更新日令和3(2021)年2月26日

ページID2950

ここから本文です。

第9回 幻の鉄道から「つくばエクスプレス」へ

つくばエクスプレス
柏の葉キャンパス駅に進入するつくばエクスプレスの車両(平成19年)

幻の鉄道から「つくばエクスプレス」へ

明治初年の小金牧開墾によってできた豊四季村と十余二村。前回では豊四季村に開設された柏駅が、柏の発展に大きな役割を果たしたことをご紹介しました。今回は、十余二村の様子を見ていきましょう。

日本中が経済不況に沈みつつあった昭和初期、花野井の吉田甚左衛門(よしだ じんざえもん)は柏町長の浜島秀保(はまじま ひでやす)らと大規模な地域おこしを実行しました。東洋一の規模を誇ると称された柏競馬場を中核に、手賀沼などを観光資源として、東京から柏に人を誘致するという「関東の宝塚計画」です。

筑波高速度鉄道計画図
今から約80年前、夢に終わった筑波高速度電気鉄道計画

これに呼応するかのように昭和3年3月、田端(のちに日暮里に変更)と筑波山(茨城県筑波郡田井村)を結ぶ筑波高速度電気鉄道が認可されました。十余二村(当時は、のちの田中村)の停車場予定地の周辺には「鴻の巣台(こうのすだい)経営地」の宅地開発が計画され、分譲が開始されました。当時の分譲会社作成のパンフレットには、「都心まで30数分、総坪数30余万坪、1区画300坪で合計800口、価格は廉価の1坪3円30銭の理想的住宅地」などと記されています。購入者の名簿を見ると実業家や学者・代議士に交じって、吉田甚左衛門の盟友として宝塚計画にも関わった朝日新聞の名物記者・杉村楚人冠(すぎむら そじんかん)の名前も見られます。

しかしながら、筑波高速度電気鉄道が走ることはありませんでした。茨城県柿岡に設置されていた地磁気観測所の観測に悪影響を及ぼすという理由と、鉄道会社自体が経営難に陥ってしまったからです。

その後も人々の情熱は消えることなく、77年の時を経て平成17年8月につくばエクスプレス開業という形で実現しました。かつて十余二村であった、柏の葉キャンパス駅周辺には、最先端の技術を集めたスマートシティが誕生し、柏市の新しい顔として全国から注目を集めています。

昭和22年十余二航空写真
柏の葉キャンパス駅が出来る前の周辺の様子(昭和22年)

平成24年柏の葉キャンパス航空写真
柏の葉キャンパス駅周辺(平成24年)

企画展風景
柏の葉スマートシティの模型(UDCK〈柏の葉アーバンデザインセンター〉所蔵)

柏の葉小学校で「柏むかしミュージアム」を開催しました

平成26年11月22日~12月12日、学校の生徒やその父兄の方たちに郷土かしわを知っていただくため、柏の葉小学校の体育館通路脇のスペースを利用して「柏むかしミュージアム」を開催しました。柏の葉地区の歴史的な写真を展示し、生徒たちの好評を得ました。

柏れきしミュージアム風景1

柏れきしミュージアム風景2
柏の葉小学校での「柏むかしミュージアム」の展示の様子

掲載しているすべての画像・資料は、無断での複製・転載を禁止します。
資料や写真をご提供いただいた方々には改めて御礼を申し上げます。

お問い合わせ先

所属課室:生涯学習部文化課

柏市大島田48番地1(沼南庁舎3階)

電話番号:

お問い合わせフォーム