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更新日令和3(2021)年2月26日
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柏市新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会第3回会議録
1 開催日時
平成18年8月29日(火曜日) 午前9時~午前11時
2 開催場所
柏市役所沼南庁舎5階501会議室
3 出席者
(委員)
阿部 孝(座長)、玉川 博(副座長)、植松貞夫、岡田恒一(欠席)、熊谷道子、重盛恭一、菅原淳子(欠席)、高橋 裕(欠席)、藤田とし子(欠席)、渡辺暢江
(事務局)
矢上教育長、森教育総務課長、成島図書館長、小舘教育総務課専門監、多田図書館専門監、橋本教育総務課主査、松永教育総務課主任
4 議題
- (1)新中央図書館施設整備方針、施設イメージについて
- (2)新中央図書館の運営方針、提供サービスについて
- (3)図書館の立地適地
5 配付資料
- (1)第3回柏市新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会次第
- (2)新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会(第3回)会議資料(事前郵送)
- (3)参考資料4 追加集計結果反映
6 議事(要旨)
【委員】
全体の大きなイメージとしては、駅のそば、駅ビルの中という利便性と,多少遠くてもやすらぎが得られる場所であれば良いと思っているのですが、この2つを同時に満たすことは可能なのかという思いがあります。やすらぎの方は分館、もしくは沼南と合併したため、南の方に何らかの形でできればよいというイメージがあります。
少し具体的な話をすると、「情報化」について言えば、情報化が求められるのは当たり前のことであり、インターネットや携帯電話からの予約システムは絶対やっていただきたいと思います。ただ、一つ疑問に思うのはビデオ・CDの充実とありますが、今はレンタルビデオ屋も潰れている時代で、インターネットからもダウンロードできるので、これを充実するというのはどうかなと思います。もしかしたら求められているのは学習教材や効果音などではないでしょうか。その他の音楽については専門店で取り扱っており、各人がお金を出して買って,古いものはどんどん捨てていくことになると思います。図書館の機能にそれがあればよいと思いますが、限られた中では必要ないのではないでしょうか。また、効果音については、視聴覚ライブラリーで担うことができるのではないでしょうか。
「学習・体験・遊び」については、図書館が何かを発信する場であり、人が交流する場であってほしいと思っておりますので、イベントや講演会が開催できる場所があればよいと思います。本があるスペースの中にイベントや講演会ができる場所があれば、それに関連した展示に結びつけることができると思います。そのような空間が、広い閲覧室の確保と併せてできればよいのですが。これからの時代ボランティアを入れるのは当たり前のことですし、先ほどのワークショップの話を聞いていても、大変盛り上がっているということですので、そういった方が図書館友の会の母体になれるかも知れません。ですから、ボランティア室も必須だと思います。
また、「生活支援・地域情報」については、ここに書いてあるとおりで、大学との連携、小中学校との繋がりもあると思います。また、ここに書いてある医師会、弁護士会、建築士会との連携というのは本当にすばらしいと思います。歯科医師会で絵本とかを手渡されていたりするので,歯科医師会との連携がなされればよいと思います。「やすらぎ」も記載どおりでよろしいかと思います。
「市民・交流」については、ボランティアさんを入れて、企画の段階から市民と共同で講座や展示ができればよいと思います。
「利便性」については、記載されていることは,できることからすぐにやってもらいたいと思います。
【委員】
6つの柱にそってご要望をいただきましたが、物理的な問題を考える時に利便性とやすらぎが同時に成り立つかどうか。
【委員】
市民参加のワークショップに私も多少関わりましたので、現場の様子を感じることができました。整備方針として、分館と中央図書館の関係をどう整理するのか、大きな枠組みを作る必要があります。前回も多少出たのかしれませんが、中央図書館は専門書や体験活動(講座)、連携などの支援機能を備えることができます。分館は生活拠点にあるため、生活文化を中心とし、地域住民がそこにボランティアとして積極的に参加できる仕組みづくりなども将来的には考えられます。既にワークショップを母体に友の会を立ち上げようという話も出ており、初めからそのような話がでるということは、大変市民意識が高いと思います。ワークショップで図書館長になろうというシミュレーションを行ったのですが、そこでは、常に市民の意見をくみ上げ、それに対しては必ず返答を行い、変更点については理由を告げるようにしたいという意見がありました。
また、中央図書館と分館をどうするのかという大きな方針については、中央図書館は便利でやすらげて、そこに市民がボランティアという形で関われるとよいかと思います。中央館はどちらかといえば、本も情報もあるけれど、活動もあり、大きな文化を育んでいく場であり,分館はより気軽に行ける場所として、配本のネットワークを含めて読みたい本が瞬時に読める場所であるとよいかと思います。
実は、ワークショップでもビルの中に複合施設として作るのがよいのか、単館にするのかという対立する意見が出ておりました。隣でカラオケをやられたら落ち着いて本を読めないという意見と、他の施設と近接することで、気安すく立ち寄りが可能という意見がありました。運営については、市の直営でやってほしいという方と民間活力を使っても良いという意見がありました。その両方ともポイントは専門職です。市の直営であれば、専門職の身分が保証されるので質の高い職員が得られるだろう。また、民営化についても、民営化の柔軟な体制の中で、意識の高い有資格者がいるだろうということで、どちらも司書なり、専門職に対する期待がありました。本館もしくは分館を含めた中でどのような体制をとるかにより、提供するサービスも変わってくるかと思われます。市の直営か民営かによって、ボランティアの位置付けも変わってくると思います。解決の一つとしては、ボランティアが自立的な組織であることだと思います。
【委員】
市の図書館ですから、本来は分館も含めて全体の機能があって、その中で中央図書館と分館のあり様というものが出てくるはずですが、先生からは、本館の一つの特徴としては、利便性を取り上げ、一方、分館については生活を中心とした情報を挙げていただきました。コミュニケーションについては中央図書館と分館両方に入るということでよろしいですかね。
【委員】
場所によって,ものすごく地域性があるところでは、そのようなものを中心にした展開ということもあると思います。
【委員】
その辺がクリアにならないと、1種類の本を17館でもたなくてはいけないということが出てくるため、ある種の効率性がないと財政的にも厳しいと思います。
【委員】
利便性のところでは開館時間の問題も出てくると思います。大学では24時間開館の図書館が出てきています。これらの図書館はある時間を超えると有料になります。それから、運営のところでも、江戸川大学さんは業者で図書館の運営をやっていらして、これはこれで、学校の行事に振り回されず、安定的にプロの手によって運営されるというメリットは確保されています。その他,NPOと指定管理者の契約をするという方法や市の職員が直接行うなど、色々な方法が考えられます。
【委員】
24時間体制の場合は、職員がずっと対応するということにはなりません。
【委員】
大学の場合はほとんど無人になると思います。
【委員】
文化ホールのようなところは市民が委託を受けてその中で24時間行っています。
【委員】
24時間といっても、サービスの内容はある時間を過ぎたら限定されます。
【委員】
都内に通勤している人たちが帰ってきたら、図書館がやっていないという意見がありました。
【委員】
それは利便性に反しますよね。
【委員】
市民の方は皆さんそのようにおっしゃるけど、夜遅くまで開けてもそれ程利用者がいないというのが実態です。投資対効果という視点からは、ペイしてないのが実態であって、投入した税金に見合う分の利用がなされていないのがほとんどです。結局夜9時までにしたのを7時までに戻すという例もたくさんあります。
【委員】
駅との関連というのも市民の方は強く意識されていて、駅の近く,もしくは、返却ボックスを駅に設置して欲しいという意見がありました。
【委員】
単に時間を延長するだけではだめで、人が来るような仕掛けを用意しないといけないと思います。
【委員】
何かサービスを行うのであれば、それを使っていただくために働きかけないといけないと思います。
【委員】
市民向け図書館の場合、閲覧のスペースや座席数に対して数値的な基準はあるのでしょうか。
【委員】
それはありません。資料の4頁にもありますが、国の基準として,延床面積は出されていますが,席数はありません。
【委員】
やりたいことや欲しいものというものはたくさんあるのですが、分館が既にあるので、何を重点的にやるのか、また、どの年齢層が来てもどこか1つは満足して帰れるような部分がなくてはいけないと思います。分館はどちらかといえば近いので、お年よりや小さい子ども、主婦にとって身近なものになるとは思います。どんなにいい建物であっても、どんなに本があっても、そこに人がいないとだめだと思います。浦安の図書館にレファレンスで短歌の本がないかと聞いたところ、一緒に本棚に行ってくださいました。そして、こんな本がいいのではないかとアドバイスしてくださいました。そこまでできる専門家がいないといけないと思います。
【委員】
今の子どもたちは情報の入手は必ずしも図書に頼らない形にシフトしています。
【委員】
市民の参加を友の会などの形でできたらよいと思っているのですが、その中で専門職はレファレンスの場面で利用者と接点を持っていくコミュニケーターのような役割があります。
【委員】
大学で図書館の職員の養成をしていますが、利用者の質問に全て答えられる人は育成できません。利用者の話をどう聞くか、質問する人は、本当は何を聞きたいのか分かっていないことが多いので、聞き取る能力や、いかに誠意を持って対応するかということしかないのです。
【委員】
その人が全てを知っているのではなくて,このことについてはこの専門職について聞いてくださいというように、道の整理ができればいいと思います。
【委員】世の中に専門職はそんなにいないですよ。
【委員】
専門職というか、銀行でも、女性の方が立っていて、「どうしましたか?」と声を掛けてくださいますよね。そういった感じの拡大版というイメージです。
【委員】
ホテルのコンシェルジュみたいな人を置こうという話はありますが、人事の関係でそのような能力のある方をずっとそこに置いておくということはなかなか難しいわけです。
【委員】
それはどの文化施設でも抱える問題です。博物館の解説員も同じです。展示物以外の質問に対してどのように応えていくのか、それは現場でしか鍛えられない能力なので、そういう認識、意識のある方を採用して身分保障をどのようにしていくか、それが直営という方式でよいのか、民間活力という中で保証されるのかという問題があります。
【委員】
今、OJTにおいても、先輩がいなくて育てられない、市外の研修に行くための旅費が出ないということが大きな問題になっています。
【委員】
職員にサービス精神があるかないかで決まります。
【委員】そういうことは司書業界で議論されているのでしょうか。
【委員】
それはされています。
【委員】
それでは、そういった認識をもたないとある意味プロではないという風潮があれば、そういう方が増えていると考えてよろしいのでしょうか。
【委員】
プロをプロとして雇ってくれないのが、いわゆる行政機構の改革なのです。
【委員】
人の問題は重要ですよね。
【委員】
本が充分にそろっていなくても、結局は人の問題に集約されてしまうと思います。
【委員】
中学生が本を読まないというのであれば、逆に人が中学校に出かけていって、本や情報へのアクセスの仕方を教えるということは必要ないのでしょうか。
【委員】
統計的にみれば、小学校5年生までの読書量と小学校5年生以降の読書量を比較すると、後者はガタッと落ちます。それは、そもそもその年代が読む本が少ないのと、他に興味を持つようになるからであって、それは大した問題ではありません。むしろ、図書館に来て、本から調べるという習慣を継続させる仕組みづくりをすればよいのです。例えば、中学生が本を読まなくても過ごせるようなサロンなどを作るなどいろいろな試みがなされています。
中央図書館の創設にあたっては分館とのすみ分けをした上で市民のニーズに応えていく必要があると思います。また、分館は地域の図書館であるというイメージが強いと思うので、そういった機能を強化していく形ですみ分けをしていく必要があると思います。
【委員】
図書館の利用者は子どもから高齢者まで幅広いと思うのですが、中央図書館と分館を考えた場合、比重の置き方というのはどうなのでしょうか。
【委員】
ワークショップにも視覚障害や高齢者の方も参加されていたのですが、そこに焦点を当てて整備をすれば、誰もが使いやすい施設になると思います。中央図書館では、そこは外せないと思います。
【委員】
柏市は現在38万人~39万人であり、将来的に50万人を超えると想定した場合、延床面積が3、500平方メートル~7、000平方メートルというのは中途半端な規模ではないでしょうか。どのような規模の図書館を作るのかをイメージして議論すべきだと思います。極端な話をすれば、今ある分館は地区や地域に運営を任せ、教育委員会は関与しない、中央図書館だけを運営するというのも一つの選択肢だと思います。もしくは、3、500平方メートル~7、000平方メートルの中途半端な図書館を作って、そこに何でも詰め込んで、皆が狭いと言いつづける図書館を作っていくことを議論するのか。どの様にするのか、ある程度見通しをつけないといけないと思います。それから、運営方針については、民間委託の主要な目的が、経費節減にあると思います。しかしながら、ある一定額の中で人件費を上昇させる必要があり、そのためには、職員がベテランになったら交代してもらわないと人件費としては見合わなくなります。そこの部分が上手くクリアできれば、民間委託でも上手くいくと思います。
【委員】
人件費の削減とサービスの向上というのは相反することなので、起こりうることだとは思います。
【委員】
提示されている資料は平成17年4月時点のものということですが、函館は昨年8、000平方メートルでオープンしていますし、いわきも駅前でも工事が始まろうとしています。横須賀も新しい図書館を駅前に作ろうとしていて、ここにある4、038平方メートルよりもはるかに大きくなっています。また、18番の岡崎も大きな図書館の整備が進んでいます。33番の長崎も今、建設中です。50万人を目指そうという都市で、2、000平方メートルというのは、今はあまりありません。
【委員】
全体的に平均はアップするだろうということですよね。
【委員】
図書館では複合施設として作るのか、単一施設として作るのか、どちらが多いのでしょうか。
【委員】
どちらもありえます。土地を有効活用したい、ついで利用がされやすいなどがありますから。
【委員】
今ある施設で分業できる部分があるという感じがします。5番の市民交流サロン風は市民活動支援センターがもうすぐできることになっていますが,ここでできると思います。3番インフォメーションナビ風は西口のインフォメーションセンターが拠点になるでしょう。広い閲覧室を望む人が多いのですが,今度作る施設の広さがどのくらいで、そのうちどのくらいが閲覧室にとれるのでしょうか。コンセプトを考えて順位をつけていかねばならないと思います。全てを詰め込むのは無理ですから,既に行っているところがあればそちらに任せればいいと思います。それから、センター館的という流れになっているのですが、柏市は広いのでひとつで足りるのでしょうか。沼南の方になくても集約できるのでしょうか。もう1つ大きな地区館という発想はなくてもいいのでしょうか。
【委員】
分館のことも念頭に置いて考えないと位置は決まらないと思います。中央図書館は何を目指し,分館は何をするのかというモットーを考えなければならないと思います。安らぎを重視するなら思い切って図書館のない沼南に作ってシャトルバスを回す方法もありますし、そうでなく、中央図書館は充実した蔵書とサービスを持つけど都内の人にも積極的に使ってもらいたいということならば柏や北柏、南柏などの駅周辺に作れば、使いやすく利便性は増します。駅周辺なのか郊外なのかという問題をそういった点から解きほぐさなければいけないのではないでしょうか。
【委員】
50万人以上の都市では、3、500平方メートル~7、000平方メートルは狭いということですが、どれくらいが理想なのでしょうか。
【委員】
中央図書館であり、かつ柏市ぐらいの規模の場合だと、10、000平方メートル程度で、それにどれくらい近づけるかだと思います。
【委員】
書庫は簡単に増築できない要素をもっているので、先を見越してつくらなくてはいけないと思うのですが、蔵書数はどのくらいを見通して作るべきなのでしょうか。それによって規模が異なってくると思います。
【委員】
決め手はありません。市民の方がどのようなことを望んで、それに対するコストを勘案して、総合的な判断をもって蔵書数を考えなくてはいけません。
【委員】
市内にある学校、特に大学図書館の役割との関連を考えていかないといけないと思います。市が全てのニーズを引受けるのは無駄な気がします。
【委員】
本を柏市立図書館に貸出すためには、ある種のギブアンドテイクの協定を結ばなくてはいけないと思います。鳥取県などは協定書を結んでやっているので、やれないことはないと思います。
【委員】
専門書など、特定領域は大学のものを活用させて頂いて公共図書館では収集しないなどにより、同じ書庫でも有効に使えるようになります。
【委員】
現在の本館の床面積はどのくらいですか。
【事務局
】約2,000平方メートルです。
【委員】
面積について、1~6のコンセプトの中身を精査し,何をどう入れるかによって決めるか、それとも器はこれしか作れないからその中で何を入れるかという方法のどちらかだと思いますが、できれば中身を精査して新中央図書館にどのような機能を入れるのがより効果的なのか、検討しなくてはいけないと思います。
【委員】
筑波の大学の図書館は大きいですよね。
【委員】
20、000平方メートルです。
【委員】
候補地は今のところまだないのでしょうけれど、駅前で土地が確保できるのでしょうか。
【委員】
図書館は床の性能の問題があるから、誰かが建てたものに入るのは難しいです。単純に賃貸ということではなく、新規に建てるときに組み込むことになります。
【委員】
市民の要望なり委員会で方向性が決まったら、市が何が何でも入手する前提で話をしていいということでよろしいでしょうか。
【事務局】
立地については10月17日の次回の懇談会でも議論していただきたいと思っているのですが、事前に17日に向け、庁内で都市計画課やTXの関連部署、再開発関連部署と検討し、次回具体的な候補地を示せればと考えています。
【委員】
柏の葉のように新たな事業展開をしやすい場所や柏駅のように既にきっちり決まっていて、制約が多いところとがあると思うので、楽しみにしています。
8 傍聴
- (1)傍聴者 18人(うち記者4人)
- (2)傍聴状況 傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。
9 次回開催日時(予定)
平成18年10月17日(火曜日)午後2時~午後4時
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