更新日令和5(2023)年1月27日

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令和4年度第2回柏市立図書館協議会会議録

1 開催日時

令和4年12月15日(木曜日)

2 開催場所

上下水道局401・402会議室

3 出席者

委員

岩永委員、笹間委員、羽村委員、宮島委員、藤田委員、高橋委員、吉原委員、三浦委員

事務局

宮島生涯学習部長、坂口図書館長、柳川統括リーダー、千田副主幹、芦澤副主幹、大里主査、深澤主任、沖本生涯学習課長、相川中央公民館長、田口文化課長

傍聴者

3名

4 内容

(1)開会

(2)部長挨拶

(3)会長挨拶

(4)令和4年度主要事業報告

資料に沿って事務局から説明、委員からの質問・意見は、以下のとおり。

【吉原委員】増尾町会民話の里づくりプロジェクトのメンバー構成は。

(事務局)増尾町会の方。柏市増尾地域ふるさと協議会で役職がある方も多い。地域活動の中心を担う方々。

【宮島委員】学校への情報提供を前提としたデジタル教材の作成は素晴らしいと思う。地元のデジタル資料は手に入りづらい。学校の端末でしかアクセスできないとなると公共性が低いと感じる。学校だけでなく、一般の方にも広く提供するなど、図書館が積極的にオープンにしていくとよい。

(事務局)一般の方にも公開できるように検討している。学校の授業で使う分にはいいが、一般の方に公開するとなると著作権の問題が出てくる。使用許諾があるデータを集めて学校に提供する予定。時間はかかるが、データを使って児童が作った資料を、地域の方に見てもらってより地域のことを理解してもらいたいと考えている。

【羽村委員】その他連携事業の事例は、通常の団体貸出とどのように区別されているのか。連携先はどのように決めているのか。図書館の担当者が変わっても、連携先とのやり取りが続いたり、連携先を増やしていったり、持続可能な仕組みにしていくためにどのような手段を考えているか知りたい。図書館が協力してくれることを知ったら、お願いしたい方は結構いると思う。協力依頼しやすい窓口ができるとよい。

(事務局)今のところ声をかけていただいた団体のイベントなどに協力という形で資料を提供している。団体貸出とは扱いを変えている。今まで図書館は外部との連携があまり積極的ではなかった。今の取り組みは試行錯誤中。今後持続可能な形でやっていくためにルールなどを整理していく。

【三浦委員】おはなし会などで図書館案内のチラシなどは配っているのか。図書館のPRも必要だと思う。

(事務局)チラシは配布していない。イベントなどに出向く際は、利用案内のパネルを立てて利用カードの作り方などを案内している。

【三浦委員】電子図書館サービスの開始について、他自治体の状況を見ると最初の利用は多いが、利用が下がっていく傾向にあるようだ。最初は約1万タイトル揃えるとのころだが、飽きられないように新しくてより良いものを選んで少しずつ増やしていけるとよい。電子書籍は図書館資料の蔵書検索との連動はするのか。

(事務局)今回導入するものは非連携版。連携版を採用すると、図書館資料の蔵書検索で紙と電子の書籍を両方検索することができる。今後、図書館システムの更新時に連携版に切り替えていけるようにシステム会社と協議していきたいと考えている。

【三浦委員】図書館に行かなくても電子書籍が読めるので、図書館に行かなくてもよいという風になってしまう。電子書籍と図書館資料が検索の時に連動していれば、今まで図書館に来なかった人が行くきっかけにもなるのではないか。図書館に来ない人をどう呼び寄せるか。偶然性。図書館に行く仕掛けづくりが必要。

【藤田委員】図書館に年間何回かkamonかしわインフォメーションセンターが企画したイベントや展示に協力してもらっている。その際は、図書館との連携がわかるようなパネル置いている。また、イベントや展示に訪れた方に声掛けして、展示本を読みたい方には図書館の案内をしている。図書館には様々な分野の本がある。興味のある本を買うだけでなく、期せずして本と出会うこともとても大事である。展示することによって、本をたくさん発見してもらって、図書館に誘客できればと考えて事業を行っている。

【羽村委員】電子図書館サービスの開始について。国立国会図書館など、既存の電子図書館サービスとの違いが知りたい。

(事務局)国会図書館のデジタルアーカイブは著作権保護期間が満了した資料や絶版本などで著作権者の許諾を得た資料。調べものや研究目的での利用が多い。今回開始する電子図書館サービスは、主に流通している本を提供する。より一般向け。

【三浦委員】柏市子ども読書活動推進計画の改訂について、デジタル化で学校では電子書籍の百科事典を使ったり、情報を検索したりする授業が展開されている。そこに公共図書館がどう関わるか。また、障害のある方にどう情報を提供するか。子どもと、子どもを支えている親という視点も必要。様々な方から意見をもらいながら作成していくことになる。

(事務局)今月中に詳細な資料を委員に送付し、第3回図書館協議会として意見を集約する。その後、教育委員会議に諮り、パブリックコメントを募集してから公開することを考えている。

 

(5)協議「柏市図書館のあり方」の考え方を市民と共有するために

資料に沿って事務局から説明、委員からの意見は、以下のとおり。

【笹間委員】図書館を必要としている人は、図書館に来る。そのニーズに応えるのか、今まで図書館に来なかった人を呼ぶのかによっても手法が変わってくる。そのあたりは明示していったほうがよいと思う。

学校図書館は図書館と連携して、毎年こども司書やビブリオバトル、おびコレなどを行っている。今年はそれに加えて、くまざわ書店柏高島屋ステーションモール店でビブリオバトルの展示をしていただいたり、夏休み調べもの相談カウンターで図書館指導員がレファレンスを受け付けたりした。そういった繋がりがすごくよかった。また、分館の機能が充実していっていると感じる。「柏の学校1.小学校ができた!」展示や「柏のむかしばなし」の展示など、いろいろな分館で見ることができた。今後も繋がりを発揮していけたらよい。

資料アの成果について、子どもの図書館活用を進めるのは未来につながる。今やっているマンデーライブラリーラボや夏休み調べものカウンターなどの事業は効果的だと思う。イベントなどで子どもを呼ぶこと、居場所になることが大事である。

【羽村委員】資料ウに「行政はサービスの提供者、市民はサービスの受け手というイメージを変える」とあるが、どういうイメージになったらよいのかよくわからない。何も考えなければ行政が何かやってくれるという思考になると思う。どう変えたらよいのかわかるとよい。

資料イについて、何も形がないところから、何かやってください、形をつくってくださいはハードルが高い。まずは何かミッションを立てて一緒にやってくれる方を集めてみる。何かプロジェクトをつくって、それをやって見せることが必要なのではないか。キーパーソンが必要なのはみんな承知していると思うが、一歩が大きすぎる。細かいステップが必要。市民大学みたいな市民が育つような仕組みがあればよい。

どのように図書館と関われるのか知らない人が多いと思う。いろいろな人が集まる場所に出かけて行って図書館の職員が「こんなことをやっています」「こんなことができるので声かけてください」という宣伝があれば、手を挙げてくれる人がいるのではないか。

地域資料に何が該当しているのか、どのように提供できるのか、利用できるのかなど見本が示されるといい。図書館と交流がある人から意見を聞いてフィードバックする機会があればよい。

毎回、主要事業報告の説明があるが、成果をあげたのかが今一つわからない。評価指標が整理されるとよい。例えば、このくらい交流が生まれたとか、こんなコラボレーションが生まれそうですとか、おびコレの展示期間中に本が何冊借りられたのかなどわかってもいいのではと思う。

図書館のことをずっと検討しているように見える。いろいろ動いているが外からだと見えない。それを外から指摘されると痛いのではないか。最近はあり方を踏まえた上でいろいろな事業をやっていると思う。それをそのまま拡大したらよいのではないか。きちんと整理してPRしていけば十分価値があることだと思う。

【宮島委員】「市民」をきちんと定義しないといけない。参画している人だけが市民ではないが、全市民となると全員にフィットするものはない。前提として議論をはっきりさせておく必要がある。

市民と行政の協働。ここで言われている市民の参画は、かなりアクティブな人が想定されている。市民と行政が垣根なく協働することは可能なのかと思う。実際に手が動かせる市民がいても、何も権限が与えられておらず実行に携われていないことがもったいないと感じる。アイディア出しだけでなく、実行の部分に携われる協働の仕方を今後考えていく必要がある。

自分事について、人が何かをしたい時には、内発的な動機付けと外発的な動機付けの2つがある。図書館でこれを考えると、内発的な動機付けで図書館に行こうというのは、本を読みたいとか情報にアクセスしたいという能動的な考えがすでに自分の中にある状態だと思う。そんな人はもう図書館に来ていると思う。外発的でもいいから図書館に来てもらえる人をどう増やすか。ハードの側面から考えることも必要だと思う。

情報発信については、図書館だけの問題ではない。行政サービスが市民に届いていないのがそもそもの問題。図書館だけでこの問題を考えるのではなくて、行政全体で情報発信は課題とすべきである。

デジタル化の進展について、紙の本がデジタル資料になったからといって、子どもがそれを読むようになるわけではない。デジタル化の進展イコール電子図書館サービスをやりましたというのは違うと思う。学校との連携が必要。学校図書館が用意していた各単元に則した資料を、図書館全体で提供できるようになる。一つの図書館が持っている資料を全体で共有できる。今後のあり方の一つになっていくのではないか。

【藤田委員】図書館に対して危機感を2つ持っている。一つ目は図書館の老朽化。大きい問題。何らかの手を打たないとそもそも足が向かない。二つ目は若者の読書離れ。若い人の生活パターンが変わっていて、自分の好きなものに時間を割くようになっている。Z世代から「コスパ」とか「タイパ」という言葉を聞くようになった。そんな中で読書はどうなっていくのだろうと思う。

kamonかしわインフォメーションセンターでは「シェアする本棚」を設置していて、そこに若い人も来ている。「シェア本クラブ」というボランティアがいて、月1回おすすめ本コーナーのテーマ決めや本棚の整理などの活動を行っている。それは図書館でもできると思う。分館の入り口で、集まった人が展示をするというのができると思う。市民の方が図書館と協働で何かをする入口になると思う。大型ショッピングセンターの空スペースなども利用できると思う。ポップアップライブラリーなどの移動図書館をやって、何の本を持っていくかからボランティアに運営をお願いしてもよい。参画した市民が届けたい本を置ける仕組みが楽しいのではないか。図書館は、待っているだけでなく出かけて行ったほうがよい。空スペースの解消、社会課題の解決にもなるのではないか。

協働する必要はあるのになかなか進まないのは、正面から進めるのが難しいから。「こういう形で一緒に協働しませんか」という一つの箱を用意してそこに入ってもらうという形がよいのではないか。ここに入るとこんな活動ができますとか、小さな箱をいくつも用意してやりたい人に集まってもらえればよい。そうすれば次の年からはいろんな提案が出てくると思う。

期せずして本と出会うことは大切である。みんなが図書館に足が向かないのであればみんなの足の向くところに出向く。活動が上手く回っていけば楽しくなる。そのような中でハードの話も出てくるのではないか。新しく建てるだけがハードの話ではない。

【高橋委員】福祉の領域と重なる。福祉に関心のない人にどうすれば「自分事」としてとらえてもらえるかと考える場面が結構ある。福祉は重くて暗いイメージ。興味関心の領域で地域づくりをやっている人たちにどう声をかけていくか。キーワードは「楽しい」「面白い」「かっこいい」など。そういう角度で福祉も考える必要があるという話が出ている。おそらく図書館を利用していない人にとって、図書館は「難しい」「静かにしなくてはいけない」イメージなのだと思う。実は貸出だけでなくこんな面白い機能がある、何かやってもいいという感覚があると、面白い発想が出てくるのではないかと思う。

自分事として捉えるアプローチとして、もともと関心がある方に向けた事業と、関心のない方に向けた事業を考える必要がある。関心のない方に向けた事業は、「楽しい」「嬉しい」から入って、気が付けば自分事になっていたというのが面白くなると思う。

建物の問題はすぐには解消できない。今の資源、条件から面白いことできないか、掛け算が出来ないかと検討したほうがいろいろなアイディアが出てくるのではないか。

【吉原委員】キーパーソンとなる方は、柏市にたくさんいると思う。もう一声、図書館からアプローチがあれば、図書館を舞台に何かやってみようという人がいると思う。学校図書館で働いている方が、書店でなく学校図書館を選んで働いている理由は、地域づくりやコミュニティの発展に寄与したいという気持ちがすでにあるからだと思う。キーパーソンを育てていくようなプロセスが必要になってくる。どのくらいキーパーソンになりうる方がいるのか、一度前向きに洗い出してもよいのではないか。自分はZ世代と呼ばれている。子ども読書活動推進計画について、若者がどこに入り込めばよいのだろうと考えてしまう。図書館を良くしようというだけでは若者は集まれない、何かもう一つ魅力に感じるものがあるとよい。まちのためにアクションを起こしたい、課題解決力を高めたいというアプローチを通せば意外と若者は集まるのではないかという期待がある。小学生、中学生、高校生や大学生の若者の力を使って、市民とキーパーソンをつなぎ合わせる、そんなソフトの人材として若者を活用してもらえればよいと思う。キーパーソンになりうる方々の洗い出し、世代ごとへどのようなアプローチが期待できるのかの洗い出しができれば、市としての魅力を高められるチャンスだと思う。

【岩永委員】自分の学校では、朝読書を月曜日と金曜日に行っている。給食の配膳の時間にも本を読んでいたりする。この時間は有効であり、本は身近である。ただ、こども司書がもう少し活用できないかと思う。今あるもののマイナーチェンジができないか。新たなイベントだとなかなか先に繋がらない。日常の中でどうやって身近にしていくか。今は、人は集うことに飢えているような気がする。図書館はイベントを頑張っていると思うが、世代を超えたものが提案できればよいと思う。

中学校の職場体験では、大人に関わる機会を子どもたちに提供しているが、子どもと関わる大人の笑顔もよかった。図書館も人が集ってニコニコできるのであれば、横でなく縦で世代を超えた展開ができればよいのではないかと思う。多世代を繋げる、身近なもの、人と人とが関わると新たな出会いや発見が出てくるのではないかと思う。

【三浦委員】ハードに関して、施設の建て替え等に関わった経験がある。ハードを主体に考えていくと設計会社に惑わされる。結果として中身がないものになる。不幸なことになりかねない。建物は最終的なものとして考えていく。何をやっていくのか、コンセプトについて事務局が十分準備をして考えていかなければならない。上手くいっている自治体とそうでない自治体の格差があるように感じる。ハードはきれいだけど中身がないところもみている。協議会で十分話し合いながらやっていければよい。

ソフトに関して、図書館はすべての本を持っている。逆に言えば本しかない。本で利用者を呼ぶのは大変だが、本を通じていろんな団体と繋がることができる。仕掛けづくりを図書館ができる。接着剤となれる。

こちらから出向いていけばよいと思う。地元でいろいろなことを経験している方がいるので、その方とコラボしてPRしていければよい。小さなイベントを通しながら地道にやるのがよいと思う。一発勝負ではだめで、大きなイベントではなく小さなものをたくさん行うのがよい。すべての市民が図書館に来るとは思えないので、誰をターゲットにするのか、核を決めて、その核を狙い目にして少しずつ広めていければよいのではないか。今来ている人を呼び水にして、少しずつ広げていけば、もしかしたら少しでも多くの市民が図書館を認識して、行ってみようかという気持ちになるかもしれない。理想を求めるのも大切だが、地道にやっていかないと、検討ばかりでないかという風になってしまうと思う。

(6)閉会

お問い合わせ先

所属課室:生涯学習部図書館

柏市柏5丁目8番12号

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