更新日令和7(2025)年1月31日

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令和6年度第3回柏市保健衛生審議会健康増進部会会議録

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1 開催日時

令和6年12月19日(木曜日)
午後2時00分から午後3時30分

2 開催方法

対面とウェブ形式との併用による開催

3 開催場所

ウェルネス柏4階大会議室

4 出席者

委員

橋本英樹会長、杉本健太郎副会長、池澤幸博委員、加藤理津子委員、木村能芙子委員、小齋隆宣委員、齊藤泉委員、高橋直資委員、髙橋史成委員、西田美穂委員、平野江利香委員、松本文委員

関係部署

健康医療部長(高橋裕之)、健康政策課長(大西佑作)、高齢者支援課長(島澤智宏)、地域包括支援課長(小出嘉則) 地域保健課長(星裕子)、地域保健課専門監(坂本絢子)、総務企画課統括リーダー(吉野美穂子)、スポーツ課長(川口剛)、福祉政策課長(虻川純子)、学校教育部次長・学校教育課長(原竜太郎)、農政課長(中村亮)、農政課統括リーダー(古関剛司)、 農政課主査(平川貴大)、農政課主任(栗原菜生)

政策アドバイザー

千葉大学予防医学センター 中込敦士准教授

千葉大学予防医学センター 井手一茂特任助教

千葉大学予防医学センター 小林周平特任研究員

事務局

健康増進課長(浅野美穂子)、健康増進課職員

※ウェブ形式による参加

5 議事内容

  1. 第2次健康増進計画について

6 資料

  1. 次第(PDF:55KB)
  2. 資料1(PDF:1,754KB)
  3. 資料2(PDF:426KB)
  4. 資料3(PDF:4,615KB)
  5. 資料4(PDF:448KB)
  6. 資料5(PDF:KB)(PDF:1,441KB)

7 議事(要旨)

協議事項1. 協議事項1ー(1)計画書本編

事務局から、資料1(スライド7まで)、資料2の説明

【橋本会長】

事前意見で出されていた「ライフコース」「ライフステージ」という言葉の使い方や定義、女性の健康に関する問題の表現のあり方、また地域特性をどう盛り込むかということに整理できる。

「町会・自治会・区」を図の中に取り入れた計画体制のイメージに、「オール柏」の登場人物がきちんとカバーできているか。市民の「主体的」な取組を、図でどううまく表現できているかなどがポイントになると思うので、御意見をいただきたい。

【杉本委員】

計画本編はいろいろと考えられていて素晴らしいと思った。この計画の特徴のひとつとして、「地域特性を踏まえた健康づくり」はポイントになると思う。その意味でも「町会・自治会・区」が計画に含まれたのは大変素晴らしい。このようなところと連携しながら、各地域の状況に寄り添った取組計画を立てていくのがよいと思う。

「地域特性を踏まえた健康づくり」には各重点分野は記載しないとのことだが、今後取組を実施していくにあたり、非常に重要なポイントだと思う。7月のこの会議で報告された調査でも、地域によって生活習慣の相違が見られていたので、その点を意識しながら取り組んでいただきたい。

【橋本会長】

実際に取り組む際、また具体的なプログラムを検討する際には、地域特性を考えるとどのような点が盛り込めるのか、一度チェックリストのように確認ができるようになると、杉本委員の御指摘に応えていけるのではないか。

【加藤委員】

「地域特性を踏まえた健康づくり」について、橋本会長や杉本委員の御発言のように、運用の中で忘れてしまわないように、どこかに明記が必要ではないかと気になった。

事前意見の「女性の健康」に関する内容は、私から挙げたものである。委員の皆様から違和感がないかどうか、漏れがないかどうかが大事だと思うが、いかがでしょうか。

【平野委員】

加藤委員の御指摘はごもっともであると思う。女性が結婚、出産という人生の節目に必ずしも当てはまらない場合はあるので、女性ホルモンの変化による様々な疾患のことについての指摘は、女性に非常に受け入れられやすい内容になっていると思う。

【木村委員】

女性ホルモンについて始めに書いてあると、どの立場の女性にも当てはまることなので、とてもよいと思う。

【橋本会長】

その他、ライフステージや地域特性について御意見はあるか。主体的な取組をイメージ図にうまく表現できているか。「オール柏」で漏れてはいけない重要なステークホルダーが、図から抜けていないか。また、その表現について気になるところはないか。この図は今後説明をしていく際に象徴的に使われていくと思うので、少しでも気になる点があれば御意見を頂きたい。

【齊藤委員】

計画の推進体制の図の中の「事業場」のイメージとは何を想定しているか。

【事務局】

図の中には「事業場」と「民間企業」があるが、「民間企業」は我々と連携して市民の健康づくりを一緒に行ってくれるところというイメージである。一方、「事業場」は、そこで働く従業員の健康づくりをイメージしている。

【齊藤委員】

「職場」と表記する方がわかりやすいと思う。

【事務局】

「事業場」を「職場」に書き換える形で対応したい。

【橋本会長】

民間企業、事業所、職場にしても、図の中で主語にあたるのか、目的語にあたるのかが分かりにくいのが、民間企業と事業場の違いが分かりにくかった理由のひとつかもしれない。この図に出てくる人たちは自主的な健康づくりの主体であることから、「○○が」「○○は」という主語にあたる人たちが図に並んでいることが基本的な条件になると思う。例えば、職場が率先して働く人たちの健康に寄与するという形であれば「職場が」、民間企業が自分たちのビジネスを通じて市民の健康づくりに寄与できるのであれば「民間企業が」という主語になる。

【中込政策アドバイザー】

「市民の主体的な健康づくり」が図の中心にあることを考えると、市民の主体的な取組を図の中に入れられるとよいと思う。こども食堂がよい例だが、この図に入れるべきか悩みながら発言させていただいた。主体的な取組をどのような部分まで入れるのか、いくつか入れていくと切りがないので控えておくのか。

【橋本会長】

「市民の主体的な健康づくり」はどこまでの範囲か、ということを御発言いただいたと思う。一人一人が自分の健康に主体的に関わるという意味か、健康づくりに取り組むまちになるよう市民が参加しながら進めるという意味か。後者では、こども食堂の活動に参加することも含まれる。「健康づくり」の射程範囲がうまく表現できているかどうかという示唆であったと理解している。

【中込政策アドバイザー】

自分が言いたかったことを言語化していただけた。「社会全体で健康づくりを進めていく」という点で、市民がそこにどう関われるのかということも重要である。

【小齋委員】

こども食堂については、我々も自分の地域でそのような活動に関わっているので、考えながら、イメージしながら御意見を聞いていた。

【橋本会長】

図で表現しきるのは難しいが、主体的な健康づくりという点で「オール柏」では、資料に記載のある「社会全体で健康づくりを支援」がいちばんのポイントになると思う。市民の主体的な健康づくりとは、一人一人が健康についての自我意識を持とうということではなく、社会全体で健康づくりを支援していくことに、市民が積極的に、主体的に参加してほしいということを意味していると思う。今度、同様の質問があった場合は、この図の解釈を説明できるように準備ができているとよいと思う。また、「社会全体で健康づくりを支援」をもう少し大きい字で示していただきたい。

【小齋委員】

分かりやすく説明していただき、ありがとうございます。「社会全体で健康づくりを支援」は欄外に見えてしまうので、図の中に入っている表現の方が、より意識ができると思う。

【橋本会長】

この点を工夫して、主体的な健康づくりの意味を「主体的な、健康的なまちづくりに、市民の皆さん一人一人が参加することを考えている」という表現ではいかがか。

【池澤委員】

こども食堂は、一般的には健康づくりよりも、貧困対策のイメージが強い気がするが、その点はどうか。

【橋本会長】

今はこども食堂が置かれている状況が変わってきている。貧困対策としてのこども食堂は、フードバンク等を除いて極めて限られており、自治体で実施されているこども食堂は、いろいろな人が集う場、市民に開かれた場となっているものが8割を超えている。社会全体での健康的なまちづくり、関係づくりの場として展開しているのが、厚労省等の立場となっている。こども食堂は一例であり、地域のサロンや予防介護事業での通いの場も含まれるため、図の中には「こども食堂」「通いの場」などと書かなくてもよいと思う。

計画の推進体制の図は「社会全体で健康づくりを支援」を大文字にするが、原案はこのままでいきたいがよろしいか(異議なし)。

協議事項2. 協議事項1ー(2)健康目標値

事務局から、資料1(スライド8から11まで)、資料4の説明

【橋本会長】

目標値の設定には、千葉大学の先生方から多くのアドバイスを頂いていると伺っているので、コメントを頂きたい。また、指標には「健康日本21」にあるような内容のほか、社会的孤立に関する指標があり、柏市独自の非常にユニークな指標になっている。

【中込政策アドバイザー】

千葉大学内で、私と井手先生、近藤先生達とディスカッションを行い、このような形でまとまり、非常によくできていると感じている。

社会環境や孤立については、重点分野ごとに分かれて入っていて見やすい。運動習慣者の目標値があった時に、その達成のために行政や市民は何ができるのか。例えば、「運動のできる場が多くある地域である」と回答した割合などは、何をすればよいか分かりやすいメルクマーク(指標)になっている。

こころの健康の部分に、孤独や孤立に関する指標を加えている。「健康日本21」でも、社会環境やこころの健康が取り上げられており、この部分にフィットしていると思う。自殺ということの前段階として社会的孤立、孤独が挙げられると思うので、しっかり明文化され目標値の設定がされたのは非常に画期的だと感じる。

【井手政策アドバイザー】

社会環境を整える視点で目標を追加していただき、これは先程議論になった「オール柏」で進めないと達成できない指標にもなっていると思う。取組状況を測る意味でも、柏市にしかできない計画を表現している代表的な目標値となったと思う。

【橋本会長】

委員からも御意見を頂きたい。

【杉本委員】

御説明の内容に異論はなく、大変よい目標値になっていると思う。

「女性の健康」目標値のうち、「過去1年間の健診の受診割合」は女性の割合が表示されているのか。健診の受診割合では「受診した人」となっているので、女性の割合が表示されていることが分かるように明確に示した方がわかりやすいと思う。

【事務局】

女性であることを明記するよう修正する。

【橋本会長】

もともと健診の受診ができないような女性には、ジェンダーバイアスで家事や介護の負担がかかっているなどの状況で、女性の健康に関わる自己投資が妨げられていることに対して、社会全体で取り組むべきというところから出てきた指標である。

指標の改善にあたり、受診の啓蒙を行う従来のやり方ではなく、社会環境の整備を通じて、女性が自分の健康に投資をしやすくすることがここに盛り込まれていることを確認しておきたい。その意味では、「過去1年間に健診等を受診した女性の割合」を「受診できた女性の割合」にする方がよいかもしれない。

【橋本会長】

御意見を頂いた全体像から、「オール柏」全体で取り組むということ、図の上に市民を中心とした様々なステークホルダーが、主体の主語として挙げられていること、地域特性を踏まえて町会・自治会等の地域の関係者も入っているのが確認できた。

また、影響を受けやすい女性の健康を展開するために、本人だけではなく、社会環境の整備を伴いながら、まちを作っていくことを通じて、誰もが健康になれるまちを目指すことが、ここに宣言されたと理解している。思った以上に壮大なものができ上がっている。これは画期的だと思う。

協議事項3. 協議事項2ー(1)概要版

事務局から、資料5の説明

【橋本会長】

本日のみなさんからの意見をもとに、次回の部会で概要版の最終案を提示しないといけないので、しっかり見ていただく必要がある。

【木村委員】

事前意見を書かせていただいたが、目標の「やせ」について、痩せるのは医師は健康面のことを仰るが、一般的な女性は痩せるという言葉が魅力的に聞こえてしまう。中高生にも分かりやすい表現を目指しているとのことだが、中高生など若い女性は瘦せていることに憧れているので、痩せることはなぜよくないかが分かりにくいのではないか。「やせ」ということには魅力的ではない表現が必要ではないか。今は、「体重」ということの中に、「標準体重」、「美容体重」、「シンデレラ体重」、「モデル体重」という4つがあり、シンデレラ体重は標準より約10kg痩せている。軽い体重にすると写真写りがよいからと、若い女性がそれを目指してしまうのはよくない。SNSでは「シンデレラ体重を目指すのはやめましょう」と書かれている一方、シンデレラ体重の芸能人一覧があり、憧れてしまうところがある。若い女性に「やせ」がどうしてよくないかを、もう少し書いていただけると、パッと見たときに分かりやすいのではないかと思う。

【橋本会長】

特に若い女子高生では、ファッション系の情報を中心としたメディアの影響を大きく受けてしまいやすい。周りの目が気になり、自分もああなりたい、ならなければいけないと思ってしまうことが多い。健康に関する正しい知識を持つだけでなく、自分に合った自分の身体を自分で選んでよいという多様性の問題、いろいろなあり方があることを知ってもらうことが重要になる。公衆衛生における摂食障害の研究では、介入研究としてよく挙げられるポイントとなっている。御指摘いただいた点は正にそうだと思う。

【平野委員】

「やせ」が若い子に魅力的なのは正にそうである。低栄養、やせに関してこの言葉しかないのだろうかと思うが、思春期の子はこれから臓器ができる時期であり、自分の患者で慢性の摂食障害に近い方を専門家に紹介していることが最近多い。御指摘を頂きありがたい。

骨粗しょう症について、「健康な骨づくり、骨粗しょう症の予防のポイントを学び、生活習慣に取り入れ、実践しましょう」では、少し言い回しが弱いと思う。「骨粗しょう症は骨がもろいことでしょう」という程度に捉えられ、高齢の女性もあまり積極的に治療をしない。薬はあるが内服が難しく、なかなか治療をしてもらえないことを感じている。「骨粗しょう症になると寝たきりになってしまう」という話をすれば驚かれるので、脅すわけではないが、正しく理解して、積極的に皆さんが取り入れられるような表現を入れていただきたい。

【橋本会長】

今の御指摘で明らかになったのは、女性の健康を「女性」でひと括りにしてよいのかという問題である。若年層の方に対して、メディアに振り回されず自分の身体、自分のあり方を多様に選んでよいというメッセージの出し方や、知識を持って自分で正しい選択をする骨粗しょう症のような内容、分かっているけれど仕事や家事、子育てなどで忙しく自分の健康が優先できない健診の受診、特に子宮がん検診や乳がん検診のような外的環境をどうするかという問題など、これらはメッセージの出し方が違うと考えた方がよいのかもしれない。

私も見て気になったのは、特に健診では、女性の健康は全て女性が主語になっているが、環境を改善するのであれば男性に対するメッセージも入っていないといけない。女性の健康だからといって、女性だけにターゲットを絞ったメッセージというのもおかしいのではないかと思った。

【加藤委員】

私が大学で指導している若い女性でも、やせが問題になっている。スポーツをしている女性の場合は、本人が意図してではなく、練習で疲れて食事がとれず痩せていくこともあり、監督やコーチの知識が十分ではない。自分が希望して痩せるタイプと、知らず知らずのうちに痩せてしまうタイプがいるので、ひと括りにはできない。やせは何が問題になるか、中高生にも伝わるように分かりやすいメッセージが必要ではないかと思う。

飲酒、喫煙については、妊産婦だけでなく若い世代にも問題となっている。その世代に対しても、メッセージとして必要なのではないか。

【橋本会長】

飲酒のところは保護者が主語になっており、中高生が主語になったメッセージが入っていない。海外では、青少年、特に10代を対象とした喫煙防止キャンペーンとして公共のコマーシャルを使っているところがあるが、「タバコは大人になってから」というメッセージだと、子どもが喫煙をするのは大人のようなこと、大人に言われたことではないことをやって自分を主張したいということが多いので、逆効果になる。今行われているのは、「タバコ会社の大人は貪欲な目的で私たち子どもを騙そうとしている、そのような汚い大人の言うことに反発し、自分たちの弟や妹を守るために立ち上がろう」というコマーシャルである。これには10代の若者の喫煙防止効果があったとエビデンスが出ている。

他の重点分野でも御意見があればお願いしたい。メッセージの主語は誰かなどを見ていただきたい。「市民の取組」について、個人の自分に対する内容が多いが、中込先生からの御指摘から、市民の主体的な参加とは、自分のために自分の健康を認識するだけではなく、まちを健康的にするために市民が主体的に入ってもらうことを含んでいる。「市民の取組」には、自分の健康を認識して自分のために行うメッセージしか入っていない。「女性の健康」であれば、相談できない女性に市民が声をかけて、一緒に相談できるような環境を作ることや、家事や育児などに縛られている人に対して積極的な支援を行うことなど、市民として問題解決のために自分で何ができるかというメッセージがほとんど入っていない。計画の推進体制の図に書いてあるものとズレを感じる。

【小齋委員】

木村委員や橋本会長の話から、中高生が女性のスリムな体型に憧れる価値観と、やせの健康に対するリスクと、価値観の違いが本人たちには届いていない。そういうものだと理解はあっても、自分たちが行動に踏み出すことはなかなかないのではないかと思う。市民へのアプローチもそうだが、同性・異性に可愛く見られたいことや、社会全体の「細いことは美しい」という価値観が根源にある以上、この表現だけでは超えていけないのではないか。国によっては、ふくよかな女性の方が魅力的というところもあると思うと、もっと大きなテーマ性を持ったもの、社会的な価値観をもっと健康に、一緒にその方向性を見ていける表現、メッセージがあるべきなのかと強く思う。若い人にとっては、ここに書いてあることを見て「そうだね」とはならないだろうと思う。

【橋本会長】

社会的にジェンダーに付いた規範のような形で「女性はきれいであれ」という価値観がある以上、高校生一人一人が立ち向かうのは難しい。そうした場合の介入として、海外では、「自分を見つめ、自分を大切にして、自分らしくなってよい」ことを教えている。そうすると、自分が本当に痩せたくてやっているのか、そうしないと不安なのかを考えるきっかけができると言われている。メッセージは分かりやすく、高校生もターゲットに入れて、女性の健康について「やせ」を取り上げるのであれば、コラムなどの形で切り出した方が安全な気がする。

【橋本会長】

「女性の健康」の話に偏ったが、概要版全体を含めて御意見があれば頂きたい。

 

【池澤委員】

「身体活動・運動」について、「日常生活の中で体を動かす機会を作りましょう」とあるが、今の母親たちについて、20~39歳の週1回以上の運動習慣が22.2%と予想通りとても低い。私の職場にいる若い母親は、朝は学校に送り出すまでは戦争だという。そして、自分が仕事から帰ってきて学童の迎えに行き、御飯を食べさせるような慌ただしい生活で、いつ運動するのだろう。運動の機会を作るのは自分の努力だろうと言われればそれまでだが、「できるわけがない」と思う人がいるかもしれない。

【橋本会長】

男性の立場でもそう読めると言っていただいたのは、大変重要である。やれと言われてやれるなら既にやっていることで、できない状態にあるのになぜ自分の工夫でやれというのか、というのはもっともである。現在の概要版には、市民に対するメッセージが「自分で工夫してください」しか書いていない。「あなたが意識を変えて、あなたが実践してください」という従来型の内容だけが書いてある。「環境を変えて健康づくりに資するまちを作るために皆さんに参加してほしい」という趣旨とズレていることが、今の御指摘で明白になったと思う。

【中込政策アドバイザー】

御指摘のとおりだと思う。主語が何なのかというところで、女性だけが意識して頑張らないといけないというところにメッセージが偏っていると思う。どこまで載せられるか難しいが、社会環境の整備の部分がないと機会が作れないし、問題が解決できないものが多い。コラムにするのはよいアイデアだと思う。行政としてどこまで載せられるか難しいので、コラムとして触れられるとよいと思う。

【橋本会長】

委員の御意見を踏まえると、「やってください」という前に、「これが問題」という皆さんの困難を理解している、困難を超えていくためにこのような参加をお願いできないか、という方に市民へのメッセージが書かれている、そのために市や関係機関は責任を持ってサポートするというメッセージがあると、「そんなことは言われたくない」というメッセージにはならないと思う。

【事務局】

「市民の取組」内容には偏りがあるので、どこまで反映できるか工夫したい。コラムをうまく活用するという御意見を頂いたので、コラムの内容を千葉大学や各委員にお願いしているところで、メッセージとして発信できるように工夫をしたい。

【橋本会長】

概要版の内容は検討する余地が相当あるということを、出席者から御意見を頂いた。これらの御意見は大変重要で、皆様で少しでも引っかかるところがあれば、ここで意見を出し切っていただけるとありがたい。

【西田委員】

概要版は市民に配るもので、中高生から高齢者まで読むと思うが、2ページ:取組の柱(基本方針)4の「機運醸成」は、中高生は何だろうと思う。もう少し簡略化するような表現はないか。

3ページ:重点分野5に「かしわ」の頭文字を使っているのを、他の重点分野でもできないか。

やせについて、摂食障害になった方の体験を知ってもらえたらよいと思った。

9ページ:適正体重・血圧について、仕事で高齢者と関わる中、適正な血圧がわからない方が多い。適正な血圧がわかる表があると、市民にも分かりやすいのではないか。

【橋本会長】

市民目線の御指摘を挙げていただき、大変助かる。やせというものの怖さを実体験で入れたり、他の部分でも怖さだけでなくよかったという体験も含めて、市民の声がコラムにあると響きやすいかもしれない。

【松本委員】

健康づくり推進員の立場から、「女性の健康」の目標に「やせ」という言葉を入れるのはどうなのかと思っている。女性の体重減少を表すものとしても、違う言葉がないか考えていた。若い方のやせだけでなく、私たちが日常接しているお年寄りの低栄養も問題になっている。全体的に、お年寄り向けのメッセージが少ないと見ている。

市・関係機関の取組について、先日、健康づくり推進員イベントに来ていた母親たちの半分くらいが、健診に行けていないと聞いた。なぜ行けないか尋ねると、子どもを預けるところがないということの他に、忙しくて忘れていたという方が多かった。LINEなどのツールで知らせてくれたら行けるという意見や、健診を受けられる日時や場所が少なく、増やしてくれたら行ける日もあるという意見があった。機会をたくさん作れるように、市や関係機関にお願いしたい。

【橋本会長】

高齢者目線が足りないという御指摘は、「オール柏」という以上、様々な代表から見てフェアに扱われていることが求められるのは、御意見のとおりだと思う。

【高橋直資委員】

概要版はよくまとめられており、各委員の御意見は重要なところだと思う。現状を表すグラフの字が小さすぎる。よいものを作っているのに、高齢者に限らず見づらいのは少し残念である。

【髙橋史成委員】

グラフについては、市民が手に取り、内容を説明する時に、どの数値に着目していただきたいのか、丸枠で囲んだり、色を変えたりすると、この数値を上げたい、下げたいということが伝えやすいと思う。

12ページ:食育推進計画について、レイアウト上の都合はあるかもしれないが、もう少し内容を入れられるとよいと思う。

【橋本会長】

誰もが見てもサッと理解できる形にするのは、概要版に求められる要素である。図やレイアウトに改善の余地があるのは、御指摘のとおりである。

【加藤委員】

これまで「やせ」の表現について御意見を頂いているが、BMIの基準は、日本人の総死亡率が低かったBMIが18.5~24.9ということで、18〜49歳の基準が18.5とされている。50歳代は20.0~24.9、65歳以上はフレイル予防の観点から21.5~24.9となっている。BMIの基準は総死亡率から算出しているので、やせによる女性特有の月経の停止などが含まれているものではない。本人は痩せだと思っていない可能性があり、「BMI18.5がやせである」という言い方より、「健康増進の観点では18.5未満が課題」であるとコラムなどに入れた方が伝わると思う。65歳以上ではフレイルの問題からBMI21.5以上で決められているが、女性のやせによる健康問題が、BMI18.5に必ずしも当てはまらない可能性がある。「やせ」という表現ではなく、「不健康」という表現を工夫して、「健康増進を考える上で自分のBMIを見直した方がよい」というメッセージの方がよいと思う。

【橋本会長】

女性の「やせ」の呼び方は多くの委員から御意見を頂いているので、事務局で修正を行う際には加藤委員から専門的なアドバイスを頂きながら、よい言葉を探っていただきたい。

「オール市民」の目から、様々な角度の御意見を頂けて大変ありがたかった。これを踏まえて、事務局で概要版の修正を作っていただきたい。千葉大学の先生方には様々な形でアドバイスを頂き、ここまで来ることができたことに改めてお礼を申し上げたい。中込先生から、全体を通して、これからに向けてコメントがあればお願いしたい。

【中込政策アドバイザー】

「オール柏」を表した絵について、概要版と計画書本編の説明資料は似ているが違うことに気づいた。あえてそうされているのか。

【事務局】

小齋委員から御意見を頂いた後に修正したのが説明資料で、修正前のものが概要版に掲載されている。今後さらに修正する。

【中込政策アドバイザー】

この絵が非常に印象的で、市民の皆様にも有効に届くことを期待する。

「主体的な」という部分が、自分の健康に対して主体的に取り組むという点と、健康的な環境づくりに主体的に関わるという点に整理された。その観点では、概要版は個人へのメッセージに非常に偏っている。「女性の健康」だけでなく、市民も健康づくりに関われることが各重点分野にあるとよいと思う。

これからが計画策定の本番にあたると思うので、いかに市民、もしくはオール柏の主体的な健康づくりを推進していけるような体制が今後継続的に必要だと思う。本部会にはステークホルダーの方が集まっており、ぜひこのような場を設けて、市民を含めたワークショップなどを行いながら、計画に沿ってオール柏の健康づくりを進めていただきたい。

【橋本会長】

協議事項1-(1)(2)で見ていただいた図や計画本編の案については、部分的に修正についての御意見を頂いたが、概ね了承を得た。事務局には、パブリックコメントを頂くための作業に進んでいただきたい。概要版については、非常に多面的な意見を頂いたので、事務局では一つひとつ反映しながら、加藤委員や中込先生たちの御意見も仰ぎながら、いろいろな市民が自分の立場で、自分のものとして読めるような概要版の作成に取り組んでいただきたい。

8 傍聴

傍聴人数2名

お問い合わせ先

所属課室:健康医療部健康増進課

柏市柏下65番地1(ウェルネス柏3階)

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