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柏市教育委員会令和6年第7回定例会会議録
1.日時
令和6年7月25日(木曜日)
- 開会 午後2時00分
- 閉会 午後3時06分
2.場所
沼南庁舎501会議室(沼南庁舎5階)
3.出席した教育長及び委員
- 教育長 田牧 徹
- 委員 牧田 謙太郎
- 委員 森 秀夫
- 委員 氏田 青津子
- 委員 渡部 麻有
4.教育長及び委員並びに傍聴人以外の出席者
教育総務部
- 教育総務部長 原田 明廣
- 教育総務部次長兼学校給食課長 中村 泰幸
- 教育総務課長 籠 希世子
- 教育政策課副参事 田村 裕二
- 教育施設課長 古谷 正人
生涯学習部
- 生涯学習部長 宮本 さなえ
- 生涯学習課統括リーダー 竹内 邦裕
- 中央公民館長 牧野 共子
- 図書館長 坂口 園子
学校教育部
- 学校教育部長 福島 紀和
- 学校教育部上席技監 依田 紀彦
- 学校教育部次長兼学校教育課長 原 竜太郎
- 教職員課長 福田 裕司
- 指導課長 平野 秀樹
- 児童生徒課長兼少年補導センター長 石井 剛範
事務局
- 教育総務課統括リーダー 佐藤 香
- 教育総務課主査 岡﨑 香織
- 教育総務課主事 青木 麻奈美
- 教育総務課主事 程田 祐輔
5.傍聴に関する説明
田牧教育長
傍聴の確認を行います。地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第7項の規定により、会議は原則公開となっております。
本日は、傍聴希望者がいらっしゃいませんので、柏市教育委員会会議傍聴規則第1条の2第2項の規定に基づき報告いたします。
なお、会議中に傍聴の希望があった場合は、随時入室していただくこととしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(全委員了承)
田牧教育長
それでは、随時入室していただくことにいたします。
6.開会宣言
田牧教育長
ただいまから教育委員会令和6年第7回定例会を開会いたします。
7.前回会議録の承認
令和6年第6回定例会会議録について全委員異議なく承認した。
8.教育長報告
報告
教育総務部長
教育長報告は全部で2件でございます。
まず初めに、アの「市議会令和6年第2回定例会について」を私と生涯学習部長、学校教育部長からそれぞれ御報告申し上げます。
市議会令和6年第2回定例会は、令和6年6月7日に開会し、同6月26日に閉会をいたしました。私からは、市議会定例会における質疑並びに一般質問のうち、教育総務部に関係する内容について、主な内容を抜粋いたしまして、4点御報告申し上げます。
まず1点目は、義務教育学校についてでございます。
2016年に義務教育学校が制度化され、国も小中一貫教育を行う義務教育学校を推進するが、現在全国での設置数はどうか。そのような状況において、柏市はどのように取り組んでいくのかとの御質問がございました。
この質問に対しましては、義務教育学校は令和6年度時点で全国で207校が開校していること。令和元年からの5年間で約2倍と大幅に増加しており、新たな学びのスタイルとして、各自治体においても積極的に取り組まれているものと認識していること。また、こうした設置の加速化を鑑みると、義務教育学校は現在の学校が抱える深刻な課題の解決に有効であると考えられるため、まずは必要かつ十分なハード整備が見込める柏中学校区において、児童生徒の環境最優先の視点から、設置に向けた準備を進めている。引き続き御理解をいただきつつ、保護者や学校関係者とも相互に連携し合い、取り組んでいくこと。また、市内のほかの地域においては、それぞれの学校や地域の実情を踏まえながら、適宜適切に検討するが、まずは小中一貫教育の全市的な展開に向けて取組を加速させていくことを私から答弁を申し上げております。
2点目は、過大規模義務教育学校への対策についてでございます。国が示す手引きにおいて、指摘されている7つの大規模校の課題に対して、柏中学校区の義務教育学校ではどのように対処していく考えなのかとの御質問がございました。
この質問に対しましては、柏中学校区の義務教育学校では、9学年で約1、400名の規模を想定しており、1学年当たりのクラスは4ないし5クラスとなること。学校規模について、教育委員会としては児童生徒数に見合う校地や施設面の面積が確保されていることが重要と考えており、この点において、柏中学校区の義務教育学校では、必要十分な施設整備による教育環境の充実を図ることができるため、施設面に関して、児童生徒数を理由とする大きな懸念事項はないと考えていること。
そのほか、文部科学省の手引きで示されている大規模校での課題として、役割分担のない子の出現や異学年交流機会の設定のしづらさ等が指摘されているが、個別の教育活動において、一人一人が活躍できる機会の創出や、異学年が交流する行事等を意図的につくり出すといった工夫により対処していく考えであること。
また、義務教育学校では一つの組織として、教職員同士が学校の種別や学年の枠組みを超え、より緊密な連携を図り、個々の児童生徒の特徴等について共有しつつ、学校運営を進めることができるため、子どもたち一人一人に合わせた、よりきめ細やかで切れ目のない支援が充実するものであると考えていること。文部科学省の定義にとどまらず、引き続き多くの先行事例を調査研究していくことを教育長から答弁申し上げております。
3点目は、中学校屋内運動場空調設備設置工事についてでございます。
設置工事について、1校当たりの期間やスケジュールを示されたい。また、平常時について運用基準、管理責任者及び1校あたりの年間電気料金を、災害時においての運用及び燃料確保の対応について、お聞きしたいとの御質問がございました。
この質問に対しましては、1校あたりの設置工事期間は2か月から3か月を想定しており、全体の約8.5か月を3つに分けて、2校から3校ずつ同時に工事していく予定であること。
次に平常時の運用管理については、現在設置している教室の空調と同様、各学校で行うことを想定している。今後も各学校で運用に大きな差が出る場合には、運用基準について検討していくこと。
1校あたりの年間光熱費は運転の条件によるが、熱源にガスを利用する学校はガス代及び電気代で約60万円から70万円程度、熱源に電気を利用する学校は電気代で約110万円から120万円程度と試算していること。
最後に、災害時の利用については、ガスヒートポンプエアコンを設置する学校については、ガスによる発電が可能な自律運転型の機器を導入するため、停電時でも都市ガスの供給がされている限りにおいては、利用が可能であることを私から答弁申し上げております。
4点目は、学校給食費値上げ分は継続して市が補填するとともに、給食費の無償化を進めていくことについてでございます。学校給食費の改定にあたりましては、野田市で設置されているような検討委員会を設置し、広く市民の意見を聞くべきと考えるがどうか。また、給食費の値上げ分の全額の補助を令和7年度以降も継続することを求める。さらに、最終的には完全無償化することを求めるとの質問がございました。
この質問に対しましては、給食費の改定にあたっては、学校給食検討会を設置し、教職員のほか、PTAの代表からも意見を伺い、了承いただいていること。また、3月に開催されたPTA連絡協議会において、改定の経緯について説明を行っており、保護者から一定の理解は得られたと考えていること。
物価高騰に対応した給食費の支援は、国の財源を活用することで実現してきたものであることから、令和7年度以降の補助については、国による交付金の財政支援の状況や今後の物価上昇の推移、国内の景気動向等を踏まえ、慎重に検討していく必要があること。
完全無償化の実現には、総額で21億円の財源の確保が必要であり、その実現には国・県の財政支援が不可決であるため、県市長会等を通じて、速やかに国や県に支援を求めていくことを私から答弁を申し上げております。
教育総務部については以上でございます。
生涯学習部長
続きまして、私からは、生涯学習部に関係する内容について、主なものを抜粋して、3点御報告申し上げます。
1点目は、放課後子ども教室についてでございます。
放課後子ども教室のモデルケースの具体的な内容と今後のスケジュールについてという御質問がありました。
質問に対しまして、現在、放課後子ども教室として、補充学習型の「ステップアップ学習会」や体験型の学習や運動、遊びの講座を実施しているものの、ニーズの高まり等から、新たな放課後子ども教室の在り方を検討し、地域の有償ボランティアが中心となった緩やかな見守りの中で、子どもたちが自由に遊び、活動できる居場所を提供するモデル事業を高柳小学校で開始すべく協議を進めているところであること。今後、こどもルームとの連携や、夏休み等の長期休業期間の運営、事業の全校への拡大を視野に、先進市事例をもとにノウハウを持つ民間事業者への委託についても、検討していくことを私から御答弁しております。
2点目は市役所の環境整備についてでございます。
御質問としては、ラコルタ柏1階から本庁舎に向かう途中の緑地について、エントランスへつながる大切な場所でもあり、導線の機能を果たしつつ、ベンチや遊具を設置した公園化に向けた整備をしてはどうかという御質問でございました。
質問に対しまして、現状は機能重視で、定期的な草木の整備にとどまっていること。ボランティアと協同での整備を考えてみてはいるものの、整地の必要性や、整備後の適切な維持管理の方法を考慮して、現状は整備を行えていないということ。ラコルタ柏のアプローチの一つとして認識して、どのような手法があり得るのか、関係部署と相談しながら、教育と福祉の連携というラコルタ柏の特性を生かす方策も含めて、具体的に検討していくということを私から御答弁しております。
3点目は、町なかに本と親しむ居場所についてでございます。
御質問は、町なかで本と触れ合える場所が減る中で、議会における教育子供委員会での一宮市立中央図書館視察を踏まえて、図書館として、子どもたちと本の距離を縮める施策をどのように考えているかとの御質問でございました。
質問に対しまして、全国的に街の書店は減少傾向にあり、本に親しめる身近な場所として、図書館の重要性が高まっている中、本館と17ある分館での図書館サービスにとどまらず、町なかでのイベントでの読み聞かせや、本の紹介を通じて、子どもたちが本と親しむ機会を提供しているほか、今年度はTeToTe4階に子どもたちが本と親しむことができる「子ども図書スペース」の開設準備も進めている。本市では、図書館本館や分館の老朽化という課題も抱えているため、教育子供委員会での視察で学んだ事例を踏まえまして、本に親しむことができる居場所という側面も念頭に検討していくということを私から御答弁しております。
生涯学習部に関するものは以上でございます。
学校教育部長
続きまして、私からは学校教育部所管の質問と答弁のうち、3点御報告を申し上げます。
初めに、(8)市立柏高等学校グラウンド整備についてです。
現在、市で保有しているグラウンドとしては初のタータントラックになると思うが、整備後、小中学生の大会等に使えるよう、貸出しなどを行うのか。
また、設備修繕について、部室棟の老朽化が顕著であり、建て替え等の早急な対策を求める。野球場のナイター照明の電球が多数切れており、部活や生徒の活動に支障を来しており、早急な対策を求める。
この御質問について、市立柏高等学校グラウンドは、これまでも学校行事や部活動に支障のない範囲で外部団体へ貸出しを行っている。グラウンド整備後の施設の貸出しについては、整備した後も同様に貸出しを行い、地域の方々にも引き続き御利用いただく予定である。
しかし、今回新しく整備するタータントラックは、限られた敷地に敷設する都合上、現状と同じ3レーンが整備される。よって、公認トラックとしての要件を満たしていないため、公式大会の開催をすることはできないが、練習等での利用申込みについては可能である。
設備修繕については、市立柏高等学校は開校から47年を迎え、施設の老朽化も散見される。ナイター照明についても、電球が切れて照度不足が懸念され、事故やけがにつながるおそれもあり、今後もナイター照明を使用し続けるには、LED化を含めた早急な維持・補修が必要と認識している。今後、部活棟を含めた学校施設管理については、安全面や機能面での不具合の発生などを総合的に検討・重視しながら、優先順位をつけて整備・修繕に努めていくと答弁させていただきました。
次に、(9)市立柏高等学校についてです。
平成30年に発生した高校生の転落事案について、令和4年3月に調査報告書が出ている。遺族が文部科学省に申入れを行っているのは、市教委の対応に不満があり、遺族に対して寄り添った対応をするべきではないか。国からはどんな指導を受けたのか。学校は部活動も含めて、今回の事案をしっかり受け止めて行っているのか。
この質問に対して、「柏市いじめ重大事態調査検証委員会」から、令和4年3月25日に手交された調査報告書に基づき、再発防止策の検討を進めてきた。特に調査報告書で示された提言につきましては、外部委員として各方面の有識者を招聘したアドバイザリーボード会議にて、様々な観点から具体的対策を検討した。
部活動の在り方に関しても検討を重ね、柏市総合教育会議を経て、市立柏高等学校部活動ガイドラインを策定した。二度とこのようなことが起こらないように、市教育委員会をはじめ、学校の教職員全員が共有している。現在も改革しながら進めているところである。
遺族側は、文化庁に対して、令和6年5月2日に部活動の活動時間の基準を示した国のガイドラインの周知と徹底を柏市を含む各自治体の教育委員会などに指導するよう、申入れを行ったと認識している。
文部科学省から市教委に対して指導などは受けていないが、令和6年6月3日に、文部科学省・文化庁・スポーツ庁担当者より、県教育委員会と柏市教育委員会の担当者が、今回の事案に対するヒアリングを受けた。主な内容は、1.本事案に関する遺族等の対応状況、2.市の部活動の活動方針の策定経緯、3.現在の吹奏楽部の活動状況等、4.柏市いじめ重大事態調査検証委員会調査報告書において指摘されている再発防止に向けた提言の対応状況などである。
部活動の活動状況は、管理職が把握して市教委に報告されていて、市立柏高等学校の部活動ガイドラインに沿って運用されていると認識している。しかし、大会等の時期によっては繁忙期になることもあり、月ごとの休養日も増減があることを把握している。
遺族側からの申入書や協議の対応については、その場での回答及び文書での回答を行った。柏市関係者と遺族側との面談は、令和4年度は4回、令和5年度は1回行った。これまでも何度も協議を行ってきた。これからも誠実に遺族に寄り添いながら対応していくと、教育長と私から答弁しております。
最後に、(10)不登校の現状と対策についてです。
不登校の要因についてどのように考えているのか。また、不登校が生まれないようにするための対策をどのように講じているのか。文部科学省では、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策をスタートしている。柏市の現状を示してもらいたい。
柏市の校内教育支援センターにおいて、動線や室内環境について整備を進めてもらいたい。また、不登校児童生徒の多くは定期健康診断を受診することができていないと推察されるので、柏市の対策を示してもらいたい。また、学校規模による不登校率に差があるのか示してもらいたい。不登校対策として、民間フリースクールとの連携について教えてもらいたい。
不登校児童生徒はスポーツに触れる機会が難しい状況下にある。柏市スポーツ協会と連携して対策することはできないか。
この質問に対し、不登校の要因については、個々の理由が多様化・複雑化しており、支援については個のニーズに合った手だてを考える必要がある。不登校の要因を多面的かつ的確に把握し、「柏の児童生徒を誰一人取り残さない」という使命のもと、予兆を含めた初期段階から組織的・計画的な支援の必要性について、各学校へ周知し、学校組織体制の充実を図っていく。
市内全中学校に校内教育支援センターを設置しており、教員免許を有する「個別支援教員」を配置している。個別支援や学習指導等の対応を常時行えることは、県内でも水準の高い支援事業である。環境面については、学校備品や学校配当予算等を活用し、整備に当たっている。
柏市では、一部の検診について、救済日の設定や近隣校での受診案内を実施している。しかし、学校に登校することが難しい児童生徒が、ほかの生徒と一緒に健康診断を受診することは難しいため、今後、健康診断の未受診者への制度化の際に解決すべき諸課題を整理していく。
柏市において、学校規模の大小による不登校率の関係性はない。
市内のフリースクール代表者、各地区代表の校長、教育支援センターアドバイザーによる各フリースクールの運営方法や特色について情報共有を行った。指導主事によるフリースクールへの訪問を実施し、連携に努めていると答弁しております。
私からは以上でございます。
教育総務部長
次に、イの「柏市第2回柏市教育政策審議会について」を教育政策課副参事より御報告申し上げます。
教育政策課副参事
7月16日に開催しました、令和6年度第2回柏市教育政策審議会の概要について御説明させていただきます。別添資料と併せて御確認ください。
昨年度、「柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針」の策定に係る諮問機関として設置しました本審議会は、昨年度から引き続き今回で5回目の開催となりました。
これまでの4回の審議会では、柏市立学校の現状や課題の抽出、柏市が目指す子ども像・学校教育、教育環境に関するアンケート、望ましい学校規模、配置、通学距離などについて御審議いただいたところです。
このたびの審議会では、まず初めに望ましい学校規模について御審議いただきました。小学校では、1学年当たり3から4学級、中学校では4から6学級が適当。教員配置の観点からも若手とベテランの教員を配置できる一定の学校規模が必要といった意見がありました。
また、学校の配置や通学距離については、以前、提示した小学校2キロ以内、中学校は6キロ以内を望ましい通学距離とする案で了承されました。
次に、柏市が目指す子ども像・学校教育の案について審議しました。
教育委員会から提案しましたよりよい自分になるために、自他の対話を大切にしながら学び続ける柏っ子という案について、委員からは、目指す方向が個々に向かうことには留意が必要。自分だけでなく、周りや地域を考える人になってほしい。児童へのアンケートの結果を踏まえ、思いやりのある子どもを育てることが表現されるとよいなどの御意見を頂戴いたしました。
そして議事の最後に、目指す学校教育の実現に向けた具体的取組のうち、このたびの審議会では、小中一貫教育の推進、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実、特別支援教育の推進、不登校児童生徒への支援、子どもと向き合う時間の確保の5つのテーマを取り上げまして、各取組について、委員それぞれの立場から多くの御意見をいただきました。意見の詳細は、別添の資料の最後の21ページに記載しておりますので、御覧ください。
次回は、9月4日に今年度3回目となる審議会を開催する予定です。次回の審議会では、望ましい学校規模などに関する基本的な考え方を踏まえまして、将来の学校の在り方を議事とするほか、目指す学校教育の実現に向けた具体的取組についても、引き続き審議する予定でございます。
令和6年度第2回柏市教育政策審議会についての報告は以上です。
教育総務部長
教育長報告は以上でございます。
質疑等
田牧教育長
ただいまの報告について、御質問ありましたらお願いいたします。
渡部委員
放課後子ども教室についてですけれども、高柳小学校で今モデル事業を考えているとのことですが、ボランティアの方はどれくらい集まっているのか、現段階でどの程度なのかというのを教えていただきたいです。
生涯学習課統括リーダー
ボランティアの募集は8月1日号の広報かしわにて掲載予定になっております。そのため、現在何人かというところは申し上げられないのですが、事前に保護者向けの利用意向も含めたアンケートをしたところ、ボランティアに対して、協力できるとお答えいただいた保護者の方が4名、そして内容によっては検討しますとお答えいただいた方が30名程度いらっしゃいました。あとはコミュニティスクールの委員さんにも事業を説明したところ、中にはちょっと御協力いただけそうな方もいる状況です。
氏田委員
2点ほどお願いいたします。
1つは、大規模義務教育学校についてのことです。ほかの大規模義務学校の視察と、参考にさせていただいているような学校がありましたら、教えていただきたいと思います。
というのは、この前視察させていただいた阿蘇米本学園、大変勉強になったなと本当に思います。施設一体型で、全学年2クラスで、全校が500人程度で、教職員が大体市の職員も含めて、大体70人程度というような規模でしたけれども、今度柏市で予定されている学校は、はるかに大きな義務教育学校になるかと思いますので、参考にさせていただいている学校がありましたら、教えていただきたいと思います。また、その学校の特徴とかがあったら教えていただきたいと思います。
それからもう一つは、中学校の空調設備の工事なんですけれども、設置に当たって熱源にガスを利用しているところと、電気を利用をしているところがあるという説明がありましたけれども、その違いというのは、どこにあるのかなというふうに思いましたので、ちょっと教えていただければと思います。
教育政策課副参事
教育政策課から、比較的規模の大きな義務教育学校として参考にしている学校の事例について、御紹介させていただきます。
柏中学校区の義務教育学校の設置検討に当たりましては、令和4年度以降、県内、県外問わず複数の義務教育学校への視察を通じて、学校運営、教育課程などを具体的な内容について参考としております。
これまでに視察した比較的規模の大きな学校は幾つかありますが、例としましては八王子市立いずみの森義務教育学校やつくば市立春日学園義務教育学校というところを視察しました。八王子市のいずみの森義務教育学校ですが、児童生徒数9学年で現在1、342人ということで、今回、柏中学校区のほうで想定されている子どもの数と非常に類似すると思っております。普通学級数は39学級の学校ですので、学年当たり3から5クラスということになっております。
この学校の特色ですが、学びの系統性、連続性を意識しました、4年、3年、2年の学年区切りですとか、小中ギャップの緩和を図るための定期テストを5年生から導入したりですとか、異学年交流としましては、例えば2年生と8年生をペアリングしまして、算数の学習をやってみたり、また3年生と7年生をペアにして、理科の学習を進めてみたり、または8年生と9年生がリーダー役を務めまして、全学年が参加する縦割り清掃を行うなど、教職員が意図的に工夫をしまして、異学年交流を促進することで、特に子どもの情緒面で効果が非常にあるというふうに教職員の方々からお話を伺ってきたところです。
施設の面におきましても、様々な特色がございまして、例えば体育館は大小1つずつ合計2つ設置してございます。また昇降口は4か所設けていたり、交流ホールと呼ぶ普通教室4つ分の広さを持つ多目的なスペースを設けまして、学年集会ですとか、保護者会とか、様々な用途に柔軟に活用しているような施設を設けております。またソフト面では、教職員の数が多いというところの情報共有の課題を解決するために、オンライン情報共有のシステムを導入していたりですとか、1人の校長先生と3人の副校長、4人の主幹教諭を含めまして、役割分担をしっかりすることで、組織的な学校運営を行うことができるというふうに伺っております。
そのほか、ほかの自治体ではないですが、市内でも比較的規模の大きな柏第三小学校、第五小学校、光ケ丘小学校なども視察しまして、比較的規模の大きな学校でどのような工夫がされているのかというところも確認をしております。共通してどの学校にも言えるということは、一貫教育、異学年交流など様々な取組は行っているところですが、これで完成ということではなく、子どもの教育を最優先に常にブラッシュアップしていく姿勢が重要というふうにお話を聞いてきたところです。
氏田委員
この八王子市とつくば市、大体規模が同じときは本当に参考になるだろうなと思います。やっぱり、学校の規模とか、それから学校のおかれた状況によって、それぞれ課題等も違ってくると思うので、今ブラッシュアップが必要だというお話でしたけど、その都度一つ一つ、未完成であって、これからやっていくという、常にブラッシュアップしていくというような話でしたけど、本当にそういうことがこれから大切になるのかなというふうに思われます。
この前の阿蘇米本学園の見学をさせていただいたときに、施設面はどうなのかなというのを私、すごく思いましたので、今の話を聞いて、体育館が2つであるとか、それから交流ホールを設けているとか、やっぱりその学校の規模に応じて施設等も考えていかなくてはいけないなということをものすごく感じたところです。
あと、いわゆる教育課程を一つにする、それから教員組織を一つにするということは本当に大変なことだとは思いますけど、一つ一つ問題を解決しながら進んでいっていただければというふうに思います。ありがとうございます。
教育施設課長
屋内運動場体育館の空調設置工事における熱源の違いについて、御説明させていただきます。
今年度整備を行う運動場のエアコンにつきましては、室内機と室外機から構成されております。空調方式につきましては、室外機に内蔵しておりますコンプレッサーを運転させまして、空気を膨張させたり、圧縮させて、冷たい空気、暖かい空気をつくり出して、室内機から送風させるものでございます。この室外機に内蔵されているコンプレッサーを電気で動かすのか、ガスエンジンで電気を発電し、その電気で運転させるかの違いとなっております。
基本的に、都市ガスの供給区域についてはガス式、区域外については電気式としております。今年度、中学校に整備する体育館空調につきましては、21校中19校がガスを熱源としておりまして、残りの2校が電気式としているところでございます。
氏田委員
分かりました。都市ガスが通っているところは、基本的にはガスを使うという形なんですね。
というのは、お金も随分違うんだなというのと、それから避難所になったときに、電気のほうは電源が切れちゃったら使えなくなってしまうということでしたので、より快適に、安全に、持続的に使えるような施設であってほしいなというふうに願っています。ありがとうございます。
森委員
図書館のことについて、愛知県の一宮市立中央図書館を訪問されたということですが、この中で触れられているのは、ビルの中の利便性の高さによって利用者が増えたということでしたが、図書以外の何か特徴的なものとか、市の図書館の中で活用できるような機能があったのか、ちょっとお知らせいただければと思います。
生涯学習部長
私からお答えさせていただきます。
一宮市の図書館は、本当に駅ビルの中にあるというような構造になっていまして、規模も大きいですが、やはり利便性が高くて利用者が非常に多いという感じでした。
図書館の構成はフロアごとに、子ども向けのフロアとか、大人とかというふうに分けていたり、あるいはちょっとビジネス向けのコーナーをつくっていたりという工夫がされていたのは特徴的とは思うのですが、やはり一番はその利便性の高さというところが特徴だったなというところです。
また、実はこのときもう1か所、2日かけて視察させていただいて、1日目は一宮市立図書館で、2日目が大阪府茨木市のおにクルという複合施設を視察させていただきました。この中には、子育て向けの施設と、図書館のかなり規模の大きな分館と、ホールですとか、あと市民活動のための施設など、柏市でいうと、図書館とパレットとラコルタ柏を一緒にしたような、かなり規模の大きな複合施設なんですけれども、非常に造りが、それぞれのフロアが孤立しないように、回遊性を持たせた造りになっているというところで、それぞれの施設に目的で来た人たちも、何となくほかの施設に関わっていたりとか、そういう工夫が非常にされていました。造りも非常にデザイン性などにもこだわって、お金もかかっているようですけれども、居心地のよさとかそういうところを非常にこだわってつくったということが見て、伺って分かったところで、実際にすごく多様な世代の方々が、平日でしたけれども、非常に多く訪れていらっしゃいました。
こちらの施設は駅から徒歩10分ぐらいの場所なので、駅から至近というわけではないんですけれども、非常に施設の魅力が高いがために、すごくたくさんの方が利用されているところでしたので、柏の図書館を今後考えていくときには、図書館単体であれば、やはり駅近の利便性であろうし、あるいは複合的な施設とすることで、図書館利用がある方だけでなく、別の用で来た人がちょっと図書館にも行ってみようというような形で、より図書館を多くの方に利用していただけるような工夫なんかもできるのではないのかなということを今回視察で学ばせていただいたところでございます。
田牧教育長
ほかにありますか。
なければ、以上で教育長報告を終わりにします。
9.議事
議案第3号から第5号は、いずれも令和7年度の小中学校において使用をする教科用図書採択に関わる議案のため、非公開で審議を行いました。
議案第1号 柏市生涯学習推進協議会委員の委嘱について
説明
生涯学習部長
議案第1号は、柏市生涯学習推進協議会委員の委嘱についてでございまして、新たに委員を委嘱しようとするものでございます。
議案の詳細につきましては、生涯学習課統括リーダーから御説明申し上げます。
生涯学習課統括リーダー
柏市生涯学習推進協議会は、柏市附属機関設置条例に基づく附属機関で、生涯学習の推進について協議していただく機関です。委員の数は15人以内とされております。
この協議会は必要に応じて設置している附属機関で、最近では令和3年度から令和7年度を計画期間とする第四次柏市生涯学習推進計画を策定するため、令和元年度と令和2年度に設置しております。
今回新たに協議会を設置する趣旨といたしましては、第四次柏市生涯学習推進計画の計画期間が令和7年度末までとなっていることから、新たに令和8年度からの生涯学習の推進に係る計画の策定に当たり、その内容について協議していただくため、委員を委嘱しようとするものです。
委員の選出につきましては、柏市生涯学習推進協議会規則により、生涯学習について見識を有する者の中から、教育委員会が委嘱するものとなっており、今回13人の委員の委嘱を提案するものです。委員の氏名等につきましては、資料の12ページを御覧ください。
委員13人のうち、女性委員は7人で、女性委員の構成比は53パーセントとなります。任期につきましては、令和6年8月1日から令和8年7月31日までの2年間となります。
御審議の程よろしくお願いいたします。
質疑等
なし
採決結果
全員賛成可決
議案第2号 令和7年度使用柏市立柏高等学校教科用図書の採択について
説明
学校教育部長
令和7年度使用柏市立柏高等学校教科用図書を採択したいので、提案させていただくものになります。
詳細は教職員課長より、御説明させていただきます。
教職員課長
高等学校では、令和4年度の1年生から年次進行で、現行学習指導要領に移行しています。そのため、今回御審議いただく教科書は3学年とも現学習指導要領に準じた教科書選定になっております。別添資料、令和7年度使用高等学校選定教科書一覧に沿ってお話しします。
今回は、全体の7.8パーセントとなる4冊の教科書は新しく変更になりました。
1年生で使用する化学基礎については、2年生、3年生で使用する化学の教科書との学習内容の連続性を重視して変更になっています。
また地学については、昨年おりませんでした選択希望者がいるため設定しております。
英語コミュニケーション2.についてですけれども、数研から啓林館に変わっております。英語コミュニケーション3.、啓林館から数研に変わっております。この変更については、それぞれ1年生、2年生で使用した教科書との内容の連続性を重視しているためでございます。
教科書の選定についてですが、まず学校において、教科会議を開き、審議します。その際は生徒の学力到達目標、記述内容等を総合的に判断し、慎重に協議を行います。続いて教務部の教科書担当者が点検し、さらに教頭が最終点検を行い、校長に起案説明をいたします。このようにして校長が決裁したものが今回提案されております。教科書選定作業は毎年行っており、特に問題がなければ、おおむね3年程度継続しているところです。
以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
質疑
なし
採決結果
全員賛成可決
議案第3号 令和7年度使用小学校用教科用図書の採択について
説明
学校教育部長
令和7年度使用小学校用教科用図書を採択したいので、提案させていただきます。
詳細は指導課長より説明させていただきます。
指導課長
令和7年度に使用する小学校の教科用図書につきましては、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第14条の規定に基づき、義務教育諸学校の教科用図書に関する法律施行規則第6条各号に掲げる場合を除いて、令和6年度と同一の教科書を採択しなければならないこととございますので、別冊資料3ページのとおり、継続して使用することとしてよいかお諮りをいたします。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
質疑
なし
採択結果
全員賛成可決
議案第4号 令和7年度使用中学校用教科用図書の採択について
説明
学校教育部長
議案第4号は、令和7年度使用中学校用教科用図書を採択したいので提案させていただきます。
詳細は同じく指導課長より説明させていただきます。
指導課長
第1回教科用図書東葛飾東部採択地区協議会は5月13日に、第2回協議会は7月10日に開催されました。柏市、我孫子市、鎌ヶ谷市から専門調査員を委嘱し、調査研究を行いました。
この結果をもとに作成した調査報告書等の選定資料は、第2回協議会の前に協議会委員に配付され、第2回協議会では、調査報告、質疑応答、協議という手順で、静ひつかつ公正に行われました。
これらの内容を踏まえ、別冊資料7ページのとおり、令和7年度中学校用教科用図書として使用してよいかお諮りします。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
質疑等
なし
採択結果
全員賛成可決
議案第5号 令和7年度使用文部科学省著作教科書、学校教育法附則第9条の規定による教科用図書の採択について
説明
学校教育部長
議案第5号でございますが、令和7年度使用文部科学省著作教科書、学校教育法附則第9条の規定による教科用図書及び拡大教科書を採択したいので、提案させていただきます。
詳細は同じく指導課長より説明させていただきます。
指導課長
特別支援教育用教科用図書のうち、1の文部科学省著作教科書とは、文部科学省著作の特別支援学校用の教科書で、知的障害のある児童生徒用に作成されております。また、2の拡大教科書については、弱視等の児童生徒のために、文字その他を拡大した教科書でございます。
次に、別冊資料の12ページから15ページに学校教育法附則第9条の規定による教科用図書をまとめてございます。このうち、今年度の新規本は11冊です。国語はNo.46からNo.52、算数・数学はNo.7及びNo.10、生活・社会はNo.12及びNo.34となります。こちらについては、専門調査員を置き、調査研究を行いました。この結果をもとに作成した調査報告書等の選定資料は、第2回協議会の前に、協議会委員に配付され、第2回協議会は調査報告、質疑応答、協議という手順で静ひつかつ公正に行われ、新規本11冊が採択され、計144冊が設定されました。今回採択を受けますと、小中学校での使用が可能となります。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
質疑等
なし
採択結果
全員賛成可決
10.協議
次回教育委員会定例会の開催日程について
- 次回定例会予定
日時:令和6年8月29日 木曜日
開会:午後2時00分
場所:沼南庁舎501会議室
11.その他
月間行事予定
田牧教育長
続いて、来月の行事予定についてお願いします。
教育総務部長
教育総務部の行事予定は、行事予定表のどおりでございますが、このうち特に栄養士関係の研修、それから8月19日に学校給食費の公会計化に関してのシステムのプロポーザルを予定してございます。
詳細につきましては、学校給食課長より御説明申し上げます。
教育総務部次長兼学校給食課長
それでは、学校給食課から説明いたします。
初めに、栄養士の研修関係についてです。
8月1日に開催予定の給食関係職員夏季研修ですが、こちらの研修は学校給食における食中毒防止に万全を期するため、衛生管理に関する基本的な知識を習得し、より安全で衛生的な環境を確保することを目的として、毎年この時期に実施しております。
日々、細心の注意を払って作業を行っているところでございますが、食品関係の衛生に関係するリスクや注意点につきましては、日々変化しておりますことから、常に適切な対応が求められます。このため、現在求められている衛生管理の手法であったり、知識についての共通理解を図り、安全・安心な給食の提供に努めていくものです。
当日はアミュゼ柏を会場としまして、栄養士のほかに調理業務受託事業者を対象に実施していく予定でございます。
次に研修の2つ目としまして、8月23日に開催予定の給食主任・栄養士合同研修です。こちらの研修につきましては、学校給食と食育の意義、役割についての認識を深めるとともに、その指導と運営や管理について学び、指導力の向上を図るとともに、給食主任と栄養士の連携を強化することを目的として実施しています。
当日は、沼南近隣センターを会場としまして、給食主任や栄養士を対象に、本年3月に策定しました「柏市学校における食育方針」、こちらの意義と活用について周知、啓発を行ってまいります。
最後に、8月19日に予定しております柏市小中学校給食費徴収管理システム導入及び収納代行業務委託に係るプロポーザルプレゼンテーションについてです。
これは、令和7年4月から学校給食費を公会計化するに当たり、給食費の徴収、管理に必要なシステムの導入、運用、保守及び口座振替等により、給食費を徴収するとともに、未納者への督促や催告を代行して行う事業者を選定していくものです。当日は所定の資格を満たしました参加者からの技術提案を審査するため、プレゼンテーション及びヒアリングを実施してまいります。
生涯学習部長
続きまして、生涯学習部の行事予定でございますが、夏休み期間中ということで、イベントなど事業が多くなってございます。このうち裏面にございますオーバーナイトハイクにつきまして、担当課である生涯学習課統括リーダーより御報告申し上げます。
生涯学習課統括リーダー
オーバーナイトハイクについて御説明申し上げます。
この事業は、8月24日夜から25日朝にかけて、柏市内在住の中学生約400名が、大人たちの付き添いのもと、お互いに励まし合いながら30キロの道のりを歩き、ゴールを目指すイベントです。
コースは柏駅東口のダブルデッキからスタートした後、利根川の河川敷を歩き、市立柏高校を経由して柏中学校を目指すルートです。
参加者につきましては、全体を2グループに分け、午後8時15分から1グループずつ出発いたします。また、ゴールは最初のグループが朝の4時10分で、最後のグループが到着するのは5時25分となる見込みです。
この事業については、柏市相談員連絡協議会の事業ですが、当日は市の職員も参加し、天候等による開催の有無の判断や、救助の対応等に当たる予定になっております。また、熱中症対策も万全を期し、多くの大人がグループに同行するほか、休憩所を用意しており、そこで給水を小まめに取るよう対策を取っております。グループごとに救護車を走らせ、車が走れない河川敷にはバイク隊を置き、体調不良者を輸送する体制も取る予定です。生徒たちは長距離を歩くため、年度によっては完歩率が違うものの、毎年99パーセント以上の子どもが完歩しております。
学校教育部長
学校教育部は特にございません。
田牧教育長
月間行事予定について、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは続きまして、令和6年度教育委員行政視察として、7月16日に教育委員と私及び事務局職員が八千代市立阿蘇米本学園を視察いたしました。その報告を代表いたしまして、牧田委員にお願いしたいと思います。
牧田委員
令和6年7月16日に八千代市立阿蘇米本学園を視察してまいりましたので、簡単に報告いたします。
まず阿蘇米本学園ですが、こちらは令和4年4月に阿蘇小学校、米本小学校、米本南小学校、阿蘇中学校を統合して、義務教育学校として開校したということになります。
もともとのきっかけが、児童数が減少したということを聞いておりまして、阿蘇米本学園の学級数は1年から9年まで、それぞれ2学級、児童生徒の数は約500名でございます。仮に統合されなければ、やはり深刻な児童生徒の減少の問題に直面していたのかというふうに感じました。
こちらは、平成24年6月に学校適正配置検討委員会が阿蘇米本地区の小中学校の適正化の配置の進め方を審議したというところからスタートしていると伺いました。最終的にはそこから開校まで約10年かかっております。
学校の統廃合ということと、あと新しい義務教育学校ということを開校させるということは、いかに困難だったかということが示されました。
学校の雰囲気でございますが、1年生から9年生まで同じ校舎で学んでおり、印象としては小学校のような明るさ、親しみやすさを感じました。前期課程の1年生から6年生は、明るく活発で元気がよくて、後期課程7年生から9年生は割と落ち着いて授業を受けておりました。
ただ当校では、1から4年生を基礎期、5から7年生を充実期、8、9年生を発展期として区分しており、それぞれの発達段階に応じた指導を行っていると伺っております。そのため、同じ校舎に1から9年生が混在しても、巷の小学生がいる、中学生がいるというような大きなギャップを感じず、すんなり違和感がないなと思った次第です。
学校行事でも、1年生の面倒を6年生が見たり、合唱祭では、後期課程の生徒さんたちが歌う姿に、前期課程の児童たちが非常に影響を受けて、多分歌声なんかでも非常に迫力もありますので、圧倒されるんじゃないかと思いますが、それはよりよいお互いの刺激になっているんだなと思っております。子どもたちの自発的な発達が促されるというふうに伺いました。
また、中一ギャップなども先ほどの区分によって、解消されるというふうに聞いております。
それから教職員の雰囲気なんですが、前期課程、後期課程のそれぞれの職員は一つの職員室で仕事をしているということが非常に印象的でした。小学校、中学校別の校舎であれば絶対ない話ですので、こちらの学校では、小中学校の教員同士のシームレスな連携が図られておりました。学年相互の交流があるので、進級後にトラブルがあったとしても、かつての担任から話をすぐ聞けるような対応ができるというふうに伺いました。
初代校長先生から実際にお話を伺いましたが、非常に熱量のある方で、この学校に対する並々ならぬ努力と熱意を持って開校されたということが肌で感じることができました。その初代校長先生のお話ですと、この学校は未完成である。全児童、全職員、保護者や地域関係者が一体となって、新しい学校のデザインをしていくということをコンセプトにしています。その気持ちを基に、様々な制度をつくり出してきたとおっしゃいました。やはりそういうフロンティア精神あふれる校長先生と、ふだんから接している教員の先生たちも、その仕事ぶりに啓発されて、またこの学校からほかへ転出した場合でも、新たなところで活躍して、フロンティア精神であるとか、熱意をほかの教員にも波及していくような逸材になるんじゃないかなと伺いました。
それから、地域住民の理解のために工夫されていることが幾つかありました。学校は地域のシンボルですので、地域の大人たちがかつて学んだ場所がなくなるということは、非常に寂しい思いをされることは当然かと思います。そのため、統廃合の反対の意見もいろいろとあるところでありますが、この学校では単に児童数の減少という数字だけではなくて、統合後の学校の校舎を4校のシンボルカラーで塗装する、あるいは統廃合、そして新設校の誕生に至る動画を撮影して、保護者などに上映するなど、新しい学校が生まれて地域を再生するという、そういう工夫をされていることを感じました。
今回の視察については、先ほどの教育長報告の中での議論にもありましたが、柏市のほうでも大いに参考になる話かなと思っております。当市でも柏中学校区の小学校を統廃合で統合して、令和10年4月に義務教育学校を開校するということを目指しております。こちらのほうでは、児童生徒数が1、400人規模になりますので、阿蘇米本学園の約3倍になります。なかなか阿蘇米本学園よりも想定外の課題や問題も出てくるかと思いますが、こちらで視察した学校であるとか、ほかの学校の知見など生かして、ぜひチャレンジ精神を持って、問題に取り組んでいただきたいなと感じる次第でした。
今回の視察に当たっては、当然授業中、本当に忙しい中、視察を引き受けていただきました、様々な関係者の方、あとは学校の先生、それから児童生徒の皆さん、いろいろな方の協力をいただいて、視察を実現できたと感じております。この場で謝意を表したいと思います。ありがとうございました。
田牧教育長
御報告ありがとうございました。
そのほか、何か事務局から連絡事項等ありますでしょうか。
12.閉会宣言
田牧教育長
それでは以上をもちまして、全ての日程を終了といたします。
閉会とします。
ありがとうございました。
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