更新日令和4(2022)年2月3日

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令和3年度第2回柏市立図書館協議会会議録

1開催日時

令和3年12月24日(金曜日)

2開催場所

中央公民館4階集会室1・2・3

3出席者(委員)

  • 委員

三浦会長、丹間副会長、岩永委員、笹間委員、羽村委員、宮島委員、藤田委員、髙橋委員、佐々木委員

  • 事務局

宮島生涯学習部長、五津図書館長、柳川統括リーダー、吉岡副主幹、千田副主幹、田口副主幹、大里主任、木城主事、沖本生涯学習課長、山岡中央公民館長、田口文化課長

  • 傍聴者

2名

4内容

(1)開会
(2)挨拶
(3)報告事項

(ア)令和3年度主要事業報告(11月まで)
(イ)地域資料について

資料に沿って事務局から説明、委員からの質問・意見は次のとおり。

【羽村委員】収集対象となる地域資料は様々な形態があるが、写真、チラシ、電子データ等の収集は既に始まっているのか、それとも今後収集を進めていくということか。
→(事務局)現在も少しあるが、これから本格的に収集を進めていきたいと考えている。
【藤田委員】市内には伝統行事が多くあるが、記録映像等のアーカイブはどこが担うのか、どのように図書館で収集しようとしているのか。
→(事務局)存続の危機にある地域の伝統行事もあり、記録に残す必要があると考えている。この協議会で方向性等について議論したい。
→(田口文化課長)ご指摘いただいた伝統行事の保存対策を含め、「柏市文化財保存活用地域計画」を現在策定中である。どのような形で次世代に残していくのか、生涯学習部全体で取り組んでいきたい。

(4)令和3年度第1回柏市立図書館協議会のふりかえり
(5)協議内容

(ア)情報提供「地域の資料・情報センターとしての図書館へ」
慶応義塾大学文学部准教授福島幸宏氏
(イ)グループワーク

資料4ページで提示した「市の問題意識と方向性(以下の枠内)」について、情報提供を受けた気づきの共有と意見交換を行った。主な意見は次のとおり。
次回の協議会では、今回の意見を反映した「市の問題意識と方向性」について提示する予定。

1.「問題意識」についての意見

(1)世代交代等により、市民が保管している地域の歴史や様々な活動を記録した資料が次々に失われていることは、地域資料の収集の役割を担っている図書館として、重大な課題として認識。
(2)これらの資料を収集・整理して次の世代に引き継ぐことは、地域の図書館の使命。
(3)収集対象となる地域資料は、流通する書籍に限らず、様々な形態(写真・チラシ・冊子・電子データ等)があり、地域住民自身もその価値を認識していないこともある。このため地域住民をはじめ、多様な主体と連携した収集活動が必要。
(4)近年では、Webのみで発信される地域情報も多く、地域の活動記録や歴史を残すためには、デジタル情報への対応が不可欠。

(令和3年度第2回図書館協議会資料P.4)

  • 市内の伝統行事が、担い手不足等で存続が危ぶまれる。公的な記録・保存が喫緊の課題。
  • 人々の記憶(心の中)にあるものも地域の歴史。これをアーカイブすることも大切。
  • 地域の重要な資料は、地域の学校にも保存されていることがある。
  • 地域の伝統行事に携わる市民に、危機感を共有できる場が必要。
  • コロナ禍の中で、学校の卒業アルバムでは、検温や消毒している様子の写真も入れている。今の記録を残すことも大切。
  • アナログ資料のデジタル化と併せて、デジタル資料(地域の情報を発信するWebサイト等)のアーカイブも必要。
  • 柏市のホームページでは、少し古い記事にアクセスしようとしてもできない。行政側にデジタルアーカイブを受け入れる土壌があるか。

2.「方向性」についての意見

(5)この資料収集活動は、地域の再発見につながるとともに、地域住民の交流や地域への愛着などを醸成するきっかけとなり、地域づくり・人づくりの手段となり得る。
(6)また、収集した資料を活用した取り組み(館内での展示や、アクティブラーニングとの連携など)につなげるなど、事業に広がりを持たせ、より多くの人が関与する仕組みを構築していくことが重要。
(7)学術的な側面と、広く興味・関心を喚起する裾野を広げる取り組みの両面からの取り組みが必要。
(8)市内に分館が17館ある特徴を活かし、収集した資料(紙)は、その地域にある分館に集積し、各分館が地域情報の拠点として機能するよう取り組みたい。

(令和3年度第2回図書館協議会資料P.4)

  • 「地域の中の図書館」という発想が必要。
  • 未来に何かをつなげよう、伝えようという意識が薄れている。残してもらえたことへの感謝と自分たちの世代も残していこうという機運の醸成が必要。
  • 収集活動は、地域へのアイデンティティ形成につながる。
  • 地域情報の収集を地域の住民有志で行うことで、新たなコミュニティを結い直すきっかけともなる。
  • 収集活動を通じて、地域資料に携わる人材をを育成しながらアーカイブを構築していくことが、活動の持続可能につながる。
  • 社会教育という枠組みで、市民が収集活動に集い、活動することで育っていくというような可能性が考えられる。
  • 市民と協働で資料収集活動をしていくには、全ての活動を図書館で管理するのは困難であると思われる。市と市民ボランティアを結ぶコーディネーター的なハブになる人、もしくは組織を配置し、誰が何を担うか(アーカイブの仕組みづくり、収集、学校との連携等)を明らかにし、進捗管理も含め、活動を支援する必要がある。
  • コーディネーターを配置することにより、ボランティアや担い手が入れ替わっても、持続可能な活動になる。
  • 数年後、こうなりたいというビジョンや最終的に目指す方向を明らかにし、活動に取り組む方が持続可能な活動になる。
  • 定期的にシンポジウムや展示会等のイベントを開催し、活動そのものをPRする。
  • 分館を地域情報の拠点とし、その地域にしかない資料・情報の集約・発信を行う。
  • 情報を集約するだけでなく、資料の存在を周知し、発信していくことが大事だと思われる。

3.その他、今後の具体的な取組につながる意見・提案
(収集について)

  • お年寄りの昔語りの記録、オーラルヒストリーの聞き書きを、小中学生を主体に実施できないか。
  • この聞き書きにより、学校も含めた地域とのつながりを生み出すことができるのではないか。
  • 地域の高齢者への聞き書きは、非常に重要と感じているが、個人では活動が困難。
  • 地域の伝統行事について、現状の把握と、必要に応じて支援をするべき。
  • 古い民家を始末する際に、文化財担当課へ連絡してもらい、資料を預かるという仕組みづくりを提案したい。

(参加を促すための提案について)

  • 資料を収集・保存した後に、イベントや講座等で資料をPRし、ヒアリングを行ない、情報提供をしていくなど、アウトプットしていく必要がある。
  • 会議・座学のみでなく、参加し、手を動かせるフィールドを設けてほしい。
  • 資料解読プロジェクトなどを参考にする。活動に参加することによる満足感が大切。満足度を測る仕組みも必要。
  • 義務感ではなく楽しい取組とする。さらに「私たちの地域のため」という意識が大切。
  • メディアに取り上げられるような先進的なエッジの立った取組で図書館の存在をアピールする。
  • アーカイブ活動を循環型で考えた場合、子ども達を巻き込んで体験する仕組みが構築できれば、大人になってから、関わりを持つことも考えられる。
  • 分館ごとにテーマを特化した収集プロジェクトチームを作り、地域の人の参加を促す。
  • モデル事業をいくつかの分館で実施して横展開する。
  • アプリなどで気軽に地域資料の登録やタグ付けができると良い

(連携・役割分担について)

  • 地域資料収集事業には、色々な部署をまきこむ必要がある。
  • 図書館が担うことと、他の部署や組織に任せることの線引きをする。
  • 柏の古い写真を集め、展示している団体がある。こうしたところと連携し、活動を広げていければよいのではないか。
  • 収集の担い手はボランティアだけでなく、担当課と連絡調整するコーディネーターが必要。
  • ボランティアとは別に、コーディネーターを希望し、行政のプロジェクトに関わりたいという人は多い。
  • 地域の人材の育成とともに、地域資料をアーカイブしていくには、やはり専門的な知識とかスキルが必要だと思う。その機能を、他にアウトソーシングして行くという手法も考えられる。
  • 柏の17の分館は、本館のミニチュアではない。それぞれがどのような取り組みをしていくかということが重要。
  • 既に高柳分館や増尾分館で実施しているように、各分館に特色を持った地域資料収集を目指す。
  • デジタルアーカイブサイトの活用例としては、学校の授業の中で、GIGAスクール端末を使用して地域のことを調べることも目指せるのではないか。古い写真も今と重ならないと興味がわかないかもしれない。つながりが分かることが大切で、見せ方が問題になると思う。
  • 学校ではコミュニティスクールが進められている。地域資料の活用を通じて、図書館が地域と学校をつなげる役割を担うこともできるのではないか。

(その他課題等)

  • 地域情報の活用を図るためには、二次利用が可能な形での公開が重要。
  • 個人情報やセキュリティ対策にも留意が必要。ニーズや満足度を調べて収集活動を進めていく。
  • 地域の資料を集める際の基準は、既存の選書基準の運用か、新基準を作成するのか。収集するための基準・線引きが必要。
  • 資料の存在を周知するため、非図書資料も図書館システムで検索ができるようにするべき。
  • 幅広い図書館利用者のデジタル格差をどう埋めていくのか。
  • 既存の成果指標だけではなく、図書館の新しい存在価値を測る指標が必要。
  • 待ち受け型の情報開示で良いのか。発信して市民の支持を得なければ、将来的に厳しい財政状況のなかで、コストカットの要求に耐えられないのではないか。
  • 検討している地域資料のとらえ方が大人目線。子ども達のとらえ方は異なる。
  • 地域資料のデジタルアーカイブを進めるには、役割分担、組織づくり、仕組みづくりが必要。
  • 分館は狭いのでデジタル化は不可欠。
  • 持続可能になるように、一定の活動費等予算措置も必要になる。
  • 取組に着手するには、役所内での仕事の進め方がポイント。ミッション(ビジョン)の共有、ロードマップの作成、小さな実績の積み重ね、人を巻き込む、などプロジェクトデザインの発想が必要。
  • コンセプトメイクの議論には時間ががかるが、しっかり固めることができれば、その後が上手くいく。

(6)その他

【三浦会長】柏市教育委員会(文化課)が本年3月末(奥付)に発行した図書『明日話せる柏学』の紹介

(7)閉会

 

 

お問い合わせ先

所属課室:生涯学習部図書館

柏市柏5丁目8番12号

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