トップ > 市政情報 > 計画・政策 > 計画・取り組み > 子育て・教育 > 地域・生涯学習 > 図書館 > (平成22年度時点)図書館の整備について > 新中央図書館整備について(平成19年度) > 柏市新中央図書館整備基本計画策定有識者懇談会第4回会議録
更新日令和3(2021)年2月26日
ページID6361
ここから本文です。
柏市新中央図書館整備基本計画策定有識者懇談会第4回会議録
1 開催日時
平成20年2月26日(火曜日) 午前10時~正午
2 開催場所
沼南公民館2階 第1~第3会議室
3 出席者
(委員)
阿部 孝(座長)、玉川 博(副座長)(欠席)、植松貞夫(欠席)、岡田恒一(欠席)、熊谷道子、重盛恭一(欠席)、高橋 裕、藤田とし子
(事務局)
矢上教育長、川上生涯学習部長、猿渡教育総務課長、成島図書館長、小舘教育総務課専門監、橋本教育総務課主査、松永教育総務課主任
4 議題
- (1)市民ワークショップ報告
- (2)パブリックコメントについて
- (3)「新中央図書館」整備基本計画(案)について
5 配布資料
- (1)第4回柏市新中央図書館整備基本計画策定有識者懇談会次第(PDF:7KB)
- (2)平成19年度市民ワークショップかわらばん「いっぱいやり隊!」通信VOL.3(PDF:130KB)
- (3)パブリックコメント実施の概要について
- (4)「新中央図書館」整備基本計画(案)(PDF:628KB)
- (5)交流・情報部門の考え方(PDF:42KB)
6 議事(要旨)
(1)市民ワークショップ報告
【事務局】第3回目のワークショップでは、より具体的に図書館に関わる事例も知りたいという、参加者の皆様からの希望を受けまして、元浦安市立中央図書館の館長として、ビジネス支援などの先進的なサービスに取り組まれ、現在「社団法人・日本図書館協会」事務局次長をされている常世田良氏をゲストにお迎えし、「公共図書館の可能性と課題」について、お話いただきました。
常世田氏のお話の後は、3グループに分かれて話し合っていただきました。昨年度、開催いたしました「市民ワークショップ」と同様、休日の貴重な時間にも関わらず、3回のワークショップにご参加いただき、熱心に話し合っていただきました、市民の皆様の声を活かせるように、新中央図書館の整備を進めてまいりたいと考えております。
【委員】市民の声に応えたつもりが、実際には全然使われていない施設という例は何度か聞いてます。市民の声に対して、その先にあること、何をしたいのか、どうしたいのかというところまで把握しておかないと、場所を確保したのに使われないという事態に陥ってしまうと思います。柏市の場合は色々な方が意見しているので、そうならないと思いますが、面積などに視点が向かいがちなのですが、重要なのは施設のビジョンであって、戦略を持つことが重要だと思います。市民の声を確実な形に落とし込むことが重要だと思います。
【委員】市民のこうしてほしいという気持ちと、それをマーケティングに落とし込んだときに、十分なコストパフォーマンスを出せるか置き換える必要があると思います。
(2)パブリックコメントについて
【事務局】新中央図書館整備基本計画(素案)のパブリックコメントを1月15日から2月8日まで実施いたしました。配布場所については、行政資料室、教育総務課、図書館本館、分館などでした。意見の提出方法に関しましては、郵送、持参、FAX、Eメールによるものといたしました。ご提出頂きました8名の方からの意見を踏まえ、新中央図書館整備基本計画を完成させてまいります。
(3)「新中央図書館」整備基本計画(案)について
【事務局】「新中央図書館」整備基本計画(案)と交流・情報部門の考え方について説明いたします。そもそも、図書館に求められていたものと、これからの柏市の図書館に求められるものとを踏まえまして、新中央図書館のコンセプトとして「図書館サービスの原点を踏まえるとともに現代的な課題にも対応しうる情報拠点の核を目指します」ということを掲げました。それを受けまして、「図書館本来のサービスに忠実であること」、「マネジメント意識を持つこと」、「時代の変化に対応すること」を目標としました。
それらを踏まえまして、まず図書館のサービス計画における3本柱として、「利用者のニーズに基づく図書館サービス等の充実」、「連携による特色あるサービスの展開」、「ボランティア団体等を情報等により支援」と掲げております。続いて、運営体制においては「利用者ニーズに応えるスタッフの配置と育成」、「図書館サービスを効率的に展開していくための体制整備」「市民との協働による図書館運営」ということ、次に資料計画においては、「利用者のニーズに応える資料の整備」、「柏市内の知の資源等との情報の共有」、「さまざまな媒体の資料・情報の収集」を挙げております。以上が施設活動に関する内容でございます。
次に、施設整備関係でございます。新中央図書館のゾーニングとして3フロアで構成しております。上階から、「静」フロアということでゆったりと読書ができる空間を想定しております、中階は「賑」ということでデジタル媒体と紙媒体の融合空間にしたいと考えております。一番下の階は「動」ということで、交流から活動へつなげる空間をイメージしております。この3つのフロアが新中央図書館の3要素となっております。
続いて、「事業手法の検討」であります。「柏市事業手法選択ガイドライン」に則りまして、PPPの導入を検討いたしました。結論から述べますと、指定管理者制度の導入を考えております。ただし、柏市立図書館には利用者と接しながら、ノウハウを蓄積してきたスタッフがおりますので、その辺の継続的な図書館サービスも求められると考えております。当初は、図書館職員と指定管理者という形で部分的に発注を考えております。将来的には全体発注も含め、いろいろ検討してまいりたいと思います。
今後のスケジュールについては、最短で、平成24年度オープンを目指して検討している状況です。以上が、基本計画案でございます。
続きまして、交流・情報部門の考え方でございますが、柏地域アーカイブを1例として挙げております。来た人から情報をもらって、図書館のコンテンツを作る仕組みを考えております。市民活動団体の方々は成果発表の場を求めていると聞いておりますので、それが、そのまま図書館のコンテンツになれば、継続的に続けることができる新たな目標となり、また柏市の文化になっていくものと考えております。最後にこの部門の運営方針につきまして、3つ掲げております。新中央図書館整備では、ワークショップを2年やっております。まだ、運営を支えるだけの母体となっていませんので、先行的に活動されている市民活動団体のボランティア組織から運営ノウハウを活用させていただいて、成長できればよいと考えております。2つ目に、図書館機能に市民活動機能が加わることで、今まで図書館を利用したことがない方にも身近に利用していただけるだろうと考えております。最後に生涯学習をキーワードに、さまざまなところで行われている生涯学習活動ですが、新中央図書館ができることで、新たな展開ができるのかと考えております。説明は以上です。
【委員】言葉遣いについてですが、外国人という表現が出ていますけれど、外国人というと短くてよいのですが、ここで対象としているのは、日本語を母語としていない方を指すので、1番最初にただし書きを付けたほうがよいと思います。それから、連携についてというところで、市民活動センターという表現がありましたが、柏市には柏市社会福祉協議会があり、その中にボランティアセンターがありまして、ボランティア連絡協議会というものがあり90組以上の団体が登録しております。そういうところも考慮されていればよいと思います。
【委員】先ほどのパブリックコメントにもありますが、施設を作るといった場合、やはりハコは運営のための道具ですので、運営が決まったときにハコが決まると思います。そういった点を踏まえて、今回の基本計画も運営面を中心に記載がされており、そういった点は良いと思います。計画の中で、大きなコンセプトに「つなぐ」という言葉がありますが、「つなぐ」という言葉と「ひらく」という言葉がつながってくると思いますので、本計画書でも「ひらく」というところまで言及してもいいかもしれません。「つなぐ」ために「ひらく」、これまでの図書館は閉鎖的なものが非常に多く、書庫というイメージがありましたが、今回は外にひらいていくという点が特徴としてあるかと思います。そのためには図書館側からも発信することが必要であると思います。
全体に情報館というニュアンスが強いですが、情報が溢れている現状では、情報の質が求められています。そして、質の良い情報を流すためには、編集という機能が必要となってきます。それが整わないと良い情報は発信できません。おそらく、図書館が発信する情報は一定の質を持ち、信頼できる、そういうものが求められると思います。地域アーカイブという意味でも質を作ることが重要になると思います。それを市民を交えた形でどうつくるかというのは、図書館としても面白い試みができると思います。
【委員】特に高齢者の方から、知りたいことはあるけど、どこにあるか分からないという相談が多々あります。ご近所関係の希薄さなど、地域コミュニティーの機能が果たさなくなっているからこそ、求められる情報をお伝えできる仕組みが重要であると思っています。もしかすると、これからの図書館ではそういう機能をしっかりと担うセクションがあってもよいかと思います。障がいのある方や日本語を母語としない方などが、柏に暮らしている状況においては、不自由を感じない場になるとよいと思いました。もう1点、ボランティアと図書館との連携については、よくよく考えないと難しいと思います。一緒に考えることは理想ですけれども、図書館を運営する者とボランティアをコーディネートする者が話し合うと収拾がつかない可能性があります。たとえば、市民が参画する場面を考えた場合、ある程度新中央図書館の方向性が見えないと、意見がバラバラになってしまい、意見はいろいろあるけれども、成果としては何もないという形になると思います。
全体的には良い計画だと思います。これを形に落とし込むためには、気合いを入れて取り組まなければ、絵に描いた餅になってしまいます。そう簡単にいくものではないので、どの場面で市民の力を借りるのか、もう一歩踏み込んだ形で検討していく必要があると思います。より良いものを作っていくという思いを行政も出していただき、その思いに惹かれた方がボランティアに参加していただければと思います。
【委員】やはり、市民と行政が双方で育て合うという方法しかないと思いますが、なかなかうまく連携がいかないのが実情です。
図書館の運営側は軸がぶれないようにしながら、意見を受け止めていく必要があると思います。情報発信についてですが、情報発信は魅力的な図書館を伝えるためにも重要であると考えています。人の趣向にあった情報を送れるとよいと思います。また、施設の空き情報が分かるとよいと思います。
【委員】全体的な考え方は非常によいと思います。柏の街の歴史などについては、教育委員会にやっていただいている年鑑の中で脈々とストックされているわけですけど、そういう中には市民活動や名もない方たちの汗を流した歴史が刻まれていかないんですね。しかし、柏という街を考えると、名所・旧跡や特産物がこれといってなく、では、柏の財産は何かといったときには、やはり人であり、その人たちが地域で楽しい汗や苦しい汗を流してきたかということが柏の街につながっていくと感じておりますので、やはり名もない市民の活動を資料として残せていければ、後に子どもたちが何かやるときに参考になりますし、マスコミなどがイベントなどを記事にする場合に、図書館で情報を集められるのであれば、非常にありがたいです。
また、柏の魅力を発信し、ストックする場所があることも、これからの柏の経営としては戦略的に重要で、そういう機能があってもよいと思います。これは市民参加で一番実行しやすいものだと思いますので、柏市の特徴として全国的に発信できると思います。
【委員】生活に関わることが集積されてくる、それが時間を経て残るものと残らないものとに分かれる、これこそが文化であると思います。集積することによって、淘汰されてくる。これが柏の文化を作ると思います。非常によい考えであると思います。
【委員】つくづく感じることの1つは、行政という壁を破っていかないといけないということです。そういう意味でも今回の取り組みは大きな契機になりうると思います。ただし、合併などがおこれば、再度、イチから集めていく必要があるので、そのあたりは考えておく必要があるかと思います。
また、情報を集めるだけでは意味が無く、それが市民にとってどのような意味を持つのかという点が難しいかと思います。大きな仕掛けをしてみても、利用者を呼べなかったということもありうるかと思います。
また、1つ大きな問題として、柏市の場合には、持っているがゆえに縛られるという意味で分館の問題があります。そのあたりをどう生かすかはこれから先の大きなテーマになると思います。
【委員】地域独自の情報というのは、個人レベルでの記憶は残っているでしょうけど、市の文化として記録してもよいと思います。地域の祭り、伝統についても、きちんと記録にとどめていく活動ができるとすばらしいと思います。それが、行政の手にゆだねられるのではなく、市民の力で作られるとよいと思います。それが、市民の方に見える形になることで、後から参加する方や力を貸したいという方もでてくると思うので、地域の歴史として見える形にして、担い手を増やしていくというのもよいと思います。そういう拠点になれば良いと思います。
【委員】運営展開の3点目に「生涯学習をキーワードに再編」を書いてありますが、ここについてもう少し詳しく説明いただけますか。
【事務局】各市民団体などもバラバラで複数の団体に所属しているという話があり、行政の縦割り構造にも問題がありますが、各々の団体が生涯学習活動をやっているのであれば、図書館を中心に再編することができるんじゃないかということで、掲げた目標でもあり、これから行うという決意表明です。図書館で2年間ワークショップをやってまいりまして、市民が参画できるのはやはりここだと思います。
【委員】名前は図書館にするのでしょうか。許認可上は図書館でよいが、愛称みたいなものはないのでしょうか。
【委員】愛称は公募してもよいのではないでしょうか。
【委員】イメージ作りの面では結構大きいと思います。
【委員】1つだけお願いしたいのは、市として新中央図書館を作るのは、財政状況が厳しい中で思い切った決断だと思います。これは何が何でも良い施設を作ろうという決意の表れかと思いますので、柏市全体で真剣に検討する必要があると思います。今回は再開発ビルということでさまざまなセクションが関係していると思いますが、旧来の縦割りで役割分担しているとうまくいかないと思います。今後は、さまざまなセクションから、図書館を考える方に参加していただきたいと思います。実際に、紙で伝えられないこともあると思います。そういう形にしていかないと、本当にいいものは出来ないと思います。新しい図書館を作るということで、各担当の方が本腰を入れてくることになれば、市民の関わり方も違ってくると思いますので、ここにいない皆様方にも、柏市の財産として作っていくために、積極的にご協力いただきたいと思います。
【委員】来年度から設計に入るわけですが、今の話にもありますように、商業施設の入るビルに同居することになりますので、それぞれの施設が独立するのではなく、複合するというところが重要になると思います。階を分けることになるとは思いますが、管理主体ではなく、利用者主体で考えていただきたいと思います。そういうことまで考えられる進め方を検討する必要があると思います。
【委員】何か1つ2つ既存の枠組みを超えたようなものがあるとよいかもしれません。図書館の壁を破るような提案があるとよいかもしれません。再開発ビルには、公共性という観点では図書館以外は入らないのでしょうか。
【事務局】いまのところ図書館以外の公共施設は予定しておりません。
それでは、時間となりましたので、最後に教育長の矢上よりご挨拶申し上げます。
【教育長】皆様、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日は、有識者懇談会の最終回ということですので、私のほうから、ごあいさつを申し上げたいと思います。
有識者懇談会の委員の皆様には、昨年度の基本構想策定に引き続き、今年度の基本計画の策定に当たりましても、快く委員をお引き受けいただき、8月に第1回の有識者懇談会を開催して以来、本日で4回目を迎えました。御出席いただきました委員の皆様には、昨年度と同様、御専門のお立場からの、忌憚のない御意見を頂戴し、誠にありがとうございました。
基本計画は、まもなく完成いたしますが、ここにいらっしゃる委員の皆様を始め、公募によりお集まり頂いた市民の方々によるワークショップでもさまざまな御意見をいただきました。
また、基本計画の素案に対するパブリックコメントにおきましても、新中央図書館整備のために、幅広い御意見や御声援をいただきました。この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
これらのさまざまなご意見を参考とさせていただきながら、現在事務局において、基本計画の策定作業を進めているところであり、3月中には基本計画を完成させることを予定しております。皆様からの貴重なご意見を活かしきれていない部分も多分にあるかとは存じますが、その点に関しましては、御容赦いただければと思います。
なお、来年度以降は、基本計画を元に、設計業務に入ることを予定しておりますが、2か年に渡り、委員の皆様方からいただきました、貴重な御意見をしっかり受け止めまして、新中央図書館の建設へとつなげてまいりたいと考えております。
委員の皆様方には、今後も温かい御支援、御指導をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
以上を持ちまして、簡単ではございますが、私からのごあいさつに代えさせていただければと思います。
どうもありがとうございました。
【事務局】これをもちまして第4回柏市中央図書館整備基本計画策定有識者懇談会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。
7 傍聴
4人(うち記者2人)
以上
お問い合わせ先