更新日令和5(2023)年9月14日

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令和5年度第1回柏市立図書館協議会会議録

1開催日時

令和5年8月1日(火曜日)

2開催場所

上下水道局401・402会議室

3出席者

委員

岩田委員、笹間委員、羽村委員、宮島委員、髙橋委員、早川委員、髙田委員、八山委員、佐々木委員、下吹越委員、津波委員

事務局

宮島生涯学習部長、坂口図書館長、図書館柳川統括リーダー、同千田副主幹、同芦澤副主幹、同大野主査、同大里主査、同三石主事、沖本生涯学習課長、牧野中央公民館長、田口文化課長

傍聴者

0名

4内容

(1)開会

(2)委嘱状交付

(3)部長挨拶

(4)委員自己紹介・職員紹介

(5)会長・副会長選出

(6)これまでの振り返りと今後の進め方

(7)令和4年度主要事業報告

(8)令和5年度事業構想

(7)及び(8)について、資料に沿って事務局から説明。委員からの質問・意見は、以下のとおり。

 

【宮島委員】スマート登録、スマート貸出について、普段図書館を使わない人にとって朗報。申請も簡単だった。申請件数が少ないのは残念。どのように広報したのか、今後どのように市民に知ってもらうのか。どのように情報を届けるのか考えていかなくてはと思う。

→(事務局)HP、Twitter、チラシの他、しおりを作成して貸出の際に本に挟んで周知を行った。申請はまだ少ないが、電子図書館サービスの周知と合わせてスマート登録もアピールしていければと考えている。

 

【羽村委員】学校現場での活用を前提としたデジタル教材の作成について、学校に提供するなら一定のクオリティや中立性が必要だと思うが、受け入れの条件があるか。市民から提供を受けた場合、どのようにアーカイブされて活用されるのか。提供できる人を紹介してもよいのか。

→(事務局)専門的な知見をもっている市民と連携してデジタル教材を作成したいと考えているため、教材の信頼性については、それである程度担保できると考えている。場合によっては他の専門家に確認していただく必要もあると考えている。
学校現場での活用については、学校図書館と連携することで資料を提供していきたい。
学校での活用に協力いただける資料を持つ方をご存じであれば紹介していただきたい。

 

(9)報告と協議

(仮称)子ども・子育て支援複合施設4階「こども図書スペース」の開設に向けて、資料に沿って事務局から説明し、1.アンケート結果、2.事業計画(案)、3.「こどもが集まる施設とするためには」、4.「今後、この事業を進める上で考えるべきこと」の4点について意見交換を行った。委員からの意見等は次のとおり。

 

1.アンケート結果について

  • 「放課後や休日過ごす場所」のデータで、自宅や習い事先が多い。
  • (自分の家庭だと)学校から習い事の流れが週に何回かある。近隣センターが近いため、そこで遊ぶ子も多いがパンザマストが鳴ったら帰宅するように言っている親が多い印象がある。ただ、一人で居ることができる子とそうでない子がいるため家庭による。
  • 子どもは居場所を求め、親は習い事ができる場所が欲しいというギャップがある。習い事は難しくても、イベントや夏休みこども教室などは行えるのではないか。
  • イベントを複数回連続で行うことで習い事の代わりになるのではないか。
  • 学校で貸し出されているタブレット端末でアンケートを実施できたのは大きな進化だと思う。
  • 「放課後や休日に過ごす場所」としてオンライン空間が多いと感じた。これだけの居場所になっている。オンライン空間へはゲームやスマホから繋がっている。それを禁止するのはどうなのか議論したほうがよいと感じた。
  • 「放課後や休日に過ごす場所」で「図書館」という回答が少なく感じた。図書館などで居場所づくりをしている自治体では、この数字が変わるのか比較してみたい。
  • 「放課後や休日に何をしてるか」でインターネットやゲームという回答が多かった。本離れを解消する入口の施設になればよいのではないかと思う。本を好きになったら自分から図書館に行くようになる。
  • 「夢中になっていること」、「学校ではやっている遊び」について、家や学校、図書館など既存の施設でできることも多いと感じた。実現したい項目は、既存の施設でできることの優先順位は高くなくてもよいのではないか。
  • 「放課後や休日に何をしているか」で子の回答の上位に「勉強」とあるが、親の回答の上位にないのがすごくギャップを感じて印象的である。

 

2.事業計画案について

  • 楽しく学べるような施設であればよいが、どのような施設を目指すのかが重要。一定のルールを設けた空間に漫画や本だけが置いてある中途半端なメッセージ性のないものになりかねない。
  • 予算の限りはあると思うが、築年数や賃借物件ということを考慮すると長期の運営とならないことも考えられるし、柏駅前の再開発によっては改めて整備することも考えられるため、志を持ち、実験の場とするのがよい。
  • 年齢で区切らず、施設全体で考えるべき。
  • 「(3)「遊び」を通じた「学び・交流・創造」の機会創出」に「「与えられた場所」「楽しませてもらう場所」ではなく、「自ら楽しむ場所」「自分たちの居場所」になるよう、子どもの主体的な行動を引き出す仕掛けづくりを行います。」とある。遊園地と公園は違う。遊園地は誰かから与えられた、計画されたもので、そこに乗っかるという楽しみ方。一方、公園は自由。場所があるだけ。自分たちで何かができる場所で、創造的なことも膨らむ。小学生のアンケート結果にもあらわれている。理想の居場所として「すきなことをして自由にすごせる」という回答が多い。「新しいことを学べたり、チャレンジできる」という回答は低い。あくまで場所として、文化的な公園のような施設を目指せればよいのではないか。

 

3.子どもが集まる施設にするには

【居場所機能】

  • 学校に行けない子の居場所となってもらいたい。
  • 「いつ行っても開いている」安心感。民間では難しい。
  • 飲み物、お菓子、ゲームは子どもにとっても安心材料になるの置いてもよいのではないか。
  • 何もしなくてもよい居場所も目的の一つだが、目的なく子どもが過ごすことは出来るのだろうか。

 

【交流】

  • 知る、学ぶ行動については、分野(科学など)ごとで分けて漫画や専門誌を置き、博物館のようにして4階、5階が混ざり合うようにするのはどうか。そこで小学生から高校生の交流があったら面白いのではないか。
  • プログラムやイベント事業などを分野(科目)ごとに分けてはどうか。小学生と高校生が活動ベースで融合できるのではないか。
  • 地域の人とのかかわりの拠点となってもよい。
  • ゲームの大会を開催するなど、みんなで遊んだり、図書と繋げたりできればよいのではないか。
  • デジタル、アナログ関係なく子どもを一人にしない。繋がる場の支援としてデジタルもアナログも本もあるというイメージでよいのではないか。

 

【ゾーニングの工夫】

  • 空間の工夫が必要。みんなで遊ぶスペース、集中するスペース。
  • 色々な子どもが集まって化学反応がおこることを望むなら、子どものやりたいことを尊重し、スペースを分けることが現実的ではないか。
  • また来たいと思える仕掛けが欲しい。内装を作り替えたり、什器の配置を変えるなどの可変性あった方がよい。大人の人数を制限するのなら、什器を固定したり、壊れないようにするべき。
  • オープンスペース、クローズスペースは年齢分けをする。大人の目が届くがクローズスペースとなる場所は、未就学児や小学校低学年対象とし、完全に籠れるスペースは高学年向けとしてリスク管理で分けるのはどうか。

 

【アクセス】

  • 子どもだけで施設へは行けないため、バスの運用を検討してほしい。バスがあればバスの時間で待ち合わせて、友人と行くことができるのではないか。
  • 小学生が行く施設は自転車で行けるかがネック。小学生の足は自転車。止める場所の確保は難しいかもしれないが、それでも自転車で来てしまうと思うので考えておいた方がよい。

 

【その他】

  • 教育に高い意識を持つ余裕のある家庭はこの施設に反応するかもしれないが、そうではない低所得層や忙しく遊ぶ時間がないような家庭は気後れするのではないか。何を目標にするのかが難しい。
  • 土日や長期休みに駅前に来たついでに子どもたちを遊ばせるという使い方も想定できる。託児所のような使われ方。それをきっかけにして子どもがまた来たいと思うのはよい。いつ来てもいつ帰ってもよい場所という周知をしてもよい。一方、この施設は託児所ではなくて居場所機能がメイン。託児機能のニーズが多ければ別の形でそのサービスができるとよいとも思う。
  • 平日の日中空いてしまう。乳幼児が使える時間帯を設けるか。
  • 子どものことを考えるのなら子どもファーストを貫くべき。
  • 近隣施設との差別化は必要。

 

4.今後、この事業を進めるうえで考えるべきこと

【安全安心】

  • チェックイン・チェックアウト機能はマスト。確実にそこに着いていることがわかるとよい。登録制であることも必要。
  • 「小学生は何時まで」と設定してあると保護者には安心。子どもは楽しければいつまでもそこにいる。あまり遅くない時間に閉館時間が設定されていれば、大体の帰宅時間がわかる。

 

【本との接点】

  • 居場所にはなっても本と繋がらないのではないかという心配がある。子どもにとって本より魅力的なものがたくさんある。その中でどんな風に子どもと本を繋ぐかはすごく大きな問題。マンガだけでいいのか。テーマ展示など、魅力的な本の見せ方が必要。
  • 本を貸し出ししないというのをプラスに捉える。勉強するために本を読む、工作するために本を読む、目的を持たせて図書と結びつけるとよい。
  • 本がある居場所。本とどのように関わらせるか考えなくてはいけない。例えば初めて畑にいく前に絵本を読む。本の世界とリアルを繋げる。本の楽しみ方を変える。いろいろな絵本を読んで創造性が豊かになる、自分の世界が広がっていく。

 

【大人のかかわり】

  • この施設は一人でも友達でも家族でも利用できる状態が望ましい。低学年と高学年では違う。保護者がスペースにいてよいのかは検討の必要がある。
  • 見守る大人・施設に待っている大人・サポーターのスキルは要考慮。その人に会いに来たという子も来ると思う。
  • 基本的には子どもが主体で、そこに見守っている大人がいるという形だと保護者も安心する。
  • 3階の送迎保育ステーションとの連携が必要。保育園児と小学生の子どもがいる家庭は、保育園に迎えにいった後、学童保育にも迎えにいかないといけない。小学生がこども図書スペースにいれば、一緒に迎えにいける。働いている保護者が帰ってくる時間まで図書スペースにいることができれば、継続的に利用されるのではないか。その面でも見守りの人が必要。

 

【地域とのかかわり】

(ア)こども司書

  • フロアの見守りをこども司書にするのはどうか。
  • こども司書のOG、OBにサポーターになってもらうのもよい。
  • こども司書に本の選定させるのもよい。
  • 施設に安心する人がいたり、顔見知りの人間ができることが子どもの安心感につながる。
  • 何らかのつながりを持った市民の人と子どもとの接点を増やすことが大事。
  • イベントや講座の実施に協力してくれる人は、市内にたくさんいるのではないか。

(イ)こども事務局

  • 「こども事務局」の立ち上げは、本当にできたらすごいこと。子どもたちが今学びたいこと、知りたいことを本の展示だけでなく、専門家を呼んできたり、人と繋げたりできたらよい。それが子ども発信でできたら素晴らしい。
  • 子どもたちが主体的に運営を行うことができる仕組みとして、施設ができる前から子どもに関わってもらうとよい。どんな図書スペースにしたいか空間つくるところから。
  • 大人がお膳立てして仕切るのは面白くない。一人で来て中に入れない子の背中を少し押してあげたり、困っている子に声をかけたりするサポーターがいれば安心する居場所につながるのではないか。
  • 中高生がボランティアとして関われるチャンスがあるとよい。

 

【広報】

  • この施設を打ち出した時に周知ができるような計画をたてる。プレオープンなどを行うのはどうか。(例えば、ラコルタ柏のオープン時に行った子育てイベント)
  • 学校へ広報するだけでも十分周知になるのではないか。乳幼児であれば別の方法を考える。

 

【成果指標の設定について】

  • 5年を一つの目安とすると、方針が変わっても施設がなくならないようにKPI(重要業績評価指数)のようなものがほしい。
  • 子ども向けの目標は対外的な発信をしていくと思うので、予算執行や事業の優先順位を決める大人向けの目標を作る。成果や指標をもって戦略的に挑んだ方がよい。
  • 目標の人数(来館者数等)設定を行う。
  • (低所得世帯や共働き世帯などの)子どもを取り残さないことを目標にする。それがクリア出来たらイベントを行って来館者数を伸ばすことで両立ができるのではないか。意識が高い余裕のある家庭の子どもを施設に呼び込むことは、イベントを増やしていく等で後から取り組むことができる。
  • 新しい子が集まる居場所にするのか、同じ子が集まるような居場所にするのか。

 

【電子機器の取扱いについて】

  • ゲームは遊びと学びの境界が曖昧であり、取扱いが難しい。禁止事項を決めることは難しいため、決めるのであれば時間で分けるか、スペースで分けるしかない。
  • 親が口を出せない環境でゲームができることは子どもには喜ばれるが、親としては施設をそういった形で使用されるのはあまりよくない。
  • 施設でワークショップを行ったりしてゲームをやらなくて済むような場になれば一番よい。ゲームよりも熱中できるものがあればよい。
  • デジタル媒体は創造的に使ってもらいたい。例えば、動画を見るのではなく動画を撮る。せっかく集う場所ができるのだから自分たちのやっている遊びをもっと面白くするためにデジタルを活用にできたらよい。
  • ゲームでないリアルな遊びとあるが、ボードゲームもゲーム。「リアル」をどう考えるか大人側に問われている。子どもたちにとってはあまり変わらないと思う。一人で没頭してゲームをしている子と、グループで通信ゲームをしてその子たちなりの関わり方ができている子たちと、一緒ではない。デジタルとアナログの二項対立で語るのはもったいないと思う。
  • ゲームの大会を開催するなど、みんなで遊んだり、図書と繋げたりできればよいのではないか。

 

【その他】

  • 今後、設置計画が具体化していく中でも子どもたちの声を直接拾う場(ヒアリング)を継続して作っていくことが大事。
  • 子ども食堂や児童相談所へのヒアリング(他課との連携)をするべき。障害を持つ子どもの対応、家に居場所がない子の閉館時間の考慮するなど福祉的配慮を行う。
  • 1階~3階を利用していた未就学の子供が4階、5階を使用していくというサイクルで見るとよいのではないか。
  • フロアを年齢分ける場合の兄弟での利用の仕方。階が分かれてしまうこともある。
  • 子どもの家庭に関するデータに基づいて様々な家庭の実態を把握する。子どものユーザー像の作成を3パターン程度行い、来館する子どもや親が施設の中でどのように行動するのかシュミレーションをするのはどうか。

 

(10)その他

協議終了後に、委員から出た質疑等は以下のとおり。

【佐々木委員】先進事例や参考になりそうな施設があれば教えてほしい。

→(事務局)ティーンズを対象にしたスペースを持つ図書館は多いが、小学生の居場所機能を持つ図書館は思いつかない。図書館に限定しないならば、居場所機能としては文京区が展開するビーラボ(b-lab)がある。図書館ではないが子どもたちの居場所として有機的に機能しているのではないか。ビーラボ(b-lab)は、サークルを作ることができる取り組みを行っており、子どもたちが自発的に交流をするきっかけ作りを行っている。スタッフが育成されている施設である印象を受けた。

 

【下吹越委員】ティーンズの枠で考えると武蔵野プレイス。地下2階がティーンズのフロアで、大人は入ることができない子どもたちだけの場所となっている。スタジオやダンスブースがあり、ティーンズを対象とした本がフロア内に配架されているような構成となっている。武蔵野プレイスは有名な施設であるため、近所に住みたいという人が増えていると聞いている。先進的に子育て支援・子供の居場所事業に意欲的に取り組んだ図書館の事例として注目されている。今後ルール作りの際にも参考になると思う。

(11)閉会

5その他

次回の協議会は令和5年12月頃の予定

お問い合わせ先

所属課室:生涯学習部図書館

柏市柏5丁目8番12号

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