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更新日令和3(2021)年12月27日
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令和3年度第1回都市景観デザイン委員会会議録
開催日時
令和3年11月19日(金曜日)午後1時30分~3時45分
開催場所
柏市役所分庁舎2 2階 第1、2会議室
出席者
委員
- 柏市都市景観デザイン委員
池邊会長、岡本副会長、大津委員、佐藤委員、篠崎委員、塚原委員、大塚委員、田中委員、
室井委員
事務局
染谷都市部長、廣瀨都市部技監、松本都市計画課長、田口住環境再生課長、他6名
議題
(1)景観アドバイザー会議案件の紹介
(2)目抜き通りからつくる景観まちづくり
議事(要旨)
議題(1)景観アドバイザー会議案件の紹介
事務局から議題(1)の資料に沿って説明を行った。今年12月にオープンする「道の駅しょうなん」については、設計を担当したNASCA一級建築士事務所(以下、NASCA)から完工報告を行った。内容及び質疑応答は以下のとおり。
道の駅しょうなんの完工報告(NASCA)
- 平成29年1月に設計プロポーザルで選定され、基本設計、実施設計、工事管理を行ってきた。
- 手賀沼区域をアグリビジネスパークと捉え、道の駅しょうなんをそのエントランスゲートとする構想のもと新しい道の駅が単なる商業施設ではなく、公共性を持ち、多方面から来た人々にとって手賀沼区域を回遊するための出発の場や到着の場、出会いの場となり、空港や駅舎などの人が行き交う広場のような建築が相応しいと考えた。
- 平成29年度第2回柏市景観アドバイザー会議では、基本設計に関して、「広場と半屋外空間の関係性が途切れている」、「駐車場に緑の景観を作った方が良い」との意見があったため、これら意見を念頭に置きつつ、基本設計から実施設計を進めていった。
- 駐車場については、最終的にアドバイザーからの意見を反映して、歩行者動線を作りつつ、アスファルト舗装だけでなく緑を配置した。
- もともと四角いボリュームだったが、各方面どこから来てもゲートとしての構えを作るために、四角いボリュームを45度の構造軸を使ってカットしたデザインとした。
- 色は景観に配慮し、天候によって色味が変わり自然と調和するようなものが良いと考え、反射率の高いシルバーとした。
- 西側はスリットの窓で閉じ南はガラス張りだが、直売所の葉物に悪い直射日光を入れないように、西面や太陽高度等を考えながら、大屋根のリフレクトの光だけで天井面から内部空間を照らせる環境整備を行った。
主な質疑応答
- 事務局
景観上の観点から、建物の中で最もこだわった箇所があれば、教えてほしい。 - NASCA
農村地帯にボリュームのある建物を建築するという中で、元々建っていたいちごハウスのような家型と呼ばれる天井形状が連続する建築のデザインとしたところ。45度という構造軸を使いながら、色んなアプローチからのゲート性を作ることで、景観に加え、人々のアイレベルでの配慮も検討しながら進めていった。 - 池邊会長
設計者として運営に関して、このように使ってほしいなどの要望があれば教えて欲しい。 - NASCA
フランスやロンドンの駅では、ピアノが置いてあり、通りすがりの人が弾くと自然と観客が集まり音楽ホールのようになったりと、あらゆる使い方によって場所が劇的に変わる空間だった。この道の駅も、県外から来た人、地元の人、中高生の拠り所となり、公共性を持ちながら商業機能を超える活動が生まれることを願っている。 - 塚原委員
ヨーロッパの市場のような大屋根やアプローチ、洗練された躯体と窓の美しさが荘厳で、厳格な教会建築のような空間だが、意図して設計したものなのか。 - NASCA
以前別の道の駅の設計をした時に、割とニュートラルな建築としたが、商業が介入してきたときに空間が負けてしまったという反省点があった。そのため、道の駅しょうなんは、運用が開始され、野菜やポップなど色々なものが空間に入ってきた時にちょうど調和するように、商業と建築空間の構えとのバランスを考え、あえて教会よりな空間とした。 - 大津委員
この大きなオープンスペースであれば、フードショーやコンサート等の様々なイベントが出来ると思うので、市を巻き込んで広報活動をすると良いと思う。 - 篠崎委員
運用が開始されると、お手洗いサイン等の貼紙が壁や柱に貼られ、空間のデザイン性を下げてしまうことがよくある。非常に良い建築なので、そういったもので質を下げないようにしてほしい。 - 岡本副会長
当時のアドバイザー会議時点の計画からいくつか計画変更が為されているが、計画実施に至る過程で設計者として苦労した点、あるいは上手くいった点等があれば教えて欲しい。 - NASCA
基本設計から実施設計に移る中で、アドバイザー会議で意見があった広場側に開くということに関しては、設計者としても同様の思いがあったため、上手く担当課とコミュニケーションを取りながら、最終的に今の形態となり、設計者としてこの場所にこの空間が相応しいというところに落ち着けたことは良かった。
議題(2)目抜き通りからつくる景観まちづくり(意見交換会)
議題(2)の資料に沿って、事務局から説明を行った。また、池邊会長からニューヨークの事例紹介があった。意見交換や事例紹介の主な内容は以下のとおり。
主な意見
- 池邊会長
これまで携わってこられたプロジェクト等も含め、既成市街地の駅前周辺や通り沿いの景観について参考となる事例はあるか。 - 篠崎委員
横浜の元町ショッピングストリートの屋外広告物は、建物に対して大きさを決めたり、無彩色で統一したりではなく、歩行者目線でバランス良く配置されている。熊谷市は、ラグビーワールドカップの開催に合わせて屋外広告物ガイドラインを作成したが、その当時の案には、駅前での屋内側に掲出するものも含む窓面利用広告物、袖看板の設置を制限する内容が含まれていた。青森県の広告景観ガイドラインは、通りの幅員と看板から通りまでの距離でふさわしい看板や文字の大きさを決めており、景観のバランスというものが考えられている。 - 池邊会長
屋外広告物によって不動産価値が下がるという認識を所有者の方に持ってもらいたいが、商工会議所はどう思うか。 - 佐藤委員
袖看板、屋外広告物に関しては事業者と話す時の話題に上がらない。駅前もコロナの影響でお店が撤退し空き店舗が増えている中で、所有者は新しいテナントを入れたいという意識が先に立っているため、景観に対する視点が少ないのではないか。 - 塚原委員
篠崎委員からあった屋内広告物について、流山市、京都市は特定屋内広告物の条例があり、窓面から2メートル以内の屋内の広告も規制している。屋外広告物と屋内広告物をセットで規制していくことが重要である。
ニューヨークのマンハッタンは全て景観重点区域になっていて、お店を出すときのハードルが高く自治体の権限が強い。自治体の権限があった方が街がまとまってきれいになる。 - 大津委員
街路樹の剪定の方法を変えるだけでも街並みは良くなる。表参道は個性豊かな建物が多いが、けやき並木で統一感があってメインストリートとして認識されやすくなっている。美しい通りは街路樹や緑が重要となる。
ニューヨーク市の事例紹介(池邊会長)
- ニューヨーク市のハドソン川の流域は今まで治安が悪かったが、コロナ禍になってから艀を川沿いに作り、そこにベンチを置いたところ、利用者が多くなっている。手賀沼にもこのようなテラスがあると良い。
- 飲食店の工夫として、テーブルクロス、椅子、従業員の洋服をブルーとホワイトに統一している。そうすることで格調が高くなる。
- ソーシャルディスタンスの確保のため、草花が多く使われ、街中に緑が増えた。
- 人口芝を敷くだけでも広場となり、活用できる。
- ニューヨーク市と同様に柏市でも、屋外広告物、緑、建築物のデザインによっては不動産価値が下がるという認識をオーナーに持ってもらいたい。
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