消防局長経営方針
令和5年度消防局長経営方針
基本理念
柏市消防局は、市民の消防需要に的確に対応するよう消防力の整備・充実を図り、各種施策を限られた財源の中で効率的かつ効果的に発揮し『市民の安全性を高める消防行政』を展開します。
令和5年度基本方針
市民が安心して暮らせる災害に強いまちづくりの実現に向け、大規模・特殊災害等を含む火災・救助事案に対応できる消防体制を充実、強化するとともに、今後も増加が見込まれる救急需要に対し市民・消防・医療機関が連携し、救命率の向上を目指す救急体制を構築する必要があります。
これらを積極的に推進していくためには、総合的かつ戦略的な消防行政を推進していく必要があります。
第一に、高齢社会の進展等に伴う救急出動の増加と、救急業務の高度化に対応する救急体制の充実強化を図ります。
第二に、大規模・特殊災害のほか、あらゆる災害に的確に対応する消防活動体制の強化を図ります。
第三に、立入検査や防火指導などを通じて、市民ニーズに的確に対応し、火災を未然に防ぐ予防対策の充実を推進します。
第四に、人材育成などに取り組み、組織力の向上を図り、市民が安心感を実感できる消防サービスを提供します。
- 救急体制の強化
- 消防活動力の強化
- 防火安全対策の強化
- 組織力の向上
重点施策
重点施策1
施策名 |
救急体制の強化 |
事業名 |
救急隊の現場活動時間の短縮 |
課題 |
出場から現場到着時間等が延伸傾向 |
取組 |
- 救急隊の適正配置
救急需要に適正に対応できる施策(救急車の台数、配置場所、急増する時間や地域の救急要請に対応する救急隊等)を検討し、救急体制強化を図ります。
- ICT技術の導入
ICT技術等の活用により、救急活動データを分析し、迅速化・円滑化を図ることで時間短縮を目指します。
|
重点施策2
施策名 |
消防活動力の強化 |
事業名 |
放水開始時間の短縮 |
課題 |
放水開始時間の迅速化(基準:消防力の整備指針)
|
取組 |
- 行動の迅速化及び消火戦術の展開
「消防活動力の強化方針」及び「柏消式・火災消火戦術」の展開により効率的な活動を行い、放水開始までの時間を短縮することで被害の軽減を図ります。
- 消防水利の整備
水利強化指定区域等の耐震性貯水槽整備計画を推進するとともに老朽化した消火栓などの適正な維持管理を推進します。
|
重点施策3
施策名 |
防火安全対策の強化 |
事業名 |
火災による死傷者の減少 |
課題 |
火災は減少傾向だが、住宅火災による死傷者は発生 |
取組 |
- 住宅火災による被害軽減
住宅用火災警報器の適正な維持管理と設置率の向上を推進するとともに、積極的に防炎製品の普及に努め、火災による被害軽減に努めます。
- 防火指導の充実
未来を担う子供達に対し、Web方式等を活用し、防災教育を行うとともに、高齢者の死傷者が増加傾向にあることから、高齢者の生活実態を踏まえた防火指導を強化します。
- 積極的広報の実施
ホームページやSNS等を活用し、事例等を提示するなど、市民にわかりやすい広報活動を展開することで、防火・防災意識の向上を図ります。
|
重点施策4
施策名 |
組織力の向上 |
事業名 |
市民の需要に十分対応できる職員の育成 |
課題 |
職員の経験値が全体的に減少傾向
|
取組 |
- 教育訓練の充実
災害態様の変化にも柔軟に対応できる、広範的かつ高度な教育訓練を実施し、多様性に富んだ人材を育成します。
- 多分野での活躍
OJT、SR等を通じ、コスト意識を常に持ち、倫理観や規範意識が高く、多分野で活躍できる知識豊かな職員を育成します。
|
-
推進事業
1.救急体制の強化
- 応急手当の普及啓発活動や市民によるAEDの積極的な活用を促進し、救命率の向上を図ります。
- 病気やけが等に対する予防対策を情報発信する予防救急をはじめ、高齢者施設との連携を推進します。
- 資器材の有効活用や職員の教育研修により、新興感染症などに対応できる体制を整備します。
- 救急安心センター事業や救急ワークステーション整備などの救急業務体制の充実・拡大を進めます。
- 将来にわたり安全で安心して暮らせるようGIGAスクールと連携し、若年層への救急教育を推進します。
2.消防活動力の強化
- 首都直下型地震や気候変動の急激な変化や自然災害の頻発化・激甚化等に伴う大規模自然災害対策を進めます。
- 消防力の充実強化を目的に、車両、資機材及び個人装備等を計画的に整備し、効果的運用を図ります。
- 迅速・安全・確実に災害対応を行うため、個人及び部隊の警防技術の向上を図ります。
- 災害態様に即した現場指揮活動を展開し、ドローン等を活用した有効な災害活動と安全管理の徹底を図ります。
- 災害時における消防団の救助活動向上のため、資機材を整備し、実践的な訓練を充実させます。
3.防火安全対策の強化
- 地震による通電火災予防のため、感震ブレーカー普及拡大事業を推進します。
- 未把握の重大違反対象物等について、戦略的に立入検査を実施し、市民が安心して暮らせるまちづくりを行います。
- 火災の原因及び損害を究明することで、原因に応じた出火防止対策の推進や消火活動の効率化に活用していきます。
- 継続した立入検査を実施し、危険物施設の維持管理指導や高経年化対策を進めます。
- 防火対象物の火災予防上の安全性を高めるため、消火隊等と連携し、重点化・効率化した査察体制を構築します。
4.組織力の向上
- 個々人の危機管理意識を向上させるとともに、基本的事項の遵守により、危機管理体制を強化します。
- 継続した職場内研修等により、コンプライアンスを遵守し、ハラスメントの防止を徹底します。
- 働く意欲や能力向上のため、仕事と生活の調和を推進し、職員の心身の健康管理を促進します。
- 利用者の利便性や業務効率向上のため、火災予防分野や各種手続きのDX化を推進します。
- 心身の疲労回復、事故防止の観点から、職員の適正な労務管理を行い、消防力の維持を図ります。