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更新日令和7(2025)年5月29日
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令和6年度第3回柏市総合教育会議
1 開催日時
令和7年3月19日(水曜日)
10時00分から11時05分まで
2 開催場所
柏市役所本庁舎 庁議室
3 出席者
(1)市長及び教育委員会
- 柏市長 太田和美
- 教育長 田牧徹
- 教育委員会委員 氏田青津子
- 教育委員会委員 渡部麻有
- 教育委員会委員 原康樹
(2)同席
- 副市長 染谷康則
(3)事務局
- 総務部長 鈴木実
- 教育総務部長 原田明廣
- 生涯学習部長 宮本さなえ
- 学校教育部長 福島紀和
- 教育総務部次長 松澤元
- 教育総務部次長 中村泰幸
- 学校教育部次長 原竜太郎
- 行政課長 橋本賢一郎
- 教育総務課長 籠希世子
- 教育施設課長 古谷正人
- 指導課長 平野秀樹
- 児童生徒課長 石井剛範
- 教育研究所長 金岡幸江
- 行政課副参事 杉森弘
- 教育政策課副参事 田村裕二
- 教育総務課統括リーダー 佐藤香
- 他4名
4 傍聴者
8名
5 議事
- 柏市が目指すこれからの学校教育に期待すること
~柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針(案)について~ - その他
- 事務連絡
6 議事(要旨)
議題1 柏市が目指すこれからの学校教育に期待すること~柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針(案)について~
事務局(教育政策課副参事)から資料に基づき説明を行った。
目指す子ども像の実現へ向けた柱となる6つのトピックスのうち、前半は資料1のスライド10頁まで 「学びをつなぐ」「子ども主体の学び」「安全・安心な居場所づくり」「家庭・地域とともに」の4つについて、後半は11頁以降「生き生きと働き・学び続ける教職員」「学びを支える教育環境」の2つについて協議を行った。主な協議内容及び委員からの意見は次のとおり。
(氏田委員)人生100年時代と言われる中、義務教育の9年間というのは、子どもたちのその後の人生を決めるぐらい大きな年月ではないかと思う。時間にすると、4分の1、5分の1ぐらいでしかないが、教育という面ではすごく大きな部分を占める9年間だと思う。
そのような意味で、このトピックスの1つめにある小中一貫教育の推進を見ていったとき、9年間を6-3で分けるのではなく、やはり子ども達の一人の成長をずっと追っていった時、連続的それから系統的に見れるという面で、私はとてもいいことだと思っている。資料1にも写真が載っているが、柏一小の授業を見させてもらった時にすごくそれを感じた。中学校の先生が小学校で授業をやっていたわけだが、子ども達が授業に取り組む姿勢が非常にスムーズだったと思う。そのような点で、この小中一貫というのは学力向上に繋がっていくのではないかと思う。
あと、中1ギャップとよく言われるが、小学校から中学校に上がるときの垣根が、この小中一貫教育を推進することにより和らいでくるのではないかということがある。また、教師間で子どもの共有ができるということにおいて、生徒指導的にも非常に効果があると思い、小中一貫、施設は別々で小中一貫やってるところや施設一体化型の小中一貫、色々あると思うが、いずれにしても9年間というスパンで子ども達を継続的、系統的に、学習面それから生徒指導面で指導というか見ていくことは非常に大切なことだと思う。
2つめのグローカルな人材の育成について。これは、私は柏市はとってもいい条件が整っていると思う。首都圏に近いし、インターナショナルスクール的なところもある。それから、国際交流センター等も充実していて、非常に条件が整っており、子ども達にとって、学校教育の中でぜひやった方がいいというような感覚を持っている。
次のトピックスの子ども主体の学びのところについては、学校教育でやはり一番大切なのは、学校で子どもたちが過ごす時間の大半は授業なので、その授業が一人ひとりの子どもにとって充実したものでなければ、子ども達は健全に育っていけないのかなと思う。なので、授業を非常に大切にした子どもの教育に当たって欲しいということを一番思う。特別支援教育の推進でもみられるように、一人ひとり個性的な子ども達が育っているので、やはり一人ひとりの学びに応じた体系的、連続的な教育を一体的に行っていく必要がある。授業の充実と、継続的、連続的な教育を行っていって欲しいと思っている。
それから、安心・安全な居場所ということで、この中に不登校児童の支援の充実と書いてある。たかだか10年の間にこれだけ不登校の子ども達が増えてきたということは、今、柏市だけではなく、たぶん日本全体的に学校教育をもう一度見直さなくてはならない時期に来ているのかなと思っている。
で、こういう子ども達に対応するいろいろな施策を、今説明で聞いた。校内教育支援センターの整備であったり、前からやっている教育センターの充実、それを中学校にどういうふうに波及していくかというようなこと、それから個別支援教員の配置であったり、スクールソーシャルワーカーであったりスクールカウンセラーであったりの活用ということが出ているが、不登校がこれだけ多くなってきた時に対応することは非常に大切だと思う。なので、この不登校児童生徒にとっての学びの選択を確保するということはとても大切なことだと思うし、やっていかなくてはならないことだとも思うが、もう1つ、それと並行してここに書いてある、子どもたちが自発的に行きたくなる学校づくりを推進する、これが最も私は大切なことではないかと思っている。
その中で、やはり一つは授業の改善。授業を子ども達にとって魅力ある授業を行って欲しいなということ。それから、いじめ等の問題行動の改善。やはり子ども達が安心して学校に行けるような整備をちゃんとして欲しいなということ。それから、社会的自立に繋がるよう、先ほど国際交流の話もあったが、教育はやはり未来だと思う。それは私たちの未来であり、子ども一人ひとりの未来でもあると思うので、やはり社会的な自立に繋がるような学校教育であって欲しいと思っている。
また、先ほど一番先に出てきていた、小中だけの繋がりではなく、やはり幼保小、幼稚園、保育園、子ども園、それと小学校との繋がり、そういう一貫した子どもの育ちを見ていけるような施策が非常に大切なのではないかと思っている。
それから安全安心な居場所づくりの2つめにあるアフタースクール事業。多分これは、今度、学童と放課後子ども教室を一体的に運営するということだと思うが、子ども達にとって、これからは第三の居場所というのか、第一は家庭、第二は学校、それから第三としての子ども達の居場所、ここもこれから充実して、子ども達にとってとても大切な場になるのかなと思っている。
次に、家庭・地域とともにについて。今、柏市では63校全てがコミュニティスクールになっているが、昔からよく学校で学んで地域で育つと言われていたと思う。子ども達は地域の中で育ってくる部分、それから見守られている部分というのがすごく多いと思うので、この支援から連携・協働へということ、その協働の中には、やはり教育課程も含まれるのかなと思っている。何というか、地域の力、それを学校教育の中にも積極的に取り入れるといったらおかしいですが、そのようなこともこれからとても必要になってくるのではないか。そのような普段のやりとりがあって、子どもを見守り、子どもを育ち、それから、例えば災害があったときなど、一体的に活動できていくのではないかなと思うので、このコミュニティ・スクールの活性化は非常に大切だ思っているし、地域とともにある学校というのであれば、もっと教育課程における協働活動の推進も必要と思っている。
(渡部委員)資料1の10ページまでを全体的に見てまず感じたことは、柏市の目指す子ども像の「自他の対話を大切にしながら 学び続けるかしわっ子」というフレーズがとても良いと感じた。
この実現に向けてのトピックスを見ていてもそうだが、私が色々な協議会に参加させていただき思うことでもあるが、柏市の全体的な取組はとても充実していると感じている。
けれども、こんなに良い取組や対策をしていても、増え続けているいじめや不登校、身近でも実際に先の見えない不安などに苦しんでる人を目の当たりにしている。
また、昨年は児童生徒の自殺者数が過去最多という悲しい現実もあった。そのような中、子どもが自分自身を大切にするように、自分自身ときちんと向き合えるように成長できるような働きかけができる取組というのが大切だと感じる。
柏市で進めている充実した取組などが、一人ひとりの子どもに届けられるようにするには、まずどうしたらいいんだろうと考えたときに、やはり一番初めに感じるのが人と人との繋がり、対話、コミュニケーションをまず大切にすることだと思う。
今回の魅力ある学校づくりの基本方針の柱となる事業を見てみても、繋がりや対話を重視する取組が多いように思う。グローカル人材の育成では世界との繋がり、地域との繋がり、小中一貫教育では、異学年交流などもとれると思う。子ども主体の学びでは対話を重視する事業など、コミュニティスクールでは地域との繋ぎ繋がりなど、生徒同士の繋がりや教師同士の繋がりのみならず、学校教育を学校の中だけのことにしないで、保護者とかやはり地域も巻き込みながら、柏市全体で愛情を持って子どもに接する、愛情を注いでいくような育て方を、柏市全体でしていって欲しいと思った。
(原委員)まず、基本方針については、すごく検討されて作られていて、総論としてはよくできていると思った。ただ、この会議の場では意見を言うということなので、少しだけ批判的な立場から意見を言わせてもらう。
資料1の10ページまでのスライドの中には、グローバル化であるとか、多様性の理解であるとかの視点が示されているが、私は弁護士という職業をしていて、法教育についての視点が全く言及されていなかったというのは少し残念に思った。
18歳から成人になるので、高校生ももう成人になるという中、法的素養というものの汎用というものが幼いうちから必要だと思う。それは生徒だけでなく教職員においても必要なものだと思う。
柏市もスクールロイヤー制度を設置していて、これまで弁護士間でスクールロイヤーの意見交換会というものが、半年に1回程度行われており私も参加するが、スクールロイヤーの参加者からは、先生があまりにも法律のことを知らなくてびっくりしたというような発言もあり、やはり教育の専門家であっても、法律についての学習の機会はあまりなかったのだろうと感じたところがあるので、そこについて検討して欲しいと思う。
この基本方針についても、やはり憲法や教育基本法に基づいて策定、制定されているものだと思うので、そういった理解が深まれば、この基本方針がより良いものになっていくと思った。
(教育長)今回、柏市未来につなぐ魅力ある学校づくりということで大きなテーマを掲げたが、魅力ある学校、学校の魅力というのは何なのかということだが、保護者、子ども達、地域の人によって、学校に対する考え、魅力というのは人それぞれだと思うが、共通して言えることは、子どもが今日は学校へ行ってよかった、明日も学校へ行こうという気持ちになれることかなと思う。行ってきますと元気に行って、ただいまと元気な声で帰ってくる、これが親にとって一番の学校の魅力ではないかなと私は思っている。
最近の国際調査だが、日本の子ども達は知識や理解力は高いが自己肯定感が低い、先進諸国の中で日本の子ども達が一番自己肯定感が低かった。自分に対して自信を持てない、将来に対して希望が持てない、そういう子ども達が今非常に増えてきている。これは大きな問題だと思う。
なぜ自己肯定感が低いのかということを考えたとき、今まで学校現場で子ども達が自己主張をする機会というのを十分に与えてこなかった、意見を交換する場面というのが学校現場の中でそれほどなかったということが挙げられると私は思う。
ところが、毎年、学校訪問に行って授業参観をしているが、最近の学校教育の現場では、授業の中でプレゼンをやっている教員、授業がどんどん増えていて、子ども達のプレゼン能力が非常に高い。これは以前と違うと思っている。学校現場も、今どんどんどんどん変わってきていると思っている。今までの教師指導型、一斉授業のそういったスタイルから伴走型、教員は子どもの学びを助ける、フォローするというような考え方で、今、学校現場も大きく変わってきている。我々もそういったところを支援しているし、これからどんどんどんどん学校の教育スタイルというのは変わってくるだろうと思っている。
不登校は色々なところで問題になっており、確かに柏市の学校教育で一番大きな課題だが、実はその不登校、長欠になる原因、理由というのは、国や県がアンケートをとると、一番多いのは無気力。何となく学校に行きたくない、行こうとする気が起こらない。これが一番多くて大体3割ぐらいがそのような理由を挙げるという調査結果が出ている。なぜ無気力、行く気にならないのかということだが、これが一番最初に私が述べた、学校の魅力が感じられない子どもが増えてきていると。先ほど言ったように、今日学校に行ってよかった、明日も行こうという、そういう気持ちになれない子どもがやはり増えてきてるのかなと。で、我々としては対症療法的なものとして、支援ルームとかソーシャルワーカーとか、そういったことを今、力を入れておりますが、最終的にはやはり長期的にこの学校の魅力づくりというのを前面に掲げ、時間はかかりますが取り組んでいかなければいけないと思っている。学校、教育委員会、そして市長部局とも手を取りながら協力して学校現場を支え、こういった課題に取り組まなければいけないと思っている。
(市長)まず初めに、足かけ2年にわたり、本市の学校教育に関する大変幅広いテーマについて、柏市教育政策審議会の皆様には、本当にそれぞれの立場から大変多くの意見を頂戴し、議論いただき、答申として取りまとめていただいた。この場を借りて私からも感謝申し上げる。
本日の議事は学校教育に関する大変多岐に渡るものだが、私からはまず1点、目指す子ども像について意見を述べたい。
自他の対話を大切にしながら 学び続けるかしわっ子 ~よりよい自分 よりよい“かしわ”を目指して~ というこの子ども像を私なりに読み解いてみた。人が成長する過程では、自分も含めた多くの人との関わりあいが欠かせず、そのことから他者との関係を築きながら自己を確立していくことの重要性、そして学び続けるという言葉からは、才能よりも困難や挫折に負けずに努力を続けるやり抜く力の必要性、そしてよりよい自分、よりよい“かしわ”を目指して とあるが、この中からは、向社会性や利他性を養うことが大切であるという狙いや意図を感じ、素晴らしい目指す子ども像になったのではないかと思っている。特に、この向社会性や利他性を高めるということは、人格の中で最も重要だと考えている。一言で言うと、他者への思いやりということだが、現在、技術の進化や価値観の多様化が進む中、また様々な社会問題が複雑化する現代社会において、自分の利益だけを追求するのではなく、他者を理解し尊重することの重要性というものが高まっていると言える。この自分達が育ったかしわのまちをもっと良くしたいとか、地域や社会の発展に貢献したいという子どもを育んでいくというメッセージが大変伝わった。
そして、この向社会的な行動を取るという人が、自己肯定感も高く、幸福度が向上するということもわかっている。近年、非認知能力という言葉が注目されているが、この非認知能力とは、知能検査や学力検査では測定できない能力のことで、人の心や社会性に関係する力のことである。この非認知能力は、将来の成功や、そして幸福に影響を与えるとされていて、子ども達のウェルビーイングを実現するには、学力だけではなくこういった非認知能力を育成することが求められていると考えている。
そうした中、今回、この目指す子ども像の検討過程を見ると、柏市立小中学校の教育環境に関するアンケートからは、コミュニケーション能力と、そして主体性、友達との関わり、そして審議委員からは、審議会委員からは認め合う、協働とか、そして柏市の4つのCからは、挑戦する力、関わり合う力、自立する力といった、非認知能力に関する言葉が多く抽出されている。
また、先ほど指摘した向社会性、利他性や、やり抜く力に対応するキーワードも網羅されており、こうして完成した目指す子ども像を見ると、子ども達がより良い人生を送るために必要なことがしっかり示されているのではないかと思った。
私はこのように教育が何を目指すべきなのか、それは短期的な成績よりも、これからは本当に学校を卒業した後にこそ役に立つ教育が重要であると考えている。そうしたことから、今回のこの目指す子ども像ということを大変評価している。
(市長)教育委員や私の意見を踏まえ、さらに発言があればお願いしたい。
(意見なし)
(市長)それでは、目指す子ども像の実現へ向けた柱となる6つのトピックスのうち、資料1のスライド11頁以降、「生き生きと働き 学び続ける教職員」「学びを支える教育環境」の2つについて意見を伺いたい。
(氏田委員)5つめの生き生きと働き 学び続ける教職員というところだが、私は学校というところは、教育内容とか教育の方法・手法、これは時代とともに変わっていくものだと思う。ただ、学校が、子どもがいて先生がいるというこの構図だけはいつの時代も変わらないところで、最も大切にしなくてはいけないと思う。
というのは、やはり教育は、子どもに対する先生の愛というか思い、子どもと先生の信頼関係、その上で成り立つものだと思っている。この構図だけは、どんなに時代が変わっても、続けていかなければならないところと思うと、教職員がとても大切であることがとてもクローズアップされてくると思う。
今、柏市には、小学校中学校合わせると約1,800人を超える教職員がいて、その6割は40歳未満であるという状況を考えると、やはり教職員もまた、子どもと同じように学び続ける教職員であって欲しいと思う。と同時に、このアンケートを見ると、授業の準備の時間が取れていない、どちらかどちらかというと取れていないという回答が約7割になっている。ということは、授業の準備なり、それから子どもを見る時間なりが、学校現場の中では今あまりない、少なくなっているということを考えると、やはりこれは制度としてきちんと取り組んでいかなくてはならないところだと思う。
教員もやはり一人の人間として、子どもと同じように色々な経験をして育っていくと思うので、研修も大事だけれどもやはり経験も大事で、それぞれのステージに合わせた教職員の育て方をして欲しいと思っている。教育は人なりとよく言うが、一番その言葉が現れるのが子どもと先生との関係、信頼関係の中にあるのではないかというのは古今東西変わらないところだと思うので、一番大切にしたいところだと思う。
それから、6番目の学びを支える教育環境。これはもう柏市だけの問題ではなく、本当に日本全体の問題であると思う。少子高齢化が進み、それに伴って学校のあり方も考えていかなくてはならないというのは当然と思う。
ただ、学校が集団の中で教育が行われるということを考えたとき、やはり一定の集団が必要ではないか。先ほど、色々な方から話があったように、人は人の間で育っていくというのは、古今東西変わらない真実だと思うので、ある一定の集団、学校規模というのは考えていかなくてはならないと思っている。
それから、先ほどコミュニティ・スクールのところであったように、学校が地域に根差し、これから連携・協働に取り組んでいくということを考えると、やはり学校施設そのものは学校だけで完結するのではなく、複合化、それから公共性があって然るべきだと思うので、老朽化とともにこれからの学校施設を考えていく時には、そういったことも考えていかなくてはいけないと思っている。
(渡部委員)学校の中で、子ども達にとって教師、担任の先生の存在というのは本当に大事で、子ども達なりに感じる教師への印象というのが、子ども達の学校に行くモチベーションであったり、学習のやる気のバロメーターになっていることも確かだと思う。
どうして偏りがあるのかと考えたとき、子ども達の話を聞いてみて思うことが、やはり先生自身が生き生きとしていたり授業を楽しんでいる、授業だけでなく子ども達と触れ合っていたり面白く工夫された授業をしていると、それだけで子ども達がやはり楽しいなと思えて学校に行きたいなと感じる、そのように感じている。
先生達が授業を楽しむためには、まず自分自身、先生自身が自信を持って教壇に立つことがすごく大事だと思うが、そのためのスキルアップの研修であったり、それが拡充されているということだが、また新たに、教職員のメンタルケアや職員のフォロー体制の構築というのも示されていたので、実際にどのようなケアやフォローをしていくのかということはとても気になった。
教育環境に関しては、地域による人数の偏りなどでそれぞれ違った課題があると思うので、それぞれにいっぺんに対応していくというのはとても大変なことだと思うが、どのようなスケジューリングで対応していくのかということを明確にしてもらい、目標を持って漏れのない対応を行って欲しいと思った。
(原委員)6つ目のトピック、学びを支える教育環境ということで、私は先ほど申し上げたとおり弁護士をしていて、色々な人にすごく勉強できるんだねなど言われることがあるが、実はあまりそうは思っておらず、そういった勉強をする環境下にいたから平然とそういう習慣がついて、気がついたら弁護士を目指すような立場になっていたと自分では思っていて、やはり教育環境というのは非常に大事と思っている。なので、トピックの1つとして考えてもらったことはすごくよかったと思う。
その上で、スライド12ページの生徒数の推移を見ると、ここ数年、少し微増傾向にあるということだが、これは柏市の地域全てで少しずつ生徒が増えてるというわけではなく、おそらく一部の地域で激増し、残りの地域は減少しているという中で、全体を見れば微増しているといった分析になると思う。激増している地域については、おそらく教育環境というのはすごく充実していて、生徒の両親の教育への考えも強いものがあるのかなと思う。他方、人口が少なくなっている地域の教育環境をいかに充実させるかということが非常に重要なのかなと思う。
多分、前回のこの会議の場でも触れたと思うが、柏市は地方自治体の中では面積の規模も大きい方だと思うので、そういった地域に応じた教育環境のあり方というものについても、基本方針というのは総論を述べているものだと思うので、ぜひこれは各論のところで今後も検討してもらいたいと思う。憲法学者の蟻川先生という方がおっしゃっていたこととして、弱い人間はいない、それがいるとするならば社会が弱くしているだけだという言葉がある。ぜひ教育環境の充実というものを進めてもらえればと思う。
(教育長)教育環境については、教育の内容に関することと、ハード面に関することがあると思うが、このハード面に関することで言えば、これから少子化はもう間違いなく進んでくる。これはもう全国どこの自治体も例外なく少子化が進んでいくということは明らかであると思う。将来的に今の学校数を維持するということは非常に難しくなってくると思っている。
また、校舎の老朽化、柏市の場合は昭和40年代以降、人口の増加に伴いどんどん学校を建てたが、それが今一斉に老朽化の時期に来て、建て替えもしくは長寿命化を必要とする状況になってきている。これが、柏市は学校数が多いため莫大な財源が必要となるということで、これは市教委だけではとても対応できるものではなく、市長部局の全面的な協力のもとでやっていかなければいけない。
また、まだ30年先の話だとか、子どもが大幅に減ってくるまでまだ20年ぐらいあるではないかといった漠然とした考えの方もいるかもしれないが、このハード面に関しては今から進めていかないと間に合わない、今から進めていかないと手遅れになると私は思っている。まだ先の話ではなく、今やっておかないと10年後、20年後に本当に大きな問題になって手遅れになると思っている。なので、この総合教育会議でこれからの柏の学校はどうあるべきかというように取り挙げてもらったのは本当に助かる。また、教育政策審議会の委員の方々が最後に口を揃えて言っていたことは、非常に良いものができ上がったけれども、これを作成して終わりではなく、ぜひ具現化に向けて取り組んでもらいたい。そしてこの作った答申を、ぜひ、一般市民、学校関係者に浸透してもらいたいということを要望されていたので、今後、そういった啓発をどんどん行っていく必要があると思っている。
(市長)私からはあえて学びを支える教育環境として、主に学校施設のハード面に関する取組について話をさせてもらう。
方針の中でも現状と課題で記していたように、柏市の児童生徒が1983年度をピークに、2025年度はピークから約36%減少している。さらにこれを読み解くと、30年後の2054年には、ピーク時から約50%以上減少するということが予想されている。つまり、人口急増期に作られた学校を、ピーク時から50%以上減少するということがわかっている中、それをそのまま維持するということはできないと私は考えている。
将来にわたる学校のあり方については、子ども達にとってのよりよい教育環境を確保することを主軸に置くことは言うまでもない。一方で、地域、地域のニーズも酌み取りながら、今後の児童生徒数の推移や、小規模の学校が増加する見込みの他、将来にわたる財政見通し、そして公共施設としての持続可能性なども勘案して、総合的複合的に慎重な検討を進める必要があるものと考えている。特にコスト面については、今年度末に策定を予定している総合管理計画の中でも触れられているように、老朽化した公共施設を建て替えると仮定して試算した場合、この先の30年間で総額5,640億円、1年当たりの平均では188億円の多大なコストを要すること、また、これらの公共施設のうち学校が半分以上を占めており、施設の多くが建築から30年以上を経過し老朽化が進行していること、さらにはこれからの時代に求められる学びを実現する学校施設とするには、多様な教育的ニーズに対応するため、学校1校当たりの敷地面積は現状の面積よりも約1.5倍程度増える傾向にあるということなど、学校施設を取り巻く状況も勘案した上で、将来の学校のあり方を検討していく必要があるのではないかと思っている。そのような将来に渡って持続可能な学校づくりの観点を持ちながら、柏で育つかしわっ子たちには、多くの同級生、下級生、上級生、そして先生、地域の方など、様々な人たちとの関わり合いを通じて、将来をたくましく生きる力を身につけて欲しいと思う。
先ほど目指す子ども像の部分でも少し触れたが、多様な周りの人とのコミュニケーションを通じて人は大きく成長する。また一人ではできないことでも、多くの友達や先輩たちと共有するからこそ、互いに足りない部分を補い高め合うことで、成し遂げられることも多くある。そのような経験は子ども達の達成感や自信にも繋がり、大きな財産になることだと思う。教育委員会の皆様には、このたびの基本方針案で示されたように、一定の集団規模を確保した学校づくりを進めることで、集団の力が大きなエネルギー、活力となり、学校に関わるすべての人たちが生き生きと過ごすことができる学校づくりに向け、この先も多くの困難が伴うとは思うが、各種取組の推進をして欲しい。私としても、教育で選ばれるまち かしわ を目指して、最大限その後押しをしていく考えである。
(市長)教育委員や私の意見を踏まえ、さらに発言があればお願いしたい。
(意見なし)
(市長)それでは、意見も概ね出尽くしたようなので、本日の意見を踏まえ、教育委員会内でさらに検討していただくようお願いする。
議題2 その他
(市長)次に「その他」として、教育全般について意見等があれば伺いたい。
(意見なし)
(市長)それではこれで協議を終えたい。
議題3 次回の開催について
事務局(行政課)から、次回の総合教育会議の開催については、改めて日程調整する旨を報告した。
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