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柏市新中央図書館整備立地検討会第1回会議録

1 開催日時

平成19年5月28日(月曜日) 午前10時00分~正午

2 開催場所

柏市役所第2庁舎3階 302会議室

3 出席者

(委員)
浅羽副市長、関口総務部長、石黒企画部長、吉井財政部長、川上生涯学習部長、吉田人事課長、草野企画調整課長、石塚財政課長、猿渡教育総務課長、成島図書館長

(事務局:教育総務課)
坂巻副参事、小舘専門監、橋本主査、松永主任

4 議題

立地の選定について

5 配布資料

新中央図書館整備立地検討会(第1回)会議資料(PDF:171KB)

6 会議概要

浅羽:ただいまより、柏市新中央図書館整備立地検討会を開催する。はじめに、事務局より、本日の会議の目的について説明をお願いしたい。

猿渡:新中央図書館の整備については、平成21年度着手を目指し、昨年度から事務を進めてきた。本年度は、市長が市議会でも答弁しているとおり、6月までに立地について結論を出し、年度内を目処に基本計画を策定するとともに、事業手法についても検討していく。
本日の会議は、新中央図書館の具体的な立地場所を絞り込むことを目的として、集まっていただいた。

浅羽:では、続いて、立地の検討に入る。本日の資料について、事務局より説明をお願いしたい。

松永:1ページ目は、昨年度までの取り組みを説明している。2ページ目から、今年度の立地選定の視点の整理をしている。「まちづくり」「市民サービス」「行政運営」の3つの視点と、基本構想で立地選定の基本方針として掲げた8つの指標との関係を整理している。3ページ目は3つの視点のうち絶対的評価基準を整理している。4ページ目は3つの視点のうち相対的評価基準を整理している。

吉井:評価項目に財政負担がある。何十億円という金額となっているが、これは建設費だけを記載しているのか。維持管理費や分館に係る経費については、記載していないのか。

猿渡:建設費には、用地取得費と施設整備費の費用を計上している。この資料においては、維持管理費は記載していない。

浅羽:維持管理費は、候補地による変動はないとの想定から、記載していないのか。

猿渡:維持管理費は候補地によって多少変わる値である。また事業手法によっても変わるものと理解している。ただし、基本的には、維持管理する面積によって変動する値であると理解している。維持管理単価については、大きな差はない。

関口:維持管理費であるが、図書館が更地に独立して整備した場合と複合施設のビルの中に入った場合とでは金額は違うのか。仮に違うのであれば、維持管理費についても想定すべきではないか。

松永:維持管理費については、現段階では独立した場合と再開発ビルに入居した場合とで金額に大きな差がつかないと想定している。なお、再開発ビルに入居した川口市の事例では5、000平方メートルで年間5億円程度とのことであり、これは独立した図書館とそれほどかわらない。

成島:ちなみに、現在の本館の維持管理費(人件費含まず、分館の図書購入費含む)は2億3千万円である。

吉井:維持管理に係る費用も非常に大きい金額である。図書館の維持管理に関連して、図書館運営は、今後インターネットを活用した運営手法やコンビニと連携した手法なども考えられるのではないか。行革の観点からすれば、施設整備費や維持管理費に高い費用をかけなくてもいい方法を工夫すべきである。

成島:図書館の本来の趣旨は、市民に直接来館してもらい、本に触れていただくことであると理解している。そういう観点から、図書館は必要であると認識している。

浅羽:維持管理費にどの程度費用が必要なのかは、早めに算出しておくべきではないか。事業手法により金額が異なるとは思うが、何らかの検討は必要であろう。

関口:PFI等の想定が出来ているわけではないので、とりあえず一般的な公共工事との前提で、維持管理費の算出をすればよいのではないか。

浅羽:維持管理費については、各候補地によって年間どの程度費用に差があるのか、また再開発ビルへの入居かどうかで金額が異なるのかについて明らかにしてほしい。

関口:次に、8つの選定基準についてであるが、これらは本資料の評価において網羅されているものか。

猿渡:網羅されている。

浅羽:「周辺環境の評価」という観点において、「近隣」というのは「図書館の外からすぐに見える」といった距離であろう。ところが、この評価では1キロ先までを周辺環境として対象としている。市内であれば1キロ歩けばどこにでも緑がある。そう考えるとこの評価基準は適切ではないのではないか。

橋本:1キロという距離を選択した理由としては、国土交通省が実施しているパーソントリップ調査を参考に、「移動に際し、徒歩での移動を想定する距離」ということで、今回の目安として採用した。その上で、市民が図書館で本をかりた後に、歩いて移動しうる周辺環境はどのようなものがあるかということで、1キロ圏を設定し、評価を行った。

石黒:新中央図書館の内容について、説明を再度いただきたい。また、まちづくりの視点について、何から評価をすればよいのか、明確に定めたほうがよいのではないか。長期計画だけなのか、他に何か参考にすべき基準があるのか、はっきりさせてほしい。

橋本:平成18年度に基本構想を策定したところで、新中央図書館のコンセプトとして、「人と情報をつなぐ・人と人をつなぐ~情報拠点の核~」として位置付けた。また、「つなぐ」をキーワードに展開を考えており、「市民をつなぐ」ことにより一人でも多くの市民に利用してもらい、「資源をつなぐ」ことで、市が現有する人・物・情報資源を有効に活用し、柏市らしさを創出する。そして、「分館をつなぐ」ことにより、新しい図書館網を構築し、さまざまな活動を生み出していこうと考えている。

関口:図書館本館の現在の蔵書数は何冊か。

成島:現在は24万冊である。そのうち開架は約13万冊である。分館図書を含めると90万冊である。

石黒:分館に多数の書籍があることを考えれば、新中央図書館には専門性の高い図書をおき、レファレンスなどの機能が求められるのではないか。その点はどう考えるのか。

橋本:新中央図書館について、レファレンス機能は重要であると認識している。

石黒:新中央図書館の面積について、例えば、財政的な観点から5、000平方メートルに縮減して欲しいという話になった場合は、どうなるか。

松永:規模については、昨年度の基本構想の検討の中で議論されてきた。面積が減少となる分の機能について、どう対応するかということになる。たとえば、分館の機能を強化することや他の施設に機能を移転するということで対応するという選択肢が想定される。

浅羽:本市は、他市に比べ分館数が多いと考えられるが、そういった特徴は考慮しなくてよいのか。

猿渡:市民の7割は分館で図書を借りているというデータがあるが、一方で、分館の規模は限られており、専門的な図書の配置ができないのが実情である。そのため、専門的な図書館サービスの観点から、本館と分館の役割について検討が必要となる。

吉井:分館を充実させた方がよいのではないか。専門性の確保については、本館と分館とをITを活用したテレビ電話等でつなぐことなどの方法により解決できるのではないか。

関口:現実問題としてどこまでIT技術が取り入れられるのか、という思いもある。コスト削減でいえば、分館のオンラインの見直しが考えられる。16分館を維持するための維持管理費用が大きくかかっていることが想定される。他事例を参考に、本館と分館の関係など、図書館への維持管理費用のかけ方について検討を重ねる必要がある。

成島:IT技術を取り入れることができても、紙の文書をもつ図書館のスタイルは大きく変わらないと考えている。分館のみで見ると、他自治体と比べ、比較的コストが抑えられている。今後は本館機能について充実させたいと考えている。そのため、現在分館から本館へと職員を集約しているところである。

関口:今後、本館に力を注ぐというのは理解したが、その際必要となる費用については一度整理して欲しい。また、市民や有識者に対し、図書館の必要性について説明していくことになるが、具体的に今の図書館とは、どこがどう異なるのか、説明する必要がある。

吉井:基本構想は総花的となっているが、もう少し具体化する必要があるのではないか。

坂巻:基本構想にある「市民をつなぐ」というコンセプトをどう具現化するかが基本計画作成時のポイントとなると考えている。

浅羽:16分館あるという現状を活かすのであれば、それを基本計画で活かす必要がある。

石黒:市民サービスの評価項目については、周辺商業への波及など、地域に求められている内容を考慮する必要がある。その観点からみれば、図書館は全市民が利用するということから、「トラベルコスト」という手法を用いて評価するということで良いと思う。

関口:人口ということで各地域のエリア人口が記載されているが、新中央図書館はあくまで全市民を対象としたものであると理解している。この点はどう考えればよいか。

橋本:新中央図書館については、分館の一つであるという考え方と、市域全体の中央図書館であるという考え方と二つあると認識している。このうち、分館の一つとしての考え方については図書館法の考え方に基づいた各地域のエリア人口数で、市全体の中央図書館としての考え方についてはトラベルコストで、それぞれ評価している。

関口:人口に関連して、各地区の将来性についてはどうみているのか。

橋本:エリアの将来性について、例えば区画整理の人口等については記載があるが、その他の記載はない。総合計画においても、各エリア単位での人口推計等はなされていない。

関口:立地の評価にあたっては、事業スケジュールや手法についても考慮に入れる必要があるのではないか。実際に何年度に整備されるのか、またPFI事業とすることができるのかについても考える必要がある。

松永:事業スケジュール等を踏まえた資料を作成する。

石塚:今回の3つの視点について、どこに重点を置くかによって立地の評価結果が変わるのではないか。何が重要なのか、その基準を明確にする必要がある。また、今回、新中央図書館の面積を7、000平方メートルとしているが、中核市の平均値や分館が16館あることなどを踏まえて、適正規模を精査してほしい。また、繰り返しになるが維持管理費についても精査しておく必要がある。

石黒:施設整備費用にそれぞれ差があるが、この値は適正なのか。

松永:Cは、現在地で建替えした場合の費用ということであり、7、000平方メートル確保できるものではないため、費用が抑えられている。Dは体育館等の撤去・建替の費用が入っている。Eは、再開発組合からの床取得費を用地取得費として提示している。なお、市有地については、売却機会の損失額を計上している。

関口:公共用地の売却機会損失額については削除すべきであろう。また、支出に際して一般財源がどれくらい必要なのか考慮すべきではないか。

石黒:図書館は地域の交流施設として位置づけされると、まちづくり交付金の交付対象となる可能性がある。そういった条件を踏まえて、一般財源に与える影響など想定でいいので算出できないか。

関口:一般財源にあわせ、維持管理費について評価項目に入れてほしい。

川上:維持管理費はA~Dについては同じになる。それとEとの比較ということになる。

猿渡:船橋、川口、浦和等の図書館の類似事例を参考にしてはどうか。

関口:行政サービスの基準は、現在の項目だけでは足りないのではないか。

石黒:評価基準について、「まちづくり」と「市民サービス」に分けるのは無理があるのではないか。この二つは一つにしたうえで、サービスとお金での判断にしてもよいのではないか。

猿渡:示している絶対的評価については、確定的な数字として示した。一方、相対的評価については、重み付けの考えかたで結果が異なる。絶対的評価と相対的評価をあわせて総合評価をするという考えで整理している。

川上:新たな施設をつくるということから、まちづくりという視点があってもいいと考えている。

浅羽:行政運営、まちづくりという項目に比べて、「費用負担」といったように具体的な記載とすることで比較がしやすくなると考える。以上、さまざまな意見が出ましたが、それらを受け、事務局において資料の精査等をお願いしたい。それでは、以上をもって第1回柏市新中央図書館整備立地検討会を終了する。

以上

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