更新日令和3(2021)年3月18日

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令和2年度第3回柏市いじめ問題対策連絡協議会 会議録

1 開催日時

令和3年3月17日(水曜日)午後2時30分から4時30分

2 開催場所

柏市沼南庁舎 5階大会議室(柏市大島田48番地1)

3 出席者

委員

河嶌議長(柏市教育長)、三田委員(柏児童相談所)、安孫子委員(千葉県警察少年課)、岡部委員(人権擁護委員)、長瀬委員(医師)、鈴木委員(弁護士)、寺本委員(大学教授)、福島委員(中学校校長)、中村委員(高等学校校長)

事務局及び関係部署

髙木こども部長、宮島生涯学習部長、増子学校教育部長、後藤学校教育部理事、込山こども福祉課長、友野こども福祉課副参事、松澤学校教育課長、杉浦教職員課長、福田教職員課副参事、逆井指導課長、大山指導課統括リーダー、須藤児童生徒課長、福島児童生徒課副参事、平野児童生徒課副参事、北村児童生徒課指導主事、春日児童生徒課指導主事、杉本児童生徒課指導主事、中條児童生徒課指導主事、小原児童生徒課指導主事、麻生教育研究所長、坂田少年補導センター指導主事、安齋いじめeメール相談員

(欠席)深田委員(柏市教育委員)、水田委員(千葉地方法務局柏支局)、植田委員(柏警察生活安全課)、髙井委員(スクールカウンセラースーパーバイザー)、髙橋委員(小学校校長)

4 議題(報告・協議事項)

1.令和2年度2学期柏市いじめ状況調査の報告といじめ防止の取組について

2.悩みに寄り添う環境づくりと多様性の理解~これからのいじめ防止方策~

報告1 令和2年度2学期柏市いじめ状況調査の報告といじめ防止の取組について

上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。

それぞれの報告に際して表明された主な意見は、次のとおり。

(河嶌議長)

それでは今、資料1についての説明がありました。まずはじめに、資料について御質問がありましたらお受けしたい。いかがか。

いじめに関して高校の方はどうか。

(中村委員)

高等学校の方は、子どもたちも小学校中学校といろいろな経験を積んできている。

精神的にもだいぶ大人になっているので、特に学年が上がるごとにいわゆるいじめ事案というのは減ってきている。

いじめというよりは、人間関係トラブルが多いが、今年度で言うと、先ほどスライドでも出ていた、小中学校と同じように、休校が長く続いたということ、本校の場合は部活動に入っている生徒が非常に多いが、部活動の活動自体が縮小されて現在まで来ているので、部活動内での人間関係トラブルが例年多い。しかし部活動が縮小しているということで、今年度に関しては、その辺のトラブルが非常に少なかったかと思う。

あとは、職員の方もスライドにありましたように、かなり聞き取りとか相談事があったとき丁寧に聞いているので、大きな問題に発展することなく、あとは子どもたち自身が自分たちの力でお互いの人間関係を修繕していく、そういう力も小中学生に比べると高校生はある。

(河嶌議長)

ありがとうございました。高校の方からアンケート結果を提示していただき, やはり, 小中学生と同じような問題を抱えていても,やはり高校生ですから、年齢が上がるにしたがって自分たちで解決していくものもあると思います。

今年度、例年と違うのはコロナ禍ということで学校が休校になった。ただやっぱり休校になることによって、子どもが抱えるストレスというのがどの子にもあるということで、東京の生育医療センターで取ったアンケートの結果を見ますと、7割以上の子どもが、このコロナ禍の生活の中でストレスを抱えているとわかってきましたけれど、実際に子どもの様子をみている中で、いじめも含め、福島委員いかがか。

(福島委員)

我々大人もかなりのストレスを感じている日々, 子どもは相当なストレスを感じているのだろうとみている。表立って現れているものはそんなにないが、家庭的にも厳しい子どもたちが多く見られ、様子の変化を見逃さないようにということで職員には声をかけている。三学期になって少し目立ってきたのが、中学1年生が本当に些細なことでトラブルになること。シャーペンの芯を取った、取らないとか、筆箱を隠した、隠さないとか、こういったことが12月から3学期にかけて目立ってきたかなという風に感じている。

(河嶌議長)

学校の一斉休校が明けてそのあと分散登校が始まった。その段階で、私も小中学校を巡回したが、先生方の話だと、ある意味でメリットかもしれないが、手厚い関わりができたという声があった。だんだん分散でなくなり、いろいろな活動が始まり、福島委員がおっしゃったようなトラブルがそろそろ出てくるのかなという気もする。

岡部委員、人権擁護ということで最近の子どもたちの様子などいかがか。

(岡部委員)

毎年、小学校の3件、中学校3件と、人権の授業、講演をしながら、指導をさせていただいているが、コロナ禍なので、今年は一昨年いじめのあった学校があって一件だけ、3・4年生7クラスに人権のビデオを使って、人権教室というものを開いた。皆さん、教室で人権のことを話すと、いじめはいけない、仕返しはしちゃいけない、見ているだけでもいけないってしっかりと子どもたちなりに把握をしているようだった。そういう教室を重ねながら、いじめはいけないのではないかな、見ているだけでもいけないのだよ、ぼくたちで何かできることないかな、っていうようなことを考えながら、生活指導を含めてやっていっていただければよろしいかなと思った。

図書館で仕事をさせていただいているが、春に知り合ったお友達が、腕に十何本こう切り傷をつくっている女の子がいて気になっていた。来るたびに、「どうしたの」とは聞かないで、「今日はいいことあったかな」と聞きながら1年経った。すると、キラキラしながらスキップして図書室に入ってきて「先生、この頃、寝るときにいいことがあったことを思い出しながら寝るのです」って言ってくれた時に、言葉の力って大きいかな、と思った。やはり「どうしたの」って傷をほじくり返して傷を痛めるということもあるが、未来に向けて自分の心が前向きに行けるような心を育ててくれる言葉をかけたことが、私としては結果的に嬉しかった。

(河嶌議長)

今の話にもあるが、一斉休校が始まって、子どもたちの行き場がなくなって、普段子どもたちが息抜きに行く図書館のようなものも一旦クローズをしたので、本当に子どもたちの行き場がなくなり、リストカットなどかなりストレスにもつながってきている。今日の新聞に、昨年の小中高生の自殺の数が出ていてそれがもう、かなり増えているという。非常につらい数字として表れてきているわけだが、本当に子どもたちはいろいろなストレスを抱えていて、それが学校の中で実際にいじめにどう発展していくかというのが、我々にもわからないところではある。青少年育成という立場から安孫子委員いかがか。

(我孫子委員)

 コロナ禍で非日常が続いている状態で、子どもたちがやはり不安定になっていて、警察に相談に来られる方もいるが、その中で、先ほどの資料の中で、SOSの出し方教育というのがありまして、いじめの防止としてやってはいけないよということは理解できても、実際にいじめを受けた時のSOSを出す方法ってなかなかわからなくて苦しんでいる子も多くいるのではないかと思った。このような形で非日常が続く中で、これはいじめでSOSってこういう風に出すのだよ、SOSって出していいんだよ、大人が必ず助けてくれるんだよ、という定義をきちんとされているというのが非常に効果的なことだと思い、資料を読ませていただいた。

(河嶌議長)

 同じようなことで児相としてはどうか、三田委員。

(三田委員)

感想だが、いじめの認知件数が減少したところ、普通であれば「コロナだから」というようになるところだと思うが、各校の丁寧な対応ということを一番に書かれて評価しているということがとてもいいことだと思う。コロナで何でも解決するものでもないし、コロナだから減ったというわけでもない。例えば相談所でもコロナがあったけれど、実際には虐待件数も何も変わっていない状態なので、コロナだから減ったも増えたもない感じである。

また、相談所でもSOSの出し方というのは、子どもたちに言うことがあってストップイットにも入っているかもしれませんが、「ノー・ゴー・テル」という言い方をしており、「ノー」が「断る」、「ゴー」が「逃げる」、「テル」が「相談する」。子どもたちにノー・ゴー・テルなんだよというのはよく伝えている。

(河嶌議長)

本当に普段、我々も日頃から児相にはお世話になっており、一人ひとりを丁寧に対応していくというのが一番大事な部分かもしれません。鈴木委員、法的にどうか。

(鈴木委員)

なかなかコロナという誰も経験したことがない極めて特殊なことが1年位前からやってきて、そういう中で大人もどうしたらいいかわからない。そういう混乱状態の中で一番声を上げにくいのが、いじめられている子たちになるのだろうと思う。その中で、いろいろな取り組み、SOSの出し方教育であるとか、防止授業であるとか、そういったことに余裕がない中でも取り組まれていることに正直びっくりした。運営だけで現場は後手にまわっているのではと思っていたところもあったので、こんなに立派な取り組みをしているということについて、敬意を表したい。

(河嶌議長)

時間をとれれば学校を回るようにしているが、先日、私が学校を回るときに、ちょうど給食の時間に当たり、その時校長先生が言ったことが忘れられない。今年度入った1年生は、一度も机をグループにして給食を食べたことがない。全員が前を向いて黙々と食べている姿を見て、人とのかかわりがなくなってきているんだ、子どもたちがいつもと違った体験をしてきているんだなと感じた部分があった。そういう中でもいろんな形で子どもたちとかかわってくれている方がいる。長瀬委員、医師会ということで我々もいつもお世話になっているが、子どもたちの様子、委員から見てどうか。

(長瀬委員)

実際に子どもたちがどういう状態にあるかという変化について調査できていないので、具体での回答は難しい。

自殺者の増加が気になっていて、文科省が集計したものでは2000年479名の小中高生が自殺をしている。前年度比でいうと140名増41.3%の増加になっている。小学生14名で8名増、中学生136名で40名増。高校生は329名で92名増。そのうち女子が118名で前年度の2倍です。こんな状況になっている。ここは大変な問題で、今はこの場であまり問題はないと思われているかもしれないが、いじめによって自殺が起きるだけではない。いろんなものによっておこるが、そこももう少し考えていかないといけないと思っている。ちなみに、学校再開してから6月以降が増えている。家にいたときに自殺を図っているのではない。6月以降、毎月前年度を大きく上回っている。特に8月が一番多い。いつもなら9月なのに、今年は8月だった。その自殺の原因とされるものがちゃんと調べられているかは微妙だが、前年度と同傾向ということなので、内容的にはそんなに変わっていないのかもしれない。この増加率は異常である。なので、ここの対策は立てなくてはいけないと思っていて、柏市の自殺予防対策についてもこの状況なので紙面開催で終了となっているのですが、そんなこと言っている場合じゃないのではないかと僕は思っている。その会の方には提言させていただいているのが、ここに関しては、なんでこうなっているんだろうと。学校に来ていても見えない部分があるのではないかと思っている。なので、そこをどう拾っていくのか、いじめを拾うというだけではなくて、若者の命を守るということが重要で、どう拾っていくか、そこのところを考えていけるか・・・なぜ高校生の女子が(自殺者が)こんなに多いのか、将来ある子で、年をとってどうにもならないで自殺するというのとは違って、まだやればできることがいっぱいある年で死んでいくんですね。これは絶対に避けなければいけない。何とかそこは、いい環境をつくってあげないといけないのではないかというように感じている。

(河嶌議長)

長瀬先生から話があったが、本当に新聞を読んでいても非常につらい内容であり、我々も何とか一人ひとりを大事にしていくということで動いていかなくてはいけない。

このあと事務局から新しい取り組みについて報告がある。

報告2 悩みに寄り添う環境づくりと多様性の理解~これからのいじめ防止方策~

上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。

それぞれの報告に際して表明された主な意見は、次のとおり。

(河嶌議長)

心の健康観察ということで設定があったが、まず初めに、スライドの中で何かわからないことなどありましたらお受けしたい。

基本的には、この4月から市内全小中学校の児童生徒約32000人に対してパソコンもしくはタブレットが配布される。もちろん授業の内容の充実が本来の目的だが、GIGAスクールという話で動いているが、最大の目的は個別最適化を言う目的があるので、せっかく配られたパソコン等を利用し、子どもたちの健康観察もしていったらどうかということで、新たな提案が今されて、そしてもうすでに何校かで実証実験をしている。

ステップ0という言葉が出てきているが、本来は、国の方で定めた運用についてのステップの段階がありまして、ステップ1から3まである。柏市の場合には、その下にステップ0をつくって、まずみんなでパソコンを開いて使おう、そしてパソコンに慣れるということで、ステップ0という設定をしている。実際柏市の場合は、ある程度ほとんどの学校でパソコンを使って授業を行っているが、一応ステップ0から始まり、全児童生徒が取り組もうということで設けている。

(三田委員)

パソコンというのは、持ち帰れるものなのですか?

(河嶌議長)

今現在、4月から配布をし、家庭への持ち帰りというのは、準備を進めているが、環境設定をしなくてはならない。家でも使えない子もいるので、そういう設定なども含め、できれば2学期くらいから持ち帰り可能かなということを考えている。ただ、今の時点ではっきりこの時期から、ということは言えない。

(三田委員)

想定だと、入力するのは朝の時間で。持ち帰って24時間入力されたらきっと全然対応ができないと思う。朝に入力するというイメージか?

(河嶌議長)

基本的には朝、登校した段階でパソコンのスイッチを入れて、そこで入力という想定をしている。事務局それでよいか。

(事務局)

 はい。

(三田委員)

体制作りが大変だな、と。すごくいいことだと思うが。ボタンを押しても、押したときに、誰も対応してくれないとなると、「何もしてくれない」という気持ちがつよくなると思うので。だから、ある程度時間を絞ったり24時間対応は無理だと思う。

(河嶌議長)

いまの質問に対して、事務局どうか?

(事務局)

24時間ということがあったが、現在の段階では、教員にも子どもたちにも慣れてもらいたいということから、朝に絞って対応していきたいと考えている。また、現段階では、持ち帰ってというのは考えていないが、学校で押されたものに対して、学校で職員が対応するということでやっていきたい。

(事務局)

補足すると、回答者の大変さについて御指摘をいただいたが、即時対応というのは難しいところもあるので、今回の実験を通し、子どもたちには、「2、3日うちには必ず声をかけるようにするからね」というような対応をした方が望ましいのではないかという意見はいただいている。

(寺本委員)

とてもすばらしいと拝聴した。一点気になったのは、人対人というよりは、ツールとしてICTを使うのだが、やっぱり人が人に会うというような側面とのバランスというのは、これからすごく大事になるのかなというのを感じた。もう一点はメタ認知ということで、自分の状態を振り返って認知するっていうのは一方ですごく大切だと思う。先ほど医師会の会長さんのほうからあったように、多感な時期で、特に女子の自殺者が多いというのは、思春期や多感なときは、発達段階で自分自身を振り返ることがプラスに作用しないこともあり、バランスも大事。小学校低学年と中学校3年生とでは、振り返りの意味が変わってくるのかなと思った。

先ほどのいじめのところに戻ると、こちらでいじめの認知件数が減っているということは喜ばしいことだと思うが、SOSの出し方教育といじめ防止授業の中で、フレームがしっかりとされていて、心理プログラムとしてはすごく素晴らしいと思う。一方で、しっかり枠を決めてしまった裏面というのが、まずSOSを出すには、自分が当事者だ、いじめられているのだという認識がないことにはSOSが出ないので、子どもたちの中には、いじめてる、いじめられてると自分を認めたくない、いじめていることに気が付いていないとか認めたくない、という微妙な葛藤というか心理的な作用があると思うので、その辺もこのフレームの中ではない方法でも拾えるような拾い方も検討された方がよいと思う。本当に困っていて、でも自分でも認めたくないし声も出せないし、でも誰か・・・というときにこちらの「シャボテン」のような何気なく押して誰かが答えてくれるといいな、というものにつながると思った。緊急事態に対しては対応することは難しいと思うので、少しケースを精査し、いろんな形式があるとよい。

(河嶌議長)

ありがとうございます。他かにいかがか。

(中村委員)

質問。課題のところの1にある、子どもにとって入力するだけの物足りなさ、とあるが、具体的にはどういうことか?

(事務局)

ものたりなさというより、飽きてしまう、習慣化しすぎて、子どもたちがあまり自分自身と向き合わずに思い付きで回答してしまうというようなこともあるのではないか、という部分で、子どもたちがきちんと向き合えるような工夫をしていきたいというところである。

(中村委員)

ありがとうございます。そういうことであれば、工夫していけるのだと思う。3のところにも、実際にいじめられているような子がいたときにSOSを発信したいと考えている児童生徒を想定すると、入力時の配慮・・・具体的にどんな配慮をしていければよいのかイメージとしては、いじめられている子が相談したい内容を入力しているというのをいじめている子が見ていて、「お前、先生になんか言ったな」などとならないようにする、でもそれを見られないように変な配慮をするとそれはそれでおかしい。例えば別室でやったりとか、違う時間帯にやらせると、「やっぱりあいつ、先生に言っているな」と。ここのところの配慮はすごく難しいと思いますし、システムとしてはとても優良だと思うのですが、子どもは実際の気持ちと申告する内容が違うときがある。本当は申告したいけど言えない。何日間かの心と体の状態が出てくる。我々職員も慣れてくると、本当のところと違うことを申告している流れだけを見てしまって、忙しいから「この子大丈夫だな」って見てしまうことがあるのではないか。ところが実際は、こういうシステムがなければ我々は対面でよく観察して話をしたりして見極める。だから、これに頼り過ぎるというか、これに慣れ過ぎないで今までやってきた観察とか対応とか、そういうところも引き続きやるというところも忘れないで行く必要があるのではないかと思っている。

(事務局)

ありがとうございます。3点の御指摘に回答する。

まず、入力時の配慮について、これは実験前に議論を重ねたところであり、とにかく複雑にし過ぎないというようにした。例えば、相談したい内容を選択するということも考えたが、やればやるほど「あいつ入力しているな」となるだろうと。また、実際に文字を打つということをさせると「あいつ書いてるな」というようになるという懸念があったので、とにかくスタート時点ではシンプルにしようということで、心と体という二つに絞った。実際入力することと本当の気持ちが違うということも当然あり得ることも考えたので、そこで「相談したいボタン」というものを入れ込むということを考え、何らかのSOSが出たときに、教員の側からアプローチしていく機会をつくるという考え方をしている。当然行う際に、一人で、ということではなく学校全体で相談しながら組織的に対応していくということを念頭に置いているので、3点目の観察対話というところに関しても、学校全体で子どもと向き合っていくというところができるようなことを想定して、実験を行っている。

(河嶌議長)

 他にいかがか。

(長瀬委員)

取り組みは面白いと思う。いろんな角度からの取り組み、つまり入口がたくさんあるということが大事なのだと思う。

自殺をする人、子どもじゃなくて、柏市だと若年の30代40代の男性が多い。女性の場合は、先ほどリストカットの跡がたくさんあったという話があったが、そういう方は多い。それはある意味、SOSを出しているところもある。それはSOSを出せているが、若年男性が死ぬ時って一発である。SOSがない。一発です。一発で死んでしまう人というのは、病院にかかっていない。病気があっても自分で何かおかしいなと思っていても病院にかかっていないし、行政の支援も受けに行ってない。そういう人っていうのが、死に行ってしまう。そういうことを考えると、果たしてこの取り組みをしたときに、「押せよ」と言われても、その押したものが正しい答えかどうかというのは疑問。この取り組み、とても面白いと思うが、この取り組み一つに頼りすぎてしまうと、おそらく見逃すことが出てくるのではないか。もう一つは、これはどちらかというと、学校側の管理になる。子どもの精神状態を管理しようというもの。そうすると、管理されるのが嫌な人間は、絶対にここには反応しない。なので、僕だったら絶対に反応しない。だから、僕だったらどういうようにするかというと、自己管理の楽しさを教える、自分で見て、「ああなるほど、僕はこうなっているんだ」って思えたり、「この年代の人たちはこんな感じなんだ」と思えたりそういうのを楽しく学びながら自分の状態も知って、「じゃあ僕はこうしてみようかな」ってそんな風に持っていけるようなシステムを考えてみるのも一つかな、と感じた。

(河嶌議長)

本当に貴重なご意見ありがとうございました。今のお話の中で、自己管理の楽しさというお言葉があったが、そのことも我々肝に銘じてシステムづくりをしていかなくてはいけない。このシステム開発をした方とお話した時があって、その時に私の方から言ったのが、できればこのシステムを使わないのが一番だと話をした。でも、ストップイットを柏市が取り入れたときの一つのきっかけが、いじめの相談で、誰に相談するかというアンケートがあったときに、誰にも相談しない、という子が当時5%くらいいた。その5%をどうするかというので、ストップイットを入れたという始まりの話がある。5%とはいえ一つひとつが人の命ですから、そこをどう救おうか、ということだった。また、このシステムについて事務局の方も、もう一度考えてより良いものをつくっていきたい。

それでは、もう一つ残っているので、人権教育プログラムの方についてどうぞ。

(事務局)

事務局より人権教育プログラムについて説明。

(河嶌議長)

事務局より説明があった、人権教育のプログラムの内容を考えており、実際出来上がったものを使って実証実験しているというところである。これについて皆様から御意見をいただきたい。

(鈴木委員)

質問。今のまんがを使った素材は何年生向けか。特に決まっているか?

(事務局)

この授業は、実証実験では小学生を想定して行った。先ほど紹介したマンガも小学生を対象としたもの。このマンガについては、コロコロコミックの作家さんが描いたものということで、そのあたりも紹介したところ、小学生も興味を示していた。今回は小学校5年生で行った。

(鈴木委員)

ありがとうございます。

(河嶌議長)

他いかがか。

(寺本委員)

すごく大切な取り組みだと思った。授業の目指すところは、意見が「受け入れる」「やめるよう主張する」どちらが正解というものがあるのか。それとも意見交換で、自分の主張が変わっていくというところが大事なのか。授業の組み立てというか、ねらいがどこにあるのか教えてもらいたい。

(事務局)

ABCどれが正解ということは考えていない。むしろ解のない問いということを想定している。それに対してはっきりとした解はないが、まず自分としてどう考えるのか。自己の意見を確立させ、そのうえで意見交流することでまたゆれる。その過程の中で思考が深まるのではないかというようなことを想定しているので、まさにこのプログラム自体に意味があり、この授業の展開自体に意味があると考え、現在実験を行っている。

(寺本委員)

ありがとうございます。本当に素晴らしい、今風プログラムだと思うのですが、もうひとつフェーズを入れ、意見交換をし、他者の意見を取り入れて、また自分の意見を修正するなり確固としたりする。ABCで正解がないのであれば、共通の了解点が出せるとよい。違う意見があって、「みんな違うね」で終わるのではなくて、先生が大変にはなるが、「共通の了解」まで到達できるところまでいって、振り返ると、多様性をどうやって認め合うのか、というところにつながるかな、と思う。すごくよい取り組みだと思った。

(河嶌議長)

他にいかがか。このプログラムもそうだが、今日の報告、新しい取り組み、今の新しい授業の内容、全体を通して何かご意見をいただければ。

(岡部委員)

色々な子どもとかかわっていて、「いじめ」という言葉を意識しないでやっていることが多いと思うのです。結果的に、「いじめられた」ということの報告から、「いじめがあったんだな」ということがわかってくるのです。

本当はひょっとしたら仲良くなりたかったとか、お近づきになりたかったとか、些細なことだと思うが、それを、その子が悪いとかいいとか、その前にもう少し子どもたちを信じていろいろな子どもたちに声掛けをして、未然に防げることがあるとよいのかな、と思った。本当にみんないい子で、それを結果から見て、ああだったこうだったととらえてしまう。でも、ちょっとした大人の声掛けでいろんなことが防げると思うので、これからみんなで子どもたちをもう少し細かく守ってあげれば、あったかい気持ちで見守ってあげれば、防げることもたくさんあるんじゃないかなと私自身感じている。

(河嶌議長)

 ありがとうございます。それでは、安孫子委員、全体を通していかがか。

(安孫子委員)

さまざまな取り組み、本当に素晴らしいなと思った。教育があって、子どもたちのSOSの方法をレクチャーして、そのSOSを拾うという段階をすべて網羅しているのではないかな、と思った。また、GIGAスクール構想によるタブレットなどの運用とか、大人が考えている以上に子どもたちが仕様に慣れているところがあって、そういところからも入りやすいのではないかと思っている。時代のニーズ合ったところを運用されているなと思い、さすが柏市だと思い話を聞かせていただいた。ありがとうございました。

(河嶌議長)

 ありがとうございます。続いて、三田委員いかがか。

(三田委員)

ほぼほぼ同様で、今の子どもたちの方が、パソコンとかインターネットとか詳しくて、先生たちがついていけなくなるのではないかな、それが結構大変なのではないかな、と思った。子どもたちが先生の上に行っちゃうのではないかなと思う、そこまで私どもはついていけなくなってしまうので、若い先生方に頑張っていただきたいなと思っている。

(河嶌議長)

 ありがとうございます。中村委員いかがか。

(中村委員)

いろいろと取り組みとかやっていっていただいていて本当にありがたい。いじめをなくす、自殺なくすということへの取り組みなので、実践していく中で改善をしていきながら、ということでやっていくしかないのかな、と思う。本校でも生徒たちによく言っているのですが、子どもたちには誰にでも良いところがあって、長所があって、その存在を認めていくということが、すべての取り組みの根底にある。また、夢を持たせることができるような取り組みが、こういった取り組みの根底にあれば、自殺するようなことも減ってくるでしょうし、根底にそういうものがあるということを見せながら取り組みをしていけるとよいかなと思った。

(河嶌議長)

 ありがとうございます。福島委員いかがか。

(福島委員)

私も一校を校長として預かる身として考えているのは、長瀬委員からもあったが、子どもの命というものは常に考えて、校長として、職員や子どもたちの前に立っているつもりでいる。本当にいろいろなことを考えるが、なぜなのだろう、ということの答えがなかなか見つからないので、心の健康観察や人権教育プログラム、ストップイットも含め、色々なところで子どもたちが声をかけれる、助けを求めるようなシステムがあるとありがたい。やはり、子どもたちがしっかりとした大人になっていくために、学校現場に立っているわけですが、次のステージまでしっかり子どもたちをつなげていく、最低限が子どもの安全安心、命を守るということだと考えている。工夫しながらこれからも学校、子どもたちを守っていければと考える。心の健康観察の中に、もっともっと発展していったら、月に一回行っているいじめアンケートというか、なんでも相談アンケートというものをやっているが、これもこの中に入れていけると、具体的なことをその時書けるようになるのではないかと思う。従来このアンケート紙で書かせるのが、先ほど委員さんおっしゃっていたように、書いている子と書いていない子がいるということで、書き終わった人は、ここに漢字を書いていましょうとか校歌を書いていましょう、席を離して書きましょう、というようにやっていたが、そんなことも工夫しながらなんでもアンケートをここに入れていけるとまとめやすいかな、というように感じている。

(河嶌議長)

 ありがとうございました、続いて寺本委員。

(寺本委員)

私も学ぶことが多くて、いつも勉強させていただいている。せっかくの子どもの時間を十分に満喫して、楽しく、自分らしく過ごせるためには、大人が何をしたらいいのか、というのを常に考えていきたい。

(河嶌議長)

 ありがとうございました、続いて、鈴木委員。

(鈴木委員)

今日、思ったことを率直に言わせていただくと、先ほど出たシャボテンというのに個人的には非常に驚きを持って受け止めた。IT技術は便利でいろいろ使えるものがあるのだろうと思うが、子どもから発信する、キャッチするのは技術でとらえられるのかもしれないけれど、勝手な私の思い込みだが、やはり現場の先生には、一人ひとりの子どもたちの表情を見て、なんか気分悪そうだな、とか変化に気づいてほしいというのが、私の理想とする先生の姿なので、ITというのは補助というかプラスαのところであって、根っこの部分は教師と児童生徒の人間関係が基盤にあってほしいな、と強く思った。

(河嶌議長)

 ありがとうございました。長瀬委員。

(長瀬委員)

今、思い出したことがあって、中学生のお子さんを持つ患者さんに今日言われたことだが、いろいろな愚痴だったりいろいろ言っていく患者さんがいっぱいて、その方の中学生の女の子のお子さんが、このところ、不登校の生徒が増えているといっていた。増えていくごとに、「〇〇ちゃんどうしたの」と言いにくくなっている。言っても説明はないし、「家に行ってみようかな」と今は言いづらくなっている、はれ物に触るような感じになってしまっている、これでよいのかしらと、このお母さんは言っていた。ここに表れているものと表れてこないことがあると思うので、どう対応していかないといけないのか考えないといけないと思う。

柏医師会でもかなりの数、ウェブと対面とのミックスで行うことが増えている。アフターコロナの時代になると、そういう状況も生まれてくると思う。どうしても学校に行けないという子も出てくるだろうと思うので、ハイブリットな授業とかそういうことも今後は考えていかないと対応しきれないのではないかと思う。医師会の先生でもそうです。会議でも、何となくウェブ参加にしますという感じになってきて、この間もワクチン接種の説明会を先月末に行ったのですが、現場に来た先生は30名ほどで、ウェブ参加が260名、そんな状況になってきている。

(河嶌議長)

ありがとうございました。今、ウェブの話が出たが、今日の報告の中で、中学生のいじめ防止サミットを今年は初めてウェブで行った。これに自分も参加していたが、最初どうなることかと思っていたが、ウェブでやったら子どもの意見が今まで以上に活発に出てきたということもあった。それはウェブでやってよかった面もあったのでしょうが、逆に対面でやって人の温度を知るというか雰囲気を知るということも大事な部分だとも思う。先ほど鈴木委員もおっしゃっていたが、ITだけで全て片付けるわけにはいかない。原点は、子どもとのつながりというのがあり、実は、一斉休校に入ったときに柏市教育委員会、学校も含めて1500本くらいの授業配信をした。最初の視聴率はすごい高いものがあったのですが、だんだん下がっていく。なぜかと考えると、どうしても教師の一方的な授業になってしまう。するとだんだんスクリーンの前から子どもが消えていく。したがって視聴率が下がっていく。やはり、基本的には教師の方も、授業の改善をしていかないとこれからのGIGAスクールについていけないと思う。また、長瀬委員がおっしゃったように、不登校の子もたくさんいて、オンラインの配信やハイブリットなこと考えていかなくてはいけない。もう一つが、学校依存症という言葉があり、要はなんでも学校に依存していけばいいのではないか、そうすると、何か課題が起きると何々教育という言葉が生まれて、何々教育という言葉だけで30を超えるくらいの教育があって全部学校が背負っている時代。学校もいっぱいいっぱいになっている状態で、いかにそれを削っていくか、削っていくというより、他の人たちといかにやっていくかということ。できるだけ、地域の人たちを巻き込んだ学校経営をしていかなくてはいけない、ということで地域の方々にいろいろお願いをしている。不登校の問題やいじめの問題を、今地域で、コミュニティースクールを進めている地域もあるので、またこういったことが委員さんの耳にも入ることがあると思いますけど、なにとぞ御支援のほどよろしくお願いいたします。

それでは、私の方の仕事を終わりにして、事務局にお返しする。

(事務局)

委員の皆様大変貴重な御意見、本当にありがとうございました。私自身、当事者でございますので、一言だけ感想を述べさせてもらいたいと思います。

とにかく、いただきました御意見一つひとつしっかり噛みしめて、これから事業を進めてまいりたい。子どもの安心安全、特に命を大事にすること、子どもたちに夢を持たせるとか子ども時代を自分らしく生きられるようにするとか、そういったこともしっかり考えてやっていきたい。ITにつきましては、もちろん我々も補助というところでのとらえ。やはり、先生方が子どものことを見る視点を増やすというかきっかけとなるような意味合いで、このようなことを考えている。これをきっかけにコミュニケーションの機会を増やしていけるようにしていきたい。当然その中には、現れるもの、現れないものがあるというのはしっかり理解をしながら対応していきたい。子どもたち一人ひとりの表情をしっかり見ながら、先生方が気づくきっかけを我々としても与えていけたらと思っている。我々も教員なので、言葉を大切にしながら子どもたちと関わっていきたい。本日は長時間の御協力ありがとうございました。以上を持ちまして、次第の一切を終了とさせていただきたいと思います。

5 予定

次回開催日時

第1回 令和3年5月24日(月曜日)午後2時30分~

6 資料

1.令和2年度2学期柏市いじめ状況調査の報告といじめ防止の取組について(PDF:2,547KB)(別ウィンドウで開きます)

2.悩みに寄り添う環境づくりと多様性の理解~これからのいじめ防止方策~(PDF:2,013KB)(別ウィンドウで開きます)




 


 

お問い合わせ先

所属課室:学校教育部児童生徒課

柏市大島田48番地1(沼南庁舎2階)

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