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市議会令和6年第3回定例会から
令和6年9月6日(金曜日)に開会した「市議会令和6年第3回定例会」において、次のとおり市政の主要な事項等について報告いたしました。
市議会令和6年第3回定例会市政報告
令和6年第3回定例会の開会にあたり、市政運営における主要な事項について、その概要を申し上げ、市民並びに議員の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
まずはじめに、本定例会に提出しております補正予算についてご報告いたします。
一般会計においては、国・県支出金、繰越金、地方債などを財源に、がん患者アピアランスケア支援事業費の増額、木造住宅耐震診断及び木造住宅耐震改修に係る補助金の増額、こどもの居場所活動を行っている団体に対しての給付金、新市建設計画における幹線道路の道路整備事業等を中心に、緊急性・優先度の高い事業の経費を計上いたしました。
その中から、主だった事業についてご報告いたします。
まず、受験生等応援給付金についてです。
急激な円安などの影響による物価高騰は、日常生活にも大きな影響を及ぼしており、将来の先行きに不安をお持ちのかたも多くいらっしゃることと思います。
このような不安定な社会情勢の中で、新たなステージに向かう子どもたちを応援するため、本市独自の施策として、柏市に住民登録のある中学3年生及び高校3年生相当の子どもを養育する保護者を対象に、子ども1人あたり1万円を給付するための経費を計上いたしました。
国においても、大規模な総合経済対策を編成しておりますが、市民生活に直結する行政サービスを提供する市としましても、更なる物価の高騰により影響を受ける市民生活を支えるため、きめ細かな支援を実行してまいります。
次に、自治体新電力についてです。
自治体新電力会社は、自治体が出資等をする電力会社であり、主に電力の小売り事業を通じて、エネルギーと経済の地域内循環を実現し、電力の地産地消を目的としています。
このような、地域に根差した自治体新電力会社が電力の調達と供給を行うことで、地域外に流出していた電気代や余剰電力を、地域内で循環させることが可能となります。
本市においては、北部クリーンセンター及び南部クリーンセンターの廃棄物発電等の非化石エネルギーを活用し、自治体新電力から柏市役所本庁舎や小中学校などに電力を供給することで、二酸化炭素の排出削減や、電気料金の低減にも貢献するとともに、自治体新電力が得た収益は、地域に還元するという、ドイツのシュタットベルケの考え方を取り入れ、新たな脱炭素化の取組に再投資し、地球温暖化対策を加速化することを目指します。
その実現に向けて、令和5年度は総務省の補助金を活用し、自治体新電力の事業実施の可能性に係る調査を実施し、複数の電力需給シミュレーションの結果から、事業の実現可能性が高いとの評価を得たところです。
つきましては、この調査結果を踏まえ、監査法人等の専門家による投資の分析評価に係る費用を計上し、事業化・出資の最終判断に着手したいと考えております。
引き続き、カーボンニュートラルに向けた脱炭素地域づくりを推進してまいります。
次に、PFOS・PFOAに関する対応についてです。
PFOS・PFOAは、有機フッ素化合物の一種であり、撥水性・撥油性等の性質があることから、幅広い用途に利用されてきた物質です。
しかしながら、環境中で分解されにくいため、過去に使用されたものが土などに付着・滞留したり、河川水や地下水に溶け出したりしている場合があります。国においては、現時点では直ちに水質環境基準とせず、要監視項目とされているもので、引き続き、知見の集積に努めるべき物質とされています。
令和6年3月に、県と連携して金山落上流水路の調査を行ったところ、PFOS及びPFOAの合計値が、国が定める暫定指針値を超過していることが確認されたため、令和6年4月から6月にかけて、水路周辺の井戸を対象とした地下水調査を実施しました。
調査対象井戸127本のうち、39本の井戸で暫定指針値の超過が確認され、さらにこのうち、上水道の敷設がない世帯の井戸は29本に上っています。
このような状況を踏まえ、本市では、暫定指針値を超えた水を飲用しないよう助言を行うとともに、飲用水の安全性の向上を図るため、上水道の敷設がなく、井戸水を飲用利用している世帯で、井戸水のPFOS及びPFOAの合計値が暫定指針値を超過している世帯や、その他有害物質により、現在、井戸の飲用利用が困難な世帯を対象に、浄水器購入および設置費用等の補助に係る経費を計上しております。
引き続き、暫定指針値の超過が確認された地点については、継続的に監視を行ってまいります。
これらのほか、繰越明許費の設定、債務負担行為の追加及び地方債の変更を行います。
また、特別会計では、介護保険事業特別会計で過年度保険給付費に係る国・県負担金の精算等について所要の額を計上するほか、介護老人保健施設事業特別会計で、市立柏病院の現地建替えに伴う介護老人保健施設はみんぐの一部移設に係る工事費の増額、継続費の変更及び地方債の変更、国民健康保険事業特別会計及び後期高齢者医療事業特別会計で債務負担行為の設定を行います。このほか、企業会計では、下水道事業会計で継続費の変更を行うほか、病院事業会計では、市立柏病院の現地建替えに伴う看護師宿舎解体工事を実施するための増額補正を行います。
次に、令和5年度の決算見込みについてです。
一般会計において、歳入が前年度比3.5%減の1,582億3,907万円、歳出が2.2%減の1,523億3,218万円と、歳入・歳出ともに令和4年度を下回りました。
歳入につきましては、個人市民税や固定資産税等の市税収入の増加のほか、普通交付税など交付金・交付税も増加しました。国・県支出金は、新型コロナウイルス感染症対策関連の財政措置が減少したものの、物価高騰対応に係る臨時的な財政措置があったことから、依然として例年よりも高い水準となりました。
歳出では、新型コロナウイルス感染症対策に係る関連事業の縮小等により、物件費が大幅に減少した一方、住民税非課税世帯等に対する物価高騰支援給付金のほか、国・県・市等を除き本市上下水道局と契約されている使用者を対象に、水道料金のうち基本料金の全額を免除するなど、市民の生活を支援する施策に重点的に取り組んだことで、扶助費や補助費等が大幅に増加しました。
引き続き、将来にわたって持続可能な都市であり続けられるよう、健全財政の維持とともに、まちの魅力や活力を向上させるために必要な政策の実現に努めてまいります。
続いて、市政一般の事項についてご報告いたします。
はじめに、「こども誰でも通園制度」についてです。
保育園の利用にあたっては、保護者の就労などの諸条件がありましたが、令和8年度から全国で本格実施される「こども誰でも通園制度」では、利用要件を緩和し、0歳6か月~3歳未満の保育園等に入園していない子どもを対象に、保護者の就労の有無を問わず、月一定時間まで、時間単位で柔軟に利用が可能となります。
本市では、全国での本格実施に先立ち、令和7年度から同制度の運用を開始いたします。
具体的には、柏市子ども・子育て支援複合施設「TeToTe」の一部スペースの活用や、一部の園の定員を調整することで公立保育園2園で実施するとともに、私立の保育園、認定こども園及び幼稚園等にもご協力をお願いして実施してまいります。
同制度の導入によって、通園する子どもにとっては、同世代の子どもたちとの交流などを通じて、健やかな成長につながる機会を得られるとともに、保護者にとっても、孤立感の解消や、育児の負担感の軽減が期待されるものと考えております。
昨今の子育て世帯の多様な働き方やライフスタイルに対応した支援を強化し、「子育てしやすいまち柏」の実現に向けた取組の一つとして、着実に準備を進めてまいります。
次に、「(仮称)柏市こども・若者相談センター」についてです。
本年1月から旧青少年センター施設の解体等工事を実施しておりましたが、この6月に解体工事が完了いたしました。今後は、建物の新築工事に着手するため、本定例会に工事の請負契約に関する議案を提出しておりますが、工期は令和8年11月までを予定しているところであり、施設竣工後の準備期間を踏まえ、令和8年度中の同センター開設を目指して進めております。
また、同センターの開設に向けましては、施設整備などのハード面だけでなく、専門職等の人材確保・育成などの運営面をはじめ、子どもや子育て家庭を支える地域や社会環境なども重要な要素となります。
そこで、同センターの整備に向けて、今月より、ふるさと納税制度によるクラウドファンディングの募集を開始するところであり、ふるさと納税のポータルサイトなどにおいて、同センターの役割や機能などを広く市内外に周知することで、本市の取組を理解、共感いただき、様々な形で子どもや子育て家庭を支援する人々とのつながりを広げるとともに、寄附金についても施設整備等の財源として活用させていただきます。
このような取組を進めていきながら、開設までに万全の体制が整えられるよう必要な準備を進めてまいります。
次に、学校給食費についてです。
学校給食費については、現在各学校において給食費を徴収・管理しており、教職員が未納対応等に時間を割かなければならない状況です。
このような状況を踏まえ、教職員の負担軽減による児童生徒と向き合う時間の確保や、保護者の利便性や給食会計の透明性・公平性の向上等を図るため、令和7年度からの公会計化を目指し、教育委員会において準備を進めております。
これに伴い、学校給食費の徴収・管理等について必要な事項を定めるため、本定例会に「柏市学校給食費条例」の制定議案を提出しております。
引き続き、教職員の負担軽減を図るとともに、本市の小中学校に通う児童生徒に、安全・安心で美味しい給食を安定的に提供できるよう取り組んでまいります。
次に、図書館サービスポイント柏の葉の開設についてです。
この度、柏の葉地域の図書館サービスの利便性向上を図るため、10月にららぽーと柏の葉本館4階に、本の貸出及び返却や図書館の利用登録ができる窓口を開設いたします。
これまで柏の葉地域では、本の返却のみができるポストを設置しておりましたが、柏の葉地域の市民のかたの利用が想定される田中分館では、本の貸出冊数が5年間で64%増加しており、図書館機能整備の要望も多く寄せられているところです。
この窓口開設によって、より一層、地域の皆様に図書に親しんでいただけるものと期待しております。
次に、柏市最終処分場跡地の公園整備事業についてです。
市立柏病院と隣接する最終処分場跡地を活用し、多くの市民の皆様にご利用いただける公園の整備を行います。
具体としましては、芝生の多目的広場を中心に、幼児・児童遊具、インクルーシブ遊具を設置し、障害の有無や年齢に関わらず、誰もが一緒に楽しめる公園を目指します。今年度から3か年かけて工事を行い、令和9年の春ごろの開園を予定しており、本定例会に工事の請負契約に関する議案を提出しております。
また、将来的には、隣接する市立柏病院や介護老人保健施設はみんぐの利用者が、散歩やリハビリ等で当公園を利用しやすくなるよう、両敷地の一体的な活用について検討を進めてまいります。
最後に、動物との共生についてです。
本市では10月1日から、犬・猫のマイクロチップ装着普及促進事業を開始します。
マイクロチップは、犬や猫の皮下に埋め込む電子器具で、識別番号が登録されており、犬や猫が迷子や災害等によって、飼い主と離れ離れになってしまった際などに、飼い主の速やかな特定に有効です。
この事業では、動物病院で新たに飼い犬、飼い猫へマイクロチップを装着された場合、その費用の一部を補助いたします。
このほか、動物愛護週間行事の一環として、9月22日に動物愛護ふれあいセンターで、動物愛護フェスティバルを開催します。今年度のフェスティバルでは、ペットの防災意識の啓発、高揚にも取り組むこととし、犬・猫のマイクロチップ装着についても啓発を行ってまいります。
併せて10月からは、地域猫活動への支援強化のため、300万円を目標とするクラウドファンディングに挑戦し、殺処分0の継続に取り組んでまいります。
これらの取組を推進することで、ペットを含めた誰一人取り残さないまちを目指してまいります。
以上、市政運営の主要な事項等についてその概要を申し上げましたが、今後も市政発展のため鋭意努力してまいる所存でありますので、議員各位の一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げ、市政報告といたします。
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