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更新日令和3(2021)年2月26日

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市議会令和3年第1回定例会施政方針

令和3年2月26日(金曜日)に開会した「市議会令和3年第1回定例会(2月議会)」において、次のとおり施政の基本方針及び市政の主要な事項等について報告いたしました。

市議会令和3年第1回定例会施政方針

令和3年第1回定例会の開会に当たり,施政の基本方針と市政運営の主要な事項について,その概要を申し上げ,議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

昨年の2月に市内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染が確認され,1年が経過しました。この1年は,新型コロナウイルス感染症という,これまでに経験したことのない大きな困難のなかにあり,今もなお感染拡大は収束しておらず,現在も2回目の緊急事態宣言のなかにあります。

感染者の検査や治療,感染対策の最前線において尽力されている医療従事者の皆様をはじめ,関係各機関の皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。

本市においても,新型コロナウイルス感染症により,市立小中高等学校の臨時休校や公共施設の休館などの対応を余儀なくされ,市民の皆様には大変なご不便をお掛けしております。また,事業者の皆様,特に飲食関係事業者の皆様には,昨年末からの営業時間の短縮をはじめ,様々な面で多大なるご協力をいただき,この場をお借りし改めてお礼申し上げます。

現在,本市における2月19日の公表時点までの陽性者数は1,947人となっておりますが,皆様のご協力により,新規感染者数は週40人程度まで減少しており,1月のピーク時に比べ大幅に減少しました。この傾向を継続できるよう,引き続き感染リスクの低減に向けた対策について,ご理解とご協力をいただけますようお願いいたします。

また,新型コロナウイルス感染症のワクチン接種につきましては,感染拡大防止並びに収束に向けた有効な手段と考えられることから,本市においても,国の優先順位に従い,医療従事者など感染者に頻繁に接する機会のある方から順次接種を開始してまいります。

また,実施においては,柏市医師会並びに医療従事者の皆様の多大なご協力なくしては実施することができません。医療機関の皆様には,通常の診療や治療などに加え更なるご負担を強いることとなりますが,接種の実施に向け,柏市医師会との連携を密に図り,ご協力を仰ぎつつ,本市においても必要な環境を整えてまいります。

柏市医師会並びに医療従事者の皆様には,引き続き,円滑な実施に向けたご協力をお願い申し上げます。

なお,現在保健所において,国からワクチンが分配された際に滞りなく接種が開始できるよう,個別通知の作成やコールセンターの設置など,柏市医師会との協議を行いながら,接種体制の調整等の準備を進めております。市民の皆様には広報誌などを通じ,適宜情報をお伝えしてまいります。

昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大は,公衆衛生の分野にとどまらず,「人と人との接触」を前提とした従来の生活様式や社会経済活動から一転し,ソーシャルディスタンスの確保や3密の回避,テレワークの推進など「新しい生活様式」への適応と転換が求められています。

そのため,これからの社会は今まで以上に目まぐるしい速度で情勢が変化していくことが予想されます。

このような状況のなか,令和3年度は,引き続き市民の生命と健康を守りながら,「新しい生活様式」の社会においても安心して暮らすことができ,選ばれるまちとなることを目指し,その具体的な方針となる第五次総合計画の後期基本計画を策定し運用してまいります。

後期基本計画は,「少子高齢化」や「人口減少」などの社会的な課題に加え,新型コロナウイルス感染症及びそれに起因する様々な社会経済変化のなかにおいても,持続可能で効率的な行政運営ができるよう,その基軸となる思考や視点と,それぞれの関連分野において目指すべき方向性を示した「経営戦略方針」として取りまとめております。

特に,今後不確実性が高まる社会では,行政においてもその時々の情勢に迅速かつ柔軟に対応していくことが求められます。そのため,これからの行政運営では,これまでの先入観や既成概念に捉われず,解決すべき社会課題の優先順位を見極めながら,第五次総合計画に掲げる将来都市像と3つの重点目標の実現に向けて,市民や社会のニーズに即応した政策を機動的に実施してまいります。

続いて,令和3年度の予算についてです。

令和3年2月における国内景気の基調判断は「新型コロナウイルス感染症の影響により,依然として厳しい状況にあるが,持ち直しの動きが続いているものの,一部弱さがみられる」とし,先行きについては,「緊急事態宣言の解除後も感染拡大の防止策を講じつつ,社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで,各種政策の効果や海外経済の改善もあって,持ち直していくことが期待される。ただし,内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある」との見方が示されております。

こうした状況のもと,政府は令和3年度予算において,医療提供体制の強化・検査体制の確保等の新型コロナウイルス感染症の拡大防止策とともに,成長力強化のためのデジタル改革・グリーン社会の実現や,生産性向上と継続的な賃金底上げによる好循環の実現など,ポストコロナの新しい社会を目指すこととしています。

一方,本市の財政は,歳入の根幹である市税収入について,新型コロナウイルス感染症の影響により大幅な減収等が見込まれております。また,感染対策に伴う経費の支出や社会保障経費の増加が続くことに加え,大規模投資事業による普通建設事業費の増加などの財政需要への対応が必要なことから,例年以上の厳しい財政状況が見込まれます。

このような状況を踏まえ,令和3年度当初予算案は,市民の生命と健康を守る感染症対策を最優先課題に位置づけるとともに,行財政改革の更なる推進により財源の確保を図りながら,事業の「選択と集中」をより一層徹底することで限られた経営資源を最大限活用し,「第五次総合計画」に掲げる将来都市像の実現に向けた政策に優先的に財源を配分しました。

この結果,令和3年度の予算規模は,一般会計では前年度当初予算比で2.4%増の1,415億円,また,特別会計は8会計合わせて前年度比2.8%減の759億7,000万円,企業会計を含めた予算総額では,前年度比0.1%減の約2,475億7,000万円となりました。

続いて,行政改革の取組についてです。

デジタル時代を見据えた「デジタルガバメント」を実現するため,押印原則,書面主義,対面主義からの決別が喫緊の課題となっております。特に多くの手続の窓口を担う市役所の果たす役割は大きいとされています。

本市におきましても,以前より押印の見直しについて検討を行ってまいりましたが,今後さらに行政手続の簡素化を進め市民負担の軽減を図るべく,現在押印を求めている約2,500件の各種手続書類について必要性を再度検討いたしました。その結果,全体の約60%にあたる1,528件の手続書類について,押印の省略ができる見込みです。

また,市民の利便性向上の観点から市ホームページのリニューアルを行い,10年ぶりにデザインを一新します。情報の検索機能及びスマートフォンでの操作性を改善することで使いやすさを向上させるとともに,ツイッターやLINEなどのSNS連携機能を導入することで,情報発信の充実に取り組んでまいります。加えて,このリニューアルにあわせて,今までのアクセス数などを分析・精査することで,市民が知りたい情報に素早く辿り着けるよう掲載内容についても見直しを図ってまいります。

続いて,令和3年度の組織体制についてです。

はじめに,喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症の感染拡大及びワクチン接種に対応していくため,保健所の職員体制の強化を図ります。

次に,新型コロナウイルス感染症対策以外の取組も着実に進めていくため,定員の再配置及び必要な組織改編を行います。

まず,現在開設に向けて検討を行っている児童相談所について,専門的な人材の確保・育成に向けた取組を継続してまいります。

また,待機児童の解消を図りつつ,将来的な保育需要を見据えた上で,保育の量と質の両面から今後の保育のあり方について検討を進めるため,保育整備課を保育運営課と統合するほか,北部クリーンセンターをはじめとする清掃施設の更新等に対応するため,新たに廃棄物政策課の課内室として清掃施設整備室を設置するなど,組織体制の整備を図ってまいります。

一方,持続的な行財政運営の確保を図るため,民間活力の導入に向けた取組についても並行して進めてまいります。令和3年度は,市立保育園のうち4園の給食調理業務の委託化を開始するとともに,現在道路サービス事務所で行っている道路維持補修業務についても,その一部を民間委託してまいります。

続きまして,令和3年度の主要な取組について,その概要を申し上げます。

はじめに,第五次総合計画の1つ目の重点目標である「教育・子育て」に関連する取組についてです。

令和3年度からすべての児童生徒が1人1台の端末を活用できる環境を整備する「GIGAスクール構想」につきまして,端末整備に加え校内LAN及びネットワークの整備を,一部小中学校を除き概ね3月末までに完了する予定です。

特にネットワーク整備につきましては,東京大学との連携協定の締結により国立情報学研究所が整備・運用する超高速・低遅延・信頼性の高い学術情報ネットワーク「SINET」への加入を行うことができました。

これにより,義務教育におけるICTの活用促進や教育支援に係る研究など,将来を見据えた先進的な取組を進めてまいります。

次に,学校給食施設の再整備についてです。

本市では,主に柏地域において自校方式,沼南地域においてセンター方式の2つの方式で学校給食を提供しておりますが,いずれの施設も老朽化が進んでいることに加え,国が定める学校給食衛生管理基準への対応など様々な課題を抱えています。

このため,平成30年度から学校給食のあり方について検討を進めておりましたが,今年度中に,センター方式への移行を基本とした「柏市学校給食将来構想」をまとめていく予定です。

今後は,将来構想に沿って,引き続き安全・安心な学校給食の提供と持続可能な運営に努めてまいります。

次に,柏北部東地区土地区画整理事業において,児童の増加に対応するため,令和5年4月の開校を目途に進めている新設小学校の整備につきまして,今年度中に設計をすべて終了し,令和3年度より建設工事を進めてまいります。

また,当該新設小学校を学区に有する田中中学校につきましても,将来的に見込まれる大幅な生徒数の増加に対応するため,令和3年度から校舎増築の設計業務に着手いたします。

次に,新たな子育て支援についてです。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により外出機会が減少するなかで,心身ともに塞ぎがちになる親子のストレスを発散し,前向きに子育て生活を送ることができるよう,民間事業者と連携し「新しい生活様式」に配慮した屋外における親子の遊び場づくりを検討しております。

来年度は,遊び場づくりの試験的な実施を予定しており,アフターコロナに向けて「新しい生活様式」のなかでも子育て家族同士がつながり,安心して子育てができるまちを目指し取組を進めてまいります。

続いて,2つ目の重点目標である「健康・高齢者福祉」に関連する取組についてです。

国民健康保険事業の一環で実施されている生活習慣病予防・重症化防止のための高齢者保健事業と,地域支援事業で実施されている介護予防・フレイル予防の取組について,より効率的かつ効果的な推進と,健康寿命の延伸を図ることを目的に,「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」事業に着手してまいります。来年度は事業の第一歩として,医療と介護のデータ分析を開始する予定です。

また,認知症,知的障害,精神障害,発達障害などによって日常生活を営む上で物事を判断する能力が十分でない方の権利を守る「成年後見制度」の利用促進を図るため,相談や周知啓発,後見人への支援等を行い,各相談機関と連携を図る「中核機関」を委託により設置する予定です。

加えて,1月に教育福祉会館に開設した「福祉の総合相談窓口」の充実を図り,生涯を通じて自分らしく暮らすことができる地域の体制づくりを進めてまいります。

続いて,3つ目の重点目標である「地域活性化」に関連する取組についてです。

柏駅西口北地区市街地再開発事業については,柏駅西口北地区市街地再開発準備組合において,令和3年春頃の都市計画提案を目標とし,関係地権者の合意形成に努めてきたところですが,過日,想定以上の時間を要するため都市計画提案時期の見直しを行うとの報告を準備組合より受けました。

また,本市が実施した「柏駅西口北地区に関する公共公益施設と施設計画(案)」に関する市民意見募集の実施結果につきましては,本市の考えを市ホームページにお示ししているところですが,新型コロナウイルス感染症における緊急事態宣言の影響により,準備組合の活動に支障をきたしていることから,準備組合の見解については公表が遅れております。

今後,準備組合において検討されている施設計画案や都市計画提案時期など具体的な内容が示されたのち,議会等でご説明してまいります。

次に,延期されていた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会につきまして,今夏開催される際には,本市は英国のホストタウンとして車いすテニス代表を迎え入れるとともに,聖火リレーにおいては,7月3日に本市を通過する予定です。

新型コロナウイルスの感染状況により,先行き不透明なところではございますが,市民の皆様を勇気づける取組として,引き続き必要な支援を実施してまいります。

そのほか,老朽化が進んでいる北部クリーンセンターは,施設の長寿命化に向け,重要な設備や機器を更新する基幹的設備改良工事を実施し,令和23年度末までの稼働期間の延伸を計画しています。

令和3年度からは,基幹的設備改良工事の具体的な仕様検討のほか,施設運営に関するPFI的手法を導入する場合の可能性調査をはじめ,管理・修繕計画を含めた事業方式の検討を進めてまいります。

続いて,令和2年度補正予算についてです。

一般会計では,新型コロナウイルス感染症の自宅療養者への支援,保育所・学校等における感染症対策に係る経費を計上したほか,小中学校施設の整備,事業の精算等を中心に計上しました。また,継続費や繰越明許費,地方債について所要の補正を行います。

なお,国の動向を踏まえ,新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に係る準備等経費について,早急な接種体制の確立を図るため,国支出金を財源に,令和3年1月4日に専決処分を行いました。

特別会計では,国民健康保険事業特別会計,介護保険事業特別会計及び母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計で歳入予算の補正を行うほか,柏都市計画事業北柏駅北口土地区画整理事業特別会計で繰越明許費の変更を行います。

企業会計では,水道事業会計で事業費の補正及び継続費の変更を行うほか,下水道事業会計で事業費の補正,企業債の変更を行います。

続いて,新型コロナウイルス感染症対策に関連する事項についてご報告いたします。

はじめに,医療・衛生対策についてです。

県内感染者数の急増に伴い,無症状や軽症の場合は自宅での療養を余儀なくされる方が増加していることから,現在,日々の健康観察などを行いながらパルスオキシメーターの貸与や食料品等の支援物品配送サービスを開始し,在宅療養における安全の確保に努めております。

また,このような対応に加え,新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を行うための準備も急務となっているため,1月8日に柏市新型コロナウイルス対策本部会議を開催し,各部局から保健所を含む新型コロナウイルス感染症対策関連部署へ最大180名の応援が可能となるよう体制強化を行っております。

次に市立柏病院における新型コロナウイルス感染症対応の体制についてです。

市立柏病院において発生した新型コロナウイルス感染症の集団感染では,利用者の皆様にご心配とご迷惑をお掛けいたしました。

現在,医師や看護師などで構成される「感染対策委員会」を中心に感染拡大防止に努めているほか,発熱などの症状がある方を診療するプレハブ棟を整備するなど,施設面においても対策を進めております。

なお,新型コロナウイルス感染症による一般患者数の減少などにより,医療機関は厳しい経営環境にあることから,病院建替えに関する取組の評価は実施せず,引き続き,感染症対応を最優先に取り組んでまいります。

次に,経済支援についてです。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い,売り上げ減少が継続している市内中小事業者に対し,持続的な経営及び雇用の維持を図るため,市独自の支援策として「柏市中小企業経営雇用支援金」の支給を開始しております。令和2年12月18日より受付を開始し,2月12日の受付終了時点で976件の申請を受付け,現在1億1,330万円の支給を完了しております。

次に,生活支援についてです。

生活実態が依然として厳しい状況にある低所得のひとり親家庭を支援することを目的に「ひとり親世帯臨時特別給付金」の再支給を行っており,現在,令和2年12月11日までに初回分の申請をした方に対し支給を完了しております。申請は,本日2月26日まで受付けており,順次支給を進めております。

次に,感染拡大防止対策についてです。

国の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」などを踏まえ,感染リスクの高い入所系・居住系高齢者施設等の職員を対象に,PCR検査を実施いたします。なお,今年度中の実施を目途に現在準備を進めており,引き続き感染拡大の防止に努めてまいります。

また,緊急事態宣言の発令を受け,本市では,公共施設における20時以降の利用停止や各種イベントの中止等により,皆様には大変なご不便をお掛けしておりますが,令和3年新成人のつどいにつきましても,感染拡大の要因となるリスクを完全に払拭することができないことから,やむを得ずオンラインによる配信といたしました。

一方,専用WEBページやインスタグラムを作成・活用し,成人の日の思い出を記録していただくための様々な取組を行うことで,集合形式による開催中止を補完すべく努めてまいりました。

開催を楽しみにしていた新成人の皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしましたが,ご理解をいただけますようお願い申し上げます。

最後に,令和3年3月21日執行予定の第21回千葉県知事選挙についてです。

選挙管理委員会では,イオンモール柏,モラージュ柏並びに高柳近隣センターの3か所の期日前投票所の新設と,既設のリフレッシュプラザ柏において,近隣住民の皆さまのご理解を得て,午後8時まで投票時間の延長を行ってまいります。

以上,施政の基本方針と市政運営の主要な事項並びに新型コロナウイルス感染症関連事項等について,その概要を申し上げましたが,今後も市勢発展のため鋭意努力してまいる所存でありますので,議員各位の一層のご指導,ご鞭撻をお願い申し上げ,施政方針といたします。

関連ファイル

令和3年第1回定例会施政方針(PDF:562KB)(別ウィンドウで開きます)

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