更新日令和5(2023)年2月13日

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令和4年度柏市地方創生総合戦略評価委員会 会議録

1 開催日時

令和5年1月16日(月曜日)午前10時30分から午後12時

2 会議形式

WEB会議

3 出席者

(1)委員

飯塚委員、河南委員、久我委員、櫻井委員、染谷委員、常住委員、丸委員、宮入委員

(2)事務局

小島企画部長、稲荷田企画部次長兼経営戦略課長、他7名

4 議事等

  1. 柏市地方創生総合戦略評価指標について
  2. 柏市地方創生推進交付金事業評価について
  3. 意見交換

5 企画部長挨拶

小島企画部長より挨拶。趣旨は以下のとおり。

  • 柏市地方創生総合戦略については、全国的に人口減少が進むなかで、柏市の強みを生かし、活力を維持していくことで選ばれる街とするため、平成27年度に策定した。
  • 柏市の市政運営の基本方針である柏市後期基本計画に合わせて、令和3年度から第2期柏市地方創生総合戦略の運用を開始した。
  • 第2期柏市地方創生総合戦略は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をはじめとする不確実性が高まる社会情勢において、事業を固定化せずに、機動的かつ効果的な事業を時勢に応じて検討し、実施していく体制をとっている。
  • 本委員会は各分野から委員集まっていただき、総合戦略に係る事業の進捗や効果について、評価をしていただいているが、今年度は第2期柏市地方創生総合戦略が始まって初めての評価となる。
  • 本日は総合戦略の評価指標と地方創生推進交付金事業の評価をお願いしているところ、各委員の専門的な立場から忌憚のない意見をいただきたい。

6 委員紹介及び委員長等の選出について

事務局より、初出席の委員を紹介。

委員長及び副委員長を次のとおり選出。

  • 委員長宮入委員
  • 副委員長河南委員

7 議事要旨

(1)柏市地方創生総合戦略評価指標について

事務局より、令和3年度評価及び概要について資料1をもとに説明。

(2)柏市地方創生推進交付金事業評価について

事務局より、令和3年度事業概要及び成果等について資料2-1、2-2及び2-3をもとに説明。趣旨は以下のとおり。

「手賀沼地域『小さな拠点』創出事業」

  • 令和3年度から令和5年度の3カ年事業であり、令和2年度で終了した前計画の横展開事業として新たに事業計画が採択されたものである。
  • 事業の課題は、道の駅しょうなんを地域のエントランスとし、そこで集客した人々を周辺地域への送客を行うことで地域活性化を目指す「手賀沼アグリビジネスパーク事業」の一環として整備した「水辺の拠点」及び「わしのや農業交流拠点」の活用と地域の活性化や課題解決を担う中間支援組織の構築となっている。
  • 水辺の拠点については、手賀沼に魅力を感じる利用者や事業者をターゲットとした、民間サービスに支えられた活性化の拠点、わしのや農業交流拠点については、集落と農的活動に関わる都市住民等の連携により、地域課題の解決を目指す地域活動コミュニティの拠点として活用され、道の駅しょうなんを含めた拠点間連携が活性化されることを目標としている。それぞれが交流人口だけではなく、手賀沼利用者、都市住民、民間事業者、大学、市民団体等、地域に継続的に関わる関係人口を取り込みながら発展を目指している。
  • 事業実施主体は官民連携で立ち上げた組織である手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会となっている。
  • 水辺の拠点(手賀沼フィッシングセンター)は、農水省及び手賀沼漁業協同組合の土地を借地し、市で駐車場や観察池等を整備した。実施主体の事業内容としては、生き物観察会やゴミアートプロジェクト等、様々な活動を行ったり、市民団体が集まり組織された「ヌマベクラブ」のメンバーとして毎月1回ヌマベ部会を開催したりしている。そこでは拠点の活用方法や使用上のルール、イベント内容の検討、勉強会等を実施し、市民団体等による主体的な拠点活用に向けた協議が行われている。
  • わしのや農業交流拠点は、近隣の体験農園による利用、フットパスツアー、サイクリスト等観光利用を目的に整備した。周辺の耕作放棄地を活用した「手賀沼ワインプロジェクト」の支援を通して拠点活性化に繋げている。地元農業者やプロジェクトに賛同して集まったボランティアが集まりブドウ畑の整備や農作業を実施する中で、拠点の活用や関係人口の増加している他、作業自体を体験プログラム化し、外部人材の活用も検討している。今後も農園の規模を拡大させるにあたり、耕作放棄地の解消面積も増えるとともに、地元産ワインとして発売を見越し、ワインプロジェクト自体が地域における活動として定着するよう、話し合いの場や理解を深めるイベント等の支援を行っている。
  • 道の駅しょうなんは、「小さな拠点」ではないが、地域のエントランス拠点として、令和3年12月に施設を拡張し、既存施設も令和4年4月にリニューアルした。
  • その他、コロナ禍により県外への校外学習等が難しい状況となった中で、各拠点や手賀沼周辺の自然環境を活かし、身近な場所で実施できる体験教育プログラムとして「手賀沼スクールヤード」のプログラム造成支援を行い、トライアルで実施した。これについては、協議会が自ら観光庁の補助金を申請・採択されており、本委託以外の財源も活用している。
  • 中間支援組織の構築に向けては、本事業の実施主体である「手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会」の今後のあり方として、法人化等に向けた検討をしている。その為の前段階として道の駅しょうなんの総合受付を「手賀沼まちづくりセンター」として、情報発信だけではなく、地域の困りごとや様々な団体の活動の相談を受ける場所としての機能を持ち合わせる場所として運営を開始した。

(3)意見交換

「柏市地方創生総合戦略評価指標」

(久我委員)

ボーネルンドと連携して子どものための「あそび場」の創出を実践しているとのことだが、具体的な実施内容と連携の利点を教えていただきたい。

(事務局)

基本目標1のNo.1地域子育て支援拠点の利用人数について、コロナ前に想定していた屋内の「あそび場」である地域子育て支援拠点はぐはぐひろば沼南・若柴の利用人数を重要業績評価指標(KPI)として据えられているものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、屋内利用の制限や、感染予防による休止などもあり、目標人数には届いていない。これに代わり、株式会社ボーネルンドと連携し、公園などの屋外で密にならない状況、屋内施設でも感染予防に配慮したかたちで遊具等を提供いただき、コロナによって疲弊・閉塞感を抱える親子に「あそび体験」というイベントを実施した。新しい生活様式に配慮した行政サービスを行った結果、基本目標1全体の数値目標である子育ての充実感の上昇に一定程度の効果があったと考えている。

(常住委員)

就業しながら子育てをしている世帯を支援することは大切だと考える。柏市の待機児童の状況を教えてほしい。

(事務局)

国基準における待機児童はここ数年0人で推移しているが、入園保留者児童は増加傾向が続いている。子どもを預けられず、自宅で保育している方たちへの保育環境の提供については、大きな課題だと認識している。

(飯塚委員)

コロナ禍での子育てをしながら不安なママへの総合的な支援は、「何かあった時に相談できる場がある」という心強さにもつながり、とても魅力的な取組だと思った。駅前に公園が少ないという声が多いなかでも、親子で交流できる場を創出している取組があることは心強い。結果、評価項目「子育ての充実感」の数値が49.1%へあがっている一因であり、柏市の魅力になっている。今後、「子育てのまち・柏」として、より県内・県外の子育てファミリーへPRすることで、市のブランディングにつながっていくと思われる。

(宮入委員長)

柏市第2期地方創生総合戦略は、令和3年度から運用開始し、令和4年度は2年目となる。運用1年目の目標達成度合いについて、今後、事業を粛々と進めていけば、目標達成可能な数値になっているのか。それとも手段を変えて進めていかなければ目標達成が困難なのか。

例えば、基本目標2の「社会参加に取り組む高齢者の割合(かしわ生涯現役窓口来訪者数)」は、目標値3,500名のところ、令和3年度は894名となっている。基本目標3の「手賀沼・東部地区流動人口(4月休日)」は、目標値84,000人のところ、62,150人となっている。このペースで目標達成できると考えているのか。進捗度合いや達成度合いの視点から、注目している事業があれば教えてほしい。

(事務局)

令和3年度の実績値が目標値からかなり離れている個別事業も相当数ある。事業の進捗が芳しくないのか、指標と事業内容がうまく連動していないのか、それとも成果の出現が遅い事業なのか、原因は事業ごとに異なると考えられる。柏市第2期地方創生総合戦略が令和3年度に開始し、初年度の数値であるため、現時点で目標達成可能か困難か判断することは非常に難しい。来年度においては、指標の見直しも含めて検討していきたい。

(宮入委員長)

指標は一度決めたら変えられないものではない。あくまで、仮説に基づき目標を設定し、最終的なアウトカムを目指すために必要な事業を実施していく。その事業の実施を測るためにアウトプットを設定する。全て仮説により組み立てられているため、方向性に違和感を覚えたら、途中で修正をかけるべきである。

基本目標3は各事業の統一感がない。それぞれの担当課がそれぞれの事業を実施し、個別事業が目標に達成したということが重要なのではなく、全体として基本目標を達成しようと連携しているかを見ていかなくてはならない。

(河南副委員長)

子育て支援については、令和8年度に児童相談所機能含む子ども・若者総合支援センターを開設する予定と聞いている。どの自治体も限られた資源で多岐にわたる子育て需要に応えていかなくてはならないという課題があるため、他自治体の先行事例も参考にしながら、千葉県との連携を強化していってほしい。

(常住委員)

柏北部地域においては、鉄道、道路が整備され立地的に魅力ある地域と思われる。周辺地域にある工業団地など物流拠点として発展しており企業誘致を積極的に進めてはどうか。企業誘致による就業者の流動が市街地歩行者通行量増加などの波及効果にも期待がされ、また、新たに雇用創出が図られた際は、公的機関であるジョブパーク柏を活用し求人開拓を行い、就業を希望する市民の雇用促進にも繋がると考える。

「手賀沼地域『小さな拠点』創出事業」

(宮入委員長)

令和3年度の事業説明であり、事業費については、1,400万円を活用しているという認識でよいか。

(農政課)

令和3年度に限った説明であり、事業費も1,400万円である。

(訂正)評価シートの事業費に誤りがあったため訂正いたします。令和3年度の交付金対象事業費は1,100万円で交付金額は事業費の2分の1の550万円となります。

(櫻井委員)

手賀沼地域『小さな拠点』創出事業は非常に良い取組だと感じる。昨年の4月に柏支店へ赴任してきた当初は、柏についてなじみがなく、あまり知らなかったが、市内を巡り柏について知っていくなかで、手賀沼が柏にとって大きな財産だということを改めて認識した。特に、今回の事業のなかで、未来を見据えたワインづくりは非常に意欲的な取組だと思う。批判的な意見もあるかもしれないが、あるものに人を寄せてくるのではなく、ないものを作っていくのは、大事なことであり、交付金の趣旨に合致している。

(丸委員)

本学に麗澤地域連携実習という科目があり、柏市役所の9部局と連携している。アグリビジネスパークや柏駅周辺の「映えスポット」を探す企画等、様々な事業に関わっている。学生や担当教員からの声を踏まえて意見・感想を述べると、「小さな拠点」創出事業は非常に魅力的だと思う。個人的な話になるが、私自身も子どもを連れてよく手賀沼に遊びに行く。先日はバードフェスティバルにも参加した。また、柏駅周辺の「都市」と手賀沼の「自然」の融合の可能性を感じている。このような取組や事業が基本目標1の子育て分野、基本目標2の福祉分野、基本目標3の経済分野と横断的につなげ、年齢や立場も異なる人についても巻き込む観点で企画していくと、更に人を呼び込めると思う。

柏に住んでいても、駅から遠いために手賀沼の魅力を知らない学生がいるが、逆に駅から遠い地の利を活かした取組を推進することで、大きな魅力に変わっていくと感じている。

(宮入委員長)

様々な分野でシナジーが生まれていくことは重要だと考える。その一つの核となる拠点がこの小さな拠点となることが望ましい。

(久我委員)

先ほど丸委員から手賀沼が駅から遠いという話があったため、交通アクセスの問題について意見を述べたいと思う。

柏駅周辺は商業が発展しており、充実している印象を受けている。ただし、大型の商業施設や飲食店が多い東口に比べ、西口はオフィスビルなどが多いように感じ、国道があることで交通量は多いが、滞留しており、出入りがしづらい。電車によって柏駅を利用する層と道の駅のような幹線道路沿いの施設を車で利用する層が分断されているのではないか。

(宮入委員長)

柏駅からのシャトルバスは今でも運行しているのか。

(農政課)

道の駅の拡張工事を行うことで、使用できる駐車場面積が減るため、自家用車での利用が難しくなった。その際の送客のために実施していたものであり、現在は工事が終了し、駐車場面積も拡大したため、運行していない。

道の駅しょうなんは、あくまで道路休憩施設ということで、メインターゲットは車で来られる方となっている。地方創生推進交付金の事業ではないが、市内農業の魅力を巡るバスツアーも実施している。

(宮入委員長)

最近のCO2削減の動きから考えると、EVバスを利用し、柏市北部の柏の葉エリアから市内全域を回遊することに取り組んでみても面白い。

(飯塚委員)

手賀沼エリアは自動車を利用する方が対象となってしまっているため、利用者目線で考えるとシャトルバスは非常に嬉しい。また、自転車でも行けるようなコース設定があると市外や県外の利用者が増える可能性がある。

(河南副委員長)

手賀沼周辺は我孫子市も印西市も関わっているので、地域全体で連携しながら活性化を目指していってほしい。千葉県もできる限りバックアップしながら協力していきたい。

(常住委員)

事業実施主体について、様々な主体で構成されているが、法人化を目指すなかで、雇用が不足しているとのことであれば、柏駅前にあるジョブパーク柏を活用し、雇用体系や業種、職種に応じてマッチングを行えるので、積極的に関わっていくことができる。

(染谷委員)

ハード整備をしたことで、交付金を活用した本事業の効果がより発揮されていることは評価できる。本事業は、手賀沼周辺で活動している多くの関係者が連携し、「水辺の拠点」や「わしのや農業拠点」での活動を道の駅しょうなんを入口として活用することにより、手賀沼周辺への関係人口の増加につながっていくと思われる。

地方創生総合戦略の策定・改訂について

事務局より、地方版総合戦略の策定・改訂について説明。趣旨は以下のとおり。

  • 令和4年12月(先月)にデジタル田園都市国家構想総合戦略が閣議決定された。
  • 国においては、デジタルの力を活用しつつ、地域の個性を生かしながら地方の社会課題解決や魅力向上の取組を加速化・深化することとしており、今般、第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を抜本的に改訂し、新たな総合戦略を策定した。
  • 地方においては、国の総合戦略に基づき、目指すべき地域ビジョンを再構築し、地方版の総合戦略を改訂するよう求められている。
  • 今後、策定・改訂に関して検討していく。

(宮入委員長)

行政の取組のデジタル化についてどのように考えるか、期待や意見、要望などご発言いただきたい。

(久我委員)

若い世代が成人になっていくなかで、書面よりもデジタルで手続き可能になった方が便利になる一方で、マイナンバー制度やe-Tax等、行政サービスのなかでは、各部門がお互い連携せずに、独自にデジタル化を進めようとコンセプトが先行し、内容について協議が十分なされないまま進んでしまっている印象がある。スマートフォン等のデジタルデバイスになじんでいる世代からすると、サービスごとの連携を考えるが、サービスごとに登録が必要になる等、別の基盤で動いているのがかえって不便に感じてしまう。時間がかかっても、ある程度連携がとれた形で進めていくことが必要であり、アナログでも簡単に解決できる部分であれば、わざわざデジタル化を進めていく必要がなく、むしろ利用実態に合っている気がする。

(宮入委員長)

手段が目的化しないように気をつけなければならない。デジタル化が目的ではなく、デジタルを活用すると実現可能になることを整理し、他の主体と連携しながら進めていってほしい。

(丸委員)

マイナンバーの申請時に、写真の読み取りができずに、紙で申請をした。デジタル化は確かに便利かもしれないが、何のために行うのか認識することが大切である。

離れた場所であってもデジタル化によって可視化でき、疑似体験可能なツールがあれば、本委員会の議論の中心であった手賀沼のマイクロツーリズムも、多面的な活用が可能となる。

柏市地方創生推進交付金事業の評価について

令和3年度に実施した「手賀沼地域『小さな拠点』創出事業」について、出席全委員より「総合戦略のKPI達成に有効であった」と評価を得た。

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