更新日令和6(2024)年10月21日

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令和6年度柏市がん対策検討会議会議録

1.開催日時

令和6年5月17日(金曜日)午後2時~4時

2.開催場所

ウェルネス柏4階 研修室

3.出席者

(検討会議構成員)

上野委員、坂本委員

高橋健康医療部長(議長)、岡村次長兼地域医療推進課長、井上主任、古橋主事、島澤高齢者支援課長、竹本副参事、野村副主幹、小出地域包括支援課長、岡田主査、星地域保健課長、磯村副主幹、浅野健康増進課長、野口専門監、後藤障害福祉課長、大塚専門監、寺嶋産業政策・スタートアップ推進課長、井出主事、梶川学校教育課副主幹、遠藤指導課副参事、小林副主幹

(市議会議員)

阿比留 義顯議員、岡田 智佳議員、小川 学議員、北村 和之議員、鈴木 清丞議員、林 紗絵子議員、古川 隆史議員、山田 一一議員、若狭 朋広議員

(五十音順)

(事務局)

大西健康政策課長、荒巻専門監、沼尾統括リーダー、齋藤副主幹、谷野主査、岡野主事

4.議題

  1. 柏市のがん対策について
  2. 令和5年度取組み状況及び令和6年度がん対策実施予定について
    ア 各病院からの報告
    イ 各部署からの報告
  3. 質疑

5.議事

議題(1)及び(2)イについて、事務局及び本市各部署から説明を行った。

議題(2)について、各病院から説明を行った。内容については、以下のとおり。
※柏厚生総合病院の報告については、事務局から資料の読み上げを行った。

 

(坂本委員)

資料1では、前半に昨年度の相談支援の実績、後半に今年度の新たな取組みを報告する。まず2枚目のスライドについて、昨年度新規のがん相談支援センター利用者は8,258名であった。がん相談支援センターの認知が進み、右肩上がりで推移している。

3枚目のスライドは、利用者と御家族の年齢を10年前の数値と比較したもの。昨年度までの報告では、70代・80代が顕著に増加という状況が続いていたが、90代以上が増えている。90代のかたの大腸がんや乳がんのオペが日常的に行われており、体に負担の少ない手術を開発してきたことの表れだと感じる。

次のスライドについて、初回相談時の治療状況が少し変わってきている。がんの疑い等の診断を受けてから初回の治療を受けるまでの間や、抗がん剤投与や手術を受けるまでの間の相談が顕著に増えている。また、手術後や今後追加治療がなく経過観察になる段階のかたも増えている。

治療後・経過観察中のかたの増加の背景としては、低侵襲の治療を高齢のかたが受ける時代になり、がん相談支援センターが介入するケースの増加が挙げられる。例えば、入院までは通常の生活を送っていたように見えたものの、実は物忘れが結構あると分かり、治療が加わることでさらに一段階弱ってしまうから、意見を入れた方が良いといったことがある。

次のスライドは、新規相談者の治療場所を示している。外来通院中の患者が多い状況だが、初回治療までは外来で検査などを行っていることが考えられる。

相談者の居住地については、参考値ではあるが、当院は広域から患者がくる中で、柏市は例年通り一番多い割合を占めている。相談内容については、例年から大きな変化はないが、初回治療前のかたは自身の今後について非常に関心が高いことがうかがえる。例えばお金はどれぐらいかかるのか、仕事はどうなるのか、家族はどうなるのかといった社会的な相談が増えつつある。

後半では、新しく実施したことを3つ紹介する。
1つ目は、療養生活に関する質問票の運用について。一昨年の10月からトライアルで開始していたものを、昨年の4月から全診療科で正式に稼働した。第4期がん対策推進基本計画と、付随するがん診療連携拠点病院の施設要件において、「がんの診断がついてから初回治療が始まるまでの間に、全てのがん患者が相談支援センターに立ち寄るような仕組みを作ることが望ましい」といった要件が新たに明記された。さらに「望ましい」という文言について、6年後の第5期がん対策推進基本計画の施行の際に必須となることが前置きされている。その状況を目指すため、どういった取組みをすれば患者全員がその時期に当室に来ていただけるのか、さらには評価していけるのかということを、院内の様々な部署と検討し、まずは質問票を運用してみることとした。医療者から見て、困りごとや聞きたいことがあるかどうかを勝手に判断するのではなく、患者が主体的に心配ごとやニーズについて聞けるようにするための仕掛け・抽出の一つとして質問票を作っている。例えば、身体面・精神面で辛さを抱えていないか、認知機能について家族が心配といったことがないか、家族間での意見の違いがないか、同じ体験をした患者に会いたいといったニーズがないか、そういったことを、質問票を用いつつ紐づけていきたいと考えている。運用して分かったのが、初めて相談支援センターを利用するときの治療状況が少し変わったということと、自発的な来室者が増えた、ということ。あと5年以内に、初期段階で全員に立ち寄ってもらうことが必須となるが、対応する相談員を増やすことはなかなか厳しいため、例えばデバイスなどでカバーできないかといったことを含めて4年以内に検討していきたい。

続いて各種セミナー等の活動状況を報告する。この4年はほぼオンラインで各種セミナーを実施しており、昨年度はYouTubeで展開しながら、療養生活のケアに関する参考資料を出したり、がん患者のための総合支援セミナーをウェブ配信した。また、地域医療連携のための情報交換会を昨年対面で再開した。昨年10月12日に開催した際には、医師会長の松倉先生に講演いただいた。今年度も、地域医療連携のための情報交換や、従来対面でやっていたものは全面的に対面で再開する予定。一方でウェブ開催することで、より広域のかたがたや病院に来られない御家族が非常に参考にしているため、ウェブも継続的に展開していく方向で考えている。

次に、患者が働くことと治療の両立ということについて考えている。オンラインでの患者支援の1つに、キャリア支援がある。小児がんを経験したり、あるいは高校生・大学生で治療を受けたりしたかたが、治療が一段落し、卒業して就職しようとした時に、アルバイトの経験がなく、院内学級に通った経験しかないと、挨拶の仕方等を習得できる機会がない。社会に出たものの、自分のスキルが伴っていないことにショックを受けて、社会に出て行く勇気がないというかたが一定数いる。高校生・大学生に関しては、特別支援学校が基本的にはないため、授業に参加できないかたがいる。「OriHime」という小さなデバイスを教室に置いて、患者が病室からパソコンを使って授業に参加するという取組みを実証実験的にしているところがある。もし柏市内の学校でそのようなかたがいれば、ぜひ学校にも協力いただき、デバイスなどを使って授業に出られるよう協力いただきたい。

最後のスライドになるが、2024年度の予定として、対面でのイベントを再開する。新たな取組みとして、リレー・フォー・ライフでの柏の葉での相談ブース展開がある。これは患者団体が中心のがん撲滅のための啓発活動で、一昨年ぐらいから柏の葉の体育館で実施しており、柏市長にもリレーに参加していただいた。今年度は、当院は相談ブースを出して参加したいと考えている。

(上野委員)

・資料2について

令和5年度の実績は、昨年度とあまり変わらない状況。相談件数は1年間を通して1,107件で、柏市民の割合は例年とだいたい同じで25%であった。当相談支援センターへの相談における特徴は、9割ほどが自施設の患者と家族ということ。

2枚目について、70~80代のかたが増えている。先日は88歳で肺がんの手術をされたかたがおり、技術が向上していることに加え、そのような年齢のかたが早期退院できるよう絶えず病院もバックアップしている。

がん相談の7割程度が初発のかただが、全体の数から見ると、初発のがんのかたの相談が少ないと思う。
がんと診断され、体と心が混乱状況のときにこそ情報提供や支援を手厚くすることが、その先の治療や、緩和ケアにつながると思うので、当院において今後の課題になると思う。

相談件数は昨年と変わらないが、相談内容としては、在宅医療に関する相談が昨年度より少ない状況であった。これは当院には患者支援センターがあり、がん相談とは別に病棟に専従の看護師、専任の看護師を配置しており、そちらで在宅調整を細やかにしているということが考えられる。

3枚目について、相談項目別内容については例年と同様で、患者・家族間の関係が65%であったが、難渋しているケースが増えている。突然にがんと診断されて、もう治療が無いという状況だったり、今後緩和ケアが中心となるかたの家族の悩みが多い。当院は緩和ケア病棟がないものの、緩和ケアチームがあり、連動しながらケアをするケースが増えている。最近は、ステージⅢ期・Ⅳ期ということで診断されるかたが多いように見受けられる。お子さんがいる家庭だと、子ども達にどう説明するか悩み、最後までなかなか伝えられないというかたもいる。そのようなかたに対し、どう接していくかということをチームで密に話し合いながら関わっているケースが多くなっている。

最後のページの(2)について、市民公開講座オンデマンドセミナーをYoutubeで初の試みとして配信しており、多くのかたから関心をいただいた。

患者会に関して、昨年度まではZoom開催ということで少人数であったが、52名が参加した。当院でも6月からの患者会は対面で開催する予定だが、これまで4年ほど開催していなかったので、以前参加されていたかたがまた参加されるか、新しいかたが参加してくれるかがこれからの課題になる。

令和6年度では、市民公開講座をオンデマンドセミナーで開催していくことを検討している。

若年がん患者の去年の相談件数は53件であった。20代、30代の相談に対応してきた中で、私個人としては、何か具体的に相談することよりも、心の拠り所として気軽に話せる場所、病院の中で生活の様子を話すことができる場として求められていると思う。

昨年度、柏市でウィッグ助成金の取組みを開始したということで、当院でも案内や掲示板への表示など、いろいろな工夫をしているが、助成金があるということを伝えたいと思う一方で、御自身から情報を拾いにいかないと、入手できない状況がまだまだある。当院では、手術が決まった時に案内をしたり、患者支援センターの入院前面談で案内したりもしているが、各市の制度をピックアップするのに苦慮している面があり、どのように良い制度を広めていけるかという課題がある。

議題 (3)質疑は以下のとおり

(坂本委員)

2点御提案ということで、1点は、入院している学生の学習の機会を、新たなデバイスなどを作ることで機会の平等性を保つ可能性を広げられないかということ。

もう1点が図書館での周知、啓発について。がん相談支援センターを利用した理由を聞いた調査があり、相談支援センターを知ったきっかけとして、図書館で知ったというかたが多かった。そこで、先ほどのウィッグなどの助成金や、がんにまつわる様々な情報を、ぜひ図書館にコーナーとして作っていただきたく思う。国立がん研究センターがん情報サービスが出しているA4・A5のサイズの冊子がたくさんあり、がん情報ギフトという形で、各市町村の手上げがあった場合に提供することができる。

(遠藤指導課副参事)

柏市では、小学校1年生から高校3年生まで、1人1台端末の貸し出しを行っており、端末を入院している病院の設備や、Wi-Fiを接続して、学校とのオンライン授業を実施することができるようになっている。例としては、ウェブ会議のツールを使い、授業中の教職員の話を黒板の様子を見ながら実際に授業を受けたり、自分でノートをまとめたり、班でのグループ活動の際に、一緒にその端末を動かしてメンバーと一緒に同じ学級の友達と一緒に会話することができる。また、Wi-Fi環境が無い場合は、貸し出し用のポケットWi-Fiの提供も可能。

(事務局)

図書館での周知・がんの情報提供や、がん情報ギフトについて、図書館側と協議を行い、図書館本館と、沼南庁舎のこども図書館に設置できることになった。図書館において、がんの情報を見たいという市民のニーズは高いと考えており、正しい情報を多くのかたに届けられるように進めていく。

(坂本委員)

このような良い取組みがあることを、医療機関の中でも情報を医療者達に伝えて、患者が知らないで諦めてしまうことがないようにしていきたいと思う。

(柏市議会 北村議員)

がん対策については今からでも取り組むという方向で進めていただきたい。また、医療機関側からは今後とも行政に求める意見や要望を出して欲しいと思う。がん対策は、柏市の担当部署だけでなく、全庁的に取り組み、医療機関、民間機関等と協働する必要があると思う。

今まで行政は、二次予防にどちらかというと重きを置いてきたかと思う。柏市のがん検診率に問題意識を持ちつつも、私が今興味を持ってるのは一次予防の部分で、一次予防についての課題や認識をお聞きしたい。

(高橋議長)

優先順位がある中で必要な対策を講じていきたいと思う。また、病院と行政で、密に連絡をとらせていただきたく思う。がんの検診受診率については、我々としても来年度に向けて、がんの検診率向上に向けた取組みを進めていく。

(坂本委員)

我々がんセンターはがんをどのように予防していくかとか、検診にかかる市民のかたの負担をどのように減らしながら、早期発見を実現していくかということを模索している立場でもある。がんにならない方向というところで医療機関の1人として少しでも貢献したい。

(柏市議会 北村議員)

一次予防のところでもぜひ知見や経験をお借りして、科学的根拠に基づいたがん予防や、がん教育に関することなどを今後考えていきたい。

(柏市議会 若狭議員)

小中高校への普及啓発活動について、資料配付がメインで、子ども達に対しては喫煙に関することが中心になっていると思う。ただ、がんは喫煙だけでなくて、偏った生活習慣とか、化学物質や、マイクロプラスチック等の複合的な原因があるというので、がんそのものを知る必要があると思う。それを子どものころから一緒に考えていくようなものを取り入れていただきたく思う。

また、がんにかかった子どもが病院に入院して、その兄弟が置去りにされることがあると聞いた。親ががんにかかった子ばかり気にしてしまい、面会する時も、連れてきたけどほったらかしになってしまった子を、ボランティアで見るという取組みを、築地にあるがんセンターで実施していることを聞いたことがある。そのような家族に寄り添うという場も作っていただきたく思う。

(坂本委員)

今のお話は私も共感するところがある。1点目は、子どものころからきちんと喫煙のこと以外も含めて教育を受けていくことで、ヘルスリテラシーが上がっていくと、市民の長い健康につながっていくと思う。2点目は、がんになった兄弟の取り残しは大きな課題である。研究会等で、兄弟が抑うつ等になる傾向が数字的にもわかってきている。病院で専任の心理士が場を作ることができるが、病院ではない場所で、そのような場が作れそうなのか協議があると良い。

(小林指導課副主幹)

がん予防に関する小中高校生に対しての授業内容について、喫煙だけががんの原因ではないので、学習指導要領に食育であったり、環境と健康、その他睡眠を含めた生活習慣を整えていくことが、がん含めた病気の予防・対策に大事だというところは、授業の中で広く扱っている。

(柏市議会 林議員)

図書館で相談支援センターを知ったかたが意外にも多かったというお話があったが、他にどういうところで相談支援センターにつながることが多いのか教えていただきたい。

(坂本委員)

拠点病院によってやり方が様々ではあるが、当院では、全ての初診患者に質問票を投げかけつつ、質問票をきっかけにしながら会話をして、その時に相談ニーズがなくても、必ず相談支援センターで具体的に相談できる内容を書いている紙をお渡ししている。今後の全体像としては、拠点病院としてすることが整備されていくと思う。それとは別に、メディア、病院の掲示板も多い。

(上野委員)

知っていただくことは大事なことだと思う。がん以外のかたもたくさんいる中で、どのようにがん患者をすくい上げていくかということになると、当院の場合、告知の場面で必ず看護師が同席することとしており、その時にがん相談支援センターを案内はしているが、強制ではなく必要であれば、というのが現状。また、当院では一割ほどが他の病院から紹介されたといったケースがあると聞く。

(柏市議会 林議員)

どんな状況でもお知らせいただけるように、病院及び行政で周知をさらに深めていただければと思う。

もう1点質問があり、不登校になった子ども達に、柏市の支援政策を網羅したようなチラシを配って欲しいと児童生徒課にお願いしている。病欠が始まった子どもとその保護者に、支援を一元的にお知らせするチラシを、指導課に作っていただけないかと思うがいかが。

(遠藤指導課副参事)
児童生徒課の方にも御意見を頂いているとのことなので、状況を確認しながら考えていきたいと思う。

(柏市議会 林議員)
不登校になった子どもが、eboardの取組みを知らなかったり、教育支援センターの存在を知らなかったりすることがあるので、周知をお願いしたい。

(柏市議会 鈴木議員)

柏市が、柏市民のがん患者の把握をどのようにされているのかをお伺いしたい。

(事務局)

千葉県がん登録事業報告書が県のホームページに掲載されており、そちらから把握が可能。最新は2019年度版で、部位別と男女別で載っている。一次予防として生活習慣の改善や、環境づくり、周知を庁内で協力しながら進めていきたい。

(浅野健康増進課長)

学校教育課から小中高等学校でのがん教育・啓発について紹介があったが、柏市医師会の公益事業として、3ヵ年限定で健康教育支援事業を実施している。具体的には、学校において、動画を活用したがん教育の授業を通し、がんとは何か、生活習慣病も予防の一つだと学んだ後にそれぞれ子ども達が感じたことを、標語・川柳・絵画に表現している。

6.資料

次第(PDF:96KB)

資料1 国立がん研究センター東病院における相談支援(国立がん研究センター東病院)(PDF:2,232KB)

資料2 令和6年度地域がん診療連携拠点病院事業報告(東京慈恵会医科大学附属柏病院)(PDF:201KB)

資料3 医療相談室・連携室相談受付状況等(柏厚生総合病院)(PDF:91KB)

資料4 令和5年度がん対策実施状況(PDF:270KB)

資料5 令和6年度がん対策事業スケジュール(PDF:195KB)

資料6 柏市がん患者ウィッグ等購入費等助成制度(PDF:955KB)

参考資料1 柏市がん対策の経緯と今後の取組み(PDF:133KB)

参考資料2 柏胃がん対策検討会議設置要領(PDF:122KB)

参考資料3 柏市がん対策基本条例(PDF:156KB)

参考資料4 柏市民のためのがんサポートハンドブック(PDF:834KB)

参考資料5 第4期がん対策推進基本計画(令和5年3月28日閣議決定)(概要)(PDF:385KB)

参考資料6 第4期千葉県がん対策推進計画の概要(PDF:348KB)

7.傍聴

  1. 傍聴者 1名
  2. 傍聴の状況
    ​​​​​​​傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

お問い合わせ先

所属課室:健康医療部健康政策課

柏市柏下65番地1(ウェルネス柏3階)

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