更新日令和3(2021)年2月26日

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柏市新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会第2回会議録

1 開催日時

平成18年7月11日(火曜日) 午後2時~午後4時

2 開催場所

柏市役所沼南庁舎5階501会議室

3 出席者

(委員)

阿部 孝(座長)、玉川 博(欠席)(副座長)、植松貞夫、岡田恒一、熊谷道子、重盛恭一、菅原淳子、高橋 裕、藤田とし子、渡辺暢江(欠席)

(事務局)

矢上教育長、川上生涯学習部長、森教育総務課長、成島図書館長、小舘教育総務課専門監、多田図書館専門監、橋本教育総務課主査、松永教育総務課主任

4 議題

  • (1)新中央図書館の基本理念と目指すべき方向性
  • (2)新中央図書館が担うべき役割・機能
  • (3)市民の利用者及び図書館に対する意向把握の結果
  • (4)市民アンケート,市民ワークショップ実施

5 配付資料

  • (1)第2回柏市新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会次第
  • (2)新中央図書館整備基本構想策定有識者懇談会(第2回)会議資料(事前郵送)
  • (3)参考資料2 街頭アンケート追加集計結果反映
  • (4)先進図書館視察予定
  • (5)図書館利用に関するアンケート調査票

6 議事(要旨)

【委員】

現状改善型の発想でやっていってもあまり意味がなく、38ページに文科省からこれからの図書館サービスに求められる視点が書かれているので、それに対して、柏市では何ができていないかをきちんと検証すべきではないでしょうか。また、浦安市立中央図書館が「ノビノビ」の例として挙げられていますが、浦安市立中央図書館は生活支援地域情報型図書館としての機能も充分備えた上でのラウンジの開設であって、このようにパーツで取り出すのはいかがなものかと思います。また、9ページのコンセプトの部分で財政的な問題もあるとおっしゃっていましたが、柏市としてこれはいらないとか、これは縮小してもよいということが言えるのでしょうか。

【委員】

柏市のこれからのビジョンを目指した図書館であるべきなのではないでしょうか。それが、何かは見えてこないのですが。

【委員】一般的には分館も含め、全体として期待されるミニマムなニーズは担保せざるを得ないのだと思います。その上で、柏市のニーズを取り込んだ特徴のあるものとしてどのような形でサービスが担保されるかということなのではないでしょうか。ですが、私自身も何が柏の特性なのかが見えてこないという状況です。

【委員】

私は、一つは利便性の良いところにあれば良いと思います。また、医療情報が充実しているということに対するニーズは高い。更に、前回も出ていましたが、ビジネス支援をして行こうというのであれば、ただ本があれば良いというわけではありません。図書館だけのことではなく、商工課や農政課などの支援を得ながら連携してやっていこうというのであれば、良いと思います。アンケートをみるとくつろぎたい、趣味娯楽といった目的のために図書館を利用する人が多いので、例えば、駅の近くの利便性の良い図書館が北の方にできるのであれば、柏市は広いので、南の方にはくつろげる図書館があれば良いと思います。また、柏市で図書館友の会というものを立ち上げれば、たくさんのボランティアさんが集まることは間違いないです。それから、分館に特徴がないという話でしたが、例えば、ここの分館は英語の本が充実しているけど、隣りはない。ここは環境問題に強い図書館である、といったような特徴をそれぞれの分館に持たせていくことは可能なのではないでしょうか。

【委員】

自分の子供を見ていると、図書館にも行きますが、ブックオフにも行きます。昔の図書館の機能を民間施設が果たしている要素も大いにあります。そういった意味でも図書館を考える際には、もう少し広い意味で考えていかないといけないと思います。図書館だけで、あらゆる機能を果たしていくというのもいかがなものかと思います。

【委員】

先ほど国の政策の指摘がありましたが、それが図書館を作る際にどのくらいの縛りになるのかが分からないのですが、現状分析をして、今欠けている部分を新たな図書館では補っていかなくてはいけないというお考えなのだと思います。ただ、前回も地域の特性という話しがでていましたが、柏市の文化や特性というものが見えにくくなっています。役割については、参考軸だと思って見ていまして、多分これらの要素が交じり合っていくのだと思います。議論すべきなのは、この役割の中で何に一番プライオリティーを置くかということでして、それが一番理念につながっていくのだと思います。

【委員】

国から出ている「これからの図書館像」というのは提言なのでしょうか。

【委員】

将来的には文部科学省の公共図書館に対する政策の方向としてはこういった方向で行きたいということで、例えば、図書館を建てるときに国が何らかのコミットをするということがあれば、この提言に書かれた項目について積極的に支援していくというということだと思います。しかしながら、実際に建てるのは自治体ですし、補助金もないため、拘束性はありません。

【委員】

今回は中央図書館の新しい理念ということで、今後も本館と分館という形が維持されるのであれば、本館として図書の充実ということはやらなくてはいけないと思います。それプラスαとして住民の要望にどこまで応えていくか、生涯学習の場や知的基盤の拠点になっていくなどといったことを考えて、9ページの役割を広く浅くでも、網羅的に担っていければ良いと思います。また、利便性については駅にサテライトを作るとか、分館については少し整理統合し、公民館など今ある施設とタイアップした形で見直しをしていくことが必要かと思います。

【委員】

分館の仕組みというのは市民にとってなかなか贅沢なものだと思いますが、分館においても、講座などを開催していこうとしたら人も必要ですし、なかなか大変なことだと思います。そういうことも含めて考えていこうとすると、図書館全体の中での中央図書館の機能を考える必要があると思うのですが、いかがでしょうか。

【委員】

本館と分館の関係というのは気になります。分館のあり方そのものを考えることが本館のあり方を考えることにつながるのだと思います。今は本館のあり方のみを考えようとしているところに無理があるのではないでしょうか。分館はそれぞれの地域によって、特徴があってもよいのではないでしょうか。その中で本館の役割を考えて見ると、人材的なものを補強していくことや図書そのものを充実していくことは当然やっていかなくてはいけませんが、場所の問題はデジタル化の中ではあまり大きな問題にはならないのではないでしょうか。中央館で、ある程度は必要に応じて配架していくこともできると思います。

【委員】

柏市の図書館の貸出し件数は、本館よりも16の分館の方が多いのですよね。

【事務局】

分館は16もあるので分館の方が多くなっております。

【委員】茅野の文化会館に行ったのですが、そこは駅に隣接しており、市民の方にとっては非常に便利がよかったです。ですが、そういうところは本当に中央図書館というのかどうかという気もします。

【委員】

柏市全体として、図書館はこうでありたいというビジョンのもと、本館が果たす役割と分館が果たす役割というのは自ずと変わってくると思います。それらが互いに補完しあって一つのビジョンを達成できるのであれば良いかと思います。本館一つで全ての機能を担っていくことは難しいと思いますので、本館と分館の役割分担をどうすべきかを考える中で、本館のあるべき姿が分かるのではないでしょうか。今の分館は、読み物としてはいいのですが、調べ物をするには厳しい状況です。ですから、私は調べ物をするときは分館に行かず、すぐに本館に行きます。そういった意味でも、本館に行けば必ず必要な情報を得られるという信頼を勝ち得る本館であって欲しいと思います。希望としては、本館は、レファレンスサービスがしっかりしていて、情報が整理されており、情報のある場所をナビゲートしてくれる機能を持っている図書館、検索の仕方をアドバイスしてくれる図書館であればよいと思います。それから、インフォメーションセンターでは、地域の歴史や郷土資料的なことに関する調べ物をしたい人が増えています。これは、図書館のレファレンスサービスに求められていることの一つではないかと思います。本館で調べ物をして、受け取りは分館ということも可能だと思います。ですから、本館に必ずしもたくさんの本をもっている必要はないのかなという気もします。また、今の本館ですが、あれを取り壊してあの場所に新たにつくるというのであれば話は別ですが、そうでないのであれば、今の本館はあのまま残しておいていいのではないかと思います。私は,旧本館と新本館があって,一つの本館機能をもっているという形でもいいのではないかと思います。また,柏はこれから多くの方がリタイアされた際に,知的好奇心をもって活動しようとされる方がとても多い所だと思います。そういう方が時間を有意義に使ってもらえる図書館であって欲しいと思います。本館はコンパクトでもいいからレファレンスがしっかりしていて,そして,分館を含め地域として全体で理想的なものができればよいと思います。

【委員】

今まで図書館はベストセラーの貸出しなどが中心で、悪い言葉で言えば「無料貸本屋」という状況であり、これを脱却しなくてはいけない。そのためには、レファレンスサービスの充実や地域との連携により、市民のさまざまな生活上の課題を解決していくことを支援できるようにしていきましょうということだと思います。柏市は16も分館があるので,分館ごとに役割を分けるといっても,ある地域の人はベストセラーを読まないということはないため、分館ごとにベストセラーを買って欲しいということになると、図書資料費の多くがそれに費やされることになります。そのような状況の中で、新しく中央館を建てても、さらに人とエネルギーが必要になるので、それが可能なのかというところで本館をどうすべきか、分館をどうすべきかを考えていく必要があると思います。

【委員】

16の分館は財産であるが、それなりに機能させて行こうとすると、人、物、金が必要になってきます。そういう点から考えないといけないと思います。場合によっては、分館と本館の機能のすみ分けをし、その中で1つ2つの分館を閉じる勇気も必要かもしれません。

【委員】

各分館には専門職が一人は必要ですが、それ以外では有償ボランティアなど,人の使い方で大いに工夫ができるのではないでしょうか。

【事務局】

新中央図書館の建設に当たって、今から、今の図書館を戦略的に考えていくべきだということで、司書を中心に本館機能強化の検討委員会を立ち上げています。その中で、本館と分館のあり方の問題について、例えば、本館機能強化として、市の職員を本館に集め、分館でレファレンスなどの問い合わせがあった場合には本館に問い合わせるようにし、分館では有償ボランティアを活用するということも一つの考え方としてはありえます。サービスのレベルを落とさないためには、司書の資格をもったボランティアがいればなお良いのではないかというようなことも検討しております。

【委員】

柏市はボランティアが熱い。図書館でボランティアを募集したら、集まりすぎて困るのが目に見えるくらいです。そういう人たちを充分に使って,人件費の問題をクリアできるのではないでしょうか。

【委員】

有償ボランティアという考え方について、財政が厳しい中での一種の安価な労働力という捉えられ方をすると良くないと思います。きちんと分館と本館の役割、理念があり、それをコミットメントする人が参加する形でなくてはいけないと思います。それから、本館は情報を中心としたナビゲーションというか、情報と文化のコンシェルジュという考え方もあると思います。それには、人が集まるところの方が良いのではないかという気もします。

【委員】このタイトルとしては「新中央図書館」でいいのでしょうか。何か、良いタイトルはないですか。

【委員】

先ほどの国の動向の話も聞いていると、何か新しいものを求めているような気がします。キーとしては、情報があります。必ずしも図書の中にある情報に限らない気がします。

【委員】

最近活字離れが言われていて,大学の授業の中で日本語科ができているという話がテレビであったのですが、図書館というのは、メールや短文しか書かない世代にとっても、文章に親しむ機会や紙媒体の物を読む中でイマジネーションを膨らます楽しさを知るきっかけを与える場所になると思います。図書館以外にホールなどで、大人のための朗読や若い人達の演劇など文字に関するイベントができ、若い世代にも本を親しんでもらえる施設であれば、柏のこれからの世代がもっと豊かな発想を持って成長できるのではないでしょうか。

【委員】

知的要求を満たす場所と考えたら、いろいろなことを発表する場所、16の分館のハブ的な要素を持っていて、人と人との接点となる場所であってもよいのではないでしょうか。本を読む場所というだけではなく、人と人が触れ合う場所ということは非常に影響力のあることで、リタイアされた方が経験をアウトプットするなど、インプットだけではなくアウトプットしていくことも必要だと思います。アウトプットすることで、生きがいが生まれるのではないでしょうか。それから、日本が世界に発信した「もったいない」という言葉から、今後は「思いやり」ということが世界の言葉になれば良いと思います。ですから、この図書館においても何か世界に対して発信できる思いをもってできたらいいと感じています。

【委員】

図書館は様々な年齢層の方が利用するため,生涯学習の発表の場としては非常によいところだと思います。

【委員】

展示スペース、発表や講座が開催できる場所、子供づれでも行きやすい部屋というのは必須だと思います。

【委員】

女性にとっては、トイレと洗面所がキーとなります。

【委員】

流山の博物館に友の会があるのですが、そこでは歴史散策を行い、その内容を月に1回文章講座を開いて本にして年報を作っています。その会には流山の人たちだけではなく、柏の人も多く参加しています。地域で文化活動をしようとした場合、自分で旗揚げをするパワーがない人は、つい、どこかにないかと探し、柏にないため、流山や我孫子にいってしまうという状況があります。柏の文化的な友の会へのニーズは高いと思います。

【委員】

私も本館と分館の関係というか役割分担の整理が必要な気がしています。分館は地域性で本館はもう少し普遍性というか、文化性という切り口で柏市全体の図書館像を捉え、役割分担を考えていった方がよい気がします。

【委員】

活動自体も分館でテーマをもっていれば、その分館はそれを中心にケアできますよね。

【委員】

中央図書館には展示や発表の場が欲しいという話がありましたが、柏の葉にある県の施設はそういった機能は果たしているのでしょか。

【委員】

会議室やホールはありますが、ちょっと遠いですよね。車のある人は問題ないと思いますが、車のない人が行こうと思うと柏駅から往復で500円以上かかってしまいます。ですから、気軽には行きにくいです。

【委員】

同じ市内なので、主体は違ったとしても、同じような施設があると互いに利用度を下げることになるのではないかという気がしたのですが。

【委員】

本がある隣にそのようなスペースがあることに意義があるのではないでしょうか。

【委員】

どうしても中央に集中させる動きがあると思うのですが、私は逆に分館機能を充実していく必要があるのではないかと思います。そういう中で中央館機能を検討していく必要があると思います。調べたいことがある人は図書館を利用する、今はそういったニーズはかなりあると思われますが、一般教養の部分で本を読むよう支援していくべきなのではないでしょうか。そういった意味でも一箇所集中ではなく、分散化が必要なのではないでしょうか。

【委員】

今ある分館は基本的には残す方針なのでしょうか。それとも、統廃合を含め検討していけるのでしょうか。

【事務局】

分館は近隣センターに併設されていますが、それらはふるさと運動の中で整備してきており、地域のふるさと協議会という組織もございます。そういう歴史的なものもありますので、基本的には分館をなくすというのは厳しいかと思います。しかし、職員の配置やあり方については、このままでいいのかという問題もあるので、全体のバランスの中で、各地区ではどのようなあり方が望ましいかを含めてご意見をいただければと思っております。

【委員】

現実問題、なくすことは住民が黙っていないでしょう。難しいと思います。

【事務局】

難しいというよりも、もったいないですよね。

【委員】

今をあるものを見直すということですね。

【委員】

機能の整理をしながら、それを前提に中央図書館を考えていかざるを得ないでしょう。そうすると、どこかのモデルみたいに巨大な中央図書館を建てるという発想は捨てて、機能としての中央図書館ということを考えなくてはいけない気がします。今はネットワーク環境が整備されているので、本館が16の分館を含めた情報ネットワークセンターみたいな機能を担うということも考えられますよね。

【委員】

図書館ですので,本を通じて文化を掘り起こしていくことになるのではないでしょうか。

【委員】

いろいろ問題はあるにしても、柏にとって16の分館というのは貴重な財産なので、それを活かしながら、本館の機能を考える必要があると思います。そして、本館であるからには、機能としては、本館はこれだけしかやりませんというわけにはいかないのであって、図書館としての最低限の機能は持ちつつも、柏の特徴を持った本館として整備していくことが求められるのかなと感じました。

【委員】

ワークショップは7月、9月、12月と開催し、アンケートは8月1日から8日までの間で実施ということですね。このロットはどのくらいですか。

【事務局】

6月に実施した分につきましては、図書館利用者が1、300、街頭アンケートが400となっております。

7 傍聴

  • (1)傍聴者 11人(うち記者1人)
  • (2)傍聴状況 傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

8 次回開催日時(予定)

  • 平成18年8月29日(火曜日) 午前9時~午前11時 第3回有識者懇談会
  • 午前11時~午後6時 先進図書館視察

お問い合わせ先

所属課室:生涯学習部図書館

柏市柏5丁目8番12号

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