更新日令和6(2024)年11月12日

ページID40701

ここから本文です。

令和6年度第2回柏市保健衛生審議会健康増進部会会議録

1開催日時

令和6年10月10日(木曜日)午後2時00分から午後4時00分

2開催方法

対面とウェブ形式との併用による開催

3開催場所

ウェルネス柏4階大会議室

4出席者

委員

橋本英樹会長、池澤幸博委員、加藤理津子委員、木村能芙子委員、小齋隆宣委員、齊藤泉委員、髙橋史成委員、西田美穂委員、平野江利香委員、細井毅委員、松本文委員

関係部署

スポーツ課長(川口剛)、健康医療部長(高橋裕之)、健康政策課長(大西佑作)、高齢者支援課長(島澤智宏)、地域包括支援課長(小出嘉則)、地域保健課専門監(坂本絢子)、総務企画課長(梅澤貴義)、福祉政策課統括リーダー(高橋志布)、農政課長(中村亮)、農政課統括リーダー(古関剛司)、農政課主査(平川貴大)、学校教育課長(原竜太郎)

政策アドバイザー

井手一茂千葉大学予防医学センター特任助教
小林周平千葉大学予防医学センター特任研究員

事務局

健康増進課長(浅野美穂子)、健康増進課職員

※ウェブ形式による参加

5議事内容

  1. 第2次健康増進計画の概要について
  2. 第2次健康増進計画の各論の構成について
  3. 第2次健康増進計画の各論の内容について

6資料

  1. 次第(PDF:53KB)
  2. 資料1(PDF:2,017KB)
  3. 資料2(PDF:477KB)
  4. 資料3(PDF:662KB)
  5. 資料4(PDF:1,923KB)

7議事(要旨)

協議事項1. 第2次健康増進計画の概要について

事務局から、資料1:スライド9 協議事項1までの説明、事前意見、資料2の説明

【事務局】

資料1のスライド7について、事務局の考えをお話ししたい。基本理念についての意見について、市の最上位計画である総合計画の今後のまちづくりの方向性に、健康増進計画も歩調を合わせたい考えがある。将来の姿を踏まえ、「柏にかかわる」というキーワードを基本理念に取り入れたものになる。これには市民はもちろん、市内で働いている人や活動している人なども含めている。健康に価値を置くことに加えて、より質の高い健康や幸せ等のウェルビーイング(well-being)という考え方を理念の中で表現したい。具体性に欠けるという意見も頂いているが、基本理念は共有したいイメージや大切にしたいことを言語化している。

【橋本会長】

資料2の基本目標として、新たに追加された「生活の質の向上」について、事務局からもう少し説明がほしい。生活の質(QOL)、ウェルビーイングは、今までの議論であまり深掘りしていない内容であり、特にウェルビーイングという言葉はあちこちで使われており、聞いたことはあるがよくわからない、生活の質と何が違うのかという意見もあると思う。

【事務局】

基本目標に「生活の質の向上」を新たに加えた理由としては、基本理念に「心豊かに」と表記したように、心の健康も大切にしたく、成果指標として、主観的健康観、生活満足度、幸福度の3つの指標を考え、千葉大学の井手先生にご相談した経緯がある。

【橋本会長】

このことについて、千葉大学の井手先生から専門的な立場からアドバイスを頂けるとありがたい。

【井手政策アドバイザー】

大学内でも話し合い、基本理念で「全ての人が健やかで心豊かに暮らせる」というところを表現するような目標値があるとよいと考えた。主観的健康感、生活満足度、幸福度は、市で実施したアンケートで聴取している内容となっている。

QOLとウェルビーイングはどう違うのか、QOLという表現が望ましいかどうか。委員の皆様には、どのような形が市民にとって分かりやすい計画になるかについて議論をいただければと思う。ウェルビーイングを構成する要素は、医学的な健康を表現する「主観的健康感」、長期的な人生の満足度を表現する「生活満足度」、短期的と言われるハピネスという部分をとらえる「幸福度」という指標をバランスよく抽出していただいたと思っている。

【橋本会長】

市と千葉大学での協議内容を詳細に教えていただくことができた。いちばんのポイントは健康増進の方針を柏市のまちづくりの方向性と一体的に考えたという点である。1次計画は厚生労働省から来たものをそのまま当てはめているだけだった。今回は、市としてどういう総合計画を持っているのか、その中で市民の皆様の健康にどう取り組んでいくべきか、市の全体方針等とのすり合わせを図ろうと努力された点が、これまでと大きな違いである。この点は、各委員からも評価いただけていると思う。総合計画で同じことを言っているのは、すり合わせが成功しているとも解釈できる。

市の全体方針に合わせ、それをベースにしながら4つの基本方針を持つ。具体的には総合計画との整合を図り、調査の結果から課題を整理する。勝手に考えるのではなく、調査で市民の声を聞いたもの、実態を把握したものをベースに方針を定める。

また、長期の計画なので、後から変えていく柔軟性が失われると臨機応変の対応が取りにくいので、大きな方向性を明記することを目的とした。さらに、市がやるだけでなく、誰がやるのか、市、関係機関、市民にご参加いただくことを分けて整理し、市全体の取り組みとしてそれぞれの立場から参加できるような方針を考える方向でよろしいか。(異議なし)

協議事項2. 第2次健康増進計画の各論の構成について

事務局から、資料1:スライド10 協議事項2の説明及び事前意見(事前意見聴取シートの「協議事項2」)の紹介

【橋本会長】

事務局と事前に話し合った際、「ライフコース」と「ライフステージ」という似た言葉が使われていて、この2つは少し意味が違うが、並べて使っているのでわかりにくくなっている。このことについて加藤委員からコメントを頂けるか。

【加藤委員】

誰もが胎児期、乳幼児期、青年期を経て老年期に向かうという一方通行の生物学的変化を伴って、一生を送っている。そのため、胎児期、乳幼児期はライフステージという点ではなく、ライフコースという面や線で捉えることが重要と考える。

ライフコースは多様化している。人が求める豊かさや価値観も異なってきている。点ではなく面や線で捉えるべきだと思う。特に女性は、就業・結婚・出産によるライフコースの多様性が高く、女性のライフコースを別にした意図があると解釈している。大切なことは豊かな人生を送ることで、その手段のひとつとして健康寿命の延伸や健康づくりがあってほしいと思う。

性別や年齢に関係なく、各ライフステージでの健康づくりの取り組みが次のステージにつながるというライフコースという着眼点を取り入れたことは、とても画期的で合理性があると思う。特に、成長期、青壮年期、老年期という3つの大きなカテゴリーにしたことで、ライフコースが見やすくなったと思う。

【橋本会長】

人が生まれ育ち働くという人生の流れを捉える、子どもだから、女性だから、中年だから、ではなく、人生全体を捉える視点を第2次計画で取り入れているのは、画期的な取り組みだと思う。従来の厚生労働省の健康づくりの内容では、各ライフステージで切れてしまっていた。前回の第1次計画との違いをはっきりさせ、つながりがみえることを表現するため、ライフコースという言葉を入れたのが1点目の大きなポイントである。

人生を全体を通して見ると、女性は男性に比べてライフステージに影響を受けやすい。結婚、出産、就労など、ライフステージ上での困難に遭う環境が社会的に揃ってしまっている。特に女性をターゲットとして、Trajectory(人生などの軌跡や通り道)が女性は男性より幅が広いので、その点を考慮しないと、女性だから、青年期だから、と一括りに言えない部分がある。ライフコースの考え方と、女性の健康という言葉を合わせることで、より明示的に計画に含めることを意図しているようである。

【橋本会長】

計画の構成案については、重点分野の構成を9分野から6分野にまとめており、いちばんの大きな変更点は、人生を通してみる視点を入れたことや、特に女性でそのような問題を取り上げたことである。この方針については、了承でよろしいか。

【小齋委員】

大筋で私も同意する。資料のなかにある「ライフコース」ということが今ひとつ理解できなかったが、人生の流れとして捉えるという話を聞いて非常に腑に落ちた。計画の中では、具体的にそういう表現があった方が、市民に伝わりやすい。自分ごととしての一生涯を、この計画に当てはめられる。大事なキーワードだと思った。

【橋本会長】

最近の計画ではカタカナの表現に走りやすいので、市民の多くの方が自分ごととして理解することができるようにするためには、カタカナの内側から発する言葉、例えば「人生」という言葉を使って説明することは、事務局で検討いただけるとよいと思う。

女性の委員もいらっしゃるので、ライフコースを振り返り、市民に伝えるための視点や言葉について意見があれば伺いたい。もちろん男性でも、ライフステージ、ライフコースはあり、特に男性の場合には、就職や現役引退は大きな出来事で、このステージをどうやって無事に渡るか、健康だけでなく人生においても大きな問題となっている。

【池澤委員】

65歳から人生の終わりまでを高齢期と言っていると思うが、今は65歳となり高齢者となっても働いている人がたくさんいる。それでも、いつかは働けなくなり、人生の終わりまでをどう生きるかという括りがあってもよいのではないかと思った。例えば、65歳から74歳、75歳から人生の終焉までという括りにしてはどうか。

【橋本会長】

大変貴重な意見で、まず65歳で区切ってよいのかという問題提起であったと思う。日本老年学会と日本老年医学会では合同の委員会を作り、高齢者を65歳以上から75歳以上にするべきという提言を行っている。昔に比べて65歳でも元気な方が多いのも理由のひとつだが、もうひとつは75歳くらいまでは働いたり社会参加をしている人が多いが、75歳を過ぎた辺りから活動にバラツキが大きくなる。まだ元気で社会参加を活発にされている人もいれば、そうではない人もいる。格差が広がる傾向が見られる75歳を一つの区切りとした方がよい、というのが専門学会の先生方の意見であった。65歳以上を一括りにしてよいかについては、大きな問題である。

【井手政策アドバイザー】

千葉大学内でも、高齢者を一括りでよいのか、もう少し細かく分けた方がよいのかという議論があったが、健康増進計画の全体像として謳うには難しいのではないかという意見もあり、柏市にもそのようにコメントしている。

社会で活躍している高齢者が多い一方、終末期に向かう高齢者についても、自治体でもどういった対策をとればよいかという相談が、我々に寄せられるようになっている。その点での取り組みは重要だが、今回議論するのが健康増進計画であるという点を踏まえると、ここではなく、高齢者の部局が策定する計画の部分で詳細に謳うことのほうが適切で、オール柏の体制で連携を図るという考え方もあるのではないかと、学内で話し合っていた。

【橋本会長】

高齢期という言葉が、年齢で区切っていることを表していると思う。高齢期の他によい言葉はあるか。

【井手政策アドバイザー】

高齢者と区切ること自体があまりよくないという議論はあり、前期高齢者・後期高齢者のような、以前より細かく区切ってデータを見ていく必要がある。ただ、千葉大学でもなかなかよい言葉は見つけられていない。

【橋本会長】

専門の先生でもよい名称やカテゴリ作りが大変難しいが、ここは重要なポイントである。計画の中の文章では、高齢者を65歳以上にしているが、高齢者と一括りにはできないこと、ライフステージはあくまで一つの括り方であり、その中にある多様な生き方や人生があるため、多面的に支援する取り組みが必要であるということを加えるとよいのではないか。

【事務局】

市民の方が計画書を読んでご理解いただけるような文章を加えられるよう検討したい。

【橋本会長】

ライフコースという言葉以外のものをうまく使って、市民が自分のこと、自分の人生のこととして捉えるような引き込み方ができるような言葉を追加すること、ライフステージで区切ったから一括りではなく、ライフステージは人それぞれであることを加味し、それぞれの人生のあり方に寄り添った形で、健康増進を市が様々な機会を持って支えていくことを、どこかに方針として入れられるように調整していただきたい。(委員異議なし)

【加藤委員】

栄養を考える上で、高齢者については個別対応が原則であり、65歳以上を一括りにしても、咀しゃくや嚥下に問題のない方でも何らかのトラブルを抱えている方もいらっしゃる。摂取エネルギーを考えるときも、身体活動量を踏まえてどうサポートしていくか考慮している。65歳以上を一括りにしても当てはまらない方がいるという懸念はある。

【橋本会長】

計画ではライフステージの図を分けて示すが、その中にある個別性や多様性に配慮した取り組みを考えることを、どこかに入れていただきたい。

第2次計画の構成案について、基本方針としてはライフステージで通してみること、多様性の代表格として女性の健康をとり上げることに加えて、どの人においても、多様な人生や生き方や状態のあり方に沿った形の取り組みを多面的に支援することが必要であることを、文章で明記していただく。

協議事項3. 第2次健康増進計画の各論の内容について

事務局から、資料1:スライド12以降 協議事項3の説明及び事前意見(事前意見聴取シートの「協議事項2.」)の紹介
農政課から、資料4の紹介

【橋本会長】

全体の章立てのうち、食育は特化した形になっている。それぞれの委員の立場から、食への関わりは深いと思うので、広くご意見を頂きたい。学校の話があったので、木村委員からPTA連絡協議会で子どもに近い立場で見ているひとりとして、ご意見を頂きたい。

【木村委員】

学校の給食では柏産のカブやほうれん草を使った献立があったり、保護者向けに給食で出される柏産のほうれん草やネギを使ったレシピが、給食だよりに載せてあり、学校からいろいろな形で働きかけをしていただいている。小学3年生になるとカブ農家への見学があり、子どもから保護者が学ぶことがとても多い。

小学校の間はバランスのよい食事の話を学校からされるが、中学になると朝食の欠食率が高くなり、学校から「コーンフレークなら自分でも用意できる」など働きかけをしている。しかし、食育は自分の家庭から行わないといけないので、PTAとしてもいろいろな世帯を巻き込んでいく形ができればと思う。

【橋本会長】

小学校は、給食の場をうまく利用して子どもに経験を積んでもらえる。小学生は真面目で学んだことを素直に持ち帰り、親に伝えることも多い。家で子どもから聞いて「そうか」と思う父親もいるらしい。そのような機会として、小学校の食育は重要だと聞いたことがある。

中学校になってからの食育の問題について、東京都足立区では小学校では給食を使った食育を行い、中学校では卒業するまでに自分でご飯が炊けて味噌汁が作れるようにしようという取り組みを食育に取り入れているという。中学生になると自分で判断して動ける幅が広がる分、自分でどうしたらよいか考えて動ける食育が必要になるのだと思う。

【細井委員】

歯科医師会でも、11月10日に「健康かむかむフェスタ」という市民向けイベントで、食育をテーマに活動する予定である。その中では、料理教室で柏産の食材を使うなど、関心を持ってもらう取り組みを企画している。食育推進計画のように、全てを網羅してまとまりがあると、我々も取り組みやすい。

食育は格差や収入の影響もあり難しい問題だが、食べられないと健康ではいられない。これは健康増進計画の大前提になるので、食育をもっと前面に絡めていけるとよいと思う。

農業見学の話が出されたが、食べることも重要だが農業を経験することで、収穫、調理、食べる喜びを一連で感じることが大事だと思う。最近自宅周辺を散歩していると、畑が少なくなって宅地化が進み、生産者の後継者問題などがある中、田や畑を守る取り組みも、健康なまちづくりという点で大事だと思う。その点も検討していただけるとよいと思う。

【橋本会長】

ご専門の歯科に加えて、市民の立場から柏市の豊かな環境を食育にどうつなげるかという示唆を頂けた。家庭菜園をサポートして、自分の手で作った物を収穫して食べる喜びや楽しみを通じた食育も視野に入れるなど、農政課の専門性が関連してくると思う。

【加藤委員】

健康寿命延伸のための疾病予防、重症化予防、治療目的とする食事が、必ずしもSDGsと一致していないと、栄養管理をしていて常々感じる。これは私の研究テーマの一つだが、SDGsや食文化継承に取り組んだ結果が健康寿命の延伸や健康づくりに役立つような媒体の開発をしている。自分の好きなものが健康やSDGs、食文化継承につながる食習慣ができれば理想的である。健康づくりのために好きな物を我慢したり食べたくない物を食べなければいけないことは、ウェルビーイングや生活の質(QOL)の支障となる。子どもの頃から、好きなことが健康づくりやSDGsにつながっていくことが食育になるとよいと思う。その点から、健康増進計画の行動目標として、今回挙げた内容は合致するのではないか。両方の目指す目的、方向性が両輪になればよいと思う。

特に口腔のことが入っていることや、文部科学省管轄の学童期が、健康づくり分野を担う保健所から外れてしまうところで、その点では食育の分野であれば健康増進計画に含まれるので、働きかけを一緒に行うことに利点があると思う。

農業王国千葉の強みを生かした「野菜、朝食、柏産」という基本目標が、キャッチーで明確であり、柏市の特性が生かされていると思う。私のいる大学は千代田区にあり、区の小学生がバケツでの稲作栽培体験を行っており、畑がなくても栽培体験を通じて農業に携わることから、食に関心を持たせることが取り入れられている。市内で農業が行われているという土壌がある柏市の強みは生かされるとよいと思う。

実行を伴うには、教材や媒体が必要となって来る。野菜を食べようと言っても、食べ方や調理法を含めたパッケージで啓発の機会を作ることを検討していただけるとありがたい。

栄養管理の基本は消費に見合った食事にあるので、適切なBMIを維持するためにどのくらいのエネルギー消費があるか、どのくらいの栄養摂取が必要か、身体活動込みでの食育も重要だと考えている。

食育は全年代が対象となるので、健康増進計画と同様に、ライフコースの観点を取り入れた実施内容も検討するとよいのではないかと思う。食習慣の確立につながる食育を目指し、小学校などで教えるような教材開発も含めた取り組みを期待したい。

【橋本会長】

農政課の説明に、生活困窮世帯等に対する支援があった。この点でご意見があれば頂きたい。

【髙橋史成委員】

食と健康は直結するということで、「こども食堂」や食材を無料配布する「フードパントリー」といった形で、子どもの生活困窮に対する食事提供が課題となっている。子どもに限らないが、必要な方に届けることを考えていく上で、各政策との連動と連携が必須になる。この度の計画と福祉との連携ができればいいと思っている。

【西田委員】

現在は主任児童委員として活動しているため、実際には生活保護家庭を担当していないのでわからないが、生活保護世帯は夏休み等の長期休みの食事確保がいちばんの問題である。学校の給食のみで栄養をまかなっている子どもが多く、生活保護で十分に生活できる額はもらっているが、親のお金の使い方が問題となる。

今は核家族化で、家族以外との食事をする機会が少ない。そのため、町会などで催し物を開催しており、私の住む地域ではじゃがいもを育てて収穫し、料理を一緒に行っている。今は高齢者をターゲットにしているが、対象を広げて学校や社会福祉協議会などと協力して、年に1回でも各地区で料理教室を開催し、柏産の農産物を子どもに教えることなども考えられる。

若い世代をターゲットにするのであれば、SNSの活用が必要ではないか。インスタグラムなどを使って情報発信をすることなども必要ではないかと思う。

【橋本会長】

井手先生から、高齢者のデータ分析経験から何かあればご意見を頂きたい。

【井手政策アドバイザー】

高齢者の領域では、柏市にも参加いただいている健康と暮らしの調査の知見から、健康寿命の延伸に向けたポイントは網羅されている。共食というキーワードのほか、調理技術というところでも、高齢者には健康寿命やウェルビーイングといわれるメンタルヘルスの部分にも重要ではないかという研究が行われている。調理技術が高い方は死亡リスクがかなり低く、特に一人暮らしでその差が大きい。調理技術が高い方は口腔機能が変化しても、それに対応できる食生活が自分でできるためであり、調理技術のことは大変重要である。既存のエビデンスが出てきつつあるので、そのような点でも連携が図れるとよいと感じている。

【橋本会長】

食育は第2次計画で重要な部分なので、事務局と農政課でご相談の上、今のご意見を取り入れていただけるとありがたい。

事務局から、資料3の紹介

【橋本会長】

次に各論部分について各委員からご意見を頂きたい。

【池澤委員】

「身体活動・運動」について事前意見を申し上げた。私はスポーツ協会に所属しており、役員も高齢化している。発想や考え方が一方的になることが多く、民間や女性、若い人の考え方が入ってくると、多様な意見が集められるのではないかと思っている。団体間での交流や意見交換が活発にできれば、多様な意見が出てレベルアップにつながるのではないかと思っているが、現実では目の前のやることで精一杯で1年が過ぎてしまう状況がある。

【橋本会長】

決めたことを粛々と行うだけでなく、相互交流の場から広く意見を集める仕組みを考えていく必要があるという重要なご指摘を頂けた。

【木村委員】

女性の目線から、食育に関しては、食物アレルギーの問題があり「共食」ということが難しいこともがある。子どもにアレルギーがあるとわかると、自分のせいではないかと自分を責める親がいる。そのような方に声をかけることができるような食育もあればと思った。

小中学校では性教育を行っているが、もっと保護者も一緒に参加ができるように働きかけたい。助産師がとてもよい話をしていて、自分が昔習った話と全く違う話が聞ける。保護者を取り込む、魅力的な働きかけができるよう、PTAとしても考えていきたい。

女性では出産や子育ての話題が多いが、50代を過ぎてからは更年期の時期になり、今までできていたことができなくなり悩んでいる方が多い。そのような方が相談できるような窓口が周知できればよいと思う。

【橋本会長】

栄養を含めて、子どもによかれと思ってやったことが母親を追い詰めてしまうこともあり、その点に配慮しながら助けていく、支え合いながら変えていくことが求められる。

性教育については、今回の議論から抜けていたが、非常に重要なポイントだと思う。更年期という点が出されたが、女性は生理の問題も大きい。職場や学校で男性が理解できていないことを共有する取り組みとして、男性が女性の生理痛を疑似体験することを職場で行うところが出てきていることを聞いた。女性の健康を、女性のことだけにしないで、社会ごとにしていけるかという取り組みが必要だと思う。

【小齋委員】

まちづくりや人とのコミュニケーションを図り、人生にフィードバックされていくことがテーマとなるので、コミュニケーションができている環境を維持することが、計画の方針に書いてあることが重要だと思った。

地域の活動では貧困のことが関連してきており、最近は子ども食堂が増えて、我々のところでもやっている。良質な食事に辿り着きにくい子どもだけでなく、高齢者が全く関わりないシーンで訪れてコミュニケーションが生まれたり、自分で調理にトライするような学びの場が子ども食堂の場で生まれるなど、思いを持った人が何かの形にして、それが人に伝わり、人生になかった価値観が生まれるシーンをよく見る。資料1のスライド16で「地域ごと、分野ごとという括りは必要ない」と意見したのはこのような意図があったからで、多種多様な人がいろいろなものを吸収したり可能性を担保することで、思いがけない価値を得られたりすることが多いだろうと考えた。

アメリカでは、新鮮な食材を簡単に入手することが難しいというフードデザート問題や、銃よりドライブスルーで死ぬ人が多いと聞く。野菜や健康的な食べ物を手にすることが貧困家庭では難しいという話を聞くと、食育の計画が健康増進計画に取り込まれ、基本目標に「野菜」を入れることは大切だと思う。自分自身を振り返ると、つい食事を簡単に済ませることがあり、日々の生活習慣や考え方に関連して非常に重要なことだと再認識した。

【橋本会長】

コミュニケーションの場を作ると、いろいろな立場の方が集まり、思いもよらない新しい発想や企画が生まれる。これは創発性と言われるが、必ずしも目的を持って集まるのではなく、思いを持っていて伝えたいと思っている人、そのような人とつながりたいと思っている人のつながりの場を作ると、自然発生的に思いもよらないよいものができて、まちづくりの強い原点になっていく。これは、まちづくりでうまくやっているあちこちの市区町村の共通した経験として伺っている。まちづくり、市民オール参加の視点を入れている以上、計画に入れていただけるとよいと思う。

【齊藤委員】

資料1のスライド17「喫煙・飲酒」で、薬物乱用教室について意見を申し上げた。学校では努力目標で全学校で実施されているわけではないと思うので、小中学校の必須の目標にしてほしい。

スライド17「発症予防・健診・重症化予防」について、以前は駅前で健康イベントを行い、血圧測定や健康相談で健康への意識を高めるような活動をしていた。そのような活動を、市と一緒にまた行えるようにしたい。その時には高齢者が多かったが、もしこのようなイベントができるなら、若者や30歳代など家庭のある方も参加できるようなイベントを考えていけたらよいと思う。

「栄養・食生活」について、学校と家庭、職場と家庭の連携がとても必要だと感じる。学校では嫌いな物は食べなくてよいとしているが、家庭では食べてほしい物はある。職場は健診だけして、検査結果が悪いから病院に行けではなく、職場がどうフォローし家庭との間をつなぐかが大事になると思う。

生活保護世帯などの食育の話があったが、高齢者であれば介護職の方が関わっている場合もあるので、介護職員への教育や個別対応も必要になって来ると思う。

【橋本会長】

家庭や職場の連携や職種間での連携という形で、誰かを支えるにはいろいろな人が手を組まないとできない。どう連携の輪を作っていくかという点では、小齋委員の話とも重なる部分があったと思う。

【髙橋史成委員】

資料1のスライド15「身体活動・運動」について意見した。若い方を含めた健康意識をどう高められるか、SNSを活用できないかと考えている。一定のルールは必要だが、自身でやっていることや楽しんでいること、習慣としていること、活動紹介などを配信できる仕組みがあると、配信者にもメリットがあり、若い方が関心を持ちながら、健康増進をしようという取り組みができるのではないかと思う。

スライド16「睡眠・休養・こころの健康」について意見した。私たちは福祉の担い手を確保する課題があり、ボランティアや助け合いでは参画を得られないので、ハードルを低くして、自身の趣味や特技を活かす仕組みを検討している。西原地域で実践していてよかったので全地域に拡大した「(仮称)できるの貯金箱(できちょ)」を検討している。この活動から、少しでも健康につながらないかと思い意見した。

【西田委員】

「睡眠・休養・こころの健康」について意見した。日本人は上手に休憩をとることが難しく、睡眠時間も短いという。小学生は、朝から学校、夜も帰って宿題、習い事、寝るのは22時以降という子が多い。資料の中に記載された「小学生は9~12時間の睡眠時間を確保」ができていない現状がある。

中高生は、スマホやタブレットを見ながらご飯を食べていることが多い。うちでは取り上げるが、そのまま見せている家庭も多く、子どもとの対話を家庭であまりしていないということも聞いている。

ノーマライゼーションという考え方を市民にもっと広めることが大切だと思う。私は介護職なので知っているが、ほとんどの小中高校生やその親は知らないことが多いので、みんなが主役という基本理念を掲げるのであれば、これを広めていくことが重要ではないか。

【平野委員】

医師会として、健康というと特に健診、がん検診の受診率を上げようといろいろな工夫をしている。特に、子育て世代の女性の検診率が上がらない。検診結果を見れば、より自分の健康がはっきりとわかるし、目標にできると思う。検診ではベビーカーや車椅子を歓迎しており、市内には医療機関の健診センターは多いので、医師会としても積極的に呼びかけたい。

【橋本会長】

健診の受診勧奨については、地域や自治体で工夫しているところがあると伺っている。やり方次第で成果も違う。専門の先生などもいらっしゃるので、今後は市でもアドバイスを求めるとよいと思う。

【細井委員】

「歯・口腔の健康」はどうしても歯のことだけの話になりがちだが、今回は栄養・食生活や食育など、歯の健康はライフステージ、ライフコースに関係してくる。資料には全体としてまんべんなく記載され、歯科医師会で考えていることが入っていてよいと思う。

虫歯、歯周病だけでなく、口腔機能の管理も、口腔機能低下症という形で保険診療で対応するようになっている。口腔機能は全身の健康につながっていることを知らない市民は多いので、引き続き啓発等をしていきたい。

【松本委員】

「栄養・食生活」について意見した。孤食は大人になってからのライフステージに入っているが、小中学生でも問題になっているのでそれぞれの世代に共通することとして入れてほしい。

食卓が楽しいものでなければ食育ができない。小さい時から食事が楽しいと子どもに教え、それが親になってからも続けば、よい食育ができるのではないかと思う。

女性の立場から、女性の健康にフォーカスされるのはとても大切だと思う。子育て中の女性の検診を受けやすくしていただくことなどは大事だと思うので、受診率向上をバックアップしていただきたい。

「パートナーの検診受診や健康づくりを応援しましょう」とあるが、パートナーより自分自身の検診を応援してもらいたい。例えば育て中の娘に対してその親が声掛けしたり、子どもが自分の親に声掛けするように、「子どもや両親に声を掛けよう」とするとよいと思う。

【橋本会長】

事務局に注意してほしい点は、健康の問題に取り組む時、様々なケアなどの役割を主に担っているような社会環境にいる女性の場合、優先順位を下げざるを得ない。特に、子どもや要介護者がいる女性は、わかっているができないということがあると思う。やりたくてもできないという状況に思いを馳せて、言葉を選ぶことは重要だという松本委員のご指摘は大変重要だと思うので、文言の見直しをお願いしたい。

【加藤委員】

多様性と個人の価値観があるため、共食に関しては家族に限定しないことを一言入れると誤解がないと思う。

朝食を食べようと呼びかけても、どう食べればよいかという部分がないと実行に移せないし、睡眠との関連性が整理されるとよいと思う。

女性の喫煙だけでなく、飲酒の問題についての明記も検討していただきたい。

【橋本会長】

健康医療部以外の関係部局の方からご意見を頂きたい。

【スポーツ課】

スポーツと健康は切れない関係があり、健康医療部やこども部などにもそれぞれの部門計画があるので、スポーツ課で策定しているスポーツ推進計画との整合性を図る必要がある。

健康づくりが注目される中、民間のスポーツイベントも増えているが、集約された情報発信がなかなかできていない。市民が参加しやすい場の情報を流すことで、参加推進が図られ、健康づくりやスポーツ実施率の向上につなげていけたら良いと思う。

【学校教育課】

「栄養・食生活」について、市の取り組みに家庭での食事だけでなく、民間企業や配食サービスなどのアプローチ先が書かれているが、子ども食堂を追記した方がよいと思う。健康的な食生活がおろそかになりがちな生活困窮世帯が関わる、子ども食堂との連携が必要だと思う。

今年3月に「学校における食育方針」を策定しており、健康増進計画や食育推進計画と連携しながら学校での食育推進ができればよいと思う。例えば給食の試食会、給食だよりを通じた保護者への生活習慣や食習慣の啓発が含まれている。

「身体活動・運動」について、子どもが身体を動かす楽しさを経験できるような取り組みを追加していただきたい。小学校では楽しく身体を動かす、例えば縄跳び大会や鬼ごっこ週間などの企画を、各学校の創意工夫で計画している。

女性の健康について、学童期での取り組みは、女性と限定せず男女ともに学ぶスタンスが大切だと思う。

【橋本会長】

井手先生からコメントあればお願いしたい。

【井手政策アドバイザー】

柏市らしい計画が、少しずつ形になってきていて、計画に関わらせていただいていることを嬉しく思う。12月の次回に向けてサポートできればと思っている。

【橋本会長】

基本理念と基本方針は共有できた。これを踏まえ、ご意見いただいた修正や付け加えは、事務局で引き続き千葉大学の助言をいただきながらまとめていただきたい。

8傍聴

傍聴人数2名

お問い合わせ先

所属課室:健康医療部健康増進課

柏市柏下65番地1(ウェルネス柏3階)

電話番号:

お問い合わせフォーム