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更新日令和7(2025)年11月12日
ページID43951
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令和7年度柏市保健衛生審議会会議録
1 開催日時
令和7年10月2日(木曜日)午後4時から5時25分まで
2 開催場所
ウェルネス柏 4階研修室
3 出席者
(委員)
佐藤会長、松倉副会長、石井委員、植田委員、大宅委員、齊藤委員、南波委員、原田委員、村上委員、渡邉委員
(事務局)
高橋健康医療部長、山崎保健所長、梅澤健康医療部次長兼健康増進課長、宗得健康政策課長、浅野総務企画課長、荒巻保健予防課長、高木生活衛生課長、芳川動物愛護ふれあいセンター所長、赤池衛生検査課長、星母子保健課長
4 議事
- 報告事項
ア 各部署の取組みについて
イ 柏市第6次総合計画
(ア) 柏市母子保健計画
(イ) 柏市健康増進計画
(ウ) 柏市感染症予防計画
(エ) 柏市(保健所)健康危機対処計画ー感染症編ー
(オ) 柏市動物共生未来ビジョン(仮) - 協議事項
柏市新型インフルエンザ等対策行動計画改定(案)について
5 資料
- 資料1~7(ZIP:5,938KB)
- 【参考資料(別冊1)】柏市保健事業年報令和6年度版(PDF:3,049KB)
- 【参考資料(別冊2)】柏市第六次総合計画ダイジェスト版「これからのまちづくり計画」(PDF:6,452KB)
- 【参考資料(別冊3)】第2次柏市健康増進計画(PDF:3,996KB)
- 【参考資料(別冊4)】新型インフルエンザ等対策行動計画(平成26年度)(PDF:1,129KB)
- 【参考資料(別冊5)】新型インフルエンザ対策等行動計画(改定案第1版)(PDF:886KB)
- 【参考資料1】 柏市保健所条例(PDF:172KB)
- 【参考資料2】 柏市保健所条例施行規則(PDF:171KB)
6 委員意見・質疑
(1) 報告事項:各部署の取り組みについて
健康政策課
【石井委員】
かしわ健康アプリ「ワニFit」への関心は高いが、インストールができず、周りに教えられる人がいないので参加していない人が見受けられる。やり方を教える事業はできないか。
【健康政策課長】
ラコルタ柏・ウェルネス柏窓口では個別のインストール支援を行っている。市民団体の要望に応じた出張支援や、健康づくり関連イベント等でも支援を行う。年末に向けては、プッシュ型のインストール支援会を開催する予定である。
動物愛護ふれあいセンター
【石井委員】
クラウドファンディングは、どの程度の規模か。これまでも実施したことはあるか。今後もペットとともに生きたい人に寄り添った施策をお願いしたい。
【動物愛護ふれあいセンター所長】
令和6年度に初めて実施し、目標金額を300万円としたところ、約90日間で10,919,000円の寄付をいただいた。寄付金は、殺処分ゼロの取組みとして、犬猫のマイクロチップ装着費用の一部補助、地域猫の不妊去勢手術助成金の増額に活用した。今年度は、10月6日~1月3日を実施期間として、目標金額500万円、使用用途としては交通事故等で負傷しハンディキャップをもつ犬猫の治療強化、ボランティア活動推進と支援強化、地域猫不妊去勢手術の支援継続、センターの収容施設整備充実に活用したいと考えている。野外で暮らす飼い主のいない猫対策を含め、市民が管理する猫についても、適正な飼育管理方法の提案を継続する。
【大宅委員】
急速に広がっているSFTS(重症熱性血小板減少症候群)についての情報、マダニ対策や人とペットが注意すべきことについて周知できないか。
【動物愛護ふれあいセンター所長】
市ホームページやポスター掲示により、マダニに咬まれないための予防策、犬や猫からの感染を含めた予防対策について周知している。今後も様々な機会をとらえ、積極的な啓発を行っていきたい。
(2) 報告事項:柏市第六次総合計画について
柏市母子保健計画:母子保健課
【石井委員】
計画の趣旨から「柏市親子計画」とする時期になっているのではないか。父親も子育てに積極的に関わることが今後の方向性であり、今後の日本にとってはとても大切な要素になる。柏市からそのような施策が行われ、千葉県や全国に広がっていくのはとても嬉しい。また、そのこと自体が親子が健全に育っていく社会づくりに寄与すると考えている。計画の名称が全てではないが、基本的な考え方として一番重要な事項だと思っているため、父親も含めた支援を是非お願いしたい。
【母子保健課長】
子育て期の父親の役割が大きいことは認識しており、母子保健事業を通じて父親の育児参加の大切さを伝えている。母子保健計画の名称は、根拠となる母子保健法が乳児及び幼児の健康の保持増進、妊娠・出産を迎える女性の支援を目的として、特に健康リスクの高い妊娠・出産期の妊産婦の健康支援が乳幼児の健やかな成長・発達につながると認識しているため、引き続き母子保健の名称を使いながら、父親の育児支援も推進していく。 柏市では今年9月から、「プレコンセプションケア推進事業」を開始した。男女ともに、若いうちから妊娠・出産・育児に備えた健康づくりに取組むことを支援する事業である。今後も男女ともに親子で健康づくりに主体的に取組むという視点を持って施策を進めていきたい。
【渡邉委員】
最終評価で目標値に届いていない理由は何か。また目標値に届かなかった項目で、苦労されたこともお聞きしたい。目標値を達成することはなかなか難しいものだと思うが、今後評価結果に合わせて取組み内容等の検討を是非お願いしたい。
【母子保健課長】
目標値を達成できなかった項目の理由として、設問の意図が伝わりにくかったと考えられる項目については、補足データを収集し達成度を確認した。近所の声かけや地域のつどいへの参加減少については、はぐはぐ柏等の子育て支援施設を選択できるようになった環境の変化も影響していると考えている。またベースラインより向上した項目については、施策の一定の効果があったと評価した。引き続き、子育て支援拠点の周知等、こども施策との一体的な取組みを行い、啓発の強化を図っていきたい。
柏市健康増進計画:健康増進課
【石井委員】
環境が人をつくることがわかってきているので、柏市の狙いは、今の時代にぴったり合致している。計画の基本方針に期待したい。
【健康増進課次長】
この計画を知らない人や、日々の忙しさから健康に意識が向かない人でも、柏市に住んでいるだけで自然と運動がしたくなったり、いつの間にか健康に興味を持てるようになる環境づくりを目指していく。
【石井委員】
かしわ健康アプリ「ワニFit」の対象年齢が18歳以上となっているのが勿体ないと感じる。小学校低学年くらいから切れ目なく健康を意識するような教育をしてほしい。小さなお子さんであっても、ゲーム等を通して健康について様々な知識が得られるよう働きかけたり、中学校卒業時点で「15歳になったらこんなものが使えるんだよ」と伝えて本アプリを案内すると、もっと効果が上がるのではないかと考えている。また、義務教育が終わったタイミングで、これから先のことを考るきっかけ作りとして、イベントに参加したらポイントを付与するという形も良いのではないか。イベントの種類はたくさんあって、子どもたちが楽しめる内容のもので、「柏に住んでてよかった」と思えるものを是非考えてほしい。
【健康政策課長】
様々な年代の方に「ワニFit」を使ってもらって、健康に対してポジティブに行動してもらうということは、根本的に大事なことだと考えているため、今後どのようなことができるのか継続して考えていきたい。
【佐藤会長】
健康づくり推進員の村上委員に伺いたい。健康増進計画に基づいて、今年度から各地域で健康づくり活動を展開されていると聞いているが、現在力を入れて取組んでいる活動を紹介してほしい。
【村上委員】
今年4月から、柏市民健康づくり推進員連絡協議会の事務局が母子保健課から健康増進課に変わり、母子保健活動から健康づくり活動に軸足を移して活動している。大きな変更点としては、推進員としての「赤ちゃん訪問」が終了し、「母と子のつどい」の周知方法を変更しSNS発信等を加え、父親の参加もみられていることから、来年度からは「赤ちゃんのつどい」という名称に変更する予定である。推進員の研修で子育て世代のがん検診受診率が低いということを知り、非常に驚いた。子育て世代は一番健康に関心を持ってほしい世代であるが、子育てが大変で、自分の健康のことを後回しにしてしまい、なかなか検診に行くことができない状況にあると思われる。そのため、今年度からは推進員も協力して、がん検診会場にてお子さんをお預かりする取組みを開始し、健康づくり活動にも力を入れている。健康アプリの「ワニFit」がスタートしたことを受けて、まず推進員自身がアプリをインストールして、実際に使ってみて、各地域の健康講座でもテーマとして取り上げたりと普及に努めている。推進員が実際に楽しみながら使うことで、友人や地域の方にも会話の中で「簡単にインストールできるよ」とお知らせし、お手伝いできるようになると考えている。
柏市感染症予防計画:保健予防課
【渡邉委員】
保健所の体制整備の人員は、柏市人口に対して十分なのか。IHEAT要員(健康危機管理支援チーム)7名は適正なのか。
【保健予防課長】
「保健所の体制整備」に記載した人員の確保数206人は、国から示された令和3年冬から令和4年の保健所における新型コロナ感染症対応の最大体制を元に必要数を想定するという考え方に沿った人数となる。この時期はオミクロン株への置き換わりにより急速に感染が拡大した時期なので、この規模の流行の開始から1か月に必要となる保健所の業務量に対応できることを目標としている。柏市は、新型コロナ感染症対応当時の実績そのままではなく、全体調整を担うグループの新設やコールセンターの拡充等を盛り込んだ体制を想定し、206人とした。IHEAT要員7名は、千葉県単位で登録した方のうち、柏市での活動を第1希望とする方の人数となっている。
柏市健康危機対処計画:総務企画課
(委員から意見・質疑なし)
柏市動物共生未来ビジョン:動物愛護ふれあいセンター
【渡邉委員】
骨子案の中に「犬猫を飼育する高齢者、事情を有する市民への福祉的支援と連携」とあるが、「福祉的支援」とは何か、具体的なことが知りたい。知り合いの高齢の方が、新たに猫の赤ちゃんを飼い始めたという話を聞いた。高齢者の年齢と猫のその後のことを考えると、誰かの手助けが必要なのではと考えた。
【動物愛護ふれあいセンター所長】
動物を飼育される方には、独居の方や高齢の方も多く、何らかの生活支援が必要な方もいる。管理については飼育者に一存されるため、時には日常生活が十分に維持されず、動物の多頭飼育崩壊や、動物虐待にもつながる行為に遭遇することもある。動物の飼育により、飼い主自らの生活の質が低下することがないよう、市役所内外他部署とも連携して情報共有を進め、必要に応じ協働で訪問し、相談に応じる体制を取り、飼育者も動物も、ともに健康で豊かな生活が過ごせるように支援を行うことが福祉的支援となる。
【北川委員】※欠席のため、事前意見として提出されたもの
動物とともに暮らす私が一番心配なのは災害時の避難で、ペットを同行できる避難場所は整備されつつあると聞くが、実際にそこで何日も暮らすには心配事が尽きない。避難所ではただでさえ誰もが不安を抱えているところへ、動物も慣れない環境の中で鳴いたり暴れたりしたらトラブルになるのではないか。実際に避難所ではどのような運営が考えられているのか知りたい。
【動物愛護ふれあいセンター所長】
柏市では、発災時にも市民の皆様が躊躇することなくペットと一緒に避難できる場所として、現在83か所にペット同伴可能な避難所を設けている。避難所では、市民とペットは別々の部屋で避難生活を送ることとなり、避難者もペットも慣れない環境下での生活を強いられる。また避難所では、避難された市民と動物飼育舎との動線が重ならないように配慮しているが、実際の避難に当たっては、様々な問題が発生することが想定される。このため、ペットの飼い主には避難所で「飼い主の会」を結成いただき、各避難所の状況にあわせてペットを管理し、避難者にご理解、ご協力いただく必要がある。このような不慮の事態に備え、今後は各避難所の施設管理者や住民とともに、ペット同伴の避難訓練を開催し、想定される諸問題を整理しつつ、市民の理解が得られるよう、避難所運営に努めたい。
【大宅委員】
「動物共生未来ビジョン」については、獣医師会としても可能な限り協力したい。
【動物愛護ふれあいセンター所長】
ビジョン策定について、御協力のお申し出をいただき御礼申し上げたい。今後開催する懇談会には、東葛地域獣医師会にも御参加いただき、様々な御意見を賜りたい。
【大宅委員】
東葛地域獣医師会は、東葛地域5市と災害時協定を結び、協力して対応にあたっていく。千葉県獣医師会とも連携を図るため、現在様々な協議、検討をしている。毎年実施されている9都市防災訓練は、今年は10月19日に館山市で実施される予定で、ペットの同行避難や災害時の動物の管理についての訓練も検討している。前回この会議でも話しているが、動物に関係ない方にとっては、避難所へのペットの同行避難は甚だ迷惑な話だという意見が未だに聞かれるが、これはペットを置いていけない人の人命に関わるということを強調して、納得していただくことが重要だと考えている。また、人と動物の共通の感染症も増えているため、災害時にそのような感染症を広めないために、獣医師会としても重要なことと捉えて準備していきたいと考えている。柏市内では83ヶ所にペット同伴の避難所を設けることは、市と協議をしながら進めてきた話だが、各避難所にスペシャリストがいる訳ではなく、災害の種類によって避難できる場所や責任者が変わる可能性があるため、まだ十分に検討しきれていない状況がある。北川委員からの質問にもあったが、同行避難はしたが、避難所がペットにとって安全で落ち着くことができる環境であるかといったら、残念ながら今のところそこまでは至っていないのが現状である。しかしながら、獣医師会としては、避難所を巡回し、もしペットの病気が重い場合には、動物病院に移送する等、飼い主が安心できるような体制を構築したいと考えて動いているところである。動物共生未来ビジョンについても、動物に関わる関係者の方々も含めて、前向きに話し合っていきたいと考えている。
(3) 協議事項:柏市新型インフルエンザ等対策行動計画改定(案)について
【西出委員】※欠席のため、事前意見として提出されたもの
今後どのような感染症が流行するかわからない中で、計画に詳細の対応を記載することや柏市の独自性を追記することは難しいため、当たり前のことを書いておき、その時々の状況に合わせて決めていくしかない。いざという時に、速やかに協議していくためにも、ポジショニングだけ決めて、誰と誰が集まって話し合うかを整えておけばいいのではないか。予防接種については、新型コロナワクチンの課題を順番に整理していけばいい。
【事務局】
ワクチン接種の課題整理と体制整備の具体については、新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定に基づいて、「住民接種実施計画」を新たに策定する中で検討していく。
【北川委員】※欠席のため、事前意見として提出されたもの
家族が新型コロナに感染し高熱が出た時、市の相談センターに電話したが、すでにホームページに掲載済みの受診可能な医療機関情報のみ教えてくれるだけで、不安な一夜を過ごしたが、家族がもし小さな子どもだった場合はさらに不安が大きかった。せっかく相談センターができるのであれば、少なくとも不安を軽減できる情報につなげてほしい。
【事務局】
市民の方に感染が疑われるような症状が出た際に、相談先としてご案内する「相談センター」の周知や機能強化について記載をした。いただいたご意見を踏まえて「相談センター」のわかりやすい周知方法について、広報部と連携しながら検討していくとともに、市民のみなさんが安心できるような相談機能の強化を検討していきたい。
【石井委員】
改定案は、新型コロナ感染症対応で得た様々な課題を確認し、それに合わせたものになっており安心している。一方で経済的な打撃を縮小するためにも行動が手遅れにならないよう、何よりも命を守ることを一番に対応してほしい。最近市内でも外国人が増えていると感じているが、外国人にも対応できる情報伝達について力を入れてほしい。
【事務局】
新型インフルエンザ等感染症への備えの充実につながるように、市役所内部及び関係機関とのコミュニケーションを密に図りながら、平時から体制整備について検討し、意識を高める取組みを継続していく。外国人への丁寧な対応については、「情報提供・共有・リスクコミュニケーション」の対策項目の中で、「迅速かつ一体的な情報提供・共有の体制整備」を記載した。その中でも、日本語能力が十分でない外国人への適切な配慮について、複数の媒体を用いて、理解しやすい内容で情報提供・共有することを明記した。柏市においても、外国人居住者は年々増加傾向にあるため、この視点は非常に重要だと考えている。平時から、多種多様な情報提供・共有の方法、ツールについて、広報部と連携しながら検討していきたい。
【石井委員】
前回の会議では、市役所内で協力して人員を確保する体制になっていることを理解した。今回の計画改定案では、新たな感染症が流行した時の対応について整理されているので、実際の有事の際には、西出委員の意見にもあったように、人がパッと集まってサッと具体の実行の方向に進めるということを心掛けていただき、迅速な対応を希望したい。
【増尾委員】※欠席のため、事前意見として提出されたもの
有事の際には、新型コロナ感染症対応時のように、市内事業者にも細やかに情報提供をしてほしい。
【事務局】
「13:市民生活及び市民経済の安定の確保」の対策項目の中に、市民だけでなく市内事業者等関係機関も含めて、適切な情報提供・共有を行い、そのための環境整備と情報共有体制を整備することを明記した。特に市内事業者の皆様への情報共有や相談体制については、市内経済団体と連携していくことや、新型コロナ感染症対応の振り返りも含めて、経済産業部とも協議しながら、平時から具体策について検討していきたい。
【植田委員】
感染症発生時に我々美容業組合に連絡があれば、常にお客様と接している立場として、保健所には協力して対応したい。感染症疑いのお客様が来た時にも、各店舗が適切に対処できるように、平時から保健所との連携を図っていきたい。
【齊藤委員】
新型コロナ感染症対応時は、保健所や医師会の先生方が24時間体制で、その時々の状況によって緊急で体制を考えながら対処してきた状況を目の当たりにしてきたため、その経験を活かさないと勿体ないと思う。また、対策を練っていても、その想定を超えた状況になることも考えられるため、そこも含めてしっかりと関係団体との協議を重ねていくことが重要と考えている。新型コロナ感染症対応の経験から、何が課題であったかを具体に整理して、さらに様々な想定をしながら、次の感染症が発生した時に生かせる対策を考えてほしい。
薬やワクチンの供給については、新型コロナ感染症の時にはいろいろと問題になった部分がある。感染症流行時は柏市だけで対応することは難しいため、あらかじめ千葉県との関係を明確にしておく等、有事の際にどうしたらいいか分からない状況に陥らないようにしてほしい。大規模災害時のように、県との連携や医薬品卸会社との関係をはっきりさせておくとよいのではないか。
【事務局】
計画改定では、対策の基本方針を示し、具体的な対策や事業内容については、新型コロナ感染症対応の振り返りの中から課題とされたことを中心に、今後検討を進めていく。その際には、新型コロナ感染症だけでなく、様々なシミュレーションも想定して、幅広く対策を協議していきたい。薬の供給については、千葉県と連携し情報共有に努めたい。
【南波委員】
薬の件については、平時においても、治療薬や物品がないという状態が発生しているので、供給体制を整えていても、医薬品がないということも想定しておく必要がある。新型コロナ感染症流行時には、救急隊の負担は相当に重かったと思うので、今回の計画改定では、患者搬送の視野がもう少し広くあってもいいのではないか。我々医療の現場の人間としては、患者が病院に来てくれないとどうにもならないというのがある。個人的な意見になるが、感染症の患者をどこまで搬送するかという問題もあるが、介護タクシーや一般のタクシー事業者と連携して、患者搬送の部分に協力をお願いしてもいいのではないか。そのために平時から訓練受けてもらう等、できることから是非検討してほしい。
【事務局】
柏市感染症予防計画では、感染症患者の移送のための体制確保の方策として、消防機関と連携して、感染症患者の病状を踏まえた移送の対象、感染症の特性を踏まえた安全な移送体制の確保について、地域の救急搬送体制の確保の観点にも十分留意して役割分担を協議し、必要な協定を締結することとしている。今後、柏市も参画している「千葉県感染症対策連携協議会」における県域の移送体制に係る協議の内容を踏まえて検討していく。
【松倉委員】
風水害等の自然災害や感染症等の健康危機対応については、国が計画の素案を作成し、市はそれを参考に計画策定をしていく形になるが、新型コロナ感染症対応時は柏市が独自に取り組んできたことがいくつかある。ひとつは、東京大学の協力が得られた官民学医連携のPCR検査体制である。これは、例えば、千葉県ではPCR検査が1日400件しか実施できなかった頃に、柏市と医師会と東京大学が連携して体制を構築し、1日10,000件以上の検査を実施することができた。このような柏市独自の取り組みを計画にも反映しておいてほしいということをリクエストをしたい。
先ほど石井委員から、パッと集まってサッとやることが大事という話もあったが、ワクチンの集団接種体制を作った時は、夜中の1~2時まで話し合いながら対応していた。あの状況をまた1からやるのは正直無理だと思っている。今後医師会長を含めて、人が変わった時に、誰が中心となって動くのかということを個人名でなく役職名で決めておく必要がある。連携のあり方についても、誰と誰がどのように連絡を取り合って、どういう体制で動くのかということを検討してほしい。どのくらいの感染状況になったら、どの会議を開催して協議するのかということも考えて、本計画に盛り込んでおくと、いざという時に困らないのではないか。
先ほど南波委員から発言があったが、患者が病院に来てくれないと動けないという医療提供体制は、救急搬送されなかったり、病院に受診できなかった方々が自宅等で亡くなる状況となった。第5波の時には、柏市の在宅医療の取組みの中で培われた多職種連携が動いた経緯がある。これは他市ではできなかった部分であり、「柏モデル」の実践の成果で、在宅医療に関しては、日本で一番のモデル事業を行っているところなので、そういった柏市としての特色を計画に盛り込んでほしい。
先ほど北川委員の意見にもあったように、新たな感染症が発生した際に「相談センター」をどのように設置していくかが肝になるため、計画の中でも「相談センターの設置について詳細を決めておく」等の文言で明記してほしい。
また、各医療機関での有事の報告体制のあり方は、平時から検討しておいたほうがいい。デジタル化の視点も踏まえて、具体の報告方法を医療機関と共有しておけるといいのではないか。大規模災害時と同じように、感染症の情報収集や状況把握は千葉県との連携が重要になる。県としっかりと連携しなければうまくいかないため、柏市の体制を整える際にも、県の意見も是非聞いてほしい。
大規模災害時であっても、感染症流行時であっても、医師会は柏市を全面的にバックアップしていかなければならないと思っている。そのためにも、平時からコミュニケーションの機会を持っておけるといいのではないか。
新型コロナ感染症対応を振り返ると、良いことも悪いこともたくさんあったが、良かったことは取り上げ、悪かったことは改善するためにも計画への反映の仕方を考えてほしい。パッと見て動けるものが必要になるので、検討をお願いしたい。
【事務局】
新型コロナ感染症対応の時にどういったことがあったのか、良いことも悪いことも含めて、いろいろなことをご教示いただいた。委員の皆様からいただいたご意見を踏まえて、今後計画への反映の仕方については丁寧に整理していきたい。
ご意見としていただいた柏市の強みである「多職種連携の仕組みの活用」は、「第3:行動計画の実行性確保」の部分に、わかりやすい表現で記載したい。また、「PCR検査体制」は、地域資源を活用した柏市ならではの仕組みとして有効に機能したもののため、改めて東京大学ともやり取りをして、今後新たな感染症が発生した際にも相談・連携が可能ということを確認している。
有事の際の医療機関の報告体制については、現在感染症発生動向調査システム(サーベイランスシステム)を活用した電磁的報告体制の拡充に加えて、千葉県では新型コロナ感染症流行後も、G-MIS(※医療機関等情報支援システム:病院の病床稼働状況、医療スタッフの状況、受診者数、検査数、医療機器・医療資材の確保状況等)を活用している。平時からICTの活用も意識して、医療機関との連携、情報共有を強化していきたい。現在、千葉県では「千葉県感染症対策連携協議会」の場を中心として情報共有を密に行うことで、連携体制を確保していくこととしたい。
【原田委員】
国の計画改定に伴い、情報共有のあり方についても新たな視点が出てきたということを伺っている。その中には、偏見や差別に関することや、誤情報に関する啓発をしなさいということも入っており、こうした危機的状況においても、医学的な対応だけでなく、市民を不安に陥れないために、社会的・心理的側面に対しても配慮が必要であるということの示唆であると思っている。本日も市民への情報提供や専門家同士の連携をスムーズにできるように、というご意見もあったが、今後デジタル社会が進んでいくと思われるため、デジタル社会に即した感染症対策を行うための環境整備をしていくことが必要になってくるのではないかと思っている。
【佐藤会長】
各委員の皆様が自分事として、この行動計画を真剣に捉えて、前向きに多くの意見をくださったことに心から感謝申し上げたい。また、今後も新型コロナ感染症のような未知の感染症が新たに発生するかもしれないと思った時に、行政だけでできることは本当限られていると感じている。そのため、それぞれの立場で何ができるのかということを平時から考え、協力できる体制を構築しておくことが非常に重要だと思う。
本日の各委員の皆様の姿勢こそが、柏市の安全と安心を支える力になるということを強く感じている。皆様からいただいたご意見を踏まえて、より実効性のある、かつ柔軟性のある計画にしていくことが大事だと改めて感じたところである。
本日事務局が提示した素案に、具体にどのような形で反映していくかについては、会長の私に一任していただいて、事務局と相談して整理していきたいと思うがよろしいか。
【各委員】全員が賛同された。
7 傍聴
傍聴者1名
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