  • 総括

5配布資料

6議事 要旨

(1)柏モデルガイドブック改訂の検討状況について

事務局

資料1に沿って説明

古賀委員

柏市医師会の古賀です。「柏モデルが何か」というと、「柏のような東京のベッドタウンにおいて地域包括ケアシステムをどう作っていくのか」がまさに柏モデルであり、全国に先駆けてこの連携体制を作り、高齢者が疾患を持っていても、午前中のフレイル会議では、元気なかたが健康寿命をどれだけ伸ばすかという議論がされていたが、その方々が、その疾患を経て、認知症や色々な別疾患を持たれたときに、「それでも柏というこの住み慣れた地域で住み続けていたい」という思いを叶えることを目的としたシステムでありモデルです。前回の連携協議会でも話題になったとおり、改訂の方向性として、大幅な改訂、つまりすべてを作り直す可能性もあるということでお話しをしております。また、2040年を見据えた具体的内容として、ますます高齢者や要介護高齢者が増えていく中、今後は介護者も高齢化しまた減少していくことから、どのような連携をしたらよいのかという点を踏まえた内容に改訂する必要があると考えています。そして何より、使ってもらえる柏モデルガイドブックであることを目標として改訂を行いたいと思っています。これからの改訂の進め方として大事なことは2つありますが、前提として、この地域包括ケアシステムである柏モデルをもっともっと広げていくことが必要です。具体的な1つ目は、先程も言ったように介護者が減少し、また施設や訪問介護などの従事者が少なくなっているという問題について、どのように効率的にしっかりと柏モデルを継続していくかということが重要な視点であると思っています。2つ目は、この柏モデルを次世代にどのように繋いていくかという点です。前回の連携協議会でも話題になりましたけれども、どのように繋いでいくのかという考えを通じ、現在実際に動いておられるかたに知ってもらう必要があると考えています。この2つを目標として改訂作業を進めていきたいと思います。その中でスライド5の「今後の進め方」に記載のとおり、今回はワーキングを4回実施することにしています。ワーキング1から4までのすべてに在宅医、訪問看護、ケアマネジャーのかたに参加してもらうとともに、今まで柏モデルに直接関与が少なかった病院関係者にも参加していただき、施設関係者を含め、柏モデルをどう広めるのかまた知ってもらうかということを話し合っていきたいと思っています。また、施設の連携ルールは今までありませんでした。それを話し合う機会にしたいとも思っています。次に、もともとは柏モデルというものは、かかりつけ医が在宅医療を提供するシステムでしたが、今、在宅医療を専門でする先生方が増えていく中、かかりつけ医の先生方と地域包括に携わるかたとの間で少し認識や意識の差が生まれているという状況が起こっています。よって、それらの方々に参加いただきワーキングを実施することで、先程言ったように柏モデルをもう一度皆さんに知ってもらい広めていくという目的で、多職種かつたくさんのかたに来ていただきワーキングを実施します。ワーキングは、一番多くのかたが参加できる会議である「顔の見える関係会議」と「圏域会議」を利用することで、多職種のかたから知ってもらい見てもらいつつ、実際に考えてもらうという機会を作りたいと思っています。スライド6に記載のスケジュールのとおり、2025年に向けて作ってきた柏モデルではありますが、これまで以上に多職種で連携をしてくことが今後必要だと思っています。現在、行政とも実際に施設を回らせていただいており、新たな施設や、新たな在宅と施設を結ぶような役割を担われている小多機さん看多機さんなども含め、次の柏モデルにぜひ入っていただきたいというお話しをしております。このような形で、新しい柏モデルガイドブックを作っていく予定としています。スライド7以降についてです。先程お話ししたところですが、令和7年7月24日19時から、柏地域医療連携センターにて病院・施設編のワーキングを予定しています。参加者は97名程度を予定し、先生を含めた病院職員のかた、ソーシャルワーカーのかた、退院調整等をしている看護師のかた、各病院最大3名とさせていただき、市内16病院に案内をしています。また、施設については、看多機、小多機、特養、老健、グループホームの方々に案内をしており、特定施設や有料老人ホームの方々、特に最近増えている在宅ホスピス型の有料老人ホームの方々にも案内をしているところです。このような方々との連携は今後とても大事になってくると思いますので、引き続きお声掛けし、病院と施設の連携の場としようと思っています。スライド8です。今後医師会においても、かかりつけ医の先生方との連携をどんどん進めていく必要があります。もちろん今までも連携は進めてきておりますが、特に、かかりつけ医の先生と在宅医の連携を進めていく必要があると考えています。そして、かかりつけ医の先生にもこの柏モデルを改めて知っていただき見ていただくため、かかりつけ医と地域包括の連携ワーキングを9月4日に行う予定です。最後にスライド9番です。先程も言ったとおり、今の柏モデルを多職種かつ実際に現場で動いている方々にもっと知ってもらう必要があります。今、この柏モデルを作ってこられた世代の皆さんが、各職場で管理者側の立場になられ、若い世代に引き継ぐことが難しくなってきています。それをしっかりと繋ぎ、引き継いでもらうためにも、この11月頃に実施する多職種ワーキングにて、グループワークを通じてルールについて検討してもらいたいと思いますし、最後にすべての職種が集まった上で、令和8年1月27日に、最終的なガイドブックの見直し作業を行いたいと思います。これらを経た後、コア会議にて、実際のガイドブックの中身を決定していくという予定にしています。

松倉座長

古賀委員ありがとうございます。前半の事務局からの説明の中でこれまでの経緯が説明されましたけれども、この頃は、かなりの熱量を持って、たくさんの方々が参加してくださっていました。例えば「平野モデル」というのは平野先生にたくさんの多職種のかたを集めていただき、また東大の飯島委員にも、いつも遅い時間まで参加いただいていました。それこそ「フェイスシートとは何ぞや」というところから始めて、カナミック社にも加わっていただき一緒に議論を重ねてきました。病院、医師会の各在宅の先生、診療所の先生や多職種の方々で話し合って作り、多職種連携については「こういうルールでいきましょう」としましたが、正直、病院側で利用できていなかったり、また、古賀委員や織田委員から「この10年、15年の間で様々な変化が起きている」というような話もあったことから、その点を踏まえ、しっかり見直しを行い連携していくという4つの取組は非常によく考えられていると思っています。古賀委員が中心となり、今回ガイドブック改訂にあたる委員会として、コア会議と複数回の全体ワーキングを行いますが、古賀委員が各作業の座長になってくださり、精力的に色々な施設とも面談をしているということで、よく飯島委員が仰られる「オール柏」で、みんなでしっかり体制を整えていこうということを考えてくださっているということですね。まずこの点について、ぜひ各職能団体の皆様から代表してご意見を賜りたいと思います。古賀委員は今お話ししていただいたばかりですが、医師会としていかがでしょうか。

古賀委員

ありがとうございます。今たくさん話してしまったので何を言っていいのかという思いもありますが、やはり前回の協議会でも話題になったとおり、柏モデルは本当に大切なものです。「今後柏がどういう街であるべきか」についてみんなで考えていく中で、今までの柏モデルは素晴らしく、柏モデルを通じて、在宅医療や介護に携われている方々、そして支えてくださる行政との「顔の見える関係」をしっかりと構築できてきたと思っています。ただ、それをもう少し周りに広げていきたい。市民のかただったり、社協のかただったり、今回色々なところにお邪魔するようにしていますが、そういうところにも広めていき、みんなと連携していくことがこれから必要であると思っています。ふる協のかたや地域の民生委員のかたなどそのような方々にも知ってもらえるように、たくさんの会議をしていきたいなと思っています。一方で、あまり多くのかたが入ってしまうと、会議の運営や難しい問題もたくさんあると思います。ただ、やはり「オール柏」でやっていけるような柏モデルを作っていきたいと思っていますので、皆さんのご協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

松倉座長

ありがとうございます。続きまして、柏歯科医師会会長の寺田委員からご意見をいただきます。よろしくお願いします。

寺田委員

ありがとうございます。ガイドブック改訂について、歯科医師会としては申し訳ないのですが、現行の対応システムが変わることはないので、歯科衛生士に対して連絡をいただいてという形になるわけですが、とにかくずっと言っているとおり、やはり在宅訪問医を増やすということがまず第1で、古賀委員の仰るように市民に知ってもらうことが必要ではあるものの、お恥ずかしながらの歯科医師会の中にも訪問診療をしていないメンバーがいますので、そこにもまず周知をしていかなければいけないと思っています。来年度も引き続き飯島委員にご講演いただければと思っておりますし、今年度からは2年間にわたり計6回、摂食機能療法の研修会を定期的に行う予定であり、6回全部受けることを進めることで、在宅訪問医を増やしていこうと考えております。加えて研修会の中でも周知をしていくことを、まずは目指してやっていこうと思っております。以上です。

松倉座長

ありがとうございます。15年前に柏モデルを話し始めたときに、実は歯科医師会は先んじて、おそらく最も古くから柏にて在宅のことに取り組んでおられた歴史ある会でいらっしゃるので、我々も歯科医師会の先生方に色々教わりながら柏モデルを作り上げてきたところもあります。ぜひ、一緒にやってくださるとありがたいと思います。よろしくお願いします。続いて齊藤委員よろしくお願いします。

齊藤委員

柏モデルの内容について、これからの取組のところについては、極力協力させていただきたいと考えておりますし、これまでとおり、またこれから先も協力していくところではあります。薬剤師会というよりも個人的なところになってしまうかもしれませんが、やはり15年前とは違って、柏市以外のところから多くのかたが、ドクター、薬局、施設等にいらっしゃいます。クリニックも数が増え、なかなか医師会や薬剤師会に入っていないところが多くなってきており、そういう方々にどのようにわかってもらえるか、そしてまた、1つになってやっていくことが必要なんだということを、最近すごく強く感じています。せっかく柏モデルで作り上げてきたものがあるので、それを他から来た方々にも理解していただいて、一緒に協力して柏のためにやっていくというところを、特に作っていただけるように期待するとともに、その必要性を強く感じています。

松倉座長

ありがとうございます。大変貴重なご意見で、医師会の中でも同じような話がやはり出ていて、医師会に入らない在宅のグループがあり、そういう方々に対して攻撃的な発言をする先生もいらっしゃいますが、やはり古賀委員が仰っていたとおり、そういう方々にこそ入ってもらい、一緒にこのルールを元に患者さんを診ていこうということがとても大事なことかなと思いますので、そのためのルール構築だというのがよくわかりました。ぜひ、そこは三師会含めて一緒にやっていきたいと思います。ありがとうございます。続いて、訪問看護ステーション連絡会会長のワーファ委員からご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

ワーファ委員

訪問看護ステーション連絡会としましては、先程「オール柏」と言ってくださったように、やはり訪問看護という職種から、障害者や障害児と関わることも多いですし、精神疾患の方々の支援に関わることも多いので、今後それらの連携を盛り込んで「オール柏」でいけたらすごく嬉しいなと思います。また柏モデルに関しましては、ずっと連絡会として、病院看護師と在宅側の看護師のシームレスな連携を目指して取組を続けてきましたので、今後ルールの中でも、看看連携、看護の継続というところをしっかりと考えていけるといいなというのが1つと、退院先の選定につきまして、現在は各患者の状況から在宅にいることが難しい人が増えてきています。ですので退院時に施設に行かざるを得ないことが増えていることはいるんですが、その選定をする時に、「在宅ではもう無理だね」と判断され、施設を選定されるケースも多く、そこから自宅に戻ってきた人や、施設で「こんなはずじゃなかった」と思っているかたのところに訪問に行くことがあります。連携部門の方々と在宅側がしっかりルールを作り連携をしていくことで、可能な限り自宅に帰れる形を目指していけるのかなと思っております。また、どうしても施設入所が必要なかたとして、そのかたの幸せのために入所が必要なケースが増えてきているのも事実で、施設への訪問看護も増えておりますので、施設側の看護師や職員のかたとの連携についても今度会議に盛り込んでいただいているところですが、ますます充実させていくことがすごく良いのではないかと思っております。
 

松倉座長

ありがとうございます。高齢者だけでなく障害児や精神科のかたにも広げていくというのは国の指針でもあります。今後、柏モデルにおいても高齢者だけではなく、こういった方々に対してもきっちり対応できるように、地域包括や多職種の中で議論を進めていかなければいけないということは1つの提言でもあったかと思いますし、死亡小票の話が後で出てきますが、死亡小票を見ると、病院での死亡と看取りが減っており、一見割合自体が減っているように見えますが、どちらかというと施設の割合が増えているというのが現状のようですから、病院への理解だったり、施設での管理の仕方も含めてしっかり共有できれば良いのではないかと思います。
 

狩野委員

柏市介護支援専門員協議会としましては、今後2040年を見据えた際に、防災や災害対策はもちろん、8050問題やヤングケアラーなど複雑化、複合化したケースに対して、重層的であったり横断的な支援が不可欠となっている現状がございます。これまで以上に、連携する関係者が以前よりも増えている印象がありますので、ケアマネジャーについては1人で抱え込まないこと、そしてケアマネジャー同士の同職種間、さらには多職種間で相談できる連携体制を強化していく必要があると考えています。そして今、介護離職等も増えているので、離職を防ぐことがこれからも重要と考えています。利用者につきましては、柏市の地域の実情に応じて、住み慣れた地域でどのように包括的に支えていくかということが引き続きの課題ではありますけれども、私たちケアマネジャーは、それらの課題をただ横並びにしているわけではありませんので、様々な課題をしっかり結びつけて、引き続き利用者の尊厳の保持であったり自立支援を図りながら、また本人と家族の意向に沿いながらどのように多職種と連携していくのかというところを常日頃考えているところです。ただ、どうしても連携時の齟齬といったところが生じる可能性がありまして、それはケアマネジメントの質の問題でもあると思いますし、あるいは連携の仕組みであったりルールの問題であったり様々な理由がありますが、そこについては引き続き柏市介護支援専門員協議会としても、質の担保や情報の周知、同職種間の連携を図り対応していきたいと考えております。そして今回柏モデルの5年ぶりの刷新に伴いまして、利用者が安心して生活を継続できるように、今後も資料にありますとおりワーキンググループ等を通じ多職種で協議していきたいと思っております。最後にガイドブックの内容につきまして、ケアマネジャーとしては現場で困ったときが一番情報を欲するタイミングになりますので、率先して開けて、かつ欲しい情報が検索し易い、そして持ち運びし易いコンパクトなものであり、さらには難しいとは思いますが内容が充実しているものであって欲しいと思います。今は2次元コードも増えておりますので、そういうものも駆使しながら充実したものになると、多職種でもしっかり共有できるのかなと思っております。

松倉座長

ありがとうございます。ケアマネジャーのかたは各患者の家庭環境から経済的な問題まで、深いところまで入ってくださって見ておられますが、そこに8050問題や災害時のプランを立てるなど、色々なことが生じている一方で、我々の印象ではありますが、ケアマネジャーのかたはどんどん新陳代謝というか新しい人が入られており、先程仰っていた「質の担保」をどのように行うのか、経験豊富なかたからそうではない新人のかたまでどのように共有をしていくのかという点は大変だと思います。まさに柏市介護支援専門員協議会の中で、ぜひ、しっかりと作られた柏モデルのルールを共有していただければありがたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

堀田委員

今、松倉座長が仰ってくださったように、次世代にこそ繋いでいくという点と、新しい人が入ってきて質の担保をどうしていくのかという点は、正直我々もかなり課題でして、そういったところはこちらも調整していかなければならない問題と考えています。やはり多職種連携のシステムやルールをどの程度現場に実践的な形で反映できるのかというのが、この改訂の鍵かなと思いますので、その点で言えば、部会のようなワーキングは非常に有用なものになるのではないかと思います。これからも活かしていきたいと考えています。1点、使ってもらえるガイドブックというところで、誰を対象にという点については、多職種のかたという形になってくると思いますが、最終的に誰のためにという点では、その中心に患者さんやご家族というクライアントがいてこそ成り立つものと思います。そこを前提にしてワーキングに臨んでいただきたいと考えています。余談になりますが、今日、ワーキングの事前メールでアンケートをいただいており、「柏モデルガイドブックの下記のページを活用したことがありますか」という項目があったのですが、おそらく「退院前」しか選択できないようになっていました。複数選択ができるようにした方が有用かと思うので、この場をお借りし少しご検討いただければと思い発言させていただきました。

松倉座長

ありがとうございます。柏モデルにおいて、せっかく多職種連携をしていても、「病院側がわかってない」という言い方をされることがあります。実はソーシャルワーカーのかたは一番よくわかってらっしゃって、病院の医者や看護師がよくわかってないことがあり、その狭間で一番苦しんでおられたり、それを一生懸命コーディネートしなおかつ、ご家族や患者さんにその流れを作っていくという、本当にソーシャルワーカーの方々のご苦労はよくわかります。最後に仰った「誰のために」という点が本当に一番大事なところだと思います。病院の中で医師、看護師は、患者さんのために仕事をしていますが、その後患者さんが家に帰るとか施設に入る際など、退院後のことを一番考えてらっしゃるのはソーシャルワーカーの皆さんだと思います。だからそこをしっかりルールを作ってやっていければと思います。アンケートについてのご意見もありがとうございます。続きまして、西田委員よろしくお願いします。

西田委員

リハビリ専門職としましては、「リハビリは機能改善ですよね、何かを良くするためですよね」と思われがちです。もちろんそうですが、退院時支援となりますと、せっかく病院で高めていただいた機能が、ご自宅に戻られた際に環境が変わることによって、今まで高めてきた、できていたことができなくなってしまうという、いわゆる「生活混乱期」のような時期と思っていますが、そのような時期が落ち着いてから施設へ入ってもらいましょうというケースが多かったりもします。しかし、生活を少し安定させてちょっと落ち着いて休んでから・・・と言っている間に、いわゆるフレイルになっていたりすることもあるので、生活訓練期というような時期であったり、あるいはターミナル・終末期の時期であったとしても、いかに楽な生活を送れるかという部分についてお手伝いができると思います。そのような時期やタイミングでもしっかりと対応していけるようにしていけたらと考えております。また日常生活においては、リハビリ専門職と介護職のかたの連携はとても大事だと言われていますので、介護職の方々が現場でしっかりと活用できるような、離職に繋がったり体を壊すということがないようなことも踏まえ、介護職の方々にとっても楽であり、移乗動作や仕事のやり方でというところも一緒に考えていけるようにできると良いかなと考えております。また日常生活動作活動(ADL)という言葉は、皆さんが一様に使っているものではありますが、ちょっとした解釈が違っていたり、最大の能力を見ているのかそれとも誰かの補助を受ける前提の最大値をみているのかなど、言葉の解釈を正確に伝えきれていないということもあるので、ガイドブックを使いながら言葉の整合性についても齟齬がないようにできると良いと考えております。以上です。
 

松倉座長

ありがとうございます。西田委員が以前会長をされていた頃、患者が病院にきて、シームレスな退院のために一生懸命リハビリをした後、自宅へ帰ったとしても1段能力が落ちるということがないようにということに非常に熱を入れておられ、病院のリハビリスタッフにも講義や指導に来ていただいたことを思い出します。一旦病院を離れ、在宅に戻っても状態を落とさずキープし、その後終末期に繋ぐこと、自宅での生活をしっかり、ゆっくり楽しむということは大切なご意見と思います。ADLを、最も中心で考えておられる職種だと思いますので、ぜひ今後もよろしくお願いしたいと思います。続きまして、柏市介護サービス事業者協議会から施設関係について、まさに最近亡くなるかたも増えかつ退院後受入れも増えている現状がありますので、横尾委員からご意見賜りたいと思います。
 

横尾委員

まず、1点気になっているのが情報共有です。このことについて、カシワニネットという素晴らしいツールがありますが、意外と活用されていないというお話しをよく聞きます。例えば、どうしても情報共有というと、医療に比重を置くかたが多いと思います。お医者さんの中でも、カシワニネットを積極的に活用されるお医者さんと、意外と活用されないお医者さんがおられ、現場からは、「該当する医療が必要なかたなので、先生からカシワニネットを通じて情報を発信してくださらないと難しい」という話や、介護現場からは先生に対して発言しづらいという意見も聞きます。やはり活用するかたしないかた、現場もそうですが、極端に言うとカシワニネットに繋いでいない事業所もあるということで、カシワニネットは必要なのか必要でないのかわからないという意見も耳にします。この点については再度、「なぜ活用しないのか」というアンケートを取っていただくと、もっとカシワニネットの周知と活用促進のヒントが得られるのではないかと思っております。その他何点かありますが、宇佐見委員が参加されており、少し意見があるようなので、お話しさせていただいてよろしいでしょうか。

松倉座長

どうぞ。

宇佐見委員

横尾委員からもありましたとおり、私たち施設側でも医療と介護が連携できるようにカシワニネットや色々な情報共有ツールを使い、今までより情報共有ができるようになってきたとすごく実感しています。また、現場での救急隊とのやり取りや、病院のサマリーの書き方、情報提供書の読み方など、以前に比べればすごく良くなってきたと思います。しかし、やはり現場レベルでいくと、まだまだ情報共有が出来ていない、また柏モデルのガイドブック自体が、施設であまり活用できていないのではないかと感じております。これからガイドブックの改訂があるということで、もちろん協力していきたいと思っています。現在のガイドブックにも、イラスト、フローチャートやチェックリストが使われていますが、もっとわかりやすく、視覚的に見やすいものにしていただいて、どんなに現場で慌てていても、視覚的に分かりやすくすることで、一層活用されるものになるのではと思っております。先程も少し話が出ていましたが、今はQRコードも使えるようになっているので、皆さんがお持ちの携帯電話やスマートフォンで、QRコードを読み取るだけで情報共有ができるとか、動画で仕組みをすぐに見れるようにするなど、情報の伝え方に工夫をすることで、現場全体で理解を深めることができるのではないかと思っています。しかし、やはり結果的に言うと、柏モデルを通じて、介護と医療の連携は本当にできるようになっていることをすごく感じております。以上です。

松倉座長

ありがとうございます。横尾委員が仰った「カシワニネットがあまり使われてない」ということに関して、実は医師会の中では、施設側の経営形態も多様になってきていることから独自で取組をされているケースもあるのではないか、また近年色々なシステムが開発されているため、すでにそれらを導入されているのではないかという話題があがっており、もうカシワニネットが入り込む余地はなかなかないのではとも話しています。一方で、逆に施設のかたからのご意見で、現場の医師が使っていないのではないかというお話しもあり、そういった考え方もあるのかと知りました。今一度、医師会の中で考えなければいけないことですし、カシワニネットはもちろん大切に使っていきますが、同時に他のシステムを含めて、どのように進めることが良いのかという点についてぜひ一緒に考えていけたらと思います。宇佐見委員からのご意見について、視覚的にわかりやすいものやQRコードの活用というご提案もありましたので、この点も盛り込み考えてまいりたいと思います。ありがとうございます。続いて、認定栄養ケア・ステーション柏市連絡協議会の中村委員からご意見をいただきたいと思います。

中村委員

認定栄養ケア・ステーション柏市連絡協議会の中村と申します。いつもお世話になっております。柏モデルガイドブックは最初に作られたときから見させていただいているんですが、やはり栄養と食事に関する事項が少なく、地域包括支援センターなどからお仕事をいただく際や医療系の先生からご連絡いただく際に、食欲がなくなったなど食事の問題点があるということをお伺いすることがあります。このガイドブックは市民のかたが見る機会もあるので、どこにそのような栄養、食事に関するお話しを聞いたらいいのかがわかるようなページを増やしていただけたらと思います。「管理栄養士がどこにいるのかわからず顔が見えない」とどこに行っても言われますし、なかなか私たちに繋がる道が見つからないということをよく聞きますので、そこの部分を足していただいたり、症状が重くなってから私たちに繋がるのではなく、介護予防の有無の段階において繋がれるような紹介ページがあると良いのではと思います。その他にも、例えば、若年性認知症を患っている奥様の旦那さんが、介護離職をされたものの、今まで食事も作ったことないので栄養士と繋がりたいという話を地域包括支援センターから伺った際に、どこに連絡したらいいのかわからず結局繋がらなかったという話や、大きな病院に通っていて在宅訪問の先生に繋がっていない患者さんが、ご自宅でどのように食事を摂っていいのかわからない場合に、私たちに繋がる道がないとよく言われます。そういうルートを見つけていただけるようなページを、市民のかたもわかるようなところに掲載していただけたらなと思っております。よろしくお願いします。

松倉座長

ありがとうございます。柏モデルは最初の頃から、「口から物を摂れる」ということについて、柏歯科医師会を中心に認定栄養ケア・ステーション連絡協議会も含めて非常に重要視してきてはいますが、当時は「在宅に栄養士さんがいるんだ」ということ自体、病院の医者から見ると驚きでもありました。いかにして栄養士さんがそこにいることを知ること、伝えることや、ルールを作るというだけではなく、繋がっていくのかということを考えていかなければいけないので、ぜひ一緒になって考えていただければありがたいと思います。続いて、職能団体では最後になります。地域包括支援センターの笠原委員からお願いしたいと思います。

笠原委員

地域包括支援センターで言いますと、介護や医療の体制が十分整っていない中で、連携を図ることが多いという現状があります。特に入退院のタイミングという変化が多いときに対応することが求められたりするのですけれども、今年度、顔の見える関係会議で「4場面ごとのルール」をテーマとして開催されるということなので、実際に第一線で活躍されている多職種の皆さんから、求められている生の意見・声をうまく集約していただき、より一層使いやすくわかりやすいガイドブックができることを期待したいと思っております。よろしくお願いいたします。

松倉座長

ありがとうございます。病院の患者さんや地域の患者さんについては、ケアマネジャー、ソーシャルワーカーの皆さんが対応されることが多いですが、一般市民の皆様にとっては地域包括支援センターが1つの顔でもあります。ケアマネジャーなどの皆さんは様々なルールについて熟知し、多様な機関をいかに繋いでいくかという、まさに「オール柏」についてすべて把握した中でご案内をいただかなければいけないので、とても重要な拠点の1つになると思います。ぜひこのルールを検討する会議にも積極的にご参加いただければありがたいと思います。駆け足にはなりましたが、多職種のそれぞれ中心におられる方々からご意見をいただきました。冒頭で申し上げたとおり皆さんで作るというのは、決して我々医療介護の現場を見ている人たちが独りよがりでやっても仕方がなく、やはり市民の皆様の本当のニーズをしっかりと理解し進めていかなければいけないと考えています。そういう点においては、今回、2つの大きな団体の会長にご参加いただいております。まず、柏市社会福祉協議会の中川委員からご意見を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

中川委員

今、色々なご意見が出ておりますが、我々としましては、もう少し住民の方々が、「こういったことをやっている」ということを理解してもらうにはどうしたらいいかという視点で考えております。患者さんも住民ですから、その方々にいかにして周知していくかということが一番大事ではないのかと思います。そのためにも社協としては、多職種と住民の間に入ったり、あるいは民生委員の事務局もやっておりますので、そういった方々に知ってもらうことがますます必要ではないのかと思います。連携協議会などの大事な会議をやっていることをほとんどの住民のかたはわからない、知っていないと思います。ただし知ってもらうには、これからご発言があると思いますが、ふるさと協議会や社協を、もっともっと活用していくことが、こういった会議の価値を一層上げることにも繋がるのではないかと考えておりますので、もう少し我々にも色々と注文をしていただければ、我々自身がどうしたらいいのかと考えていきますので、よろしくお願いします。

松倉座長

ありがとうございます。本当にいつもたくさんのご意見をいただけますし、このような在宅の会議や災害に関する会議には、必ずこの両団体のかたからご参加をいただいているような次第ではあります。しかしながら、どのように医師会の中でも、ないしはこの連携協議会の中でも、市民啓発を含めて市民のかたへお伝えしていけばいいのかについて、ここが一番苦戦しているところでもありますので、中川委員のお力をぜひお借りしたいと思います。よろしくお願いします。続きまして、前回も厳しくかつしっかりしたご意見をいただきました、柏市ふるさと協議会連合会の青柳委員、よろしくお願いします。

青柳委員

社協の中川委員からお話しがありましたけれど、正直言って、ふるさと協議会全体や私どもの地元の各協議会でも「このような会議を知らない、わからない」ということが話題になっています。地域包括支援センターがどういうものかということについてはやっと認知をされてきました。理由は、地域包括支援センターのかたに、毎月様々な場所で開催されているふるさと協議会の集まりに来ていただいて、話をしていただいたからです。確か一昨年、各地域のふるさと協議会会長などがこの会議を傍聴させてもらい、在宅医療というテーマについて議論されていることを見学させていただきました。当時はなかなか内容がわかりませんでしたが、今は色々な場面で在宅医療という言葉を耳にする機会もあることから、ますます市民への周知が重要になってきているという点を感じるとともに、市民に対してはまだまだ知られていないと感じます。そういう中で、ガイドブックが改訂されても市民は目にする機会があるのか、果たして手に取ってくれるのかという課題があると思いますので、場合によっては回覧したりするのかなど、私たちも必要に応じ協力しまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。私事にはなりますが、以前家内が病院にかかった際、在宅医療を含めてどのような選択ができ、何を使えるのかということが結局分からず、在宅医療を受けられなかったことがありました。やはり私自身を含めて市民に知られていないということを実感しました。重複にはなりますが、今後市民への周知という点について、しっかり協力していきたいと思っています。

松倉座長

ありがとうございます。ようやく地域包括支援センターが認知されたというのは喜ばしいことではありますが、やはり時間がかかるなというのが正直なところです。青柳委員が仰ってくださったように、もし自分の家族に何かあったときに、どういう選択肢があるのかということをあらかじめお知らせすることができ、ご家庭や、そのかたにとって何が一番良いことなのか、また良さそうだということをお勧めできるような、そういう周知をぜひ図っていきたいと思いますので、お力を貸していただければと思います。どうもありがとうございます。今後我々が取組を進めるにあたり一番大きなことは、「オール柏」で進めるということです。2040年に向けた柏モデルガイドブックの改訂について、皆様からご意見をいただきました。後程東京大学、千葉大学の委員のかたからもその部分についてぜひご意見ご指導を賜りたいと思います。先にその他の議事がございますので進めてまいります。令和6年度版柏市死亡小票について、これに基づき色々な議論がこれまでなされてきましたが、事務局からご提案があるということもありますので、説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

(2)令和6年度版柏市死亡小票分析について

事務局

資料2に沿って説明

松倉座長

ありがとうございます。かなり膨大なデータを多面的に分析していただいたところではありますが、当然これは2025年に75歳以上の高齢者が5人に1人となるという時代から、2040年にはその方々が15年経過し多死時代に向かうという話の中で、どういう方向に進むのか、それに対して我々がどう対策をしていかなければいけないのかという1つの指標になるという点においてもとても重要なものだと思います。特に病院や医師による看取りについて、割合は減っているけれども人数は減っておらず、また看取りが増えている施設でも、施設といってもいろんな施設があり、特定施設という看護師や医師の医療の介入が多いところやそうではないサ高住のようなところまで、どのような看取りが進んでいくのか、また自宅で亡くなる場合に検案書になってしまうケース等について、そういったことに極力ならないためにどうしていけばいいのかということにも繋がっていこうかと思います。この分析についてのアドバイス、または最後に事務局から提案のあった、実施を3年に1回とすることについてぜひ、Web及び会場の委員の皆様からご意見を賜りたいと思います。実際に施設での看取りが増えているという話が分析では出ており、割合も人数も増えているところですが、施設側から横尾委員もしくは宇佐見委員、何かコメントをいただけましたらお願いします。

横尾委員

看取りが増えてはいますが、色々な施設に聞いてみると、看取りをするかしないかというのも嘱託医の先生の判断があるので、その辺の違いは出てくるような気がしております。なので、どんどん看取りをやる施設もあれば、ちょっと難しいなという施設もあり、そのあたりのバランスはわからない状況ではあります。

松倉座長

ありがとうございます。宇佐見委員お願いします。

宇佐見委員

こちらのグラフを見させてもらったときに、正直、施設での看取りはとても増えているなと感じました。先月だけでも、1か月で5人のかたを施設で看取りました。最初に、状態が変わる前に看取りに関する同意書を書いてもらいますが、状態が変わっていく中で、家族に心境の変化があったり、病院に連れていって治療をさせてあげたいという気持ちになったりすることもあり、周囲の精神的なサポートはすごく難しいなと感じております。加えて、医師や看護師が家族など医療知識の少ない人たちに対し、ご本人の体調変化や病状説明をした際も、一人一人受け取り方が違うので、その中で家族を含めた看取りを行う関係者間の意思疎通の難しさを感じています。その他施設での看取りについては、病院ほどの医療体制が整ってない中で、やはり急変時の対応に職員のレベルや知識の深さに違いが生じ対応が異なってしまうこともあり、課題の1つになっていると感じています。しかし、それでも施設で看取ることや在宅で亡くなるという選択肢が、今までは病院が一番ではあったところ、そういった選択肢が増えたことは、やはり前進なのかなと思っています。以上です。

松倉座長

ありがとうございます。医師会の方から実際に在宅を見ておられる織田委員、どうでしょうか。今、死亡小票について色々な分析結果の説明を事務局がしてくださって、病院死は以前と同じくらいで、在宅とはいえ施設死の割合が増えてきていることや、在宅での看取りも増えてはいるんだというお話しがありました。在宅ないしは施設での看取りについて委員から実感も含めて、ご意見をいただければと思います。

織田委員

ありがとうございます。私の実感、体感的な話にはなってしまいますが、私は特養の嘱託を1件やっております。嘱託をやって大分経ちますが、当初と比べますと、かなり特養の中での看取りについては仕組みとして出来上がってきた印象があり、一時話題になりました救急搬送の問題も大分なくなってきているのではないかという印象はあります。ただ、施設といっても特養だけに限らず、山ほど施設の種類があって、施設によって全然対応が違うということ、また最近話題のホスピス系のサ高住というところも、柏市内でかなり増えてきておりますので、そういったところも含めていくと施設の看取りが増えてきたというのは頷けるなというところだと思われます。一方、やはり自宅の看取り割合がそこまで増えているのかというと、データを見ても最近は横ばいなのかなというような印象も受けております。施設での看取りが増えることは、私は悪いとは思わないですが、やはり質を担保できるかどうかという点について、特に柏市では他の地域と違い先進地域として、施設の看取りについても「これだけ質を担保できている」というものをこれから作っていけると良いのではないかと思います。まとまっておりませんが以上になります。

松倉座長

ありがとうございます。本当にお看取りというのは、ご本人の人生ないしはご家族にとっても大切な1つの場面でありますので、そこの質の担保というか、ご本人ないしはご家族がしっかり最後まで頑張った、特にご家族もそう思えるような看取りを、どこの場所でも実現するというのは難しいとは思いますが、質の担保ということは大変重要だと思います。石橋委員、今のことも含めて、ご意見いただいてよろしいでしょうか。

石橋委員

私は施設は見てないので、実質居宅だけの訪問診療と看取りを行っています。私の所属する東部エリアが唯一、自宅看取り数が減っているというのがちょっと残念ではありますが、実際看取り数が減っていることの裏側がどうなっているのかが見えないところも問題でして、データにある非がん、がん患者を含めて、紹介数や訪問診療に依頼が回ってくる件数が減っているということもあるかと思います。僕らが往診に行っているけれども、結局病院に行くというケースだけではなく、自宅で診きれなくなった患者さんが自宅往診ではなく他の選択肢に逃れているようなケースもあろうかと思いますが、その数が含まれているのかなどはこの数字だけでは読めないところがあります。もともと東部エリアは医療的資源が他エリアに比べると少ないですし、住民の人数的にも少ないところではありますが、データ上で減っている人数の数値だけを見て内容を解釈するのは少し難しいのかなと思いました。以上になります。

松倉座長

ありがとうございます。石橋委員の仰るとおり、柏は本当に地域によって医療資源や集まっている患者さんのバリエーションも色々ですので、そこが今後もまた変わっていくんだろうと思います。この3年ないしは毎年の死亡小票の中で、そういった評価ができていければありがたいなと思います。ちなみに看取りへ深く関わってくださっているのが訪問看護ステーション連絡会だと思いますが、いかがでしょうか。副会長のお二人からご意見伺えますでしょうか。

佐野委員

サ高住に訪問させていただく機会があるんですが、何年もサ高住で家族のように接しているスタッフの中で看取られて死にたいと仰っているかたでも、やはりそこのサ高住のスタッフのスキルであったり、精神的な不安というところで、ホスピス型の施設に移動するという症例が最近ありました。そういうところを見ていると、訪問看護も入っているので非常に歯がゆい思いもしましたし、もっと密にケアをすることで、全体のレベルアップにも繋がっていけば良いなと切実に思っています。以上です。

松倉座長

ありがとうございます。サ高住は一番医療度が少ないところなのでなかなか難しいところで、なおかつ看取りというと大変だとは思いますが、そういったご意見も伺っていければと思います。土屋委員はいかがですか。

土屋委員

少し前ですが在宅のかたで、先程宇佐見委員からもありましたが、ご家族の考えが途中で変わり救って欲しいとなり、在宅での看取りから救急搬送になったということがありました。そういった思いの変化というものを拾っていくというか、関わりの中で拾っていけるように細やかな対応が必要であると同時に、すごくデリケートに関わっていかなければいけないなと思いました。以上になります。

松倉座長

ありがとうございます。最後の瞬間というのは、訪看のかたがかなり寄り添ってくださるところもあると思います。色々な看取りの状況については議論のポイントになってくるので皆様からご意見をいただきたいところですが時間の都合もありますので、死亡小票については、実施の頻度を3年に1回としていいのかどうかといったところについて、柏モデルをずっと見守ってきてくださった飯島委員からご意見をいただいてよろしいでしょうか。

飯島委員

まず施設での看取りが増えていること、この傾向はおそらく全国のトレンドかなと思いますが、おそらく柏モデルの一番最初、15年程前、当時は在宅での看取りをなるべく強化したいという大きな目標があったと思いますが、やはり時代の流れと、その後柏モデルが成熟してくるにつれ、時代が反映されてくるんだなと感じながらお話しを伺っておりました。ただし、そこで「自宅看取り」対「施設看取り」という話ではなく、ご本人のご意向が反映されているかどうかということかなと思いますので、先程のガイドブック改訂の部分とすごく関係しているお話しだろうと思います。死亡小票分析の実施を3年に1回とすることは、私が良し悪しとはなかなか言えませんが、先程の事務局からのご説明のところで、分析を毎年行っても、3年のスパンで見てもトレンドは大体把握できるというお話しだったので、その視点からすると、やはり膨大なデータの解析にかかる行政の負担と、データから得られる風向き(トレンド)のバランスなんだと思います。全体的なバランスを考えて実施を3年に1回とすることが然るべき方向かなと思われるのならば、それで構わないと考えます。また、先程も出ましたが介護保険の改定に合わせて実施をしていくということなので、きちんと事前の風向きを解して読んで実施していくというところかなと思います。以上です。

松倉座長

ありがとうございます。施設も多様性を持ってきていますので、それがどう変わっていくのかということはとても興味深いところです。それを毎年見ていくよりは3年ごとにしっかり分析するということも1つの考え方かなと思いますし、国が何を考えているのかという点が反映される介護保険の改定も1つの背景に見ながら、我々も分析の評価をしていきたいという1つのご意見をいただきました。貴重なご意見だと思います。ありがとうございます。今のご意見を踏まえ、この件は事務局でも引き続き話し合っていただききたいと思います。飯島委員からは「良いですよ」というニュアンスのご意見をいただけたのかなと思いますので、その代わり、ただ実施の回数を減らすのではなく、しっかり分析を行っていくということは1つの宿題かなと思います。よろしくお願いします。それでは、少し駆け足になりますが、亡くなった時だけではなく、生活自体の満足度を図る調査の結果についても事務局からご説明いただきたいと思います。

(3)令和7年度生活満足度調査について

事務局

資料3に沿って説明

松倉座長

これについては、結果をもとに学会でも報告を行ったりということもしておりますし、我々がやっていることが自分たちで考えている提供側の意見だけではなく、患者さんであったり、ご家族だったりの満足度をきちっと調べて、それを次の医療介護に役立てていくということですので、ぜひ調査を行っていただきたいということと、新たに(資料3参考資料の)黄色い部分が追加事項として加わっています。問(10)や問(12)のあたりです。要は、食事や痛み等について住環境の清潔さであったり、在宅生活の安心感といったところをご家族及び本人に対して伺うということなんですが、これに関して何かご意見がございましたら伺いますがいかがでしょうか。この時点では大丈夫そうですね。何かあればまたご意見をいただければと思います。また、医療介護を提供する従事者側の満足度調査というものもとても重要な部分になりますので、これについてもご協力を賜りたいとのことです。こちらも新たに質問事項が追加されていますので何かご意見がありましたら賜りたいと思います。特にないようですので、これについては患者様へのアンケート調査及び従事者の皆様へのアンケート調査についてご協力を賜りたいと思います。よろしくお願いします。協議事項については、概ねたくさんのご意見をいただけたということで、続いて報告事項に移ってまいりたいと思います。各部会からの報告についてお願いしたいと思います。まずは多職種連携・情報共有システム部会について、事務局からお願いしたいと思います。

7報告

報告(1)各部会の取り組みについて

ア 多職種連携・情報共有システム部会

事務局

資料4に沿って説明

織田委員

今報告にあったとおりですが、先程から色々なご意見でも、カシワニネットについての課題や環境も変わってきているという話が出ていましたが、そのとおりだという意見が部会でも出ております。委員さんからお話しがあった「カシワニットを使わない理由を聞いたらどうか」については、昨年度に取り組んでおり、「ログインの仕方がわからない」や「基本的な操作がわからない」というかたが意外と多くいらっしゃったので、そのかたに対してハイブリッドで研修会を1回やったほうが良いのではなかということで研修会を企画しております。他にも問題はたくさんあり、例えばカシワニネットに入る端末の台数がそもそも足りておらず各事業所で1台しかないというところがあったり、今回部会にて議題にしております「病院との連携」におきましても、カシワニネットにそもそも入っていない病院も少なからずありますし、参加していただいていても活用の頻度にかなり差があるというようなデータも出ております。また、今回のグループワークでは病院のMSWさんに来ていただきましたが、やはり病院の電子カルテのシステムはクローズでないと危ないという意見もあり、セキュリティの問題でカシワニネットを併用、使用することが難しいというようなことが病院ではあるということで、病院との連携のハードルは高くなってきたなというような印象はあります。もう1点、これも話題に出ていましたが、カナミックシステム以外にも、昨今情報共有システムがどんどん出てきているような状態であり、柏市内でも実際カシワニネット以外を使って連携しているところもあるという話も聞きます。ですので、そういったところの使い勝手などに関しましてはカナミックさんにも色々協力していただいてやっていかないといけないと感じています。ICT部会としてできることは限られていますが、部会においても今検討しなければならない問題はかなり多いところでございます。以上です。

松倉座長

ありがとうございます。柏モデルが始まった15年前と環境的にも随分変わりましたので、その中でどのように今後やっていくのかということを、連携協議会やそれぞれの部会の中でも検討していただければと思います。続いて研修部会についてのご報告をお願いします。

イ 研修部会

事務局

資料5に沿って説明

古賀委員

研修部会長をつとめています古賀です。まず、資料5スライド5にあるように、今回は少しでもたくさんのかたに参加していただくということを目的に、エリアを分けず、3つの時間帯に分け、日中のお昼休みの時間、夕方、そしていつもとおり19時からという実施を予定しています。また日中の会議に関しては、Zoomを使い医師の先生方も参加しやすいような形での実施を検討しています。やはり、今は遅い時間に参加できないというかたが多いので、そのかたにも参加できるような形で今回時間を組んでいるところです。現在は新たなルールについて話し合おうということになっていますが、本日たくさんのご意見をいただきましたので、ガイドブックの改訂について、もう少し内容を検討していきたいと思っています。次に意思決定支援e-ラーニングですが、僕達がなかなか直接お会いすることができなかった訪問介護事業者さんの管理者のかたにお会いしてきました。実際に事業をやっているかたとお会いできたのはこの研修が初めてになります。その点でも、本当に意義のある研修だったと思います。また、宇佐見委員からお話しがありましたが、今後施設さんとも連携するということで、施設の看護師さん向けにこの意思決定支援の研修を今年度行うことにしています。これもとても良い研修になると思いますし、先程から議論になっている看取りに関しても、ぜひ連携をしていきたいと思います。施設さんとも顔が見える関係を作り、どんどん連携をしていきたいと思っています。私からは以上です。

松倉座長

ありがとうございます。今まで僕らが考えてきた「19時からの枠の開催」など、色々なことを意見として委員のかたや実際出席している方々からもらい、それを即座に汲み上げて変えるというのは、なかなか僕らにはないアンテナであり方向性だと思います。古賀委員もファシリテーター会議の中でたくさんのご意見を出されるので、それを面白いなと僕も思ってきました。このような実施時間の変更といった新たな取組は、僕が研修部会長のときには思い付かなかったことです。どのような結果がでるのかについて、不安でもあり楽しみでもありますので、引き続きどうなっていくのかを教えていただければと思います。続きまして、啓発・広報部会の報告お願いします。

ウ 啓発・広報部

事務局

資料6に沿って説明

石橋委員

啓発・広報部会長の石橋です。概ね今お話しにあったとおり、とにかく啓発・広報部会に関しましては「わがや」並びに出前講座についての周知が、今まで自分たちが思っていた以上に広まっていないということを、前回連携協議会で青柳委員から「わがやを見たことがない」というご発言にもあったとおり課題として捉えていることから、今回の部会では取組について見直しの検討を図った次第であります。具体的に「このような配布方法をします」などの手段に関しては、今回紙面で提供ができなかったので、次回の連携協議会の際にはご提示できればと思います。以上になります。
 

松倉座長

ありがとうございます。先程青柳委員から、地域包括支援センターのことを何となくみんながわかるようになってきたというお言葉をいただけたのはとてもありがたいと思いますし、啓発というのは本当に難しいこともわかります。地道な取組が広がりに繋がるという意識を持っていかなければならないんですけれども、着実に進んでいるという実感はありますので、ぜひ引き続きよろしくお願いしたいと思います。では、続けて報告事項(2)地域包括ケアシステム研修会について、事務局からご説明をお願いします。

報告(2)地域包括ケアシステム研修会について

事務局

資料7に沿って説明

松倉座長

ありがとうございます。顔の見える関係会議を含め、なかなか病院からの参加がない中で、病院に実際出向いていただいて出張版顔の見える関係会議としてやってくださっている在宅の多職種の皆様にとってはかなりの負担だと思います。一方で、それぞれの病院のカラーもわかり、病院のスタッフともしっかり話し合いができているということはとても素晴らしい取組だと思いますし、ぜひ、柏の色々な病院で、こういったことを進めて、これも1つの啓発活動だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。最後の報告事項となります。地域医療連携センターの相談状況について、ご報告願います。

報告(3)柏地域医療連携センターの相談状況について

事務局

資料8に沿って説明

松倉座長

ありがとうございます。地域包括支援センターと柏地域医療連携センターが、実は行政の中で担当課が違うということについて、最近我々も知りました。縦割りとまでは言いませんが、ちょっと連携がうまく取れていないこと、役割分担についてもあるんでしょうけれども、我々から見てもよくわからないところもあるので、ぜひ連携して市民の窓口になれるよう工夫をしていただければありがたいと思います。長時間に渡りましたが協議についてはかなり活発な意見交換ができ、多くのご意見をいただきました。また、報告もいただきました。これらのことを総括し、有識者の委員からはいつも貴重なご意見をいただいております。今回もご意見を賜りたいと思います。まずは千葉大学医学部附属病院の荒木委員から、ご意見をいただきたいと思います。荒木委員よろしくお願いします。

8総括

荒木委員

どうぞよろしくお願いいたします。千葉大学の荒木と申します。本当に多職種の皆様がこのように一堂に会して忌憚ない議論を繰り広げられている、こういう場は非常に貴重だなと毎回感心、感動させられておりますが、せっかくなので、少し批判的なことも含め皆様のお役に立てることが言えないかと思い本日拝聴しておりました。まずガイドブックや広報の点に関わることについてです。ガイドブックの改訂に関する議論について非常に白熱しているのを聞かせていただきましたが、1つ気になったのが、このガイドブックが「誰に何を伝える目的で作っているのか」ということを、改訂の際にしっかり言語化して、何か道に迷いそうなったらすぐにそこに立ち返るという共通言語化したものを作成いただくことが大事なんじゃないかなと思いました。と言いますのは、今の第2版を見させていただくと、最初のパートは各職種のマネージャー向けのような内容であったり、最後のパートはいわゆる現場の皆さんが使えるツールであったり、そういった内容が入っていると思います。なので「これは誰に向けたものか」というところを考えると、それぞれ形というものは1つではなくなる可能性があります。このような点も考慮いただき、「このかた向けにはこの形」など、そもそもガイドブックというスタイルで良いのかという点や、現場の人が使うならばAIを使ったチャットボットなどもあった方が使いやすいかもしれないと、そのようなことも含めて考えておりました。また皆様、やはり次世代へどう繋ぐかということが非常に大事な視点だとお話しされておりました。手前みそですが、私も地域医療教育学というところで働いておりますので、学生たちがこういった連携協議会のような場を経験できる機会があり、学生がこういった場所に必ず参加してくるような文化が醸成できたら、次世代に繋ぐという視点においては、非常に明るいものになってくのかなと思いながら聞かせていただきました。もしそういった機会がありましたら、私としても何かできることはないか、というつもりでおります。以上です。ありがとうございました。

松倉座長

ありがとうございました。教育者として、また大学という広い範囲を見ておられるお立場から貴重なご意見をいただいきました。言語化というのは色々な委員会などの中でも必ず言われることですが、「誰に対して何を」という点はとても重要なことですし、もう一度コアメンバー及びワーキングの中でもしっかり共有し大切にしたいと思います。また、AIは今たくさんのかたが使ってらっしゃるので、その利用方法も含め、各委員の中からもQRコードの話も出ましたが、どのようにデジタルを利用していくのかという点も検討してまいりたいと思います。そして次世代へ繋ぐことについて、実は東大から一時受け入れをしていましたが、今ひとつ不人気というか、うまく回らなくて、残念な結果に終わったということがあります。これは決して学生さんが悪いということではなく、我々の受け入れ方の問題でもあったと思いますので、2040年問題というのは、我々が実際に患者さんを診るというより、私なんかは多分診られる側にだんだんなっていくという時代だと思います。そこでその時に診てくれる人たちを育てるということがとても大事かと思いますので、今の議論を次に繋いでいきたいと思います。引き続き色々ご指導いただければと思います。ありがとうございます。では続きまして全体を総括して飯島委員にお願いしたいと思います。

飯島委員

ありがとうございます。時間も限られておりますので手短にします。今日の感想も含め、まず柏モデルガイドブックの改訂については、15年間の長いシナリオがあります。横でずっと一緒に歩かせていただいた立場としては感慨深いと同時に、第1版を作るときも、みんなで同じ方向を向いて、当時はまだまっさらの状態で、「みんなで何かを作る」という感じが強く、全員で作り上げたという感覚があったと思います。なぜそんな昔の話をしているかというと、今回の第2版の改訂のときに、単に無機質にアップデートされたという感覚が、もし仮に出てしまうのではちょっともったいないと思うからです。すなわち、例えば、何か出来合いのものを取り入れるのではなく、柏という場所で働いている従事者達が「自分たちの実体験ではまだこんな状況になっています」ということを出し合って作っていくと言うような、そういう意味ですべての方々、先程「オール柏」という言葉をリピートで言っていただきましたけど、自分たちで作ったんだという感覚が持てるものであって欲しいと思っています。それが一番大きいのかなと思っていたりもします。いわゆる作ったものに誇りを持てるかということ、言い換えれば、日本全国の市町村で、おそらく地域包括ケアの第2ステージを描くことは難しいよねと悩んでいるものを、この柏の地で15年前と同じように全国に先駆けて、今、まさに何か作ろうとしています。これは、柏でも第2ステージに突入しているということです。そうしますと、本日は各専門職能団体のリーダーの方々が出席されていますが、その背後には同僚のかたや去年、今年入ってきたという若手もいらっしゃるわけで、そういう方々全員に「柏モデルに私って参画しているんだよね」という感覚を持ってもらうことが、とても難しいことではありつつも理想的なんだと思います。今、まさにその難しいことにどうにかチャレンジしていかなければならないので、そのためには、先程お話しにあったガイドブックがどっちを向いているのかということや、どういうものがコンテンツで入るんだろうということも非常に重要ですが、何よりもこの連携協議会に入られているリーダーの方々が、その背後にいるメンバーにどう伝えていくのかというところが重要だと思います。歴史の長い柏モデルは、先達先輩たちが色々な汗をかいて作ってきています。それをどうやってバトンを受け継ぎ、どうやって時代に合わせてブラッシュアップしていくのかという感覚、まさにみんなで作ってみんなで神輿を担ぐという感覚を、どのように上手く伝授していただくのかというところもとても重要じゃないかなと思います。当然出来上がりのコンテンツも重要ではありますが、ガイドブックを「暖かい血が流れるもの」にする、「みんなで作り込んできたんだ」というものにし伝えるのかということがとても重要だと思いました。加えて、このガイドブックは当然、連携のシステムだけではなく、時代の最新のものもどんどん取り入れられると思います。そこにはACPという、大分前から言われているけれどもう一回り次のステージに入れていないACPというものをどのようにこのガイドブックで演出するのかということも大きいですし、当然QOL重視、ご本人重視ということは言うまでもないと思います。また、例えばこれは施設でも在宅でもそうかもしれませんが、今、厚生労働省の色々な財源がついている中で、いわゆる三位一体、リハビリテーションと栄養と口腔という三位一体でやって欲しいんだという話をよく聞きます。このことをまだまだ知らないかたもいらっしゃいますし、これは何か評価や点数が付くからやろうということではなく、患者様に絶対に必要なことなので、このような新しい視点も盛り込まれることを期待しております。最後に、第2版ということで、前回前々回僕が言ったことがきっかけになっているみたいですが、小手先のマイナーチェンジではなく、抜本的かつ時代の新しいものを取り入れながら2040年を見据えてということで、産みの苦しみもあるのではないかと思います。しかしそれがあるからこそ、新しい世代のメンバーたちも「みんなでこう作った」という感覚が伝わるのではないか、感じるのではないかと思います。その演出をどのように各リーダーたちが口伝いで言ってくださるのかということも重要だと思いました。先程、古賀委員からも、「午前中の会議も一緒で皆さんお疲れ様」とありましたが、僕自身も午前中からフレイル予防の会議に参加しておりました。フレイル予防の活動は、それはそれで素晴らしいと思っています。ですから、やはりこのフレイル予防のところと、ステージの後半戦であるこの連携協議会の意味位置付けというところが、会議は違えど住民にとっては一連の話ですので、早期の予防の話とケアの話を一連として捉え、柏市の地域づくりビジョンを、先駆けてみんなで共有できれば良いなと思った次第です。僕自身は柏で従事している当事者ではないですが、大学という形でずっと15年一緒に見させていただいた立場なので、ぜひとも今後も引き続き色々と見させていただければと思います。以上でございます。ありがとうございました。

松倉座長

ありがとうございました。いつもとても温かい言葉をたくさんいただきます。アップデートではなくて血の流れたものであること。これはまさにみんなで力を合わせて作るものだと思います。どんな組織においても、上から「こういうルールでやりますよ」と言われたものについては、意外に皆さん右から左ですが、今回の改訂においては、本当に温かい、血の流れたという言葉がとても適切だと思います。患者に向かい合うときに、「自分たちがこういうものを作り上げてきたんだ」という参画意識が持てないと、なかなかそれをみんなで共有することは難しいと思います。それをいかに共有していくのか、みんなで考えていくという形をとれるのかは、我々多職種の中でも、特に中心となっているこの連携協議会の方々みんなが考えなければいけないことだと思いました。2040年に向けて柏モデルをさらに1歩進めるという中、当時のガイドブック策定を思い返すと、コアメンバーであった平野清先生にも1度オブザーバーとして参加していただき、その中で飯島委員も参加されておられました最初の頃のまさに産みの苦しみではありますが、本当にすごい熱量を持って全員で夜まで話し合い、その後辻委員も含めて、7、80人くらいで集まり、日頃困っていることなどを話しました。立場に関わらずこのような機会が多くあったことも、柏モデルならではなんだと思います。今はなかなかそういう機会もなく、また平野先生からは、「もう1回1から作るというのは余程の熱量がないと難しい、正直無理なんじゃないか」とも言われています。それはそれで、仰ることもよくわかります。ただ一方で、昔のバイブルかのようにホテルに行って旧約聖書が引き出しの中に入っているような、そういうものを作っても仕方がないと思います。荒木委員も、飯島委員も仰ってくださったように、今の時代に合った色々なものをきちっと盛り込んで、しかもそれを温かい血の流れたものにしていくということはとても大切だと思いますし、僕はそれに関われていること自体とてもありがたいことで、多分人生で柏にいたからこそできたことだと思っています。だからこそ、そういう感覚を、新しく柏の医療介護に加わった方々にも実感として持ってもらえれば、柏に住んでいる方々、ないしはこの地域の方々に貢献できるのかな、また貢献できている実感が持てるのかなと思いますので、ぜひみんなで取り組んでまいりたいと思います。本当に長時間に及びましたが、これをもって第1回の連携協議会を締めさせていただきたいと思います。

 

事務連絡
令和7年第2回在宅医療・介護多職種連携協議会
日程:令和7年10月28日(火曜日)

お問い合わせ先

所属課室:健康医療部地域医療推進課

柏市豊四季台1丁目1番118号(柏地域医療連携センター1階)

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