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ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、咬まれた人が病気を発症することがあります。代表的なものとして、国内では日本紅斑熱、つつが虫病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ダニ媒介脳炎などがあります。
マダニは、硬い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3~4ミリ)のダニで、主に森林や草地などの屋外に生息しており、市外周辺でも見られます。(マダニは、食品等に発生する「コナダニ」や、衣類や寝具に発生する「ヒョウダニ」などの家庭内に生息するダニとは種類が異なります。)
身近な衛生動物 マダニについて(千葉県衛生研究所ホームページ)(外部サイトへリンク)
ダニに咬まれることによって起こる感染症のため、ヒトからヒトへの感染はありません。
マダニに咬まれないように注意しましょう。
マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いもので10日間)吸血します。吸血中のマダニに気がついた際は、無理に引き抜こうとせず、医療機関で処置をしてもらいましょう。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化を注意し、発熱等の症状が認められた場合は、早めに医療機関を受診してください。
日本紅斑熱はリケッチアという細菌による感染症であり、病原体を保有しているマダニに咬まれることで感染します。
咬まれてから2~8日後に高熱と発しんを伴って発症し、重症の場合は死に至ることもあります。夏から初冬にかけて多く発症しますが、真冬を除いてほぼ1年中感染する可能性が有り、全国では毎年100人以上の患者が報告されています。
つつが虫病はリケッチアという細菌による感染症であり、病原体を保有している小型のダニの一種であるツツガムシの幼虫に咬まれることで感染します。咬まれてから5~14日後に高熱と発しんを伴って発症し、重症の場合は死に至ることもあります。つつが虫病は全国では毎年300~400人の患者が報告されています。患者発生は春と秋の二つのピークがありますが、関東から九州では、主に秋から初冬にかけて発生があります。かつては山形県、秋田県、新潟県などで感染する風土病でしたが、戦後は北海道などの一部の地域を除いて全国で発生が見られるようになりました。
重症熱誠血小板減少症候群は2011年に初めて特定された新しいウイルス(SFTSウイルス)によって引き起こされる病気であり、ウイルスを保有しているフタトゲチマダニ等のマダニに咬まれることによって感染します。また、感染者の血液・体液による接触感染も報告されています。
咬まれてから6日~2週間後に発熱、倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)を伴って発症し、重症の場合は死に至ることも有ります。日本では2013年1月にSFTSウイルスによる症例が国内で初めて報告されました。ウイルスを媒介するマダニ類は国内に広く分布するので、全国どこにおいても発生する可能性のある感染症です。
ダニ媒介脳炎にはいくつかの種類があり、主なものとして、ロシア春夏脳炎、中央ヨーロッパ型ダニ脳炎があり、咬まれてから7~14日後に発症します。
中央ヨーロッパ型脳炎では、発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状により発症し、症状が2~4日間続いた後そのうちの約3分の1は、髄膜脳炎に進展し、痙攣、眩暈、知覚異常などがみられます。
ロシア春夏脳炎では、高度の頭痛、発熱、悪心などの症状が出現した後、髄膜脳炎に進展します。
発症した場合の致死率は、中央ヨーロッパ型脳炎では1~2パーセント、ロシア春夏脳炎は20パーセントといわれており、また回復しても数割の患者に神経学的後遺症がみられることもあります。
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