食中毒発生・違反食品措置状況
柏市における食中毒発生状況(令和4年4月14日現在)
令和3年度食中毒発生状況
令和3年度食中毒発生状況
発生年月日
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原因施設
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原因食品
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病因物質 |
喫食者数 |
患者数
(死者数)
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令和3年10月30日
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飲食店営業
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当該施設が
調理した食品
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ウエルシュ菌 |
137 |
56(0)
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令和3年11月14日 |
飲食店営業 |
刺身の
盛り合わせ
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アニサキス |
2 |
1(0) |
令和2年度食中毒発生状況
発生なし
令和元年度食中毒発生状況
令和元年度食中毒発生状況
発生年月日 |
原因施設 |
原因食品 |
病因物質 |
喫食者数 |
患者数
(死者数)
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令和元年12月24日 |
魚介類販売業
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刺身 |
アニサキス |
1 |
1(0) |
主な食中毒について
カンピロバクター食中毒について
カンピロバクター食中毒とは?
最近になって発生件数が増え、注目されている食中毒菌です。ふだん鶏や牛などの腸に棲み、食品や飲料水を通して感染します。少量の菌量でも発症するので、大規模な食中毒になりやすいことから、学校給食や修学旅行などで集団感染もみられます。
カンピロバクターとは?
- 鶏や牛、豚などの家畜や犬などのペットから高率に検出されます。
- 少量の菌量でも発症します。空気にさらされると菌は死滅しますが、10度以下の低温でも長時間生存します。
感染経路は?
- 生の鶏肉や牛肉が感染源となることが多く、生乳などの畜産品や飲料水などから見つかった例もあります。また、犬や猫などのペット、ネズミなども保菌しているため、これらから感染することもあります。
- 家畜などの腸内に常在しているため、処理時に食肉が汚染を受けることがあります。
症状は?
- 感染から発症するまで多くは2日から7日かかります。下痢、腹痛、発熱、けん怠感、頭痛、吐き気などの症状が現れます。
- 幼児や高齢者など身体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがありますので、特に注意してください。
予防するには?
- 食肉などは早めに調理し十分加熱しましょう。
- 食肉などを冷蔵庫に保存するときは、他の食品とわけましょう。
- まな板や包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や漂白剤で殺菌しましょう。
- 使用水(井戸水の場合)の滅菌を十分しましょう。
ウエルシュ菌食中毒について
ウエルシュ菌食中毒とは?
原因施設としては、飲食店、仕出屋及び旅館など大量に調理する施設で多くみられます。そのため、1件あたりの患者数が多く、大規模発生になることがあります。
ウエルシュ菌とは?
- 人や動物の腸管内、土壌、下水、食品又は塵埃等自然界に広く分布しています。
- 食中毒を引き起こすウエルシュ菌は、熱に強い芽胞を作るため、高熱でも死滅せず生き残ります。
- ウエルシュ菌は、酸素が比較的少ない場所で増殖することから大量加熱調理後そのまま放置することで増殖してしまいます。
感染経路は?
- カレー、シチュー、スープ、肉団子等であり、特に食肉、魚介類及び野菜類を使用した煮物や大量調理食品で多く見られます。
症状は?
- 感染から発症するまで6~18時間(平均10時間)かかります。腹痛と下痢等の症状を引き起こしますが、発熱や嘔吐はほとんどみられません。
- ほとんどの場合、発症から1~2日で回復するとされていますが、基礎疾患のある患者、特に子供や高齢者ではまれに重症化することがあります。
予防するには?
- 調理食品をしっかりと加熱しましょう。
- 前日調理等はせず調理後は速やかに喫食しましょう。
- 保存する場合には、小分けするなどして速やかに冷却し、常温で放置するのはやめましょう。保存する温度帯は、10度以下または50度以上にしましょう。
- 温め直しなどの再加熱の際は、しっかりと温度を上げましょう。
ノロウイルス食中毒について
冬季を中心に一年を通して急性胃腸炎症状を起こすウイルスで、少量のウイルスでも発症します。
ノロウイルスとは?
手指や食品等を介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、嘔吐、下痢、腹痛などを起こします。
症状は?
- 潜伏期間(感染から発症までの時間)は24時間から48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。
- 子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐物を誤って気道に詰まらせて死亡することがありますので、特に注意してください。
原因食品は?
- ノロウイルスに汚染された二枚貝
- ウイルスに感染した食品取扱者から二次汚染された食品等
予防するには?
- 加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱(85度から90度で90秒以上)しましょう。
- 手洗いは、調理前、食事の前、トイレに行った後、十分に洗浄しましょう。
- 調理器具は、十分に洗浄し、次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌しましょう。
- ノロウイルス感染者の嘔吐物及び糞便には、ノロウイルスが大量に含まれることから、嘔吐物及び排泄物の処理には、次亜塩素酸ナトリウムを用いて迅速かつ適切に行いましょう。
- 使用水(井戸水の場合)の滅菌を十分しましょう。
アニサキス食中毒について
アニサキスが寄生している海産魚介類を生食することにより、まれにアニサキスの幼虫がヒトの胃腸壁に侵入します。このアニサキスによって引き起こされる食中毒のことを「アニサキス食中毒」といいます。
原因食品は?
- サバ、アジ、イカ、イワシ等。
- 刺身の他、酢漬けやしょうゆ漬け、にぎり寿司等が原因となる場合が多いといわれています。
症状は?
- 激しい腹痛。吐き気、嘔吐、蕁麻疹等の症状を伴う場合もあります。
予防するには?
- 十分加熱して下さい(加熱処理によりアニサキスは死滅します)。
- アニサキスは内臓から筋肉にも移行するので、魚を調理する際には早めに内臓を除去するようにして下さい。
- 内臓の生食を避けて下さい。
- マイナス20度で48時間以上冷凍すると死滅します。
- シメサバを作る場合、塩じめ工程でマイナス20度で48時間以上冷凍することも予防法の一つです。
クドアによる食中毒について
クドアによる食中毒とは?
近年、食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢が起こるが、軽症で終わる有症事例が報告されています。このうち、ヒラメを生食した事例について、国が行った調査の結果、寄生虫であるKudoa septempunctata(クドア・セプテンプンクタータ)(以下「クドア」という)が関与していることが強く示唆されました。
クドアはどのような寄生虫で?
- クドアは魚の筋肉に寄生する寄生虫で、ゴカイと魚類の間を行ったりきたりして寄生しているといわれています。
- ヒトには寄生しませんが、クドアが寄生したヒラメの刺身を食べた後に、一過性の体調不良を起こした事例が報告されています。
すべてのヒラメが問題となるのですか?
- クドアは養殖されたヒラメへの感染が確認されており、天然では感染する可能性は低いと考えられていますが、詳細は分かっていません。また、養殖であっても、寄生しているヒラメの率はおおむね低いとされています。
症状は?
- 食後数時間程度(4時間から8時間程度)で下痢、嘔吐、胃部の不快感などが認められるものの、症状は軽度であり、速やかに回復し、後遺症はないとされています。どのくらいの量を食べると症状を示すかは、現在のところ明らかになっていません。
- 発症した本人以外に、家族などから二次感染は報告されておらず、研究成果からも感染の可能性はありません。
予防するには?
一定の条件で凍結するか、加熱することにより病原性を示さなくなることが確認されています。
ザルコシスティス・フェアリーによる食中毒について
ザルコシスティス・フェアリーによる食中毒とは
近年、食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢が起こるが、軽症で終わる有症事例が報告されています。このうち、馬肉を生食した事例について、国が行った調査の結果、寄生虫であるSarcocystis fayeri(ザルコシスティス・フェアリー(和名:住肉胞子虫))が関与していることが強く示唆されました。
ザルコシスティス・フェアリーとはどのような寄生虫ですか?
- ザルコシスティス・フェアリーは馬の筋肉に寄生する寄生虫(原虫)で、犬と馬の間を行ったりきたりして生活しています。
- ヒトには寄生しませんが、ザルコシスティス・フェアリーが寄生した馬の肉を生(馬刺し)で食べた後に、一過性の体調不良を起こした事例が報告されています。
症状は?
- 食後数時間程度(4時間から8時間程度)で下痢、嘔吐、胃部の不快感などが認められるものの、症状は軽度であり、速やかに回復し、後遺症はないとされています。どのくらいの量を食べると症状を示すかは、現在のところ明らかになっていませんが、多数のシスト(注釈1)が寄生する肉を生食した場合に症状が出ることが報告されています。
- 発症した本人以外に、家族などから二次感染は報告されておらず、研究成果からも感染の可能性はありません。
(注釈1)馬の筋肉中に存在する袋状の構造物で嚢胞ともいう。住肉胞子虫の場合、犬に感染する虫体を多数内部に含む。
予防するには?
馬肉を加熱、又は冷凍することによって、ザルコシスティス・フェアリーによる食中毒のリスクを低くすることができるとされています。
(「ザルコシスティス・フェアリーによる食中毒を防ぐことが示されている冷凍処理の条件」中心温度マイナス20度で48時間以上、同マイナス30度で36時間以上、同マイナス40度で18時間以上、急速冷凍装置を用いた場合は同マイナス30度で10時間以上を保持、液体窒素に浸す場合は1時間以上保持。)
参考
さらに詳しく調べるには、次のホームページをご覧ください。
千葉県衛生指導課『食中毒関連情報』(外部サイトへリンク)