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市議会令和8年第1回定例会における教育行政方針
令和8年2月25日(水曜日)に開会した「市議会令和8年第1回定例会」において、次のとおり令和8年度に予定している教育委員会の主要な取組の概要について報告いたしました。
市議会令和8年第1回定例会教育行政方針
市議会令和8年第1回定例会の開会に当たり、新年度に向けた教育行政の主要な事項について、その方向性と概要を申し上げ、市民並びに議員の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
令和8年度は、本市教育委員会にとりまして、大きな節目となる年度であります。学校教育、教育環境、生涯学習、そして芸術文化の各部門において新たな計画に基づく取組がスタートする重要な年となります。各部門が相互に連携しながら、本市の教育行政を着実に進めてまいります。
はじめに、その部門計画等の策定について申し上げます。
まず、教育振興計画の策定についてです。
現行の第2次計画が令和7年度末までの期間であることから、現在、次期計画である「第3次柏市教育振興計画」の今年度末の策定に向けて、作業を進めております。
本計画は、本市の学校教育分野における部門計画であるとともに、令和7年3月に策定した「柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針」で示す内容を具現化していくための計画と位置付けております。
子ども主体の学びや連続性のある学び、多様な教育ニーズへの対応等、これからの柏市の教育に求められる施策を位置付けた上で、本市の「目指す子ども像」の実現に向けて、市教育委員会一丸となって取り組んでまいります。
次に、学校施設個別施設計画の改訂についてです。
本計画の改訂に当たりましては、「柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針」を踏まえ、昨今の教育環境の変化に的確に対応した施設整備方針となるよう、令和6年度及び7年度の2か年をかけて進めてまいりました。
また、検討に際しましては、学校施設の老朽化の進行状況や第1期計画の進捗状況を丁寧に検証し、児童生徒がより早く、より良好な教育環境で学べるよう、工事コストの分析や、今後求められる標準的な学校施設の在り方についても多角的に検討を重ねてまいりました。
その結果、令和8年度から始まる次期計画では、これまでの「長寿命化改良工事」を基本とする方針を転換し、「大規模改修工事」を柱としつつ、児童生徒が日々の学びを深める教室や学校図書館など、教育の核となる空間の機能向上に重点を置き、教育の質を一層高めていくことといたしました。
今後は、安全性の確保に加え、児童生徒が安心して学び、心豊かに成長できるよう、居心地の良さにも配慮した学校施設の整備を進めてまいります。
次に、生涯学習推進計画の策定についてです。
令和7年度までを計画期間とする「第4次柏市生涯学習推進計画」の基本的な理念を踏襲した改訂版の策定作業を進めております。改訂版では、目指す生涯学習像を「知の交流を通じて人と地域のウェルビーイングを実現するまち柏」と定め、市民が生涯学習を自分事として捉え、一人ひとりのウェルビーイングの向上と、豊かな人生が実現できる社会を目指してまいります。
楽しさや興味・関心を入口とした学びの「はじめるきっかけ」から、より深い学びに発展する「もっと知りたい、つながりたい」、生きがいや社会参加へとつながる「ひろく伝えたい、学びを活かしたい」まで、学びの循環を生み出す段階的な支援により施策を推進してまいります。
次に、芸術文化振興計画の策定についてです。
現在、年度末の策定に向けて作業を進めている「第六次柏市芸術文化振興計画」では、「地域に根ざした市民文化活動の育成と支援」「未来の文化創造を担う人材の育成」「柏の魅力を体現する芸術文化の創出と推進」を基本方針としていきます。
身近な場所で芸術文化に親しむ機会の充実や芸術鑑賞の機会の提供、地域とのつながり形成、次世代の活動支援、柏らしさを活かしたまちづくり等を通じて、これまで以上に日常的に文化を感じ、より一層の誇りや愛着、魅力を感じてもらえるまちを目指してまいります。
最後に、図書館再編構想の策定についてです。
柏駅周辺での中央図書館の整備検討や、柏の葉近隣センター及び沼南近隣センターの整備とともに、市全体の新たな図書館網の構築を検討します。これらを「柏市図書館再編構想」としてまとめ、令和8年度の策定を目指します。
この再編構想は、平成31年2月策定の「柏市図書館のあり方」が描く将来像を継承・発展させるものであり、令和8年1月には各種計画や図書館協議会でのご意見を踏まえ、策定方針を作成いたしました。
当方針は市としての方向性を示すものでもあり、これを踏まえ、市民の皆様のご意見やニーズを伺いながら、より良い図書館づくりを進めてまいります。
続いて、令和8年度の教育委員会の主要な施策について、その概要を申し上げます。
はじめに、小中一貫教育の推進についてです。
これまで市内の柏中学校区、高柳中学校区、柏の葉中学校区の3中学校区を研究協力校として指定し、それぞれの中学校区において、教育目標や目指す児童生徒像を共有しながら、学校生活における様々な課題について協議を行うなかで、小中学校の連携や小学校間の連携を通した実践を積み重ね、教職員間の共通理解を深めてまいりました。
今後は令和9年度からの全市的な小中一貫教育の実施を見据え、令和8年度においても、指導主事の伴走により、各中学校区の取組を丁寧に支援しながら、質の高い教育の実現に努めてまいります。
次に、柏中学校区における義務教育学校の設置についてです。
さきほど、市長の施政方針にもありましたとおり、近く地域協議会による「意見集約最終とりまとめ」が示される予定でございますが、令和8年度も、校名の決め方やその他の取組について、意見交換をしていただく予定としており、令和12年度の開校に向け、活発な協議をいただけることを期待しております。
また、市教育委員会といたしましては、子どもたちや保護者、地域の皆様が安心して開校を迎えられるよう、情報を広くお知らせしていくことが重要であると考えておりますので、出前講座型意見交換会や未就学児保護者向けの情報発信など、引き続き、積極的かつ丁寧な周知に努めてまいります。
なお、グラウンド等の先行工事は、既存校舎を運営しながらの工事となるため、学校を利用する生徒等の安全対策に細心の注意を図りながら施工を進めてまいります。
次に小学校への校内フリースクールの設置についてです。
学校へは通うことができるものの、自身の教室に入ることが難しい生徒が、安心して学校生活を送ることができるよう、市内全中学校に校内フリースクールの設置を進めてきました。併せて、生徒一人ひとりの状況に応じたきめ細かな支援を行うため、個別支援教員を配置し、令和5年度には体制整備が完了しています。
この取組により、教室以外の居場所を確保することで、生徒の心身の負担軽減や学校とのつながりの維持を図るとともに、一人ひとりに合わせた支援を行ってまいりました。
一方で、近年、不登校児童生徒の低年齢化が進んでおり、小学校段階からの早期支援の重要性が高まっています。こうした状況を踏まえ、これまで中学校で進めてきた校内フリースクール事業を小学校にも拡充し、不登校の未然防止と児童の健やかな成長を支える環境づくりを進めてまいります。
次に部活動の地域展開についてです。
少子化による子どもの活動環境の変化への対応や、学校における働き方改革の推進のため、中学校における休日の部活動の地域展開を開始し、現在は、元々土日に活動をしていた部活動の地域展開が完了しています。
今後は、中学生の活動の場を確保するだけでなく、従来の部活動にはなかった種目のクラブ立ち上げ、運営団体主催大会の充実、地域クラブが世代を超えた交流の場となるなど、部活動が地域へ展開されたことによる新たな魅力の創出に注力してまいります。
次に市立柏高校の魅力向上についてです。
現在、少子化や高校無償化の影響等により、全国的に公立高校の在り方が問われている中、市立柏高校においても、これからの時代にふさわしい姿を考える時期にきております。
将来においても地域に根差し、地域の子どもたちにとって「ここで学びたい」と思える魅力ある学校であり続けるために、様々な視点からの議論が必要であると考えております。
このような認識のもと、教職員や生徒、市教育委員会だけでなく、学識経験者や地域の声も広く伺いながら、国や他市の事例についても研究を重ねた上で、イチカシならではの特色や強みを打ち出していけるよう、検討を進めてまいります。
次に、スクールソーシャルワーカーの拡充についてです。
スクールソーシャルワーカーは学校現場からのニーズも高まっており、現在、市内全中学校区に配置しております。貧困、児童虐待、ヤングケアラーといった困難を抱える児童生徒に対しては、学校だけで支援を完結することは難しいため、児童生徒本人だけでなく、保護者をはじめとした家庭環境に対しての働きかけや、関係機関との連携・協働が必要不可欠です。
令和8年度においても、学校現場へのスクールソーシャルワーカーの配置及び研修を充実させることで、その専門性を高め,課題への早期対応に努めてまいります。
次に、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実についてです。
市立小中学校において、子ども主体の学びを推進するため、各校の課題や各中学校区で目指す姿を共有し、授業改善の方向性を明確にしていきます。その上で、学校が主体的かつ継続的に取組を進められるよう、伴走型の学校支援を行います。
また、各校の実態を踏まえ、児童生徒が自己選択や自己決定を重ねながら、主体的に学びを深めていく探究的な学びを重視した授業づくりを推進します。併せて、授業改善に向けた情報提供や研修の充実を図り、教職員の指導力向上と学校全体の教育力の向上を図ってまいります。
次に水泳指導等業務委託についてです。
小学校体育科における水泳指導として、令和7年度に民間委託を実施した市内40校では、天候に左右されることなく安定的に指導回数を確保でき、安全性の確保や泳力の向上等の教育的効果を上げています。
令和8年度には、水泳授業を自校で実施している小学校に対して指導者派遣を行うことで、市内全42校において、より専門性の高い授業の実施を目指してまいります。
次に日本語教育支援についてです。
日常生活や学習で必要な日本語指導を行う日本語教育支援につきましては、令和6年度から日本語教育コーディネーター、令和7年度から日本語教育支援員を配置し、年々増加傾向にある要支援児童生徒に対応するための持続可能な日本語支援体制の構築を行っています。
今後、グループ支援やオンライン支援、教室での入り込み支援など、多様な方法で柔軟に対応し、児童生徒が日本語の習得のみならず、日本の文化や習慣を理解するとともに、異文化間の相互理解を深めることのできる機会を提供してまいります。
次に、学校施設の老朽化対策と学校の教室不足対応についてです。
老朽化対策は、「学校施設個別施設計画」に基づき、施設整備を進めております。
令和8年度は、長寿命化改良事業として高田小学校の校舎改修を昨年度から引き続き進めていくとともに、増尾西小学校及び柏第五中学校の屋内運動場の改修に着手してまいります。
また、大規模改修事業として、名戸ケ谷小学校のほか、柏第二小学校及び富勢中学校の校舎の工事に着手いたします。
教室不足対応につきましては、学区内の児童生徒数の増加により、将来的に既存の校舎だけでは受け入れが困難となることが見込まれる小中学校において、増築校舎の整備等を行い、良好な教育環境の確保に取り組んでおり、令和8年度は、柏の葉小学校のグラウンド整備工事及び校舎増築工事に着手いたします。
次に、学校給食費の負担軽減についてです。
子育て世帯への物価高騰対策支援として、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を財源に、市立小中学校の給食費を助成いたします。
これにより、令和8年度は、小学校では、国の給食費負担軽減交付金と合わせ、完全無償化します。また、中学校では、質の維持のために給食費の改定を行った上、改定後の半額を助成いたします。
次に、生涯学習推進事業の地域展開についてです。
「誰もが学び続けられるまち」を目指し、近隣センター等の身近な公共施設を使い、世代ごとの興味や生活スタイルに合った講座を開催していくことで、誰もが学ぶ楽しさを感じられ、学びを通じて人が育つ環境を作ってまいります。
最後に、柏市文化財保存活用地域計画の推進についてです。
文化財の管理・保存に関しましては、今年度の茅葺屋根の葺き替えに引き続き、旧吉田家住宅における令和9年度の防災設備の更新及び炎感知器の新設工事に向けた実施設計を行い、防災機能の強化を図ってまいります。
関係団体・市民との協働に関しましては、多様な主体で構成される計画推進協議会においてそれぞれの取組を共有しつつ、互いに連携しながら、活動の活性化、地域の魅力向上に繋げる支援を行ってまいります。
引き続き、柏の先人たちが築いてきた貴重な文化財を次の世代につないでいけるよう、計画に基づき、保存・活用事業を展開してまいります。
以上、令和8年度の重点的な取組を中心に概要を申し上げてまいりました。
教育の目的は、未来を見据え、次の代へと確かに引き継いでいく人材を育てることであります。子どもから大人までの一人ひとりが学びを通して成長し、地域や社会を支える担い手となる「人づくり」を牽引するため、今後も「柏で学んでよかった、これからも柏で学び続けたい」と思ってもらえる教育を目指し、全力で教育行政の推進に取り組む所存でございます。
議員の皆様の今後一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げまして、教育行政方針とさせていただきます。
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