トップ > 市政情報 > 計画・政策 > 計画・取り組み > 子育て・教育 > 地域・生涯学習 > 図書館 > (平成22年度時点)図書館の整備について > 新中央図書館整備(平成18年度) > 柏市新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会第5回会議録
更新日令和3(2021)年2月26日
ページID6374
ここから本文です。
柏市新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会第5回会議録
1 開催日時
平成19年1月23日(火曜日) 午後2時~午後4時
2 開催場所
柏市役所沼南庁舎5階501会議室
3 出席者
委員:阿部 孝(座長)、玉川 博(欠席)、植松貞夫、岡田恒一、熊谷道子、重盛恭一、菅原淳子、高橋 裕、藤田とし子、渡辺暢江
事務局:矢上教育長、川上生涯学習部長、森教育総務課長、成島図書館長、多田図書館専門監,小舘教育総務課専門監、橋本教育総務課主査、松永教育総務課主任
4 議題
- 市民ワークショップ報告
- 本館機能強化説明
- 立地適地の比較検討
- 新中央図書館の整備運営手法について
- 基本構想の取りまとめについて
5 配付資料
- 第5回柏市新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会次第
- 第4回有識者懇談会会議録
- 「いっぱい言い隊」通信 Vol.3
- 本館機能強化に係る検討について
- 立地候補地の検討
- 柏市新中央図書館整備基本構想(中間報告書案)に係るパブリックコメント実施結果(傍聴者は会議後回収)
- 平成18年度新中央図書館整備基本構想パブリックコメント(最終報告案)(傍聴者は会議後回収)
6 議事(要旨)
【委員】前回の有識者懇談会は、今回に持ち越したテーマがいくつかあります。その1つが本館と分館の関係、2つ目はサービスの内容、3つ目は連携に関すること、4つ目は立地の可能性の問題、5つ目は事業手法の問題でした。今回の資料の中にそれらのテーマに対する一つの提言が盛り込まれているかと思います。説明をお聞き頂きご検討頂きたいと思います。まずは市民ワークショップ報告と本館機能強化につきまして説明をお願いします。
【事務局】それでは、第3回ワークショップ報告の前に、今までの経過を簡単に説明します。ワークショップの開催にあたっては、重盛先生がファシリテーターとしてご協力くださいました。市民の方々からのご意見やご要望、現在の図書館の課題などを抽出し、新中央図書館像をイメージしながら基本コンセプト、整備運営方針など基本構想の策定に役立てることを目的として昨年の7月、9月、12月の3回にわたって開催してきました。第1回目は柏市立図書館の良い所「TAKARA」と悪い所「ARA」を抽出し、新しい図書館がどんな図書館であって欲しいかについて活発に議論しました。特に現図書館のARAについては、新しい図書館の建設を待つまでもなく、対応していかなければならない課題もあります。
第2回目は6つのグループに分かれ、「情報化」「市民・交流・バリアフリー」「生活支援・地域情報」「利便性」「やすらぎ」「学習・体験・遊び」の6つの機能について話し合い、様々な提案がありました。
今回の第3回ワークショップでは、「新しい図書館に市民はどう関わるか」というテーマで、新しい図書館を本当の「柏市民の図書館」にするために市民ができることについて皆さんの知恵を出していただきました。まず、他の自治体の例について情報交換を行い、それを参考にグループごとに話し合いました。どのグループにおいても子どもを対象とした活動を挙げております。また、バリアフリーに関する活動なども多く挙げられました。
回を重ねるごとにコミュニケーションが密になり、皆さんも楽しく参加されている様子が窺われます。ワークショップを通して新中央図書館構想への皆さんの気持ちが高まったのではないかと考えます。3回にわたって開催されたワークショップを振り返りますと、参加された皆さんの新中央図書館に対する思いの大きさとともに、市民として主体性をもって図書館運営について積極的に意見を述べられるなど、柏市の図書館をみんなでより良いものにしたいという熱い思いを感じました。ワークショップにつきましては以上です。
【委員】ワークショップで出されましたいろいろな提案が基本構想や基本計画に含まれていくという理解でよろしいですね。それでは次に本館機能強化について説明をお願いします。
【事務局】それでは説明します。本館機能強化の背景としましては、様々な社会変化に伴い、人々の価値観やニーズが多様化しています。そのような中で図書館に求められる役割も変化し、全国の図書館においても地域を支える情報拠点をめざした改革が進められています。
柏市においても、図書館事業の更なる充実が求められています。具体的には、新中央図書館の整備、子ども図書館の整備が計画されているところです。平成19年度以降は両図書館への取り組みを進めるとともに、運営事情を反映した図書館機能の展開を図るため、本館機能の強化が必要不可欠となります。図書館本館の現状を見ますと、職員数の減少により、日常業務に力が注がれており、企画立案機能や分館に対する支援機能が十分に働いているとはいえないため、事業展開を創出する機能が発揮されているとはいえない状況にあります。また、祝日開館は、旧柏地域では実施しておりません。これらの課題の解決を行うため、本館機能強化検討会を立ち上げ、3つの課題を検討してきました。
まず1つ目としまして、正規職員の本館への集中配置です。現在柏市では厳しい財政状況にあることから、正規職員の定数削減などが行われています。こうしたことから、今後図書館にとっても職員増が望めない状況を考えますと、本館の機能を強化するため、現在分館に配置されている司書資格を持つ職員を中心とする正規職員を本館に集中配置する必要があります。なお、集中配置の時期については検討中ですが、平成19年度と20年度の2ヵ年に分けて行うことを検討しています。
2つ目に、集中配置後の体制としまして、本館の人員面での強化には、正規職員の集中配置に加えて、組織体制の見直しが必要です。新たな事業の展開を図るためには企画立案機能の強化が求められていることから、新たに企画担当を設置することを検討しています。したがいまして、職員集中配置による本館機能強化で、現在進めている新中央図書館整備計画、子ども図書館整備計画の具体的な取り組みを図るとともに、新たな事業の展開の計画を検討しています。
今後の新たな事業については、20年度のオープンを目指しています子ども図書館、ボランティアとの協働、インターネットの予約、学校図書館との連携、課題解決型支援への取り組みとして商工会議所との連携によるビジネス支援などを検討しています。なお、本館に正規職員を集中配置した後の分館については、既存の臨時職員と臨時職員の補充により分館を運営していくことを想定しております。分館業務は図書の貸出と返却を中心として、本館からのバックアップにより従来どおりサービスを提供しています。分館運営のしっかりとした全体一致を図るため、現在マニュアルの整備や臨時職員の研修の計画も行っています。
分館については地域に根ざし多くの利用者に親しまれており、柏市の特色でもありまた財産ですので、残す方向で考えています。
3つ目に、祝日開館ということについては、市民の要望も多い所ですが、この本館機能強化により、全館において祝日開館を行うことが可能になります。現在、19年度からの実施をめざして各関係部署などと協議をしながら計画を進めています。以上が本館機能強化ついての説明です。
【委員】子ども図書館が平成20年度に開館予定という話は、今日初めて伺いました。今までの議論で分館を子ども専用にしてはどうかという話題もあったかとは思いますが、そういったこととは別に子ども図書館を20年度に作るのですか。
【事務局】柏市では新中央図書館の建設に合わせて、沼南町との合併で出てきた企画として、この沼南庁舎の一階を子ども図書館として整備することを検討しています。すぐとなりに沼南公民館があり、その中に沼南分館があるので、そことの関係を整理する必要があり、庁内検討会を立ち上げて検討してまいりました。その中で、主として就学前の子どもを対象とした図書館としたいという方向性を打ち出し、庁内でもそれに関わる担当課、児童育成課や健康推進課など子育て支援に係る部署を加え、実際に子育て中のお母さん方のグループにお話を伺ったりして協議をしてきました。それらと並行して本館機能強化も検討してきていますので、3つのプロジェクトが立ち上がっていたことになります。子ども図書館についてはまとまった資料がありませんでしたので、情報提供やご報告が遅れ申し訳ありませんでした。
【委員】それでは、本館と分館、本館と子ども図書館の連携については、当然考えているということでよいでしょうか。
【事務局】できてからは当然連携していくと考えています。
【委員】本館機能強化の説明に関して質問ですが、分館は臨時職員により運営するという部分で、臨時職員の身分や責任について知りたいと思います。また、臨時職員で運営していけるのかどうかが心配です。
【事務局】臨時職員は既存の臨時職員に加え新規に採用します。責任体制については、12月の近隣センターの会議の結果を受けまして、ある程度のご協力を得られると考えております。現行でも土日は臨時のみで営業していることもあります。
【事務局】臨時職員の身分については、地方公務員法の中で我々と同様に定められています。
【委員】正規の職員とは、簡単に言うと何が違うのでしょうか。責任体制を考えたとき、本館の業務命令系統がしっかりしている必要があります。
【事務局】本館と分館の機能分担の中で、分館は基本的に図書の貸出・返却を中心にやっていただこうと考えています。ですからレファレンス等の対応は本館が中心になり行っていくことを考えています。また、本館の職員が、担当を決めて分館の臨時職員の対応をしていくことを考えています。
【委員】分館をイベントの実施やボランティアの活動拠点とすることを考えると大変そうだと感じられます。本館の職員がエリアマネージャーのようになるというイメージは分かるのですが。
【事務局】16分館はぜひ残していきたいと考えていますが、さらに新たなサービスをこれから行っていくためには、予算上も人を増やすことができないので、本館に人を集め厚みを増しています。
【委員】臨時職員は、これから採用するのですか。
【事務局】そうです。
【委員】子ども図書館のことについて、1点目は、新中央図書館は子ども図書館の機能を持たないと考えるのか、子ども図書館の機能も併せ持つと考えるのかお伺いしたいと思います。それはここで決めればいいのでしょうか。2点目は、図書館に集められた企画担当は現在のあの図書館の中に座る場所があるのでしょうか。3点目はコンビニ活用の話もありましたが、本館と分館との物流を円滑にすれば、分館も本館並みの利用が考えられます。その物流システムを自前で行うのか、外注するのかを検討するべきではないでしょうか。
【事務局】新中央図書館が子ども図書館の機能をもつかどうかについては今後検討をしたいと思います。2点目の企画担当の席については、5名程度なので大丈夫だと考えています。新たなサービスを提供する環境整備も含めて考えたいと思います。3点目の物流については、コンビニの関係は来年度の実施は難しい状況になってきていますが、実施する場合は自前ではなく宅配などを利用することを考えています。
【事務局】いまのところ、新中央図書館でも幼児を対象としたブックスタートは継続していく予定です。また、学校図書館との連携も考えているので、新中央図書館でも子ども図書館の良い所を吸収していきたいと考えています。
【委員】思い切って、新中央図書館は高校生以上だけを対象として、子ども図書館は子どもサービスを中心にするということも考えられるのではないでしょうか。
【事務局】平成20年オープンということで、状況を見ながらということになりますが、市民ニーズに対応できる施設に成長していけるのであればそういったことも可能であると考えています。
【委員】今回の新中央図書館の構想の中に子ども図書館の話が組み込まれていないということは、子ども図書館は本館と分館の機能の検討から外れているということでしょうか。図書館構想全体の中で、どこに位置付けられるでしょうか。
【事務局】子ども図書館も一つの分館として考えるということです。
【委員】市内に16も分館があると同じ本を16冊買うのかなど、ランニングコストを考えると財源が心配ですが大丈夫でしょうか。利用者にとって近くにあるということはいいことですが、一つ一つの分館が貧弱なものになったり、質的に低下したりということにはならないでしょうか。
【事務局】図書の購入費については、そのような問題があります。しかし、施設の維持管理費に関しては、近隣センターの中に併設していますので、あえて図書館だけを維持するということではありません。
【委員】確かにその点は、メリットがあるのかもしれません。
【委員】臨時職員の採用にあたっては、司書資格をもっているなどの基準を設けるのですか。
【事務局】その点については内部で検討しましたが、結論としては司書資格を有しない方でも良いという方向で考えています。なぜなら、現在の臨時職員は司書資格を持っていない方であり、司書資格を持っている場合、賃金に差をつけなければならないのではないかといった問題や、差をつける場合に仕事内容を差別化する必要があるのではないか、などといった問題があります。
【委員】臨時職員でもある程度のことは責任を持って答えられる必要があるのではないでしょうか。現在でも臨時職員が対応に出て、正規職員がいないので確認して連絡しますという対応をされることがあります。もう少ししっかり対応できる方が良いと思います。
【事務局】そういった対応も含め、サービスの低下にならないように検討します。
【委員】今まで勤めていた方の保障といった部分もあるかもしれませんが、そこにあまり引きづられていては新しいことができないと思います。民間の場合、新しい企画を実行するにあたって、それができない人はバサっと切るということがあると思います。そこまでできないにしても、臨時だからといってお留守番をしているというだけの人では、勤まらないと思います。その覚悟のある人に残っていただくようにしなければ、今度の仕事はできないと思います。
【委員】一番必要なのはコミュニケーション能力だと思います。先ほど新規採用についてお聞きしたのはまさにそのような意味です。新たに全員を採用しなおすくらいでなければこのような体制は任せきれませんし、うまく分館も機能できません。また、ここに示されたような発展的なことを盛り込むこともできないと思います。
【委員】それでは、次に今日の大きなテーマとして立地適地の比較検討と新中央図書館の運営手法という問題があります。これについての説明をお願いします。
【事務局】それでは議題3の立地適地の比較検討と議題4の新中央図書館の整備運営手法について説明します。
立地候補地については、5箇所の候補地が提示されています。この5つの候補地について8つの指標で評価をしております。8つの指標のうち、(1)から(5)は前回提示した資料を整理して並べ替えています。今回はそれに加えまして、(6)用地の取得難易度、(7)財政負担、(8)連携について整理しています。
(6)用地取得の難易度については土地の取得が容易であることが望ましいのですが、これは今回用地取得に係る経費を算定しています。(7)財政負担ですが、こちらは先ほどの用地取得費も含めた全ての事業費について掲載しています。こちらの数字についての詳細は後の11ページに掲載しています。各候補地に建てる場合には大体どれくらいかかるかということを、費目ごとに他市の建設事例を参考に積み上げていったものです。提示額に若干幅があることについては、新中央図書館の延べ床面積を約7、000平方メートルから8、000平方メートルと幅を持たせて想定していますので、額についても幅が出てきています。
前回の会議の中でまちづくり交付金、合併特例債についてご質問がありましたので、簡単な概要を記載しています。まちづくり交付金ですと、図書館は提案事業になりますので、基幹事業が必要になります。候補地AとBについては土地区画整備事業ですが、個別に補助金を取得していますので、現在の土地区画整理事業においてはまちづくり交付金の取得は難しいということです。但し、新たに別の基幹事業を設定することが可能であれば交付を受けることができる可能性もあります。候補地C、D、Eについては現在そのような交付金を取得しているわけではないのでまちづくり交付金の取得可能性はあるのですが、地域の特性を踏まえた、都市再生整備計画の策定が必要になります。合併特例債については、申請をするのであれば可能です。
(8)連携につきましては様々な考え方がありますが、現時点では新中央図書館を作る場所と各分館との距離がどのくらいであるかを掲載しております。
次のページでは、実際に新中央図書館を整備する際には、候補地ごとに懸案事項があるのではないかということで記載しています。候補地として選ぶ際に図書館の建設に現実的な見通しが立てられることという条件で選んでいますので、全く不可能ということはありませんが、そのような中でも懸案事項はあるだろうということで掲載しています。以上が立地候補地の比較検討という部分です。今年度についてはこの比較検討までで、具体的に土地の選定は行いません。続いて整備運営手法について説明します。
柏市では柏市事業手法選択ガイドラインというものがあります。それに基づいて直営、PFI、指定管理者、その他の民間活力活用の方法があるかなどを検討していくことになります。
次のページでは従来型(一部委託)、指定管理者、PFIについて、簡単な概要と特徴を整理してあります。次に参考事例として実際に指定管理者で運営している北九州市、PFIで運営している稲城市の例を挙げております。
これらの事例などを踏まえ、実際に柏市は事業手法をどうするかということですが、立地を具体的に決め、立地や新しい中央図書館のサービスに見合った事業手法について来年度基本計画等を定める中で決めていこうと考えています。以上です。
【委員】11ページに敷地ごとの事業費が出ていますが、候補地Eでは建築工事費がなく床の取得費と内装のみになっています。候補地Eは基本的に複合施設ということになるのですか。
【事務局】そうです。川口の図書館は、階によっていろいろな施設が入っていて、その一つとして図書館が入っていましたが、あのようなイメージです。
【委員】保留床を買うわけですから、市が土地の持ち主にはならないですよね。
【事務局】床の割合だけ、土地も市の権利となります。
【委員】来年度の話になるのかもしれませんが、資料がこのまま出ていくと誤解を招く点があるのではないでしょうか。3ページに敷地面積が出ていますが、法的に許される最大の面積が明示されていません。また、候補地Cの現図書館の跡地で建てようとするときに、想定されている7、000平方メートルの確保は困難であるとコメントされていますが、ここに記載されているのみです。後の事業費計算部分では候補地Cが断然安いという結果になっていますが、これは2、300平方メートルまでしか建てられないことによるものであり、同じ条件で比較していないので、アンフェアであると考えられます。また、法制度上、最大可能な延床面積を入れておかないと、複合施設として建設するにしても、建物全体に占める図書館の割合によっては、検討の際に条件が変わると思います。さらに、法的規制によっては高い建物が建てられないということもあるため、建て方によっては延べ床で許されている最大値まで確保できない場合もあると考えられます。正確に比較検討するのであればそういった点も押さえた方が良いと思います。
【委員】来年度実際に議論されるときには用途地域の問題なども出てきます。
【委員】今日のこの資料が出回ったときに、値段だけ見れば候補地Cが良いのではないかと言われてしまいかねません。算定の前提を明示するべきです。
【委員】どう考えても候補地Cに建て替えを行うことは不可能に思われますが、あえてここに掲載しているのはなぜですか。新しい図書館の延べ床面積7、000平方メートルの条件も満たさず、用途地域や地形などについても不利な点があるのに、なぜ並列で検討されているのでしょうか。
【委員】Cを候補地とせずに参考とした方が良いのではないでしょうか。それとも、周辺の建物等を含めることができる見込みがあるのでしょうか。
【事務局】Cを候補地として入れるかどうかは庁内でも議論になったところですが、新中央図書館を考える上で現本館をどうするかという問題は必ず議論になると考えられます。その際に、例えば候補地Aになった場合に候補地Cは保存庫にするということも考えられます。本館跡地では成り立たないという面もありますが、もしここに建て替えた場合、本館はどういう機能にするのか、本庁の一角にコーナーを設けるということも考えられるのではないでしょうか。決して候補地Cの可能性が全くないということではなく、もし候補地Cになるのであれば、そのような手段を考えていきましょうということで提示しています。
【委員】それでは、いつまでたっても決まらないと思います。やはり容積を先に決めて、そこにどういう機能を持たせるかということで話を具体的化させるように進めていかないと、いつまでたっても「場所が決まらないと内容が決まらない」、「内容が決まらないと場所が決まらない」ということになってしまいます。やはり場所を決めないと話が進まないのではないのでしょうか。
【委員】立地場所の条件によっては、各機能の比重を変えていくことになるのでしょうか。
【事務局】立地候補地の検討に関しては4つの条件で絞りこみをしてこの5箇所としましたが、基本的にはこの5箇所を基に立地を確定していく作業については来年度早々、事務局としては6月頃までに行いたいと考えています。
【委員】それでは、現在8項目の指標がありますが、他に重要な指標があるかどうか先生方にお考え頂きたいと思います。
【委員】立地が決まってから手法を決めるという順番なのでしょうか。PFIや指定管理者は民間企業が運営を委託され、PFIでは建設の段階から関わってきます。そのため、マーケティング的な意味合いで立地が大事になるのではないかと予測されます。民間活力の活用を導入するということを前提とした場合、立地の問題については企業の参入に備えて、より経費の削減とサービスの向上が見込めるといった指標があるのかどうかが気になります。また、市民参加の観点からは民間が運営する場合、市民のボランティア団体がNPO化して運営に参画するという可能性もあると思います。市民参加のスタイルといったことも事業手法の中でどこまで見据えて進めるのでしょうか。
【委員】私の経験から言えば、立地によって民間の参入数に影響するといったことはないと思います。
【委員】他には、組織の問題として、PFIや指定管理者で運営される場合、臨時職員の待遇にも関わりますが、分館の経営はどうなるのかということがあると思います。構想段階では手法の検討については事例、メリットとデメリットを示す程度であり、基本計画で決めていくということになると思いますが、課題があるという提示だけでいいのかということです。
【委員】整備運営手法についてはもう少し細かく検討された方がよろしいと思います。また、指定管理者の事例として北九州市の事例が挙げられていますが、これは北九州市が言っていることであって、指定管理者が運営することによってサービスが向上していると柏市の方が評価しているわけではありません。これは北九州市の人が言っていることとして扱わないといけません。サービスが向上した点として挙げられている5つの項目が、どうして直営ではできないのかということになります。あたかも指定管理者でやると良いことがあるかのように読み取れますが、これは公平な資料と言えないのではないでしょうか。また、PFIのVFM(バリューフォーマネー)については、PSC(パブリックセクターコンパラター)をどの程度正確に算出しているかによって値が相当変わってきます。そもそもPSCを高めに設定しているからこのようなVFMが出てくるのであって、昨今はPFIでやっても実質のVFMは5~7%というのが一般的ではないかと言われています。値段のことだけ言うと安かろう悪かろうということが起こりうる可能性もあります。もっと公平に比較されるべきであると考えます。
【委員】指定管理者にせよPFIにせよ、検討せざるをえないというのが行政の置かれている状況だと思います。PFIでは行政側が建物や運営に関する事細かな要求水準を作っていかなければいけませんので、職員の方の理解度や能力、体制が十分である必要があると思います。指定管理者の場合も同様です。協定の前にプロポーザルを行いますので、プロポーザルの評価基準をきちんと作れる準備も必要になります。
【委員】指定管理者の件については、地域の人との協力やその土地の今までの流れをふまえて運営しなくてはならないのに、遠隔地の業者が指定を受けてしまい、それが難しいといった事例を聞いたことがあります。お金の部分だけで考えて決めてしまうと実際の運営の際に回らなくなるということもあるとのことです。そうしたことも考慮に入れていただきたいと思います。
【委員】市の図書館としての公共性が、PFIや指定管理者を導入した場合にはどうなるのかということを考える必要性があると思います。
【委員】指定管理者やPFIを活用するということは民間に任せるということになると思いますが、その場合市がどれだけしっかり掌握できるかということが大事だと思います。運営に関して望む水準を適切に定める必要がありますが、今まではそれがあまりされてなく、結局価格だけの評価になってしまっています。行政側からの評価しかされていないので悪いデータは出せないと思いますが、実際に聞いてみると悪い話も聞いています。必ずしもいいことばかりではないようなので、慎重に考えていただきたいと思います。
【委員】どこまで事業者に委ねる部分とするかは、重要な判断になります。PFIに関しては、発注者が仕様書を見る能力を持っていないとなかなか難しく、いいものができないという面があります。
【委員】PFIは民間のノウハウを活用して設計し運営するものですから、市があまり口を出してはいけないのです。
【事務局】一番大事なこととして、安かろう悪かろうでは良くないと考えています。市民の方に利用して頂いていい図書館だと言って頂きたいので、指定管理者にしてもPFIにしても我々発注者の資質が求められていると思います。柏市ではPFIの事例がありませんが、財政事情が厳しいということや企業の資金も含めて民間活力を活用することも踏まえ、我々も勉強して最適な事業手法について調査し、結論を出したいと考えています。
【委員】他に視点がありますか。
【委員】周辺環境という項目がありますが、図書館のとなりも含めてくつろげる空間を考えてみてほしいと思います。新中央図書館には、世代間のふれあいということも考え、子どもの図書の部分も含めるべきだと思いますが、となりに素敵な公園があれば子どもも図書館に行きやすくなるのではないでしょうか。子どもだけでなく多世代にとっても、となりに素敵な空間があるということによって図書館の魅力も増すと思うのでそういった要素を入れていただきたいと思います。
【委員】心地よさという視点を考えていただきたいと思います。個人的には紙芝居をやって子どもに道徳心やきちんと聞く姿勢を養っていく場所にしたいと思います。PFIや運営手法については、柏市を愛する、公共的な方に運営して欲しいと考えています。
【委員】6ページの図書館の位置付けということで言いますと柏市の総合計画の中の位置付けも含めて考えた方が良いと思います。柏市全体でまちづくりを進めていく中で、ここに中央図書館ができることによって総合計画の中のこういうところに寄与するということを示していけると良いと思います。
【委員】柏市全体のコンセプトの中で図書館がどのような位置付けにあるか、それによっては図書館という名前になるかどうかということまで含めて議論してみるべきかもしれません。
【委員】図書館と言っていますが、本から体験へというコンセプトがあり、仕組みがあると良いと思います。科学的な読み物に出会ったら実験や工作ができるとか、本のことで相談ができるとか、本を中心にして広げられるコンセプトのものができたら良いと思います。
【委員】大賛成です。経験ベースでものを考えるという事が大事です。知識や情報から発展する可能性を案内してあげるという意味では、本を中心として本に関するイベントや展示といったものがあるというイメージをすると新しい図書館像ということにつながるのではないでしょうか。
【委員】基本構想には機能関係図のようなものが欲しいです。
【委員】機能的に考えると遊びの要素なども組み込めて楽しい図書館になるのではないでしょうか。
【委員】分館は非常に狭いので、情報環境の整備が必要なのではないでしょうか。分館でも本館と同じ程度のサービスが受けられるように、物流のシステムを整備することや、移動図書館のようなものを設けて分館を回っていくといったことを行う必要があるのではないでしょうか。分館は狭いので、それぞれ特色をもっていくという方向で考えないといけないのではないでしょうか。
【委員】図書館は情報博物館的になってきたので、図書だけではいけないと思います。
【委員】本の数云々や16館全部同じ本を買うという考え方はもうやめて、ある程度本館で揃えますが、早く読みたい人は自分で買っていただくなどして、分館は情報館という一定の環境を整えることと、子どもの放課後の居場所として大きな機能を果たすことが重要だと思います。放課後の子どもの居場所として、本があり、情報を自由に検索し、学ぶことができる場所として図書館の分館があることを強く望みます。
【委員】AV資料のことについてですが、レンタル店とは重複しないようにするということですが、ここに書かれていることに加えて、高齢者関係や多言語資料、既存のレンタル店で入手できない効果音や民族音楽や語学、朗読などがあると良いと思います。また、施設計画に関することで、集会・研修コーナーの大きなものにホールの機能をつけていただけたら良いと思います。照明、音響、スクリーン、暗幕があればいろいろなイベントを考えることができます。
【委員】それでは、次に資料(6)および(7)について説明をお願いします。
【事務局】時間も迫っておりますので簡単に説明します。昨年の12月に中間のパブリックコメントを実施しました。20名の方からご意見を頂きました。様々なご要望がありましたが、アンケートにもございましたように利便という所にかなり着目しているという傾向がありました。そのような点も取り入れて最終報告案を現在作成しています。この最終報告案には今回の有識者懇談会の意見も追加しまして、2月1日からパブリックコメントを2月20日まで実施しようと考えています。
内容の詳しい説明は時間の都合上割愛します。最後のページをご覧下さい。今回市民ワークショップを開催しましたが、日本全国で数多くのワークショップを手がけていらっしゃるファシリテーターの重盛先生も柏市民の強いパワーを感じられたと思います。そうした市民の思いを受け止めて基本構想をまとめていきたいと考えております。今回の基本構想は新中央図書館のあるべき姿、理想とする計画のビジョンを立てる最初のステップでした。それを中間パブリックコメント結果にもありましたように、「市民に愛され誇りに思っていただける施設にしていただきたい」という思いを受け止めて、今後具体的に基本計画等を策定していきたいと思います。今後も市民に広く公開し、市民に身近な施設にしていきたいと思います。
【委員】全体的に基本方針のところを読ませて頂いて、市民の知的欲求を満たしていくとともに、市民一人一人が自己を高める手助けを行い、市民の自立的な判断を支えていくことが求められています、という書き方をされていますが、私はもっと踏み込んだ図書館になって欲しいと考えています。市民に身近で安らげることは最低条件ですが、リラクゼーション施設で終わってしまっては何の意味もないと思います。これからの図書館は、本やインターネットやCD、DVDなどの情報という素材を個人や団体の課題を解決するために有効な道具として、いかに加工していけるか、課題解決のためにナビしていける機能を持った図書館が求められていくのではないでしょうか。ニューヨークの図書館では、資本を持たない個人が起業し、経済的に自立できるよう支援するというコンセプトを持った公共図書館もあります。個人の就業支援にそれだけ税金を投入していいのかという議論もあるようですが、その人がいつまでも生活保護をもらったり行政の保護に頼った生活をしたりするのではなく、少しでも公共施設の支援のもとに自立し、後に自分が税金を納める主体となることを考えると、経済の活性化にもつながるのではないでしょうか。それは文化や芸術関連でも同じことが言えると思います。あくまでも理想像かもしれませんが、そのくらい理想を高く持っていくと良いのではないでしょうか。今までは市民ニーズに応える欲求充足型の施設だったかもしれませんが、これからはもっと発展した、図書館も意思を持って発信していける、問題解決型とか可能性発掘型の施設であって欲しいと思いますが、この資料を見るとおとなしすぎます。このくらいはあたりまえだと思います。また、ビジネス支援の部分で、団塊の世代の方をお迎えしたときに、その方達が起業する、あるいは新しいコミュニティを作る支援ができる図書館であって欲しいと思います。また、情報弱者という言葉がありますが、インターネットを使えるかどうかが大きな差を生んでしまうため、そのようなフォローを行えるようにして欲しいと思います。図書館は知のインフラで、市民が新しいものを創造できるための環境であって欲しいと思います。
【委員】おっしゃるとおりだと思います。今まで図書館は「金食い虫」とされていましたが、総務省もビジネス支援などをして税金を生み出す図書館といったコンセプトを打ち出し、今まで図書館が手を出してはいけないといわれていた医療情報や健康情報、社会福祉的な情報を流して社会全体としてのコストを下げるということを言っているので、もう少し攻撃的な図書館というイメージを出した方が良いと思います。そういうものがない割には具体的なサービスや部屋のつなげ方などが書かれており、その辺の図書館の報告書とあまり変わらない感じがします。基本構想に関しては攻撃的な部分だけを書き、他は次とした方が良いのではないでしょうか。場所も決まらないうちにゾーニングやサービスをここまで書いてしまうというのは、ゴールを皆さんは知っていて我々だけ知らないという感じも致します。基本構想なので、柏市民にどういう図書館がある暮らしを実現させるかというビジョンがもう少し充実しているべきではないでしょうか。
【委員】市民の方々が楽しんでまた来たいと思える図書館にして欲しいです。基本理念を再度確認していただければと思います。
【委員】手賀を見捨てないでとある人に言われました。前は移動図書館があってよかったということですが、手賀沼の方面についてもよろしくお願いします。
【委員】例えばAのところに行ってしまったら手賀の方が遠くなるので、手賀東小の子供たちを見捨てないで欲しいと言われたのを、いつ言おうか、いつ言おうかと思っていました。前は移動図書館があったので良かったとおっしゃっていたのですが、移動図書館をしてくださいということを言って良いのか分からないのですけれど、何かしらあちらの方にも図書館サービスが利用しやすくなるようにお願いしたいと思います。あちらの方達もお願いしますということをおっしゃっていました。
【委員】先ほど情報格差の話題が出ましたが、収入格差が情報格差につながっている部分は大きいと思います。公共の施設はそれを出さないために作っているという意識をしっかりもっていかないといけません。先ほどの指定管理者やPFIはそういった格差が広がる傾向にあったと思います。そのあたりを調整していく必要があると思います。
【委員】2年先、3年先情報革新が進んでいくと思いますので、その流れとの問題が残るかと思います。
【委員】うまくまとめられませんが、総じて今までの解釈では基本構想は是非「攻撃的な」基本構想を出していただきたいということかと思います。そのような点をお願いしまして、本日は終わりにさせていただければと思います。
7 傍聴
(1)傍聴者
18人(うち記者3人)
(2)傍聴状況
傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。
8 次回開催日時(予定)
平成19年2月27日(火曜日) 午後2時~午後4時
お問い合わせ先