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更新日令和8(2026)年7月7日
ページID46171
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令和8年度柏市がん対策検討会議会議録
1.開催日時
令和8年5月25日(月曜日)
午後2時00分~3時30分
2.開催場所
ウェルネス柏4階研修室
3.出席者
(検討会議構成員)
坂本委員、豊島委員
小倉健康医療部長(議長)、齊藤健康増進課長、小林担当課長、岡田係長、篠田主事、大滝地域医療推進課長、林課長補佐、高齢者支援課竹本担当課長、野村係長、小出地域包括支援課長、中渡主査、星母子保健課長、磯村係長、障害福祉課野村担当課長、野口産業政策・スタートアップ推進課長、新山係長、麻生指導課長、佐髙課長補佐
(市議会議員)
岡田智佳議員、古川隆史議員、山田一一議員
(事務局)
宗得健康政策課長、野口課長補佐、棚田課長補佐、齋藤係長、長谷川主任、南部主事
4.議題
(1)令和7年度取組状況及び令和8年度がん対策実施予定について
ア各病院からの報告
イ各部署からの報告
ウ質疑応答
(2)情報共有及び意見交換
頼れる身寄りがないがん患者への支援体制について
5.議事
議題(1)令和7年度がん対策実施状況及び令和8年度がん対策事業スケジュールについて
ア各病院からの報告
(坂本委員/国立がん研究センター東病院がん相談支援センター)
資料1に示すとおり、当院サポーティブ相談部門は2004年頃の開設以来、20年余が経過し、今年度の新規相談者数は8,500名を名を超える規模となった。政策的な動きやがん相談支援センターの認知向上の影響もあり、相談件数が増加したと認識している。
相談者の年齢構成では、70代以上の高齢者の増加傾向が続いており、診療の進歩に伴い開腹手術がほぼ不要となるなど、高齢であっても施設内での治療が可能な患者が増えている。なお、90歳以上の患者については延べ件数で200件を超えるが、個別の患者数ではないことに留意が必要である。
AYA世代(18歳以上)の相談者は全体の5%で、全国平均とほぼ同等である。当院では小児科病棟を有していないため、小児患者は含まれていない。
初回相談時の状況として、全患者に対して相談支援センターの案内を行う体制が浸透しており、初回治療前や抗がん剤治療開始時点で相談する患者が増加している。
スライド5では、治療場所別の相談状況を示している。外来通院中の患者の来室が増加している背景には、初診時に外来看護師が「療養生活に関する質問表」を活用して対話を行い、がん相談支援センターを案内する体制の整備がある。質問表では、身体面・精神面・生活面・ピアサポートなどの多様なニーズを確認している。これにより、診断直後や治療中の患者が自らがん相談支援センターを訪れるケースが増えている。
第4期がん対策推進基本計画においては、拠点病院に初診から治療開始までに一度はがん相談支援センターを利用する体制が望ましいとされ、第5期では必須とされる見込みである。当院では、全患者ががん相談支援センターを利用する体制づくりが今後の課題となっている。
居住地別の相談状況では、柏市が12.7%と例年通りであり、大きな変化は見られない。相談内容も概ね例年と同様であるが、相談時期が早まる傾向はある。治療開始前に「将来の療養場所」や「他患者の事例」などを知りたいと考える患者もおり、相談ニーズは多様で例年と同様である。
トピックとして、AYA世代対象の「AYAカフェ」は一昨年から開催されており、昨年度からオンラインも併用して定着している。参加者は5~6名程度で、同世代の患者同士が気軽に交流できる場となっている。生活上の情報共有や、ウィッグ助成金の活用事例なども自然に共有されている。
その他、従来より定着している活動として「がん患者のための総合支援セミナー」(オンライン)や、地域医療連携の情報交換会(昨年度はパネルディスカッション形式)などがある。昨年度の参加医師としては、柏れんげクリニックの成毛先生、こすもす訪問看護ステーションのワーファ所長、乳腺クリニック長瀬外科の長瀬先生などが参加した。
今年度の予定としては、地域医療連携のための情報交換会第1回を7月30日に開催予定。オープンキャンパス・市民公開制度は10月10日に開催予定で、ブラックジャックセミナー(小学生対象の模擬手術体験)も実施する。その他、「リレーフォーライフ2026」に相談ブースを展開する予定である。
(豊島委員/東京慈恵会医科大学附属柏病院がん相談支援センター)
資料2に基づき報告を行う。令和7年度の相談件数は1,260名であり名であり、前年度比約30%の減少となった。この要因として、昨年度開設した「がん看護外来」の影響が大きいと考えられている。がん看護外来では、婦人科・放射線科領域の患者に対し、認定看護師やがん化学療法認定看護師、緩和ケア認定看護師が、それぞれ治療選択、症状緩和、意思決定支援等の専門的な相談対応を実施している。これにより、従来相談支援センターで受けていた一部の相談が外来機能へ移行したと推察される。なお、がん看護外来としての対応件数は約260件であり、総体としては従来と同程度の相談量が維持されていると評価できる。
相談者の居住地構成については、例年と大きな変化はなく、柏市の割合も概ね同水準で推移している。相談対象は自院通院・入院患者が大多数を占めており、匿名相談を含む院外からの相談も一定数受けていることから、がん相談支援センターとしての機能は維持されていると考えられる。
年齢構成では高齢化の傾向が顕著であり、70代・80代の割合が増加しているほか、90代の相談者も1%程度出現している。AYA世代は減少傾向にあり、当院では小児科の専門のがん治療の機能がないため、専門的治療を新橋の本院で受けるケースも多い。一方で50代の相談者は増加しており、要因の一つとして、就労世代である40代後半の方々が年齢経過に伴い50代へ移行していることが考えられる。
相談内容としては初発が中心であるが、再発・転移時点での相談も増加している。総合病院という特性上、診断直後にがん相談支援センターへ直接アクセスすることに心理的ハードルを感じる患者も多く、外来における情報提供は行っているものの、来室への敷居の高さが課題として認識されている。
その対応として、外来においてスクリーニングシートを活用し、身体的・精神的苦痛の把握を行うとともに、その情報を相談支援部門と共有する体制を構築している。入院後には相談員が訪問するなど、早期介入と意思決定支援の強化を図っている。
地域活動としては、コロナ禍以降縮小していた市民公開講座を再開し、オンデマンド形式等も活用して実施している。また「がん講演会『がんと共に歩む会』」を再開し、昨年度は偶数月で3回開催、各回延べ35名程度の参加があった。今年度は4月より再開し、次回は「からだと心を支える栄養」をテーマに開催予定である。
さらに、長年継続している「Aloha会(がん・緩和ケア交流会)」についても継続的に実施している。患者・家族を対象とし、就労復帰や社会生活への適応などを共有する場として機能している。コロナ禍以降はオンライン併用のハイブリッド形式を導入しており、対面参加が中心であるものの、体調不良時や遠隔参加のニーズにも対応していきたいと考える。
一方で、参加者の高齢化が進んでいることから、AYA世代を含む多様な年齢層への対応という観点では、新たな患者会等の企画が今後の課題として認識している。
AYA・若年世代への支援については、専門治療施設ではないものの、子育て中の患者や就学児童を持つ患者からの相談は一定数存在する。キャンサーペアレンツやホープツリー等の支援団体情報を提供しつつ、学校との調整や生活支援に関する助言を行っている。
近年は、患者本人の治療と並行して、子どもの不登校や家庭内課題を抱えるケースも見られ、親の療養と子どもの支援を同時に調整する必要性が高まっている。ソーシャルワーカー等と連携しながら、家族全体を支える支援体制の構築が今後の課題として挙げられる。
(事務局)
柏厚生総合病院の報告は事務局が資料3を用いて報告(代読)する。
令和7年度の実績としてがん相談支援センターの相談受付状況は、月約20件程度である。血尿内科・腫瘍内科医の退職に伴い減少傾向にある。
相談者の7~8割が柏市民であり、70歳以上の高齢者が多い。
利用時の治療状況では入院患者は消化器外科疾患、呼吸器外科疾患の患者が多くを占めるており、外来患者は乳腺外科の患者も多い状況である。
治療状況については化学療法や手術、緩和ケアへ移行する患者と様々となっている。
相談内容の内訳は、緩和ケア病院への転院調整、在宅ホスピスへの入所調整、在宅での療養環境の調整、訪問診療や訪問看護の手配、などがあげられる。
その他地域における活動等についてでは、講演会や公開講座について現在検討中である。なお、令和7年度は未開催。
若年(小児、AYA世代)がん患者への支援については若年がん患者やその家族からの相談件数はほとんどない。
イ各部署からの報告
(岡田委員/健康増進課)
令和7年度においては、がん検診受診率の向上を目的として、がん検診事業全体の見直しを実施した。なお、令和7年度実績は確定前であるため、現時点での暫定評価としての報告である。
制度改正の主な内容として、「1登録制の一部見直し」。従来、社会保険加入者については職域検診等の受診機会があることから登録制としていたが、市民にとって手続きが煩雑であるという課題が指摘されていた。このため、国民健康保険加入者等を対象に登録制を撤廃し、登録の有無に関わらず案内を送付する方式へ変更した。また、登録はがきについても見直しを行い、個別検診申込から「受診する・しない」の選択方式へ簡素化した。
「2自己負担額」については、検査費用の30%から15%への引き下げを実施し、受診者負担の軽減を図った。
「3女性の受診環境整備」として「レディース検診」を新設した。子育て世代の受診者から寄せられた負担感(複数回の来院や一時保育確保の困難さ等)を踏まえ、1日で複数のがん検診を受診可能とする体制を整備した。また、会場内に子ども預かりブースを設置し、スタッフによる見守り支援を実施した。
「4啓発・受診勧奨事業の拡充」も併せて実施した。
令和7年度実績(2月末時点)として、全がん検診受診者数は令和6年度比で9,608人増加している。
レディース検診については、受診者の約7割が乳がん・子宮頸がん・大腸がんの複数検診、または乳がん・子宮頸がんの組み合わせで受診しており、乳+大腸、子宮+大腸を含めると約8割(80.8%)が複数検診を効率的に受診している状況である。
また、新規受診者の掘り起こし効果も確認されており、子宮頸がん検診受診者の約半数、大腸がん検診受診者の約7割が新規登録者であったことから、未受診層へのアプローチとして有効であると評価できる。
利用者アンケートでは、レディース検診の継続利用意向について約9割が「また利用したい」と回答しており、特に「複数検診をまとめて受けられる利便性」の評価が得られた。
また、事前連絡なしで子連れ受診が可能な検診についてもアンケートを実施し、継続継続利用意向について、ほぼ全員の方が「また利用したい」とご回答があった。加えて、子連れ受診が受診行動のきっかけとなったと全利用者が回答しており、忙しい子育て世代が受診しやすいがん検診の環境整備につながったと考えられる。
さらに、柏市公式ホームページのがん検診特設ページを新設について報告する。
検診種別・予約方法・費用等へのアクセス性を改善するとともに、FAQを充実させ、「子ども同伴の可否」など受診を妨げる疑問点の解消を図った。
これらの取り組みを踏まえ、令和8年度においても引き続き受診しやすい検診体制の整備を進めていく方針である。
(磯村委員/母子保健課)
令和7年度の取組状況について報告をする。
母子保健課では、子育て世代への健康啓発およびがん予防に関する母子保健事業を実施している。令和7年度の主な取組は【資料4】のとおりである。
「1乳幼児・子育て世代への受動喫煙対策の普及啓発」
母子健康手帳交付時に全数面談を実施し、その場で個別指導を行った。また、幼児健診の育児相談において、喫煙者に対してリーフレットを用いた受動喫煙防止の啓発を実施した。
「2生活習慣病予防に関する啓発活動」
望ましい生活習慣の形成、バランスの取れた食事、歯と口腔の健康づくりなどについて、母子保健事業の各機会を通じて啓発を行った。
「3治療から緩和ケアまでの支援」
小児慢性特定疾病医療支援事業において、令和7年3月末時点で受給者は372人、そのうち悪性新生物は37人であった。新規申請および継続申請時には自立支援員による面接を実施し、保護者の養育上の困りごとや不安について専門職が相談支援を行っている。
(大滝委員/地域医療推進課)
令和7年度の取組状況について【資料4】に基づき報告をする。
当課の事業は主に「治療から緩和ケアまで」および「地域相互支援」の枠組みに位置づけられるものであり、本日は主な2点について報告する。
1点目として、「治療から緩和ケアまで」における在宅医療体制整備についてだが、豊四季台にある柏地域医療連携センターを拠点として、がん患者を含む在宅療養者への医療提供体制の整備、関係団体の連携強化、人材育成研修等を実施している。
令和7年度の取組として、まず医療・介護に関する相談・情報提供があり、地域包括支援センターが主な窓口となる中で、地域医療推進課でも対応を行っている。令和7年度の相談件数は225件であり、そのうちがんに関する相談は22件であった。
次に、市民向け啓発・勉強会として「かしわ元気塾」を実施している。市民公募による実行委員会、柏市医師会および市の協賛により運営され、在宅医療の普及と健康増進を目的とした講座を開催している。また、在宅医療情報誌「わがや」を年2回発行し、市民への情報提供を行っている。
さらに、出前講座や在宅医療・介護をテーマとした映画上映会「映画ピア特別上映会」も実施した。
在宅医療が必要な患者への調整・支援については、主治医不在の場合等に医療調整を行う仕組みであるが、地域包括支援センター機能の充実により、現時点では対応事例は発生していない。
医療・介護連携強化については、柏市医師会の協力のもと多職種連携会議等が多数開催され、課題検討が継続されている。今後も令和8年度に向けた見直し・振り返りを行いながら継続実施する方針である。
2点目として、「地域相互支援」における患者家族の自助グループ支援について報告する。
グリーフケアの会や、一般社団法人がん哲学外来などの活動に対し、会場提供等の支援を行っており、いずれも月1回程度の定期開催を継続している。今後も引き続き支援を継続する方針である。
(佐髙委員/指導課)
令和7年度のがん対策における学校での普及啓発事業について【資料4】に基づき報告をする。
当課の主な取組は、「小中高等学校への普及啓発」である。健康増進課より提供された資料を基に、「サードハンド・スモークから子どもを守ろう」というテーマで、小学2年生の保護者向けに学校連絡を通じた周知を行い、普及啓発を実施した。また、「柏ノースモッ子新聞」においても、受動喫煙防止に関する情報を掲載した。
小中高等学校における体育科・保健体育科の授業では、適切な生活習慣の習得、健康診断による早期発見、疾病の回復に関する学習を実施している。加えて、柏市医師会作成の動画を学校で周知し、薬剤師会や予防センターと連携した禁煙防止啓発講演も行った。
令和元年度以降は、対象を子どもを取り巻く大人にまで拡大し、保護者の参加も呼びかけている。
令和8年度のスケジュールについては【資料5】に示すとおりで、学校での啓発活動を中心に、県の授業も含め外部講師を活用し、質の高いがん教育の実施を予定している。
(南部委員/健康政策課)
令和7年度の取組状況について【資料4】に基づき報告をする。
「1相談支援・情報提供体制の整備」
柏市民向けの「がんサポートハンドブック第14版」を作成し、本日参考資料として配布した。
本冊子は、がん患者やその家族が必要とする情報をまとめたもので、「がんになってもその人らしく、住み慣れた地域で安心して暮らせる」ことを支援することを目的としている。市内の医療機関や関係機関、庁内関係部署に配布し、必要な方への案内を進めている。
「5柏市がん患者ウィッグ等購入費等助成制度」
本制度は、抗がん剤治療による脱毛や乳がんによる乳房切除など、外見の変化があった方がウィッグや胸部補整具を購入またはレンタルした際に、その費用の一部を助成するものである。
令和5年度は118件、令和6年度は261件、令和7年度は298件の利用実績があり、必要な方への周知により利用者が増加している。
「6若年がん患者在宅療養支援事業」
この事業は、若年がん患者が住み慣れた自宅で最後まで自分らしく安心して生活できるよう、在宅療養にかかる費用の一部を支援するものである。利用実績は、令和6年度が3件、令和7年度が23件である。
最後に、令和8年度のスケジュールについて【資料5】に基づき説明をする。
国立がん研究センターや医師会との連携に基づくがん施策啓発の調整会議を実施予定である。また、健康増進課からの報告のとおり、今年度より市のHPでがん特設サイトを公開し、啓発動画の公開に向けて、国立がん研究センター東病院及び柏市医師会の協力を得て進めている。
ウ報告に対しての質問・意見等
(古川隆史議員/市議会議員)
がん検診について、受診者が大幅に増えた要因の中で、どの取り組みが最も効果を生んだか知りたい。
(小林委員/健康増進課)
分析はまだだが、レディース検診の効果が大きいと考えられる。登録開始から予約までの短期間で好評を得た。アンケートでも、「子どもがいても受診できる」「複数の検診をまとめて受けられる」といった声が多く、受診率向上に寄与したと考えられる。
(古川隆史議員/市議会議員)
働く方や子連れの方にとって、まとめて受診できる環境は大変ありがたい。近隣の自治体では「まだまだ難しい」というような声もあるようなので、個人的には良かったと感じる。
二つ目の質問は、職場での治療と就労の両立支援について。法律改正もあり、柏市ではどのような支援を行っているのか。また、中小企業での実施は難しいのではないかと思うが、状況はどうか。
(齊藤委員/健康増進課)
市内61事業所に対して、健康に関する情報提供や講座、健康グッズの貸出を行っている。がんに関する支援についても情報提供を含め、今後検討していきたい。
(野口委員/産業政策・スタートアップ推進課)
病気でも働き続けたい方を支援する千葉産業健康支援センターがあり、労働者本人や企業側の支援を行っている。市としては、直接支援するより、こうした機関への案内を行う形となる。
(古川隆史議員/市議会議員)
市が窓口になるのは難しいかもしれないが、中小企業では支援を受けにくい現状がある。情報提供だけでなく、進める主体として市が関わる必要があると考える。
(山田一一議員/市議会議員)
がんに罹患した瞬間から、家族の将来設計や生活設計まで含めて、柏市が相談窓口を整備していることはありがたい。
また、自己負担額の見直しや若年層向けレディース検診など、柏市独自の施策は手ごたえがあるのではないか。市民にとっても「柏市に来て良かった」と感じられる取り組みだと思う。
さらにお尋ねしたいのは、人口減少の中で職場復帰や働き方に関して、日本人の体質や状況に変化はあるのか。
(坂本委員/国立がん研究センター東病院がん相談支援センター)
体質に関する情報は持ち合わせていないが、がん医療自体が複雑化しており、治療経験者の状況も複雑になっている。
治療後も副作用が長く続く場合があり、長期生存者の就職やキャリアに不安が生じる。
治療の初期段階で遺伝子解析が進み、遺伝性がんの可能性が分かる場合があり、その情報を聞くか聞かないのか、またその情報を自身の子どもに伝えるのか伝えないのか等、情報の伝え方や倫理的な判断も必要。
医療現場では多職種による連携が不可欠であり、相談支援も現場での対応が重要。長期サバイバーへの支援体制はまだ十分ではなく、地域全体で効率的に支援できる体制の構築が求められている。
(豊島委員/東京慈恵会医科大学附属柏病院がん相談支援センター)
相談業務を通じて感じるのは、高齢化や複数がん患者の増加などで、日常生活のサポートが難しくなっていること。
核家族化により、近くで支援してくれる家族がいない場合が多い。
サービス利用には金銭的制約もあり、使える支援が限られる場合がある。
可能な限り患者が望む生活を支援できる方法を考え、相談に基づいて対応しているが、支援の難しさが増していると感じる。
(山田一一議員/市議会議員)
制度設計はできて、行政の方でも一生懸命やっていると思うが、やはり医療の担い手不足についてを確認したい。制度設計は整っていても、現場で専門的支援にたどり着ける人材が限られているのではないか。
(坂本委員/国立がん研究センター東病院がん相談支援センター)
外科医の減少が進んでおり、国もすでに推計を出している。
従来はどの地域でも同等の医療を受けられることを目指していたが、厚労省が拠点病院の集約化を進め、地域によって求められる機能が変わったため、国立がん研究センターと大学病院では対応すべき内容が異なる。
それでも相談支援センターは現状、どの病院にかかっていても無料で利用可能で、全国から相談が来ることも踏まえ現状を維持していく方針である。
(豊島委員/東京慈恵会医科大学附属柏病院がん相談支援センター)
スタッフ不足は共通の課題だが、病院としての役割を果たすために必要な情報をスタッフが習得できるような研修を院内で立て、大学病院でしか受けられない治療と地域住民の相談支援を両立させるようにしている。
現有の人材を最大限に活用しながら、新たな人材育成も課題として認識している状況。
(坂本委員/国立がん研究センター東病院がん相談支援センター)
補足として、遠方患者への対応について言及したい。治療対象が広域化する一方で、患者自身の高齢化により移動負担が増している現状を踏まえ、今後はオンライン支援の活用をさらに進める必要があるとの認識である。
山形県鶴岡市との連携協定に基づき、オンラインでのセカンドオピニオンも継続的に実施しているほか、遠隔アシスト手術により、現地と院内をつないだリアルタイム支援も行っている。こうした遠隔医療の仕組みを柏市における支援にも応用できる可能性があるのではないか。
(2)情報共有及び意見交換
頼れる身寄りがないがん患者への支援体制について
(棚田委員/健康政策課)
今年度の意見交換のテーマとして「頼れる身寄りがないがん患者への支援体制」についてを協議する。単身世帯の増加や家族関係の多様化を背景に、支援を担う親族がいない、あるいは遠方や関係性の希薄化により実質的な支援が得られない患者が今後さらに増加していくとの認識である。そのうえで、医療機関単独ではなく、行政、相談支援機関、介護・福祉、地域関係機関が連携しながら支える体制の重要性を共有し、現場での課題や必要な支援について幅広い意見交換を求めたい。
(坂本委員/国立がん研究センター東病院がん相談支援センター)
身寄りのない患者の実態について、単純に「いない」ケースだけでなく、家族が遠方にいる、疎遠である、あるいは若年であっても家庭内に複雑な事情を抱えるケースが含まれる。外来中心の治療が増える中で、治療後の生活を支える主体が不明確となる場面が増えており、金銭的制約も含めて必要なケアにアクセスできない現状がある。
さらに、医療を契機として家庭内の問題が顕在化し、医療・介護・福祉・子ども家庭支援など複数領域にまたがる課題へと発展している。現状の会議体では分野ごとの連携は一定進んでいるものの、担当部局を横断した連携や顔の見える関係性はまだ十分とは言えず、実務レベルでの情報共有のしやすさに課題がある。
そのうえで、既存の「顔の見える関係会議」を基盤に、テーマ別の深掘りや拡張的な意見交換の場を設けることで、今後の連携強化につながる可能性があるのではないか。
(豊島委員/東京慈恵会医科大学附属柏病院がん相談支援センター)
身寄りのない患者の支援について、実際の現場ではケースごとに状況が大きく異なり、画一的な対応が難しい現状である。ソーシャルワーカー、担当看護師、地域関係者が都度協議を重ねながら対応方針を検討しているが、結果として「これ以上の選択肢がない」という判断に至る場面も増えている。背景には高齢化に伴う認知機能の低下や、支援者不在の中で意思決定を行わざるを得ない状況があるほか、もともと生活に余裕がないまま病気を契機に生活が破綻していくケースも含まれる。
治療の実施にあたっては倫理委員会での検討を要する場面もあり、医療判断だけでなく生活全体を含めた支援体制の必要性がある。さらに、後見制度等の社会的支援の拡充や、家族に精神疾患がある場合など複合的な課題への対応も求められているとし、生命維持にとどまらず生活や生き方全体を支える視点の重要性があると考える。
(大滝委員/地域医療推進課)
多職種連携のさらなる必要性について、医療的ケア児や将来的な支援が必要なケースも含め、支援体制の枠組みを見直す必要がある。「顔の見える会議」の構成や運用についても検討の余地があると述べ、今後の改善に向けた検討を進めたい。
(小出委員/地域包括支援課)
現場レベルでも同様の課題認識を持っており、実務としても支援の難しさを日々感じている。遠方家族や関係希薄なケース、あるいは同居していても実質的な支援が得られないケースなど、従来の「身寄りのない患者」の定義では捉えきれない状況が増えている。
そのうえで、制度は国レベルでも検討・試行が続いている段階であり、即時的な解決策はないものの、個別事例ごとに関係機関が顔を合わせながら対応を積み重ねていく必要がある。
また、経済状況や支援資源の有無によって利用可能な制度が異なる現状を踏まえ、行政としては多職種・多機関連携の中で支援の枠組みを構築していく必要がある。
(坂本委員/国立がん研究センター東病院がん相談支援センター)
制度の狭間に置かれる人々への対応として「顔の見える関係会議」の検討ををしていただけると良いのではないか。高齢者や介護保険の対象外で支援が届きにくい方、引きこもりの方など、どの部局に相談すべきか分からず困っているケースも多いため、柏市独自の取り組みとして対応していただければありがたい。
医療現場の立場として必要になるのであれば、積極的に参加したいと考える。
(小出委員/地域包括支援課)
複合的な家庭課題に対応するため、地域包括支援センターや生活支援拠点などの既存連携体制がある。
さらに、かしまる会議のように医療相談員や関係者を招く場を活用して、各分野の役割を明確化しながら家庭全体を支える仕組みを作っている。明確な解決策には至らないが、日々の業務の中で可能な限り対応を進めている段階ではある。
(古川隆史議員/市議会議員)
先ほど説明のあった重層的支援体制について質問した。自身の認識として、重層的支援体制整備事業は高齢者に限定したものではなく、障害、子育て、高齢、生活困窮などを含めた包括的な支援体制を構築する仕組みであると考える。
また、小出委員の説明は、高齢者支援に特化したものというよりも、関係機関が情報共有を行いながら支援する体制についての説明であったのではないか。
さらに、子ども分野における要保護児童対策地域協議会(要対協)の仕組みを例に挙げると、警察や学校を含む関係機関が継続的にケース検討や情報共有を行っている。
そのうえで、現在議論されている身寄りのない高齢者や複合的課題を抱える方への支援についても、要対協の高齢者版のようなイメージで関係機関が連携する仕組みが必要ではないか。
閉会
(小倉委員/健康医療部)
今回の会議で現場から上がった課題や意見を共有しながら、今後も制度・体制のあり方を継続的に検討していく。
身寄りのないがん患者に対する支援体制について、医療・介護・福祉・行政が連携する必要性がある。
具体的には、各病院からの現場視点の意見、古川議員からの要対協の事例を参考にしたネットワーク構築の提案、そして「顔の見える関係会議」の重要性が挙げられた。
単身世帯や高齢者世帯の増加に伴い、支援ニーズが高まる中で、関係部署が横断的に連携する体制づくりを進めるとともに、現場の声を反映させていきたい。
6.資料
資料1国立がん研究センター東病院における相談支援(国立がん研究センター東病院)(PDF:888KB)
資料2令和8年度地域がん診療連携拠点病院事業報告(東京慈恵会医科大学付属柏病院)(PDF:270KB)
資料3医療相談室・連携室相談受付状況等(柏厚生総合病院)(PDF:462KB)
資料5令和8年度がん対策事業スケジュール(PDF:163KB)
資料6柏市がん検診事業の見直しについて(PDF:652KB)
参考資料1柏市がん対策の経緯と今後の取組み(PDF:149KB)
参考資料2柏市がん対策検討会議設置要領(PDF:125KB)
参考資料4柏市民のためのがんサポートハンドブック(PDF:5,436KB)
参考資料6第4期千葉県がん対策推進計画の概要(PDF:348KB)
7.傍聴
- 傍聴者0名
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傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。
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