更新日令和6(2024)年1月30日

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令和5年度第2回柏市立図書館協議会会議録

1 開催日時

令和5年12月18日(月曜日)

2 開催場所

上下水道局401・402会議室

3 出席者

委員

岩田委員、笹間委員、髙田委員、八山委員、丹間委員(副会長)、佐々木委員(会長)、下吹越委員、津波委員

事務局

宮島生涯学習部長、坂口図書館長、図書館柳川統括リーダー、同千田副主幹、同芦澤副主幹、同大野主査、同大里主査、同三石主事、沖本生涯学習課長、牧野中央公民館長、田口文化課長

傍聴者

2名

4 内容

(1) 開会

(2) 部長挨拶

(3) 令和5年度主要事業報告(8月から11月)

(4) 視察報告

令和5年10月27日(金曜日)に武蔵野市立図書館の分館である武蔵野プレイスへ図書館協議会委員と事務局で視察を行った。事務局の視察報告後、視察した委員から次のとおり発表があった。

 

【笹間委員】

  • 武蔵野プレイスはどのような施設を目指すのかがしっかりしている施設だった。また、建物全体を通してその考え方が伝わってきた。
  • どのような人がこの場所を利用するのか、様々な年代、多様なニーズに合わせた相手への意識もしっかりしていた。
  • 武蔵野プレイスが果たすべき役割をスタッフが良く理解していると感じた。
  • 今後、柏市でも参考となる点がたくさんあると思った。

【八山委員】

  • 建物と公園とのつながりや、建物内を歩くことで世代を超えた活動に巡り合えるデザインなど、流れるようにつながる工夫がされていると感じた。
  • 図書館機能を超えて、街の「居場所」となっていると感じた。
  • 武蔵野プレイスが地区の財産になっていることを感じた。
  • 2階のこどもフロアでは、書架の高さがそれぞれの年代の子どもの目線に合うように工夫されていた。テーブルや椅子の高さも子どもの年代に合わせられていて、過ごしやすい空間になっていた。
  • 居場所と地域とのつながりという2点を感じた視察だった。

【下吹越委員】

  • 融合型図書館というのが新しいキーワード。これまでの流れは複数の機能を集約した複合施設であったが、これからは集約を超えて機能が融合しなければならない。融合が交流を促すきっかけになるという観点から、武蔵野プレイスはこだわって「融合」という言葉を使っている。融合という言葉が表す意味は、設計の面も、運営の面も、ソフトとハードの両面から融合するという意識が表れている。
  • 児童コーナーと同じフロアに妊娠子育てや料理本が置かれており、子育て世代が関心のある分野の本が排架されている。
  • 青少年教育にずっとかかわってきた職員が館長になったという話を聴き、これまでの知見を図書館運営に生かしている。こども図書スペースにおいても、子どもとのかかわり方は武蔵野プレイスの館長のような専門的知見をもった方の助言が必要になってくるのではないか。

【津波委員】

  • 初めて訪れて、また行きたいと感じた。入ってすぐのカフェは子育て中の方にも利用されていた。一日楽しめる点が魅力的であった。
  • 駅から近いという立地もとても重要。
  • 公園で遊んでから図書館へ行くという流れが良い。
  • 多世代の方が利用しているというのが印象的だった。柏市で図書館を利用すると子育て世代の方が多いと感じるが、武蔵野プレイスは多世代の利用につながる工夫がされていて、参考にできたら良いと思った。

【佐々木委員】

  • ハードの面で融合が意識されていた。自然といろいろな機能が目に入り、回遊できるようになっていて、閉鎖的でもなく区切られてもいない。
  • ソフト面では、年1回開催されているプレイス・フェスタでは、武蔵野プレイスのそれぞれの部署の職員が担当部署を超えて運営を行っているが、日々の業務での機能融合はまだ課題であるとも言っていた。
  • 建物が良くないと人は建物を大切にしないため、設計者を選んで、図書館機能や複合機能を良く考えたうえで、設計をしていくことが大事である。
  • 多世代がまんべんなく利用するということは公共施設にとっては大事なことであり、実現しているということはすばらしい。改めてハード面の力は大きいと感じた。

(5) 協議

(仮称)子ども・子育て支援複合施設4階「こども図書スペース」の開設に向けて、「こども図書ス ペース」の選書方針について事務局から説明し、「マンガなど人気はあるが所蔵していない本」の選書方法について意見交換を行った。委員からの意見等は次のとおり。

ア 選書方法

(ア)子どもが選書

  • 大人は関与せず、金額を決めて子どもに選ばせる。ここに自分たちで選んだ本があるというメッセージを伝える。
  • 学校を通して呼びかけを行い、リクエストを受け付けることで施設の周知にもなるのではないか。
  • リクエストや投票した子どもをこども図書スペースのメンバーズにするなどして施設の開館前から子どもをかかわらせる。
  • 運営側が人気の本を把握するためにも排架する本の一部を子どもに選ばせるのが良いのではないか。
  • 実際に学校図書館では、金額を決めて、図書委員会や子ども司書に選書させている学校もある。子どもの主体性を引き出し、貸出も増えたため、こども図書スペースにおいても、いずれは子どもに委員会を作ってもらうなどして運営にかかわらせていくべき。
  • 子どもの声を選書に生かすのもよいと思うが、本になじみのない子にどんな本が読みたいかと聞いてもなかなか浮かばないのではないか。学校図書館で選書する際は子どもからのリクエストも募集しているが、数が少なくなかなか反映するに至らない。子どもは大人より情報が少ないので、こういう本があったら良いなというのがなかなか出てこない。
  • 子どもだけで話し合っても上手く意見が出ないのではないか。ナビゲーターやファシリテーターを呼んだ場で一緒に話し合うというようにしないと、人気のマンガがほしいで終わってしまうのではないか。
  • ワークショップで子どもたちに意見を聞いてもなかなか答えが返ってこないと思うので、選書の入り口として、自分が好きなことや興味があることをまず挙げてもらい、その先にどう本につなげられるか大人が引き上げてファシリテートできれば、少ない意見に寄らずに選書できるのでは。図書館に行こうと思わない子でも自分の好きなことができるというきっかけからワークショップに参加すれば、実際に施設ができた時に行きやすくなるのではないかと思う。
  • kamonかしわインフォメーションセンターの「kamonつながるライブラリー」のように、子どもたちに自分が本当におすすめする本を持ってきてもらって、一つ下の子たちに読んでもらえれば良いのでは。つながるライブラリーではおすすめの理由なども書いている。kamonに話を聞いてみても良いかもしれない。

(イ)大人が選書

  • アクティブな子は自然に施設に来る。不登校児童生徒の自立支援を行う市の教育支援センターから意見をもらい、不登校の子どもの声を拾えるようにする。
  • 最初は貸出や予約の多い本を基にするほか、学校図書館関係者や保護者と連携して選書をするのが良いのではないか。
  • 教育委員会が運営するからには、学校図書館司書やコーディネーターが必要なのではないか。
  • 近隣の書店とつながって、今人気の本などを聞いても良い。
  • 柏の達人がすすめする人生観に影響を与えた本を選書するのも良い。地域のいろいろな人に関わってもらって選書やワークショップをしてもらえれば良いと思う。
  • 保育園や幼稚園で流行っている絵本でなるべく他の園と被っていないものを紹介してもらえると親しみをもってもらえるのではないか。
  • 近隣の学校から学校行事の情報をもらって展示などで本とつなげると良い。実生活とつなげると良いと思う。子どもの視野が広がっていくような工夫があると良い。

イ 排架の工夫

  • 同じ話の小説、マンガをそれぞれ取りそろえて隣に排架することで本でつなげていく。
  • せっかく良い選書をしてもただ棚に置くだけではもったいないので排架は工夫するべき。
  • 5,000冊では自分の読みたい本がないことの方が圧倒的に多いため、より魅力的に見せる必要がある。
  • 利用者ファーストで考える。NDC(日本十進分類法)で分類するのではなく、ジャンルやテーマで排架をする。
  • 動詞ごとに排架する。例えば、「遊ぶ」に関連する絵本、「食べる」に関連する絵本などを集めて排架する。
  • 網羅型の図書館は今ある図書館でよい。駅前でやるのであれば蔵書の少なさを生かしてテーマで絞ってよいと思う。図書館から本を借りれば、蔵書が少なくても、毎回違う本を展示できるのではないか。
  • 人気な本やマンガで子どもたちに興味を持ってもらって集まってくるというのは少し安直に感じる。入り口はマンガを読みに来たでも良いが、他の本にも興味を持てるような排架の工夫が必要。継続した読書につながっていけるような場所であってほしい。

ウ 選書その他

  • ゲームの攻略本なども置くべき。
  • 未就学児から小学生は大人からすれば「子どもたち」かもしれないが、とても多様なので、幅広い選書が必要。
  • 冊数が限られている中で一時的に人気のものを選んでも良くない。多学年で読めるものが良い。
  • 人気の本を置くことも大切だが、ずっと愛されている本を置くほうが良い。人気がなくなったら本を入れ替えるのではなく、ここにずっと置いておきたい本を選ぶのが良いのではないか。長く読まれている本の方が子育て世帯としては嬉しい。
  • 階をまたいでの人の流れや親子連れの利用を想定する。小学生の居場所だけでなく親子連れも立ち寄れるように、親も安心して読めるようなロングセラーの本も必要。
  • 外国の図鑑やコミックなどが置いてあるのも良い。

エ 仕掛け

  • また行きたくなる仕掛けをする。
  • こども図書スペースを図書館への入り口としたとき、普段そのような施設に行かない子が行きたくなる工夫が必要。
  • キャラクターを置くなどして、行きたくなる工夫をする。
  • 人気本だけで空間を作ろうとすると飽きられるのが早い。核になるテーマがないと空間ごと廃れてしまうかもしれないため、大人側で仕掛けを作らないといけない。
  • こども図書スペースにはないが電子図書館に蔵書がある、図書館にない本をリクエストできる、図書館の使い方を教える、など奥深い作り方をした方が良い。
  • このような施設に来たことがない子のために、課題図書を使った親子の読書感想文講座や自由研究講座を実施する。夏に一回開くだけでも来場するきっかけになるのではないか。
  • ただ本があるだけでは交流は生まれないため、きっかけづくりは必要。

オ 役割

  • こども図書スペースから図書館(本館や分館)につなげるべき。
  • 図書館への入り口と考える。
  • こども図書スペースから図書館・学校図書館に誘導できると良い。こども図書スペースに置いているマンガに関連した図書館の所蔵資料を紹介したりしても良いのではないか。
  • 人気の本やマンガを置くだけでなく、それ以外の視点も図書館が運営するからには重要になる。一歩深い学びにつなげていくのが図書館の役割になるのではないか。

カ 運営

  • 子どもが読みたい本が必ずある場所にしたいのであれば、毎年一定数の新規本を購入しなければ意味のない場所になってしまう。
  • 本は半年おきくらいで入替える必要がある。初期費用より後の方がお金がかかる。
  • 最初はマンガやゲームの攻略本などを目的としていても良いが、その次につながる本を渡せるような職員や司書を施設に置くべき。
  • 子どものお迎えでこの施設に来た時に図書館の本が借りられたら便利。図書館の本の受け取りや返却をできるようにする。
  • こども図書スペースは実験場であるため作り込みすぎない。

キ その他

  • 5,000冊では自分の知らない本に出合える機会は少ないのではないか。
  • 今の図書館の分館にならないようにする。
  • こども図書スペースが成功すれば分館や本館も活性化するのでは。
  • こども図書スペースができるということを広く周知しないと、いつの間にかできていて関わる機会がなくなってしまう。オープニングイベントなど、関心が持てるイベントなどで一回来てもらえれば次につながるのではないか。
  • 葛飾区にある「絵と言葉のライブラリー ミッカ」では、工作したり、大きな絵を描くなどのワークショップが開催されている。ワークショップでは、書架にある関連した本を全部集めてきてそこからインスピレーションを受けたりしている。そういう事業との関連性を持たせると本と触れ合うことができる。
  • 図書館・学校図書館との差別化は良いが、壁をつくらないようにしたい。図書を扱っているというところは同じ。
  • 資料2「こども図書スペースに置きたい本のイメージ」にはAからBに矢印が向いているが、その反対もあるし、流動的である。こども図書スペースと図書館・学校図書館に同じ本が置いてなくても関連付けは必要。

(6) 閉会

5 その他

 次回の協議会は、令和6年2月開催予定

お問い合わせ先

所属課室:生涯学習部図書館

柏市柏5丁目8番12号

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