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地震発生時の火災を防ごう! 屋外に避難する前にブレーカーを遮断!!
通電火災対策として『感震ブレーカー』が効果的
阪神・淡路大震災や東日本大震災では、電気を出火原因とする火災が多く発生しました。その一因として、停電後の電気復旧時に火災が発生する“通電火災”が多発したことが挙げられます。
地震発生後、揺れが収まった後、屋外に避難する前にブレーカーを遮断することが通電火災による被害を減らすことにつながります。また、自宅が無人の場合や夜間に停電するなど、電気ブレーカーを遮断できないケースにおける出火防止策として『感震ブレーカー』が効果的です。
大規模地震時における火災の発生状況
阪神・淡路大震災で地震を原因として発生した火災の61%、東日本大震災で発生した火災の65%が「電気による火災」でした。
“通電火災”とは・・・?
地震による停電が復旧した場合の通電を原因とする火災のこと。
例えばこんなケースが・・・
【ケース1】
地震の揺れでカーテンや衣類が電気ストーブの上に覆いかぶさり、通電後に出火!
【ケース2】
建物の倒壊や家具の転倒で電気コードが損傷し、通電の瞬間にショートを起こし出火!
“感震ブレーカー”とは・・・?
感震ブレーカーとは、地震の揺れをセンサーが感知し、あらかじめ設定しておいた震度以上の場合に配線用ブレーカー又は漏電ブレーカー等を遮断する器具をいいます。
各家庭に設置することで地震発生時の出火を防止し、近隣住宅等への延焼を防ぐことで、被害を軽減することが期待されます。
感震ブレーカーには、工事の必要なものから工事不要のコンセント型まで様々なタイプのものがあり機能もそれぞれ異なるため、状況によって選んで設置することができます。
感震ブレーカーのタイプと特徴
1.分電盤タイプ
分電盤に内蔵されたセンサーによって揺れを感知して電気を遮断する機能が付いたもので、基本的には全ての電気が遮断されます。取り付けには工事が必要です。揺れを感知してからブレーカーが落ちるまでに時間的猶予を持たせているものが多く、その時間を使って避難などを行うことができます。また、地震による停電が発生した際には、電気が復旧した時にブレーカーが遮断されます。電気器具が倒れていないか等の安全を確認してからブレーカーを戻すことにより、通電火災を防ぐことができます。
2.簡易タイプ
ブレーカーに直接とりつけるもので工事の必要はありません。一定の震度により『おもり』の玉が落下することでブレーカースイッチを落とし、電力供給の遮断を補助します。揺れの感知と同時に作動し、住宅内全ての電気を即座に遮断します。
3.コンセントタイプ
コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、当該コンセントからの電力供給のみを遮断するタイプの機器です。コンセントに差し込むタイプと、既存のコンセントと取り換えて埋め込むタイプがあります。個別のコンセントの電気を遮断することができるため、電気ストーブや観賞魚用ヒーターなどの熱を発する器具を接続する箇所への設置に適しています。差し込むタイプは工事が不要ですが、既存のコンセントと取り換える埋め込みタイプは工事が必要となります。
設置に当たっての留意事項
- 保安灯(補助灯/非常用照明器具)を設置しましょう。
揺れを感知してから電力供給が遮断されるまでの時間的猶予がないタイプの感震ブレーカーの場合、住宅内の照明類も即座に消してしまうこととなります。夜間に地震が起きた際は、例え自宅であったとしても暗闇の中での避難は非常に難しく、転倒した家具や割れたガラス・陶器などで怪我をする可能性があります。停電すると自動で非常用の照明が点灯する保安灯(補助灯/非常用照明器具)などをあらかじめ設置しておくと、感震ブレーカーにより照明が消えても安全に避難をすることができます。 - 感震ブレーカーの他にも火災予防対策が必要です。
感震ブレーカーは通電火災対策には大変有効ですが、地震による火災の原因は通電火災だけではありません。ガスによる火災、石油ストーブなどの暖房機器による火災などにも気を付けてください。感震ブレーカーの取り付けと併せて、住宅用の消火器を用意するなど、二重三重の火災予防対策を講じることが必要です。 - 医療機器への影響について注意をしてください。
分電盤タイプなどのように、地震発生時に家庭内の全ての電気を遮断するものについては、医療機器等への影響が考えられるため、医療機器を使用している場合は設置にあたっては注意が必要です。
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