更新日令和3(2021)年2月26日

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柏市新中央図書館整備基本計画策定有識者懇談会第1回会議録

1 開催日時

平成19年8月23日(木曜日) 午後6時~午後8時

2 開催場所

柏市役所沼南庁舎5階501会議室

3 出席者

(委員)
阿部 孝(座長)、玉川 博(副座長)、植松貞夫、岡田恒一(欠席)、熊谷道子、重盛恭一、高橋 裕、藤田とし子

(事務局)
矢上教育長、川上生涯学習部長、猿渡教育総務課長、成島図書館長、坂巻教育総務課副参事、小舘教育総務課専門監、橋本教育総務課主査、松永教育総務課主任

4 議題

  • (1)立地検討会における結果について
  • (2)「新中央図書館」の基本方針について
  • (3)有識者懇談会開催スケジュールについて

5 配付資料

6 議事(要旨)

(1)立地検討会における結果について

【事務局】
はじめに、昨年度末に基本構想を策定して以降、今年度に入ってからの作業経過を簡単にご説明いたします。今年度は基本計画を作成することになっております。そのため、まず基本構想で抽出した5か所の候補地から最適の立地場所を選定する作業を行いました。立地場所の選定に当たっては、庁内で立地検討会を設置し、副市長を委員長とする関係部課長による会議を5回開催いたしました。

検討に当たっては、基本構想で示されました8つの指標を踏まえながら、評価するための客観的で公平な評価項目作り及び評価を行い、立地検討会といたしましては、柏駅東口D街区第一地区を最適と決定いたしました。

【委員】
案としては、E案(柏駅東口)となったようです。その検討の経緯も含めてご説明ありましたが、いかがでしょうか。ご意見、ご質問があればお願いいたします。

【委員】
立地については、私自身もここしかないと昨年度から思っていたところです。市の財政負担も重要ですが、あらゆる人が利用しやすい場所ということで、特に図書館の場合、一番利用が難しかったのは、都内に出ているサラリーマンと思われます。税金を払っていながら、行政のサービスを受けられないという声をよく聞きます。そう考えますと、やはり勤め帰りに寄れる、アクセスのよい場所が好ましいと思います。

【委員】
図書館の利用の仕方を考えると、駅の近くが最適であると思います。最近は、駅の近くに作るケースが増えています。商業施設と協働する例も多くなっています。そういう点も重要であると思うので、やはり、候補地Eは立地としてずば抜けてよいと思います。

【委員】
なるべくしてなったという印象です。柏の葉も捨てがたいですが、コスト等の算出結果を見ると、やはり柏駅前がよいというのが実感です。

【委員】
市民が今後運営にどのように関わっていくかという視点から考えても、集まりやすい立地が良いと思います。また、一部には環境の良い所という意見もありましたが、複合する施設をしっかりと管理すれば、対処できると思います。また、市民活動が盛んになるには、拠点性の高いことが重要になると思われます。

【委員】
それぞれ一長一短ありますが、総合的に判断すればD(柏中学)かE(柏駅東口)かと思いました。この中で、現実的なことを考えると、候補地Eの利便性はかなりよいが、一方で、土曜日・日曜日の利用が多いと思うが、あの場所は歩行者天国となったり、あるいは、駐車場が確保できないなど、車で来館される方の利便性を図れるかと言うことが今後の課題になると思われます。いずれにせよ、市民の利便性を考慮した上で決定したということは妥当であると考えられます。

【委員】
図書館の機能次第では違う立地になることもあると思います。今回の柏の図書館の考えに沿って検討した結果、Eになったということだと思います。逆に言えば、候補になる場所が5か所あったということは恵まれていることだと思います。

それでは、立地については、ここまでにさせていただき、2つ目の議題に入らせていただきたいと思います。

(2)「新中央図書館」の基本方針について

【事務局】
昨年度策定いたしました新中央図書館整備基本構想におきましては、柏市のまちづくりにおける情報拠点として核となることを基本コンセプトといたしました。今年度、新中央図書館の基本計画を策定するに当たり、柱とするものについて共通認識を図らせていただき、それを基に具体的な施設計画や運営方法についてご検討いただきたいと考えております。

事務局としましては、図書館サービスを忠実に実践していくことを1つの柱にしたいと思います。

2つ目の柱としましては、財政負担、行政運営に配慮することを考えております。現在の地方公共団体を取り巻く状況は厳しく、図書館だけは別であるとは言えません。今後は、徹底した経営意識が必要となってきます。

3つ目の柱としましては、時代の変化に対応しうる図書館とすることを考えております。現在、我々が直面している高齢化や国際化など、新たな課題解決に役立つ最新の情報を提供することが重要であると考えております。また、10年後、20年後に発生する新たな課題に対し、柔軟に対応することも極めて重要であると考えております。

【委員】
ただいま、基本方針として3つの柱の提言がありました。1つ目は図書館の本来のサービスの提供、2つ目は財政負担あるいは行政改革を考慮した行政マネジメント、3つ目に今後の課題解決への対応になるかと思います。この視点を基に、今後議論をすすめることになると思いますが、基本方針も含めてご意見を頂戴したいと思います。柏の図書館として本来のサービスとして何が主役となるのか。また、財政負担や発展性などを図書館という箱に詰め込んでいくためにどうするべきかが議論になると思います。

【委員】
新中央図書館に求められる機能は、情報を提供するだけではなく、個人的な見地から言わせていただくと、様々な情報に触れて、その中から自分に必要な情報を得ること、さらに何故それらの情報を得るのかといえば、個々人の生活を豊かにするための情報ですので、それをどうやって生かすか、どうやって自らの生活に生かすかをフォローするまでできれば、図書館としての魅力が増すと思います。個人が生き生きと図書館を利用し、自分が取得した情報がつながりあって、次のアクションにつながることが、柏が生き生きとして、より良い街づくりにつながっていくものと思います。単に図書の提供だけでなく、そういったものを生かすための講座や場所、交流の仕組みを併せ持っている図書館であるとよいと思います。具体的にいうならば、様々な講座を実施したときに、映像として見られるミニシアターくらいのスクリーンがあるとか、ダンスができたり、ワークショップができたりなど、ある程度の空間があれば良いと思います。贅沢を言えば、アートなどの展示スペースがあれば良いと思います。もう1つは、様々な講座や学び合う会ができるような仕組みが欲しい。大人向けや子供向けやビジネスマン向けなど様々な方々に対し、知的好奇心を満たしてくれるサービスがあれば良いと思います。その他では、ビジネス支援です。起業したいときや調べたいことがある場合に、サポートできる仕組みがあると良いと思います。

【委員】
市民をつなぐとありましたが、市民と情報という関係については、情報を媒体とした市民と市民がつながるという考えがあっても良いのかと思います。具体的には、展示や色々な講座などあると思いますが、そういったものが市民と市民をつなぐものだと思います。

【委員】
学校の図書館でいつも悩むのは、書庫は一体何冊持つのかということです。1年間に1回も開かない本も、並べておくと際限なく本が溜まっていくわけです。もちろん、公共図書館はある程度、回転していくことになると思いますが、この点について、どう考えるか、また、柏市の新中央図書館として、目標として一体何冊入れるのか、冊数についてはどのように考えていくのだろうという点について関心があります。それは、市民が一体どのように使うかによって決めていくことになると思いますが、何か法則があるのでしょうか。

【委員】
特にありません。一般的には、市民が直接手にとって見られる本が多ければ多いほど良いわけですが、それをどの程度にするかというのは、こういう場で決めるしかないと思います。一般的に言えば、利用が深まっていけばいくほど、幅広い本へのリクエストが発生しますので、単純に貸し出しをやっていれば、古い本のリクエスト等は起きないものと考えられます。今度の場合は、選べる面積は決まっていますので、その中をどうレイアウトしていくのかという話しになると思います。書庫であれば、自動書庫のように面積は少なくすることはできます。ただし、その金額を使えないとなれば、面積は広がります。全体のバランスを考える必要があります。

【委員】
こういう場所だから、文化度を上げるために図書館を作って欲しいと思います。全体のレベルが上がるように作って欲しいと思います。閉鎖した空間で静かに読書をする図書館でなく、街に調和した図書館という在り方を目指すべきではないかと思います。最近は情報館のような色合いが強くなっていますが、私は情報を入れることも重要ですが、図書に触れることも大事だと思います。また、今回の場合、分館とつなぐというテーマがありますが、分館は非常に狭いですよね。そこで、本館がどのように分館とつなぐかが重要になります。そのあたりをデジタルの手法を使ってどれくらい近づけてあげられるか重要であると思います。近年、地域での情報格差と言われております。たしかにインターネットがあるとは言われておりますが、決してそれだけでは対処できません。ましてや地域の小さな書店は小さくなってきており、分館の重要性はますます増してくるので、分館との連携は非常に重要であると思います。

【委員】
そういう意味では、基本計画を立てる段階では、こうあるべきという固定的なしばりはつけずに、考え方を検討するほうが良いのでしょうか。

【委員】
分館を含めて全体を整備していくという形で検討していけば良いと思います。

【委員】
全体の感想になりますが、せっかく駅の近くになったのだから、ビジネス支援や若者に対するサービスなど、これまで柏の図書館になかったサービスが出来れば良いと思います。柏はアートや音楽を色々と仕掛けていますが、そのあたりと上手に連携して、文化的な刺激を受けさせる仕組みを作れればと思います。

それから、分館については、別の視点になりますが、児童館との連携を強化したいと考えております。児童館は色々なところにありますが、規模は小さいので、やはり、本館から色々な情報をもらって、そこに本がなくても、すぐに情報が得られる、ということができると良いと思います。それと同時に、分館のとなりには近隣センターがありますが、その分館は本だけでなく、もっと子どもや青少年が来やすいように、近隣センターも含めた青少年の居場所としての機能を持たせつつ、関係施設と連携して、素敵な分館にしたいと思っています。

【委員】
仮にこの場所に図書館が建ったときに、広がりをもった図書館として考えていくと、例えば、回りに子どもを預かる託児施設など色々な要素が考えられるわけですが、そのあたりは、図書館の外にあることになるわけですよね。それは全体としてコーディネートできることですか。複合した機能が図書館を越える形でコーディネートすることは可能なのでしょうか。

【委員】
全く夢で言っているわけではなく、例えば、近隣センターの中では、色々なサークルが使っていますが、その中で1つでもいいですから、連携するための部屋を設けておくとか、そういう方法があると思います。

【委員】
例えば、ビルの中にそういう機能をトータルで含めていくことはできるのでしょうか。

【委員】
ここは地価が非常に高いでしょうから、簡単ではないと思います。

【委員】
しかし、中心市街地活性化法の網の中に入ってくるので、当然、再開発のエリアの中に作ることになると思います。市のほうでも協議会が立ち上がっていますし、単なる商業施設の開発ではなく、街づくりの話になると思います。

【委員】
図書館そのものは人を集める拠点になります。そう考えたときに、どういう地域の活性化を目指すかという全体のコンセプトと図書館の活用法をどのようにすり合わせていくのかが重要になると思います。また、もうすこし身近なサービスということであれば、せっかく市民の参加する図書館を目指しているのですから、図書館を利用するのに障害となる建物を取り除くというのも発想としてはありえると思います。そもそもの図書館に求められているサービスを市民が支援するのは専門性も高く、参加がしにくいですが、サービスの領域を広げれば、活躍の場が広がると思います。そういった多角的なサービスを成り立たせることは可能であると思います。市民参加を継続するのであれば、図書館を積極的に利用する人ももちろん、もっと裾野の広い方を呼び集めていただいたほうが、いいと思います。

【委員】
3つの柱については、基本的に賛成です。図書館サービスの原理を忠実に行う。資料を収集して、提供するということですが、それが現在の図書館ではできていないということで、幅広い資料を提供すること。それから、一般的に言われていることですが、市内各地に公平なサービスができるのかという点も重要であると思います。2番目にマネジメント意識を持って、効率的な運営、それから、アカウンタビリティの高い運営を行うことは、これからの公共サービスに重要なことであると思います。それから、3つ目は、あたりまえだと言われがちですが、時代の変化というのは激しく動くので、ややもすると本当じゃない方向に向かいがちでもあります。そういうことで、時代の変化に対応するというのも原点をしっかりと抑えつつ、マネジメント意識を持って対応していくということで、時代の変化に合せていくよりは、どちらかというと上の2つで良いと思いますし、効率的な運営に関しては、市民のある程度の負担も必要になると思います。例えば、貸し出しサービスをセルフで行うとか、子ども預かりボランティアを設けるなど、もう少し大きな柱としては、市民とともに作っていく、市民とともに成長する図書館というのも重要でないかと思います。前提としては、7、000平方メートル~8、000平方メートルとなっていますが、決して広くはなく、何もかもできるわけではないので、効率的な運営とも関係しますが、限定すべきは限定すべきであり、この委員会として、ある程度はサービスの優先順位も考えて検討しないと次のステップに進まないと思います。それから、もう1つは、図書館は金食い虫で、そんなに金を使っていいかと言う話がありましたが、税金を生み出す図書館として頑張っていただければ思います。

【委員】
おそらく、施設整備となると、最初は夢を乗せますが、最後は、選択する作業も必要であり、ある意味ではこの懇談会がその役目を担うことになると思います。それから個人的にお伺いしたいのは、PFIについてですが、これはどういう管理・運営上の課題があるのか。

【委員】
再開発ビルですので、ビルそのものをPFIで整備することはありえないと思います。もし、このケースでやるのであれば、いわゆるスケルトン渡し、骨格だけできていて、床と内壁ができていない中に、どういう風に図書館を整備していくのか、また、運営をPFIで行っていくことになると思います。スケルトン渡しのPFIは経験がないので、なんとも言えないめですが、今回の場合は、ビルの整備に関しては、PFIという方式は難しいと思います。

【委員】
複合ビルの中に入っていくことになると、他の図書館と違いが出るように作るべきであると思います。他の公共施設との相乗効果を計りつつ、差別化を目指していく必要があると思います。

【委員】
それは例えば、市が作って、文化施設を複合化するのであれば可能ですが、今回は、この図書館のフロア以外に、公的な施設が入るのかを考える必要があります。そうでない場合、その他の施設のほとんどが民の組織になるので難しいと思います。
また、エレベーターの位置や階段の位置がどこにあるかも重要になってくると思います。

【委員】
新中央図書館の運営の全てを市が行うことはないと思いますが、どこまでを市が担うか、どこをボランティアに任せて、どこから民間委託にするのかということが重要になります。これからは、価値の高い情報を提供できるのであれば、無料でなくても良いと思います。利用者にとっても無料だけで何もないよりも有料だけど何かが得られるほうが価値があると思います。もちろん、書籍の貸し出し等は無料であるべきだと思います。

また、蔵書に関しては、限りがありますが、やはり柏市ならでは、というブースが欲しいと思います。例えば、様々な企業がある柏であれば、普段本屋ではあつかっていない書籍を置いたり、他の図書館にはない書籍があると良いと思います。

【委員】
いろいろとご意見・ご感想を出していただきましたが、次回からは内容を具体的に詰めていくことになると思います。

【事務局】
なお、一点付け加えますと、民間のビルに図書館が入る場合は、その他の部署が所管する施設が入ってくることもあると思います。そういった庁内との調整に関しても進め、その都度、委員のみなさまにご報告したいと考えております。

(3)有識者懇談会開催スケジュールについて

【委員】
それでは時間となりましたので、次回のスケジュールを確認させていただきます。

【事務局】
次回に関しては、10月22日(月曜日)午後2時で、調整させていただきます。場所については後ほど、ご連絡させていただきます。

【委員】
以上で、第1回柏市新中央図書館整備基本計画策定有識者懇談会を終わらせていただきます。

7 傍聴

(1)傍聴者

11人(うち記者4人)

(2)傍聴状況

傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

8 次回開催日時(予定)

平成19年10月22日(月曜日)午後2時~午後4時

以上

お問い合わせ先

所属課室:生涯学習部図書館

柏市柏5丁目8番12号

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