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更新日令和6(2024)年11月15日
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令和6年度第1回柏市産業振興会議会議録
1開催日時
令和6年10月16日(水曜日)午後2時から午後3時50分まで
2開催場所
柏市役所分庁舎2第1・第2会議室
3出席者
(1)委員
浅川委員、池田委員、石井委員、出雲委員、大竹委員、木村委員、佐々木委員、嶋田委員、髙橋委員、原田委員、山岸委員、渡辺委員
(2)事務局
経済産業部長、産業政策・スタートアップ推進課長、商工観光課長、他4名
4議題
- 柏市の産業の現況について
- 新ビジョン策定方針・骨子案について
5議事要旨
(1)会長・副会長の選出
会長に原田委員、副会長に高橋委員が選出された。
(2)柏市の産業の現況について
事務局により資料について説明後、意見交換及び質疑応答を行った。
(渡辺委員)
飲食業に携わっているが、新しい層の流入がうまく進んでいないように感じる。また小学生を対象に食育を推進してきたが、食育や飲食店による地域の食文化の形成を、今後どう活かしていくかが課題だ。また子育て世代から、柏の中心街が歩きにくいという声を非常に多く聞く。商圏確保と街の魅力向上の視点をもって、街の整備も併せてやっていきたい。
(山岸委員)
スタートアップは短期間での成長が求められる。起業とスタートアップは分けて考えた方が良い。また、居住者目線では、柏の葉の住人は、ららぽーと柏の葉や流山おおたかの森で用を済ませてしまう。柏駅周辺には車で行きづらく、また電車で行くにも流山おおたかの森駅を経由しないといけない。
(嶋田委員)
道の駅しょうなんは成功例だ。道の駅ができたことで先が見えて、周辺農家の若手達が跡を継いだ。一次産業の農家にも、加工する産業にも良い影響がある。今後も市はそういった施設の整備を推進した方が良い。
(佐々木委員)
零細企業としては、人材不足に備えて、在職中の社員を成長させることが非常に大切と痛感する。マクドナルドやスターバックスでは従業員教育がマニュアル化されており、均一なサービスの提供ができている。社員やパート・アルバイトまで含めたキャリアアップに補助金が出る等の人材育成への支援が、事業者自体をレベルアップさせると思う。
消費者目線で言うと、沼南町には近くにセブンパークアリオ柏があるが、個性的で洗練された飲食店が少ないと感じる。同様に様々な業種が魅力を発信することが大事だ。
(木村委員)
道の駅に出荷している若い人の率は他の地域に比べて高いが、高齢化や農家数の減少などは全国と同じ傾向にあり、道の駅での需要に納品数が追い付かない状況がある。農家さんに声かけしても、沼南地域が遠く、朝の納品に間に合わないなどの課題もあり、5~10年後を見ると危機的な状況と言える。
手賀沼エリアは、観光地やレジャー地を目指して取り組んでいるが、なかなか決定打となるキーコンテンツが生み出せていない。また周辺住民との意識の乖離もあり、向かうべき方向性に齟齬も感じられるため、引き続き行政と一緒に取組んでいく必要がある。
消費者目線では、道の駅や市内の駅前や柏の葉など、集客力があり盛り上がっている様々な市内のエリア間で連携が上手くいっていないと感じている。飲食、スポーツ、自然などとの連携も上手くできれば、柏全体で相乗効果が生まれるだろう。
(高橋副会長)
特に製造業など、夜勤のある業種で人材が確保できず、外国人に頼らざるを得ないのが現状だ。しかし外国人はアパートを借りづらい、言葉の問題で生活しづらい等の課題がある。今後の柏市の製造業を支えるうえで、働く外国人のための公的な取組みが必要だと感じる。
(原田会長)
インキュベーション施設である東大柏ベンチャープラザの入居企業の多くはスタートアップであり、主に大学等での研究成果を基に、事業化に取り組んでいる。スタートアップは、Jカーブと呼ばれる成長曲線を描くところが特徴で、そのため事業開始後の数年間は売上が立たないがその後短期間で急成長する。未来の基幹産業をつくっていくような事業は、グローバル競争の中で勝っていけるかどうかの岐路に立たされている。イノベーションは組合せである。日本は、異なる技術を組合せてサービスや商品をつくるのが得意という側面があり、東大の柏キャンパスはまさに、様々な領域の研究者が集まっているといった点からも、柏の葉は異なる技術が融合するのにふさわしい場所と思っている。
(大竹委員)
エネルギー価格や仕入れ価格の高騰で収益が上がらない、商品等に価格転嫁できない企業が多い。また中小製造業にとって人材不足が大きな課題となっている。販路支援を望む声も多く、事業が好調な企業であっても、人を新たに雇い事業拡大していくためには売上の増加は必要であり、販路支援は重要である。
災害時の事業継続計画(BCP)を作成している中小製造企業は少ないので、既存の様々な支援策を活用して取組むよう、啓発していくことも必要だ。
(出雲委員)
柏市場は開設から約50年が経ち、建物の老朽化が進んでいる。市場の再整備計画づくりが進行しているが、市場内の事業者はいつ再整備が実施されるかが気がかりとなっている。量販店と取引している事業者は好調だが、飲食店を中心に取引をしている事業者は厳しい。個人事業主が多く、事業継承や販売促進等の問題を抱えている。組合は10年かけて一般消費者にも土日に市場で買い物してもらえるようにした。
市場を建替えるのであれば、公共施設や商業施設等と一体になった複合施設になれば、柏の葉と一体となって非常に活性化するのではないか。
(石井委員)
廃棄物の収集運搬の事業をしているため、ガソリン代の高騰がダイレクトに売上に影響している。待機時間の従業員にアイドリングストップを推奨してはいるが、昨今の厳しい夏の暑さのなか、エアコンを消せない時間があり、ガソリンの消費は抑えづらい。またコロナ禍には医療系廃棄物の回収も多く行ったが、柏市や千葉県に処分施設がほとんどなく他県への輸送が必要なことも大変だった。他県にお金が落ちているという点からも、柏市に処分施設があっても良いのではないか。
消費者目線では、セブンパークアリオ柏や、道の駅しょうなんの他に、人が集まる観光施設があればよい。
(池田委員)
人工知能の開発を行っている。柏市を含め千葉県でソフトウェア開発関連の企業が少ない点が大きな課題と感じる。他社と連携が必要な場合は、都内の事業者と連携することが多く、都内に拠点を移す事業者も多い。
また、ソフトウェア開発は在庫を抱えなくてよい点で起業しやすい業種で、東葛テクノプラザやベンチャープラザ等、ランニングコストに対し補助を受けられる施設は多いが、売上の面では苦労している事業者が多い。産業技術総合研究所にあるスーパーコンピューターは料金が高く、小規模な事業者にはあまり活用されていないのではないか。支援があることは知っていても使えないものもある。事業を継続するための直接的な支援があると良い。自己実現や社会課題解決型の起業への支援に、VCやCVCの活用は向いていないのではないかと思う。
消費者目線からは、イベントが減った印象があり、イベントのついでに飲みに行く、食べに行く機会が減っている。
(原田会長)
ソフトウェア関連事業は場所を選ばない印象があるが、なぜ柏に少ないのか。
(池田委員)
都内に営業上のメリットがあることも大きい。ほかにも、柏市に多い製造業と共同で開発やシステムの導入をしようとした時に、製造業側にソフトウェア領域のドメイン知識が低いことが多く、紙データの電子化など初歩のDX化から始めなくてはならないケースもある。そのため、規模が小さい事業者は環境が整っている都内に集まる傾向がある。
(浅川委員)
日本酒を販売する会社に勤めており、日本の文化の継承に関心がある。食育や音楽、アートなど文化の豊かさが次世代につながっていってほしいと考えている。また今後の開発の際には、経年変化を大切にできる建物が生まれていくと、新たな価値になると思っている。また飲食とスポーツなど、異なる機関が連携できるデジタルツールが開発できると良い。柏市場が新しくなる時には、HPやSNSで「一般市民の市場での楽しみ方」等のコンテンツがあると良い。
(出雲委員)
SNSで市場の一般利用を発信しているが、その情報になかなか辿り着かないようだ。10年前は、市場法に規定された「買受人」の解釈により、一般客の立ち入りについては拒否されたが、現在は競り場所を除き、一般の方も市場に入ることができる。
市場の再整備では、次に商売をしようとする人がチャレンジできる場所にしたい。まず市場の施設で起業し、自信がついたら市場に登録するような仕組み等ができると良い。
(山岸委員)
「一般開放デー」等をよく利用するが、あえて一般開放の日があるということは、普段は一般開放していないのかと思っていた。
(渡辺委員)
一般の方が買い物できることを市民に広報した方がよいとは思うが、消費者が買いやすい小分けの状態で原価の商品が売られるようになると、嫌がる小売業者もいるのではないか。
(出雲委員)
数キロ単位でないと取引しない業者が以前は多かったが、数百グラムで売る業者も増えている。確かに嫌がる業者がいるが、現状は全体の売上が右肩下がりで、事業継承ができず悩んでいる事業者も多いので事業手法を見直していくことも必要だ。
(3)新ビジョン策定方針・骨子案について
事務局により資料について説明後、意見交換及び質疑応答を行った。
(原田会長)
骨子案での「目標」は指標の数字で、その指標を目指すための戦略が3つ、という構成でよいか。
(事務局)
その通りである。
(山岸委員)
起業=スタートアップではないので、並列で記載されることに違和感がある。また、コンセプトの「Well-being」は意味を理解できても、言葉として抽象的で具体的に何を目指すのかわかりにくい。
(浅川委員)
未来像に「起業のまち」とあるが、「この街だからこそ起業したい」と思うトリガーのようなものがあるのか。
(事務局)
起業のみに限らず、既存の事業者も含めて広くチャレンジができる街を目指すため、市がどのような支援を取組めばよいかという視点で、骨子案の戦略1~3を検討している。起業したいまちに何が必要か、ご意見をいただきたい。
(原田会長)
新しい層の流入が少ないというご意見もあったが、スタートアップに限らず、みなさんがチャレンジすることで産業が活性化される、という内容が含まれることが大切だろう。
(渡辺委員)
飲食業は起業しやすいジャンルの一つだ。私の場合は、トリガーとなったのは「地元」であることで、都内で修行し自分のふるさとである柏で起業した。ふるさとの魅力を発信するために注力できることや愛着心がきっかけの一つである起業家も多いのではないか。
なお、昨年度の振興会議での踏み込んだ具体的な議論から、今年度は視点が広がって、議論の内容が後退した印象を受ける。
(事務局)
昨年度の振興会議では柏市観光振興計画の内容が主な議題だった。今年度は、観光、商業、工業、農業、公設市場を含む産業全般の新たなビジョンの策定について検討するため絞り込まずに議論してもらっている。
(渡辺委員)
昨年度の議論を前提として共有しておいた方が議論しやすいのではないか。
(高橋副会長)
戦略1にある「⑤観光プロモーション」という言葉では一歩引いた表現になるので、昨年度の議論を踏まえて「拠点づくり」等、表現を工夫した方がよいのではないか。
(事務局)
今後、文章を起こしていく中で、観光基本計画での3つの重点分野の内容を書き込んでいきたい。
(事務局)
柏で起業するきっかけになるのは、一緒にやっていく仲間が多くいるかどうかと、起業しやすいワーキングスペースがあることや家賃の補助、作った商品を売る場があることなどの、初期段階でのコスト支援が揃っていることが大切だと考えている。すでに行っていることもあるが、まだこれからのこともあるので、市がまだ気づいていない部分をご指摘いただければ、ビジョンの中に盛り込んでいきたい。
(大竹委員)
コンセプトの「リーディングコアシティ」、「Well-being」は一般の人にもわかりやすく作ってほしい。
また、これまで市の産業を支えてきた人たちが今後も活躍して柏市を支える基盤があって、その次に新しい価値を生み出す人達が入り込んでくる、という組立てにすべきだ。戦略1と戦略2は順番が逆ではないか。
戦略3については、人材不足が深刻化する中ではデジタル化等の取組みは待ったなしの状況だ。また特に製造業で、ゼロカーボンとSDGsについては、取組まなければ取引をしてもらえないという状況になってきており、重要な視点である。
(原田会長)
戦略の1~3は別々ではなく、それぞれが連動しているとわかる表現にしていただきたい。
(池田委員)
戦略に対して具体的な施策が書かれているとコメントしやすい。
起業するにあたってネックになるのは、「失敗が許されるかどうか」だ。個人で小規模に始めようとしている事業者は、大企業のように、10失敗しても1つ成功すればよい、という体力はないことが多い。起業する人が失敗した時に立て直すためのバックアップがあると、柏の魅力になるのではないか。
(嶋田委員)
市場の再整備の話はなぜ進まないのか。
(事務局)
市内の卸売業者の方々と方向性を議論しているが、様々な意見があり、まだ一つの方向性に定まっていない。市民が誰でも入れるゾーンと仕入れ業者等のゾーンを分ける考え方のほか、複合化や高度利用により建替え費用の負担軽減を図る等、整備の進め方についても検討しているため、時間がかかっている。
(嶋田委員)
市場法のような、道の駅に関する法律はあるのか。
(事務局)
法律はないが、国土交通省が道の駅として認定するための機能要件はいくつかある。
(出雲委員)
過去に市場を道の駅にするという話や、卸売市場の棟と一般販売をする施設棟に分ける話もあったが、どちらもまとまらなかった。
まずは戦略2の産業の基盤づくりが最も大切で、その次に新産業の創出、次いで持続可能な経済の構築が重要である。基盤づくりの中に、②流通機能の強化とあるが、市場はチャレンジをするのに最適な施設だ。新しい市場には起業にチャレンジできるスペースと、卸売スペースがあって、互いに補完し合えると良い。起業した事業者が卒業して市場を出た後も顔見知りになった市場で買ってくれるという循環もできると考えている。
(佐々木委員)
柏の葉は、近隣の人しか利用できず、ハードルが高いイメージがある。沼南地域であれば、アリオ柏など、駐車場が多く人が集まりやすい施設の空き店舗などを活用して、スタートアップ向けの施設を持ってきてはどうか。柏の葉と沼南と中央の3拠点ができると市全体での一体感も生まれるのではないか。
(木村委員)
骨子案には具体的な施策の記載がないので、農業の視点が見えにくい。近隣の茨城県境町は、ふるさと納税とタッグを組み、プロモーションとマッチングさせて産品を盛り上げている。柏市ではプロモーションと合わせてふるさと産品を有効活用していないことがもったいないと感じている。また、何をもってふるさと産品と登録するか、明確な基準があるとよい。
(高橋副会長)
起業や、新産業・イノベーション等は前向きな話ではあるが、商店街で頑張っている小さなお店や古い事業者など、伝統的な柏の良さや文化を継承していくことも大事なので、ビジョンに組み入れていってほしい。
(石井委員)
コストコのような量販店が消費者に望まれるのならば、柏市内でも大きな柏市場は必要だと思う。
(事務局)
キャッチーなキーワードが大事だと実感した。いい言葉があれば、ぜひアイデアを出していただきたい。
(原田会長)
他、ご意見がなければこれで議事を終了する。
(事務局)
次回の会議は、12月17日午前10時からを予定している。本日いただいたご意見を踏まえたビジョン素案と、事業者アンケート調査の結果報告を次回、提示させていただきたい。
6傍聴者
なし
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