更新日令和4(2022)年2月24日

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第4回柏市保育のあり方検討懇談会会議録

開催日時

令和3年12月16日(木曜日)午後2時から午後4時まで

場所

介護予防センター「いきいきプラザ」2階 研修室

(柏市柏五丁目11番8号)

出席者

外部委員

阿部委員、岡田委員、佐野委員、戸巻委員、水野委員、山田委員

庁内委員

髙木委員、村越委員

庁内関係部署

保健福祉部障害福祉課、こども部子育て支援課、こども部こども発達センター、学校教育部児童生徒課、学校教育部教育研究所

事務局

依田こども部技監、依田こども部次長兼保育運営課長、他10人

傍聴

傍聴者

10人

傍聴の状況

傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

議題等

  1. 保育人材の確保、保育の質の向上について
  2. その他

配布資料

議事要旨

事務局より資料説明を行い、内容について質疑応答及び意見交換を行った。

進行について

(事務局)

  • 今回も庁内委員である髙木委員に、ここからの進行をお願いしたいと思います。

(異議がなかったため、進行を髙木委員に一任した。)

各委員の意見

(戸巻委員)

  • 保育人材の確保と保育の質の向上は、表裏一体で連続性があるものと捉えています。
  • 保育人材、特に保育士や幼稚園教諭を持つ有資格者の確保は、募集をかけても来ない非常に厳しい状況下にあり、それに対しての支援を市に求めたいと思います。そもそも保育園等の運営は、市から民間事業者への委託事業という事実関係があり、民間事業者としては子どもたちをしっかりと保育することが責務です。しかし、市の利用調整を経て入ってくる子どもたち対して、職員が不足しているからといって断ることは当然できない中で、人材確保について各事業者だけで努力するには限界があります。
  • 職員の給与上乗せなどの施策は、柏市が先駆けて取り組んでいただきました。しかし、当初はよかったものの、その後近隣市が上乗せした施策を打ち出してきています。就職奨励金は、新卒者以外も受け取れるため、柏市内の教育・保育施設でキャリアを積んだ優秀な人材の流出が実際に起きています。近隣市への流出防止と、優秀な人材を確保するという名目からも、何らかの新たな施策をご検討いただきたいと思います。
  • 人材の確保と保育の質の向上は、切り離して話しができる内容ではありません。人材が豊富だから保育の質が向上するという担保はありませんが、人材が欠如している状況で質の向上は困難を極めます。
  • ADHDや自閉傾向など支援を要するお子さんが増えており、民間園でも受け入れていますが、国で決められた職員数だけでは保育は大変厳しく、その面でも多くの職員が必要です。
  • 流山市の就職奨励金30万円という金額は、学生にとって大変衝撃を与える額であるということを認識していただきたい。具体的にこれをやってほしいというものはありませんが、学生が柏市で働きたいと思うような心に刺さる取り組みが必要です。合同就職説明会に来た学生にアンケートを実施し、何を就職の基準としているのかを聞くことで明確になることもあるのではないでしょうか。
  • 職員を十分確保できない園では、研修に職員を出すことも難しいことを今一度皆さんに理解いただきたいです。どんなに良い研修を作っても、そこに職員を出すことができなければ意味がありません。1・2人を研修に出しても大丈夫であるという状況を常に作っておくこと、この点においても人材の確保と保育の質の向上は表裏一体であると考えています。
  • 公立園と私立園の先生方の合同研修は大賛成であり、ぜひ進めていきたいです。第3回の懇談会でも「オール柏」というお話をさせていただきましたが、子どもに向き合う人たちに公や民といった立場は関係ありません。課題としては、今もなんとか職員をやりくりして研修に送り出していますが、テキストを読み上げただけのようなものが多く、オンライン研修も一方的に情報を先生方に伝えていて、実のある研修が少ないことです。
  • 事務局からご提案のあった柏市共通の保育目標を定めた上で、今本当に必要なテーマをみんなで決め、共有の想いや願いのもと進めていくことが必要ではないでしょうか。
  • 保育分野では最近、「往還型研修」が主流になってきています。課題や宿題を持ち帰り、1か月後の研修までに意識しながら保育を行い、答え合わせや効果測定を行うことを繰り返しながら、スキルを向上させるものです。単発の研修ではなく繰り返しやるという点と、自分の保育現場にイメージや勉強の内容を持ち帰り、意識しながら保育をするという点で非常に意味があります。研修は市任せではなく、意見交換、相談しながらテーマを決めるところから一緒に作り上げていくことが大事であると思っています。

(髙木委員)

  • 合同就職説明会ではこれまでも簡単なアンケートは取ってきていますが、園の皆さんからご意見をいただきながら作り込むことで、実際の学生の動向を掴み、市の施策がどう関わっていくかを知るための良いアンケートになるのではないかと思いました。
  • 研修については、官民の先生方と一緒に考え、実施していけたらいいなと思います。

(水野委員)

  • 金銭面での支援について、流山市や松戸市、野田市など近隣市のほうが柏市よりも充実しているということを学生も分かっています。松戸市では勤務年数に応じて処遇改善の手当が高くなり、流山市の就学奨励金30万円はインパクトが大きいです。
  • 保育士の募集をかけても集まらないため、人材派遣会社から紹介を受けている園もあり、派遣会社に支払う手数料は派遣職員の年収の30パーセント、およそ100万円程度にもなります。
  • 今年は特に職員が集まらないと、柏市内の認定こども園の先生方が声をそろえて言っており、人材不足、確保の厳しさが増していると感じています。
  • 「魅力ある保育を行う」ことも人材確保には欠かせない要素ではありますが、「金銭面」も要素であり、残念ながら人材の流出が起きています。
  • 従業員が50人以上いる場合には毎年ストレスチェックの実施が義務付けられており、自園でも実施しているところです。客観的に数値化されることで、管理職も自覚し、離職防止になることを考えるのではないかと思います。ストレスチェックを各園で実施していくことはいかがでしょうか。
  • 保育の質の向上には研修が必要ですが、人が足りず、参加させたくてもできないのが実情であり、ノンコンタクトタイムも先生の人数が揃った上でできる話です。魅力ある保育や運営、子どもたちに良い教育・保育を行っていくためには、まずは人材の確保が必要です。

(髙木委員)

  • ストレスチェックについては、公立保育園でも実施しているところであり、園長と課、園長と先生方で一緒に考えるきっかけになっています。ストレスチェックの実施、活用を園に広げていくことも検討していきたいと思います。

(山田委員)

  • 人材確保のため、処遇改善手当を支給することの必要性は一定の理解をしています。しかし、財政に余裕がある自治体と対抗し、ただ定額部分を増額するということには違和感があり、保育の質は上がらないと思っています。
  • 例えば、市職員が実施している「人事評価制度」のように、評価が高い職員に手当を上乗せする仕組みを柏市全体で検討してみてはいかがでしょうか。そうすることで、おのずと質の高い保育につながっていくと思います。
  • 4ページの「柏市の保育目標の策定」について、現在、柏市教育委員会主導の下、市内の幼稚園、保育園、認定こども園の先生方が一体となって、幼稚園教育要領、保育所保育指針、認定こども園教育・保育要領に掲げられた共通目標の「10の姿」の中から1つを選定し、共同で研究を行っています。現場が混乱することのないよう、こども部と教育委員会で1本となるよう、新たな教育・保育目標の策定に取り組んでいただきたいと思います。
  • 女性職場であるため他業界に比べて、産休・育児休業をきっかけに離職する人が多いのではないかと推測しています。ハラスメントの問題もありますが、離職防止として公立私立問わず、まず実態把握や離職理由の調査をし、一つずつ解決していってほしいと思います。
  • 増加する特別な支援を要するお子さんへの対応については、できれば各園にコーディネーターがいると良いのではと思います。クラス担任の相談に応じながら、療育施設や保護者、園を総合的にまとめ支える施設コーディネーターの仕組みを作ることも、行政の大きな役割ではないでしょうか。
  • 新人への研修は当然のことながら、組織を統括する管理職へも重要です。勤務年数別や専門分野別など組み合わせて行っていくことで質の向上につながっていくものと思います。

(髙木委員)

  • 離職については、まずは実態把握ということで現場の先生方の声を拾い、状況を的確に掴み、課題の洗い出した上で対策を立てる、こういった地道な取り組みが大事であると再認識しました。
  • 幼保こ小連携については、柏市はこれまでも一生懸命取り組んできた経緯があります。「子どもためには」という同じ目的の下、今後もこども部と教育委員会が一体となって取り組んでいきたいと思います。

(村越委員)

  • 自園は、公立保育園の中でも一番園児も職員数も多い園ですが、ゆとりを持てるほどの職員の手はなく、日々工夫をしながら保育を行っています。職員の採用活動は課が担ってくれており、公立保育園の園長は、私立園の園長先生方と比べると経営や運営という意識は低く、甘えと捉えられてしまうかもしれませんが、その分、保育に一生懸命向き合えることが利点であると、自分に言い聞かせながら職務にあたっています。
  • 就職先を決める上で金銭的支援の充実度のお話も出ていますが、柏市に就職を決めた人に話を聞くと、「自宅に近いのが魅力」という回答もありました。シフト勤務で働く環境の中では、市内の保育園を選択するのも、近くで働けるということが強みの一つになるのではないかと思いました。
  • 金銭的支援の充実度と、保育の楽しさややりがいは連動するだろうかと考えると、悩む人もいると思います。突出するような金銭的支援がなくても、やりがいを持って、楽しい保育ができると思ってもらえるような園作りを、柏市全体で取り組んでいかなければいけないと思います。
  • 研修は、オール柏でというキーワードも出ていますが、地域ごとにも特性があるため、地域を集めたものや経験年数別も必要であると感じています。また、公立保育園の園長も世代交代が起きており、ベテランの私立園の園長先生方の手腕や園運営に対する想いなども伺いながら学んでいきたいと思っています。
  • 今後の公立保育園の役割としても、コーディネーター役として研修を進めていくこと、また、公立保育園の保育士は経験年数の幅が広く、他部署での経験を持つ職員もいるという強みを生かし、関係機関と連携しスペシャリストを育て、研修の一翼を担えるといいのではとも思っています。
  • オンライン研修の問題点もあがっていましたが、公立保育園で行った研修は内容も充実していたように感じました。今年度、公立保育園では2カ月の間に、いつでも誰でも何回視聴してもよいオンライン研修を実施しました。ちょっとした隙間時間に視聴できたり、複数人で視聴した後に話し合いに発展できたり良かったという声もありました。好事例を私立園の先生方とも共有し、オール柏で今後研修に取り組んでいけたらと思っています。

(髙木委員)

  • 村越委員が園長を務める豊四季保育園は、柏市の中でも一番大きな保育園であり、束ねていく中で、人材確保や質の向上などを目指すには、私立園の先生方や地域の関係機関とこれまで以上に連携していく必要性を、より感じている園長であると思っています。
  • 保育士はシフト勤務であり、朝も早く、夜も遅くなることから、自宅と勤務地の近さは利点になると感じました。お金も大事ですし、それ以外にも柏で働く魅力をキーワードでたくさん出せると、柏を勤務地として選ぶ人も増えてくるのではないかいう印象を受けました。

(佐野委員)

  • ママ友に保育士として働いている方、働いていた方が多く、自分自身は子育てに自信がなかったため、これまでいろいろと相談にのっていただきました。保育のノウハウに精通していらっしゃる方々は、本当に尊敬に値すると思っています。
  • 保育の資格を持つ友人たちの中では、保育士を今後も続けたい人とそうではない人に二分されていたように思います。続けたい人は、自分のやりたい保育が明確で、それを実現する場所を探し、柏市から他市の園へと移っていく人もいました。一方、保育の仕事はもう遠慮したいという人は、違う職を探して働きに出る人が多く、せっかく専門的な知識があるのにとてももったいないなと思いました。こうした潜在的な保育人材になり得る方は多くいらっしゃることでしょう。
  • 子育て支援員の活用については、PTA活動の一環として、支援員の研修を受講し、修了されている方がいます。研修をきっかけに子育て支援の大事さに気づき、教育や文化の方面など、地域での活動を広げていく人も多くいます。そのような人たちに、保育の現場にも入ってもらえるような働きかけができると、人材確保につながっていくのではないかと思います。
  • 柏市はバラエティ豊かな教育環境にあると思います。グローバル教育、アスリート教育、文理の頭脳を磨くなど特色ある高校や大学、大学院、研究所が立地していて、子どもたちに講座や体験の機会もたくさんあり、保護者にとってもとても嬉しいことです。保育体験をする高校もありますので、そちらへのアプローチも人材確保の取り組みとして考えられるのではないでしょうか。
  • 他市の取り組みになりますが、自分自身が出産後に、高校生の赤ちゃん触れ合い体験に参加しました。赤ちゃんに触れる機会がないという高校生がほとんどで、抱っこすると「あったかい!」と言って高校生の表情がほぐれ、子どもっていいねとお互いが温かい気持ちになる良い体験でした。進路をこれから見つけていくその前に、命の温かさに触れ、命を育む大切さや、人生の土台を据える時期に関わることの喜びや尊さを感じられる機会が柏市にもあるといいなと思いました。
  • 幼保小架け橋プログラムについて新聞記事で見て、保護者として何ができるかを考えることも大事ではないかと思いました。「親としての学びの必要性」を認識できるかどうかは保護者一人ひとりの価値観によりさまざまですが、情報や知識を得ることは自分の糧になります。また、保育の質の向上は、子どもたちの育ちにかえってくるものなので、保護者側も真剣に考えられるように、まずは自分から努力していきたいと思います。

(髙木委員)

  • 高校生へのアプローチについては、保育士という職業の魅力を伝える機会にもなります。これでも職場体験として受け入れているところもありますので、市や各園とがタイアップをして、もう一歩進んだプログラムとして進められないか検討していきたいと思います。
  • 千葉県内には保育士の養成校がたくさんあります。高校生のうちからアプローチし、保育士になりたいと人を増やしていく、5~10年先を見据えた取り組みも必要だと思いました。
  • 保護者へのアプローチが保育の質を向上していくために大事な視点であると感じました。

(岡田委員)

  • 人材確保が新卒者を採ることなのか、中途者を拾いあげることなのか、それとも離職者を出さないことなのか、あれもこれも全部というのは施策として難しい。インパクトをどこに置くかが重要だと思います。
  • お金の話は、現場の先生方にとっては切実な問題だと思いますが、切りがなくなります。お金につられて入ってきた人が、5年後、10年後もその園、その地域で働き続けるかは分かりません。また、お金は財源の問題もあります。
  • 離職については、保育士の仕事量や内容など仕事の大変さをもっと評価すべきだと思います。本来の保育士の仕事と、資格が必要ではないものや事務的なものなどを仕分けし、保育士以外の職員に任せるなど業務の効率化が必要だと思います。「柏だと本来の保育士の仕事に専念できる」「柏にはフレキシブルな勤務体制がある」など、柏の園に入職してもらうことも大切ですが、長く続けてもらうことも考えていくべきであり、どこに施策のインパクトをつけるかが検討課題だと思います。
  • 本来の保育士の業務という中で、研修の時間を作れるようにし、今はオンデマンドなどさまざまな研修がありますので、それらを活用していってほしいです。
  • また、専門性を強調した研修を行ったり、ここの園ではこういった専門性が学べたり、柏市では発達障害や医療的ケアのスペシャリストになれるなど、専門性を取得することでインセンティブがあると良いのではないでしょうか。
  • 新卒の看護師は、研修システムがしっかりしていて、ここで何年勤めれば何ができるようになると将来の見通しや、得るものがあるかどうかで就職先を決めると聞きます。「柏に来たらこんな保育士になれる」「柏ではこういうことができる」「柏の保育園に勤めるとこんないいことがある」というようなビジョンを全市的に打ち出せるとよいのではないでしょうか。

(髙木委員)

  • 専門性の取得というのは、看護師ですと感染症やがん疾患、ターミナルケアなど今はかなり分割されていて、看護協会や学会などの認定資格とされ、修了者は給与や立場があがるようなシステムになっていたかと思います。医療的ケア児に強い保育士として、例えば柏市が認定することで、市内でリードし広めていく、そのようなイメージでしょうか。

(岡田委員)

  • 保育業界でもあるかどうかは分かりませんが、例えば柏市の中でそのような仕組みを作るということも1つの方法だと思います。研修は、園長に言われたからなんとなく年に1回学びに行ったでは意味がありません。研修の中身やターゲットをしっかり絞り、修了すると対外的に認められるようなものがあると、研修も大きな意味を持ってくるのではないでしょうか。

(髙木委員)

  • 他の業界の取り組みも参考にしていきたいと思います。

(阿部委員)

  • 本日の懇談会において、現場の先生から保育者の採用に関しての話を伺って、負のスパイラルに入ってしまっているという印象を持ちました。人材確保のためお金の話が出てきていますが、養成する側の立場からすると、就労奨励金や一時金といった目先のお金は、専門性に対してとても失礼なやり方であり、真に専門性を評価するのであれば、専門性に見合う給与について検討してもらえるといいのかなと思います。ある程度時間をかけて、人材の取り合いではない方策を考えていかなければならないと思います。
  • しかし、現実的には人が足りないという状況に対してどうするかと考えますと、基準で3分の1までの配置が認められている子育て支援員を、きちんと育てることが大切だと思います。子育て支援員は、保育士や幼稚園教諭と比べると研修の機会も少ないと思いますので、少しずつグレードアップしていけるよう研修機会を支援し、ゆくゆくは保育士試験が受けられるような道を開いて、現状の足りない人材を補うことはどうだろうと考えました。
  • 潜在保育士の掘り起こしという考えもありますが、「保育」の考え方が大きく変わってきている中で、10年、20年も前に資格を取得した人を掘り起こしてきても、かなりの時間を掛けてブラッシュアップしていかないといけません。それでも子どもの育ちや保育に意欲的な人であればいいのですが、「資格があるから、これくらいのお金を出すからおいで」と言って来てもらう人よりは、保育そのものに気持ちがあって、そのために学ぼうとする意欲のある人を育てていくほうが、育てる園側もやりがいがあるのではないかと思います。また、子どもの育ちにも良い影響があると思います。
  • 保育をしていく上で「ゆとり」は必要であり、給与はその1つの要素です。保育士の給与が一般事務職よりもかなり低いということは、その担う役割からして残念なことです。専門性を持った職業としての評価、少なくともとりあえずは、一般事務職と同水準の給与を検討してほしいと思います。
  • 人が足らない現状の中でも、その役割からすると今いる保育者の資質向上は急務です。研修の時間が取れないということも何とかしなければならないことですが、その中でもなんとかしなければならないと考えている団体では、業務時間後に研修を設定したり、子どもたちの午睡の時間にしたりしています。自分の専門性を深める上で必要だと思えば参加でき、そういう積極的な取り組みには、何かしらの研修参加のサポートをすることも必要ではないかと思います。とにかく目の前のことを何とか乗り切り、負のスパイラルを止めることが大事です。
  • 以上と並行してやっていくことものとして、資料4ページに挙げられていることが重要になってきます。特に、幼保こ小の連携が重要で、教育委員会との一体的な保育目標の設定や実践は、さまざまな自治体で取り組まれ始めています。子どもたちや子育て家庭にとって良いことであるならば、その取り組みはぜひ進めてほしいと思います。取り組むことでそこに参加する先生たちが、子どもの育ちや保護者支援、自身の待遇などを考えるようになります。
  • 今の保育所保育指針等は、中央教育審議会の答申を基に改定(改訂)が行われました。その中で幼児教育において育みたい資質・能力として「3本の柱(注1)」があり、3歳から18歳までを通して規定され、発達過程に合わせて、何をどう学び豊かに生きていくかにつなげています。柏市のすべての子どもの確かな育ちの保障は、(乳)幼児教育が目標を持って、どのような力が育っているのかを評価することを抜きにしては考えらません。全市的な保育目標の設定、そのカリキュラムをどのように作っていくか、公私の先生たちが集まって話し合うことがまず大事です。そして、どうやって実践していくかを検討し、実践に移して初めて意味があります。

(注1)「3本の柱」(引用:保育所保育指針)

  • 豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする「知識及び技能の基礎」
  • 気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする「思考力、判断力、表現力等の基礎」
  • 心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする「学びに向かう力、人間性等」
  • 働く環境の質が高ければ、あまり経験がない人(たとえば新卒)もそこで一緒に働くことで質が高くなっていきます。つまり、今の園の先生たちが良くあろうと努力していくところに質が上がっていきます。保育には完成がないと思っています。どんなに長く保育士や幼稚園教諭をしていても分からないことは山ほどあり、それを子どもと一緒に追究していく場としてそこがあるということが大事だと思います。
  • 辞めずに保育士として働き続けるということは、ライフステージに合った働き方を考え、お互いに都合を融通し合いながら仕事をしていくことが大切です。また、研修も一律に同じものを行うのではなく、キャリアに合わせた研修や、得意分野を伸ばす研修が必要になってくるではないかと思います。
  • 資料4ページに「子育て支援」に関する記述はありませんが、特に0歳~2歳の子どもを家庭内で保育している方たちへの支援も、保育園や幼稚園などに通う方たちと同じように大切です。赤ちゃんに触れたことがない、どう扱ったらいいか分からないという人たちが親になり、悩みを抱えていると思います。私の経験では、自分が楽しいと感じていることは子どもも一緒だと思う親が多く、夜の9時、10時までカラオケや飲み屋に連れ出しています。子どもは体を作る時期であり、生活リズムの乱れは発達に大きな影響を及ぼします。親は、子どもをもったらすぐに親の役割ができるものではありません。子どもと一緒に育っていかなければなりません。大人とは違う生活をしっかりと子どもにさせなければいけないということが分からなくて当然のところがあります。子どもにとって良い環境や関わり方を、一緒に考え育っていく場として子育て支援の強化もしていけると良いのではないかと思います。
  • 保育に専念するためには、現状の仕事の整理が必要で、まず保育者の仕事をできる限り全て言語化し、整理した上で、事務的なところは他の職員に任せるなど、チームで保育するという視点から工夫をしていくことが大切です。
  • 保育士が専門職としてしっかりと認められるようになるには、保障ばかりを訴えるだけではなく、専門職にたりる努力を自分たちでする必要があります。そして、これまでの現場の先生方に欠けていた点は、自分たちが普段行っている保育の意味を外に発信してこなかったということです。保育の中で重視している「遊び」が子どもの育ちにとってどういうことなのかなど言葉で表現し、相手(社会)が納得する説明力をつけることが大切だと感じます。
  • 研修方法は、対面もオンデマンドもどちらにも良さはあります。他市の事例になりますが、保育士7年目で指導計画を立てられない人がいました。理由を尋ねると、その園では去年までのものを使いまわしていたそうです。半年間に5回対面での指導を重ね、計画が立てられるようになりました。個に合わせた支援が可能になるのが対面の良さの一つだと思います。オンデマンドは、繰り返し視聴できるという良さがありますので、内容や対象者によって使い分けができると良いと思います。

(事務局)

  • 本日のご提案を今後の保育のあり方検討につなげていきたいと思います。

次回開催日時(予定)

令和4年1月27日(木曜日)午後2時から

 

お問い合わせ先

所属課室:こども部保育運営課

柏市柏5丁目10番1号(本庁舎別館3階)

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