更新日令和6(2024)年7月31日

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令和6年度第1回柏市総合教育会議

1 開催日時

令和6年7月8日(月曜日)
14時30分から15時45分まで

2 開催場所

柏市立柏第一小学校

3 出席者

(1)市長及び教育委員会

  • 柏市長 太田和美
  • 教育長 田牧徹
  • 教育委員会委員 牧田謙太郎
  • 教育委員会委員 森秀夫
  • 教育委員会委員 氏田青津子
  • 教育委員会委員 渡部麻有

(2)事務局

  • 副市長 染谷康則
  • 総務部長 鈴木実
  • 教育総務部長 原田明廣
  • 生涯学習部長 宮本さなえ
  • 学校教育部長 福島紀和
  • 教育総務部次長 松澤元
  • 教育総務部次長 中村泰幸
  • 学校教育部次長 原竜太郎
  • 行政課長 橋本賢一郎
  • 教育総務課長 籠希世子
  • 教育施設課長 古谷正人
  • 教職員課長 福田裕司
  • 指導課長 平野秀樹
  • 児童生徒課長 石井剛範
  • 教育研究所長 金岡幸江
  • 行政課副参事 杉森弘
  • 指導課副参事 遠藤須美子
  • 教育総務課統括リーダー 佐藤香
  • 柏市立柏第一小学校長 三浦邦彦
  • 柏市立柏中学校長 伊藤嘉章
  • 他9名

4 傍聴者

5名

5 議事

  1. 小中一貫教育に期待すること
  2. その他
  3. 事務連絡・次回の開催について

6 議事(要旨)

議題1 小中一貫教育に期待すること

 事務局(指導課長)から資料に基づき説明を行った。主な協議内容及び委員からの意見は次のとおり。

(市長)本会議の前に算数と英語の乗り入れ授業を視察させてもらったので、まずはその感想を伺いたい。

(牧田委員)自分の感覚では、中学校に入って初めて英語が始まり、中学一年生の最初の中間テストでは何をしてよいか分からなかったということを思い出した。本日、子ども達が単語や、過去形などを普通に使っていて、英語に馴染みがあるということはすごいアドバンテージだと思った。

 数学についても、中学校の先生が教えていて、早く中学校の勉強がしたいと言っていた生徒もいた。小学生からすると、中学校というのは雲の上で、何かよくわからないブラックボックスという感じ方で、制服もいかついし、なんだか怖いと思っているかもしれない。そういった垣根が取れるという意味では非常に良い授業だと思う。

 他方、そこから落っこちてしまう子達もやはりいるようなので、そこをどうやって救い上げていくか、小学校で生まれた格差が、中学校に行って心機一転して巻き直しできるという今まであったことが、連続となると、場合によっては小学校で落ちこぼれてしまうと中学校でもそのまま這い上がれないというケースも結構あるのかなと思ったので、そのようなところも手当てしていくことが必要だと感じた。

(森委員)私の専門は英語だが、小学校の英語教諭には、子ども達の前で英語を話そうとする意欲であったり、英語を話すロールモデルとしての姿が期待されているところだが、本日は中学校の英語の先生が教壇に立たれていたので、きれいな英語の発音とユーモアを交えた話し方で、すごく分かりやすい英語の授業が展開されていた。小学校の先生方にはなかなか難しいロールモデルとしての期待を、中学校の先生方が代わりにやってくれる、このような授業のやり方は理想的だと思った。

 算数の授業では、難しい概念をゲーム感覚を取り入れることで、児童もかなり真剣に取り組んでおり、面白い取り組みだと思った。ただ、かるたのカードを全く引けない子ども達もいたので、その子ども達は若干、敗北感だけが残ってしまっているかもしれない。そのあたりの手当ても必要と思いながら授業を拝見した。

 いずれにしても、意欲的で前向きな授業を見させてもらった。

(氏田委員)私は本日の授業をとても楽しみに来た。最初、子ども達は一体どんな表情で授業を受けるんだろうかと見ていたが、本日はちょっとお休みが多かったようであるが、一組も二組も本当に楽しそうに、集中して授業を受けている姿が印象的であったし、先生達も非常に工夫して授業をやってるということが印象深かった。

 英語の授業は、担任の先生、中学校の先生、外国語支援の先生の3人の先生方が一緒に授業をやっていて、子ども達の集中力や意欲を十分に汲み取ってやっていると感じた。小中一貫で、このように中学校の先生がスタンダードに授業ができるようになれば、小学校、中学校の垣根がなくなるのかなという感じを英語の授業では受けた。

 算数の授業では、中学校の先生が本当に温かい先生であると感じた。授業の途中の関係のないところで、中学校でもこういうことが大切なんだ、中学校でもこのようにすぐに動けるということがすごく大切だとか、小学校と中学校のつながりを子ども達に何気ない言葉で教えている姿がすごく印象的であったし、最後のまとめのところでは、中学校の内容はこうなので、今の授業はこうであるという授業内容の系統性とか繋がりもきちんと説明していた。早く中学校に行ってみたいという子がいたが、そのような声が出るような、小学校と中学校のギャップが無くなるような授業であったと思った。

 このような形の授業で、小学校と中学校の一端、あと生徒指導なども授業に取り入れながらやっていけるんだろうなということを感じた授業であった。

(渡部委員)私も授業を見させてもらってまず感じたことが、子ども達が何より楽しんでいたこと。先生方の授業のやり方が、淡々と授業を進めているだけ、中学生のように授業するのではなく、子ども達を取り込んで、楽しんでここはどうなのとか問いかけながらやってるところが、やはりすごくわかりやすいし、子ども達も楽しそうだなと感じた。何より子ども達が、来週の授業は何やるのとか、そのように楽しみにしていることが伝わってきたので、すごく良い取組だと感じた。

 私には小学生の娘がいるが、やはり中学生に対する不安というのは、新しい友達と出会うということもきっとそうなのかもしれないが、やはり先生達、なんだか中学生というと壁が高いというか、そのように感じている子は多いと思うので、中学生の先生ってこんなに楽しいんだとか、そのようなものも何か感じられたような気持ちがした。あそこの中学校に行けばこの先生に出会えるんだとか、こういう先生がいてまた授業してくれるんだというような感じ方もきっととらえられたと思うので、そういうことに関しても良い取組だと感じた。

(教育長)本日の乗り入れ授業は英語では3回めと聞いた。だからと思ったが、教える側と学ぶ側の人間関係がよくできていた。どんなに指導力のある教員でも、すばらしい教材を使っていても、教える側と学ぶ側の人間関係ができてないと、教育的効果が発揮できない。本日はやはり3度目ということで、子ども達も安心して授業に臨める、そして授業してる先生方もだんだん名前と顔が一致してきて授業をスムーズに進めることができるといったことを感じた。第1回、1回だけで終わってしまうと、子ども達にしてみると、いつもと違う非日常的な刺激的な授業だったで終わってしまう。ところが、これを繰り返すことにより日常化され、力がついてくる。本日は、その力がつき始めている様子を見ることができてとても参考になった。

 できればこれを他の教科でも拡大できないか、そしてできれば今度は、小学校の先生が中学校に行って乗り入れ授業をできる教科がないかということを検討していってもらえれば、この取組がますます充実したものになると思った。

 本日は外国語と算数だったが、まだ他の教科でできるものがあると思うので、ぜひ校長先生方は現場の先生方と相談して拡大していってもらいたいと思う。

(市長)乗り入れ授業を見させてもらって、私は改めて小中一貫教育の意義というものを感じた。やはり義務教育学校の導入にあたっては、具体的な取組の内容の一つを高めることが必要なので、その一つが、本日見させてもらった乗り入れ授業、いわゆる教科担任制の導入だと思っている。

 国の中央教育審議会は、令和3年の答申で、小学校5年、6年生における教科担任制の推進を、そして今年の4月の素案では、教科担任制を小学校3年生、4年生に拡大する素案を発表している。この教科担任制のメリットというのが、まず1つはやはり教師の専門性を生かした授業の質の向上だと思う。そしてまた、小学校中学校間の円滑な接続、そして授業準備の効率化と授業改善、担当教科が減ることによる教材研究の充実等、指導方法の工夫改善が見られることだと思う。

 本日は算数と英語を見させてもらったが、生徒達にどうやって興味を持ってもらうのか、より楽しく授業を行うことができるのかということを非常に考えられた授業だったと感じた。そして生徒達を見ていて、一つのクラスに対し、様々な先生に関わってもらって授業を教えてもらえることは、本当に多面的な、児童の理解と児童の心の安定に繋がると感じ、児童達も楽しく授業を受けられてるのではないかと思っている。やはり色々な先生の授業を受けられるということは、児童にとっても楽しいことだと思う。また、それぞれ専門性を持っている先生なので、時には教科書に載ってないこと、豆知識とか色々なことを教えてもらえることにより、より子ども達の探究心や興味を引くこともできるのではないかと感じた。

 まず算数は、やはり小学校高学年になると、これからだんだんと抽象的な事柄を扱ったり、数学的、論理的な考え方を扱うようになってくるので、算数の習熟にも差が出やすいのは5年生以降と思う。そのような中で、疑問点を解決してあげたり、難しいポイントを上手に教えていくということは、やはり先ほどからお話している教材研究なども必要だが、複数の学級で教えていく専科の先生というのがとても合理的ではないか感じた。先ほど牧田委員からもあったが、やはり小学校と中学校の学びの系統性、系統的な指導を行うということがこれから本当に必要になってくると思うので、そういった意味で、中学校を見通した系統的な指導ということを先生達に意識してもらいながら、このような乗り入れ授業はとても有効と感じた。

 また、英語は新しい学習指導要領で、小3から外国語活動、小5から英語、英語科が始まった。英語についても教えるのは専科の先生がいいと思う。突然英語が始まったからといって、中には発音だとか、英語に自信のない先生もいると思う。そういった意味では、小学校の段階ではやはり英語を聞くこと、話すことというのが重要なので、専科の先生のみならず、ALTの活用とともに専科の先生の必要性ということをますます感じた。

 しかし、やはり人材の確保というところで難しいところがあると思うので、中学校の専科の先生がこのように乗り入れ授業をしていくというような形で、段階を踏みながら徐々に拡大していければいいのではないかなと感じた。

 それでは続いて、先ほど事務局から説明があった小中一貫教育に関して、本日の視察も含めて意見を伺いたい。

(牧田委員)学校の勉強という点では非常にアドバンテージがあると思うし、そもそも少子化が進んできて、もう集団で色々やっていける時代ではない。それから教職員も、これからどんどんどんどん担い手も少なくなるし、ノウハウが引き継がれないという点では、私自身は、小中一貫教育は、仕方がないからやるものだというふうに理解している。ただ、やると決めている以上は、これをしないとおそらくこの先、本当に崩壊してしまうので、早期導入という点でもこれは仕方がない話だと思っている。やるのであれば、プラスの点を伸ばしていくということは非常に大事なことなので、先ほどの乗り入れ授業も含め、子ども達の学力を伸ばしていくという方向ではぜひ進めていただきたいと思う。

 逆に、先ほど事務局からプラスの話もマイナスの話もあったが、小中一貫教育により解消されないものもやはりあると思う。端的に言うと、例えば小学校の割と早い時期に不登校になってしまった、或いはいじめにあってしまったとなると、それがずっと中学校に行っても続いてしまう。これはおそらく9年間、同じ学校とか校舎、同じ学校敷地、そういうものに対し子どもが強いアレルギーを起こしてもいけないということになってしまうので、小学校は小学校、中学校は中学校という節目があれば、次はこっちに行ってということで気持ちの切替えもあると思うが、それが無くなってしまうとその子達にどう対応していくのかということはやはり真剣に考えなければいけないと思う。

 逆に小学校の先生方からすると、今増えているハードクレーマーのような、場合によっては行政対象暴力にも該当するようなクレームがある親御さん達が来た時に、小学校6年生であればあと少しで中学校に移るといって一つの区切り、気持ちの整理もつくが、これが9年間続くとなるとどうなるかということも当然あって、おそらく現場の士気にも大きく影響すると思う。長く続くということがメリットでもあると同時に、やはりデメリットも多分に含んでいる。これがメリットばかりに焦点が当て立てられると、やはりそこから出てくる問題がなかなか表立って議論できなくなってしまうことがあるので、ここは虚心坦懐に問題点をあぶりだして解消するしかないと思う。

 小中一貫教育を進めると、おそらく8割、9割のお子さんにとってはプラスになることが多いと思うが、そこから置いていかれてしまう1割、2割、或いは過剰に負担がかかってしまう教職員の方々にきちんと対応していかないと、本当にこれが掛け声だけで終わって、中がぐちゃぐちゃってことになってしまうので、そういうところから逃げない対策をすることがやはり大事だと思う。

(森委員)今まで挙がってるように、メリットとしては系統的な小中一貫の教育であるとか、中1の壁の解消であるとか、色々なことが挙げられると思う。が、今、牧田委員からもあったようにデメリットもあるので、そちらも念頭に置きながらというのが私の意見である。

 先ほど事務局から、小学校5、6年生のリーダーシップの機会が失われるのではないかということも挙げられていたが、その部分に対してどのようにすればそのリーダーシップを持てる機会が与えられるのかということも具体的に考えていってもらいたいというのが一点目。

 あと、私は早生まれだが、早生まれの子ども達は、やはり小学校1年生の段階では、学習面や体力面で、他のお子さんと比べると多少なりともちょっと遅れる部分があると思う。なので、そういった自己否定というか、自己肯定感が低い状態のまま、6年間を過ごすのか、9年間を過ごすのかによってちょっと違ってくると思うので、そういったものを持ちながら、固定化された人間関係が続かないような工夫ということも、この小中一貫教育を進めるにあたっては検討してもらいたいと思う。

 あと、学習の面とか、いじめの対象となった生徒が、中学校に変わって構成メンバーが変わると、今までは6年間でリセットできる部分もあったと思う、そういったリセットできる場面が、どのようにすれば設けられるのかということもあわせて検討してもらえれば、よりよいものになっていくと思う。

 こういう新しい動きがあると、兎角メリットばかりに目が向けられがちな傾向があるが、皆さんご存じのようにデメリットも合わせてある。このデメリットの部分をいかに解消するかによって、メリットの部分がかなり効果を上げていくと思うので、その点に対して、工夫、検討をしてもらえればと思う。

(氏田委員)私は、小中一貫教育という話が、どうして国の方からも出てきたのかなと考えた時に、まず1つは、教育の内容が随分変化してきている、内容と同時に質の方も変わってきているということを感じる。内容として、昔は小学校に英語だとか、いわゆるAIとかいうことや、あと道徳が教科になるとは考えなかったが、今は随分変わってきて、教育の内容面が豊富になってきているというのをすごく感じる。

 その教育の内容の変化、それが一つはやはり小中学校一貫ということを考えて、子ども達にどういう教育、どういう力をつけさせるのかということを、6-3で考えるのではなく、やはり9年間で考えていった方がいいんではないかというところかなというふうに1つは思う。

 それから、本日は6年生のクラスだったが、子ども達が昔よりずっと大きくなっている。小学校の6年間といっても、やはり本日の子ども達の成長が随分と早くなってきているということも感じる。

 また、家庭環境の変化、いわゆる家族だけで社会性が身につけられる時代ではなく、やはり社会全体、学校教育の中で社会性も身につけるということを考えていったときに、やはり小中一貫で、一貫した教育目標が必要なのかなということで、小中一貫教育というのはこれから特に必要なことと思っている。

 ただ、その時に、授業の内容では、系統性とか継続性、それをやはりきちんと教えていかないと9年間のメリットがない思う。 

 それと、いわゆる6歳から15歳まで一緒というか、同じような教育目標でやっていったとき、この9年間の子ども達の成長というのは非常に大きいと思うので、良い面とそれから裏腹な面と、二つをやはり考えていかなくではいけない。上級生を見て下級生が育つと言うが、いつの時代も、やはり模範となる上級生ばかりではなく、色々な子ども達の様子、成長の様子を見ていくと思うので、6歳から15歳までの子ども達を一貫して教育していくといったときに、やはり子どもの成長に合った指導を的確にやっていくということが非常に大切になると思っている。

 なので、メリット・デメリットが裏腹にあると思うので、そのあたりをしっかり見極めてやっていかなければいけない。

 もう一つは学校の規模。学校の規模が小さな学校で終わってしまっては、子ども達の社会性なり、成長がそんなに変わらなくなってしまうので、やはりある程度の規模も考えていかなくてはいけない。

 なので、メリットも大きいけれども、デメリットもその裏腹で、しっかり見定めて、解決できるような取り組みをしていかないといけないと思っている。

(渡部委員)現代社会に暮らす子ども達は、私が子どもの頃の小学生の生活とは大きく違っていて、遊び方の違いであったり、携帯を持っていることが当たり前になって友達とのコミュニケーションの仕方も大きく変わっている。学習面でも、タブレット学習も当たり前になってきている。そのためか、子ども達の成長も前倒しするように早まっている。生活面の教育ということも早い段階からしていく必要ができていると考える。その中で、小学生から中学校までの教育を9年間通して見ていくという取組、小中一貫教育というのは、とても大きく期待するところがある。

 あと、1年生から9年生までの生徒が同じ学校にいるということで異学年交流を行えるので、上級生から下級生に対する思いやりとか、下級生から上級生に対する憧れの気持ちが生まれて、心の成長とか精神的な発達にも期待できるかなと感じる。

 けれども、やはり私もメリットばかりではないと感じていて、同じ環境で9年間生活するということで、中1ギャップの解消にも繋がることは確かだと思うが、子ども達の環境の変化というのは不安だけを感じるマイナスな面だけではなく、やはり新たな気持ちの切替えや、進学するということの充実感を味わえる機会とも思っている。なので、9年間という学校生活での中だるみのような気持ちを無くし、それぞれの学年で充実感を味わえるような場所が作れる工夫は必要だと感じる。

 また、長い期間で仲間意識が高まることが考えられるが、やはり人間関係が固定化しやすいということがあると思うので、いじめや不登校になるとそれが長期化するのではないかということも不安に思う。今まで以上に、いじめや不登校への初期の段階での早い対応というのが重要になるということも感じる。

 柏市では小中一貫教育を目指して進めていくということで期待することも多いが、逆にやはり不安に感じることも多いのは確か。一つ一つの課題に向き合って、学校間の距離があったり、一貫校とさせていくには難しい状況などある地区などでは、本日のような乗り入れ授業などをうまく活用してもらい、小中連携教育というのを今以上に密にしていくことを課題に無理のない形で進めていって欲しいと感じている。

(教育長)小中連携という言葉は随分前から言われていて、実際に小中連携をやってる学校も全国的に幾つも例はあるが、例えば小中合同で何か行事をやったり、ボランティア作業をやったり、大体はその程度で終わっている。それは何故かというと、やはり物理的に無理だからということ。学校間の距離が離れてるのでなかなか共同して物事ができない、そこが一番大きなネックであった。この物理的な、まず距離的なことを解決していかなければ、連携どころか小中一貫というのはなかなか難しいと思う。柏一小と柏中の本日の乗り入れ授業だって、すぐ隣にある学校ではなく、やはり歩いて10分、15分かかる距離がある。こういった物理的なところを無くしていかないと小中一貫というのはなかなか実行できない。

 なので、柏市としてはこれから色々な地域の実態や、学校の老朽化を踏まえ、そのケースケースで、できれば一体化した校舎というのが望ましいと考えている。時間はかかるが、やはりこれは最終的にそういった方向を目指すしかないと思っている。

 自分達の世代が受けた教育をこれからも同じようにやっていくというのはもう不可能だと思う。私達は、やはり今の子ども達がこれから将来大人になっていくときにどういった教育をしなければいけないのかということを本気で考えないと、自分達が受けた教育とそのまま同じことをやっていたら、結局何も改革はできないと思う。今、我々がこれから取り組もうとしていることは大きな改革だが、これはすべて子ども達のためということで取り組んでいる。そのために物理的な問題をまず解消したいということ。そして、組織として一体化する、これは教員の意識というのが絶対不可欠である。今までは小学校、中学校というように、校種別でそれぞれ別々なことをやっていた。小学校の先生方は中学校に送り届ければそれで終わり、中学校の先生方は小学校でどのような教育を受けてきたのか何も知らないまま受け入れる。で、これがやはりいろんな歪を生み出している。これを9年間の、要するに義務教育ということで一体化するということが今の大きな教育の流れだと思う。色々と課題もあるが解決できないものはないと私は思っている。先生方が知恵を出し合い、行政で協力すればほとんど解決できる、少なくとも今よりは良い方向に進むと思っている。

 去年、ある義務教育学校を視察に行ったが、グラウンドで小学校の高学年と中学生が同じ部活をやっていてとても良いと思った。それと、本日のように中学校の先生が小学校の教室に入って算数の授業をしていた。これもとても素晴らしい授業だった。そして何よりも良かったのは、小学校の時に担任をした先生が、中学校の2年か3年でもう一回担任をやる。子ども達はなんだかとても安心して受け入れてくれているということを、その時の先生が話していた。先生方が同じフロア、同じ校舎にいるから、こういった子ども達の心の安定に繋がる、このような良い点がたくさんある。

 ただし、その校長先生が言っていたが、正直、日々改善することがいっぱいある、毎日課題が出てくる。でも、解決できないものはない、このシステムは自信を持って展開できる教育活動である、と言っていたのが非常に印象的だった。私もその言葉を忘れずに、是非、今後取り組んでいきたいと思っている。

(市長)期待される効果として、まず学習面での教科担任制、小中乗り入れ授業などによる学力の向上ということがまず挙げられていたが、私もそのことをとても期待していて、やはり子ども達というのは、義務教育9年間の中での学習の積み上げで成長していく。だから本来であれば、小学校低学年の先生が、子ども達の中学校での学習の姿をイメージしながら、日々の教育活動を行っていかなければならないと思うし、逆に中学校の先生は、小学校のどの学年で何を学んで、何につまずいているのかを知った上で、目の前の子ども達に応じた指導に当たらなければいけないと思う。これを先ほど、教育長は小学校と中学校の歪というようなことで表現していたが、今、これが法令上の要請と相まって重要性を増してきたと思っている。小学校の学習指導要領の巻末には中学校の学習指導要領が、そして中学校の指導要領には小学校の指導要領が載っている。ということは、小学校の先生は中学校の学習内容を、中学校の先生は小学校の学習内容を理解していかなければいけないということである。つまり、教職員がやはり義務教育の9年間の全体像を把握すること、これを常に意識してもらうことが必要だと思う。小中学校の先生達が連携して、そのつまずきやすい課題などにきめ細やかな対応をすることに重要性が増していると考えている。

 学習面だけではない。小学校と中学校の義務教育はこれまで6-3制の中で行われてきたが、この6-3制の中で小中学校には大きな違い、そして段差が生まれた。小学校の学級担任制に対し、中学校では教科担任制になるし、小学校の日常生活に根差した比較的きめ細かな指導に対し、中学校では比較的抽象度の高い内容を含めた指導にも変わる。また、定期試験の実施の有無、生徒指導の手法、そして部活動の有無、制服の有無など、様々な形で小学校と中学校には大きな違いがあるわけだが、この6-3制が始まった頃と比べ、小学校高学年の身体の発達や、思春期の到来が早まっているという指摘がある。今、身長の伸びやその体重の伸びが最も大きい時期や、女子で言えば初潮の年齢が6-3制が始まった頃より二年ぐらい早まっているというようなことも言われている中、このような変化が、今、人間関係や生活の変化と同時期に起こることにより、学習面のみならず精神面、そして身体的な負担を生じているのではないかと考えている。このいわゆる段差に意図的な移行期間を設けていくということで、そういう意味で小中一貫教育ということに私は大きく期待している。

 よく中1ギャップと言うが、今話したように、中1ギャップという言葉は誤解を生じやすいところがあるので、これは小学校と中学校のギャップ、小中ギャップというふうに言い換えたほうがいいと考えている。つまり、小学校と中学校をつなぐことで、よりよい学校づくりになること。そして、小中学校を断絶させない仕掛けづくり。その一つが小中一貫の教育と思っている。小中一貫教育はこの段差の問題解決だけではなく、子どもの資質、そして能力を伸ばす環境を整えるための方策であろうと思うので、目指す子ども像というものを皆さんとよく考え、共有して参りたいと考えている。

 さらに発言があれば伺いたいがいかがか。

(牧田委員)本日は、小学生に対して中学校の先生による授業を見せてもらったということだが、逆に、中学校の生徒で小学校の授業につまずいてる子もいると思う。例えば、よく言われるのが分数、割合の部分。

 ただ、小中一貫教育の中で、義務教育の役割は、最低限必要な知識を身につけて社会に送り出すという視点に立つと、やはり逆もしなければいけないと思っている。せっかく小学校の先生が、同じ敷地内、校舎内にいるのであれば、やはり中学校でも、ちょっとここは苦手だなというところは積極的に立ち戻って、基本に立ち帰ってその教科を学び直していく。そう見ていくと最終的には習熟度別の学校編成、クラス編成ということも考えなければいけないと思う。公立の学校で、平等原則に反するのではないかとか色々な意見はあると思うが、最終的にどの子も最低限のことを身につけて、できる子はより自分の能力を高めて、なかなか苦手な子も、最低限ここはつまずいているところは解消して、学校を出て働いていくという原点に立ち返れば、やはり小中一環の中で、できれば習熟度別も並行して導入するのがいいと思った。

 本日の中学校の先生方の授業は本当に楽しかったので、これで小学校の子達は中学校でつまずかないとは思うが、逆に今、中学校にいる子達が小学校でこういう授業を受けていたら変わったなというところが、やはり戻っていくと勉強も、考え方も変わってきたり、自分に対して自信もできると思うので、そういうことも含めて検討してもらいたいと思う。

(市長)その他いかがか。

(意見なし)

(市長)それでは、本日乗り入れ授業を実施してもらった柏中学校の山田先生、棤木先生に来てもらっているので、乗り入れ授業を実施した手応えや感想等を伺いたい。

(山田教諭)5月から、この小中連携架け橋プロジェクトと題して、柏一小、旭東小で、毎週水曜日の午前中に隔週で小学校に来ている。

 昨年度2月に、今の中1の子達に乗り入れ授業を行ったが、この4月にその子達が柏中に入学してきた時、入学式当日、あっ山田先生、前、授業ありがとうございましたと言ってきてくれた子がいた。やはりそのような子を見ていると、この小中連携、中1ギャップとか色々と問題もあるが、やはり子ども達からしてみれば、知っている先生がいるという安心感がその時あったんだということをその時感じた。

 また、今年5月から各小学校に行かせてもらい、初日はどのような子達なのかなという心配があったが、担任の中村先生、廣谷先生が事前に私のことを話をしてくれていたのか、子ども達がすごく話し掛けてくれた。先生方もここは中学校の授業とどう関係してくるかといった振りをしてくれて、子ども達も、本日もすごく興味を持って内容に取り組んでくれたが、子ども達がそのような気持ちになるような動機づけを小学校の先生方がやってくれたことをすごく感じている。なので、この教員間の役割というのもすごく大事だということを、この3ヶ月で感じている。

 できれば、義務教育学校が始まるまで4ヵ年、この架け橋プロジェクトをやっていきたいと思うので、何とか教員の数も増やしてもらいたい。そうしたら中学校の教員も余裕をもってこちらに来ることもできるので、よろしくお願いしたい。

(棤木教諭)私は今、中学校3年生を教えているが、4月の下旬か5月の上旬ごろに、この話がぽんっと飛び込んできて、何をするんだろうというところからのスタートだった。その後、校長先生から、小中一貫、義務教育学校を見据えてということで、このような授業を展開して欲しいなどの話があり、その後、柏一小に来て廣谷先生を中心に打ち合わせ等々を行い、本日を迎えた。

 本日までに何回か6年2組に来て、本日も本当に子ども達に助けられた授業だったということを感じている。やはり子ども達の反応がとても良く、児童が英語を話そうとか伝えようという意欲、いつも教えている中学校3年生とのギャップをすごく感じて、逆に小学校の子ども達にパワーをもらった時間だったというのが正直なところである。

 小学校の英語は、恐れずに言葉を発するというところがクリアできたら本当にいいと思っているが、柏一小の子達はそれが素直にできている子達で、すごく吸収力もあり、やはり小中一貫で、中学校の教員が乗り入れて授業することにより、先ほど森委員からロールモデルという言葉があったが、そういう場面でも中学校教員を活用してもらえるなら、それはすごく大事だということを感じた。

 今回授業をする中で、児童と生徒の理解度の違いということをすごく感じた。私はもうずっと中学校で教えている身なので、通常は結構テンポ早く、テンポ感よく進めている。そのような中、本日、3年戻って小学校6年生となった時に、やはり理解に時間がかかるので、そういうところに注意する。

 継続的に中学校の教員が小学校に行く、その逆に小学校の教員が中学校に行くとなった時に、やはり発達というところも理解して色々やっていかなければいけないということ、先ほど子どもに対する見方を広げ深めるというその視点が大切だということを改めて感じた授業だった。

(市長)続いて、乗り入れ授業を受ける側の6年生を担任する中村先生、廣谷先生から、授業を受けた子ども達の様子などを伺いたい。

(中村教諭)6年1組を担任しているが、子ども達はこの授業を本当に毎回毎回楽しみにしていて、先ほど山田先生からあったように、算数は5月の初めから4回来てもらい、本日が5回目の授業であった。

 今までの4回は、私がT1を、山田先生にT2で入ってもらい、毎回単元は違うが、授業の途中途中で、今ここでやったことは中学校でどのようなところに繋がるかというところを山田先生に振って答えてもらってきた。で、最後にいつも山田先生からの挑戦状というコーナーを設け、小学校で習ったことを少し応用したやや難しい問題を出している。本日見てもらってわかったと思うが、この学校の6年生はとてもノリも良くて元気なので、子ども達はもう目をキラキラさせながら、本日のようなアクティビティ、英語も算数もそうだがそのようなものになると、本当に我を忘れて取り組むようなところがある。普段の落ち着いた授業の中でも一生懸命話を聞いていて、特に中学校ではこういう言葉を使うんだよと新しい言葉を教わったときは、子ども達はそれをよく覚えていて、次の授業からはもうドヤ顔でその言葉を使っている。もともと好奇心も探究心も旺盛な子達なので、そういうところですごく楽しかったという言葉を毎回聞くことができた。

 本日は最後に、早く中学校に行きたいという声が上がり、なんだかその声を聞けただけでも、このプロジェクトは本当によかったのではないかとすごく思った。先ほど山田先生からもあったように、この子達は来年、柏中へ進学する子も多いが、そこに知ってる先生がいるということは、やはり不安を少し解消する要素にもなるので、送り出すこちらとしても非常に安心感があるものと思った。

(廣谷教諭)6年2組を担任しているが、6年生全体的に、中学校の先生、しかも二人から授業してもらうということにすごくわくわく、期待の気持ちでいっぱいだった。

 本日も授業の中で、なんだか中学校の内容だから難しいんじゃないのかとかいうように構える様子もなく授業に望めていた。それは多分、本日考えてもらったアクティビティだとかが子ども達が楽しめる内容であったからこそ、すごく楽しんで授業に参加できたんだと思う。

 他のクラスでも本日と同じような授業をしたが、本日は過去系のユニットだったが、その最後のまとめのスピーキングの発表をする際に、他のクラスでは、その学んだことをスピーキングテストで活用していたということも聞き、とてもよかったと思う。振り返りシートなどからも、中学校に行くのがすごく楽しみとか、中学校の先生から授業をしてもらってとてもうれしかったなどのような言葉もあったので、子ども達にとってすごく良い機会、充実した時間になったと思う。

(市長)先生方からの話について、質問や意見はあるか。

(意見なし)

(市長)それでは、本日の意見を踏まえ、教育委員会内でさらに検討していただくようお願いする。

議題2 その他

(市長)次に「その他」として、教育全般について意見等があれば伺いたい。

(教育長)来週の金曜日で、1学期が無事に終わり終業式になる。今のところ、これといった大きな問題なく、無事に終わると思っている。今はもうほとんどの学校で、運動会は半日開催、中学校の体育祭は平日開催といった状況で、コロナで大きく行事のあり方も見直されたと思っている。

 ただ、この間聞いたところでは、修学旅行先の日光で熊が出たという報道や林間学校先の福島で実際に熊を目撃したという報告があり、これからそのようなことも頭に入れながら場所を決めていかなければならないのか、対策を考えなければならないのかと思っている。

 今後、外へ出かけていく場合、今、全国的に熊の問題もあるので、林間学校等で児童生徒が被害に遭わないということも念頭に置いておかなければいけないと思った。情報として伝える。

(市長)私からも一点、教育全般についてだが、国の方で英検3級相当以上の生徒を令和10年に60%以上にするという目標を掲げている、正確には英検3級という言葉はないが。特にこれからのグローバル社会における人材育成ということで目標を掲げており、外国語教育の充実を図り、ICTの活用、教師の養成、そして専科教師、ALTの配置等の学習指導体制の充実などを総合的に推進することとしている。

 私も思うが、やはりこれからの人材で、この英語の大切さ、外国語でコミュニケーションが取れるということは、今後ますます重要になってくると思うし、ビジネスで海外との取引をするということはもちろん、サッカー選手も外国で、外国語でインタビューなどに答えている。一般の人も海外に行く機会も増えているし、また日本に来た外国人とのコミュニケーションも重要になってきた。

 このことから、柏市は、特にスポーツが非常に盛んなまちだと思っているが、全国大会とか世界大会に出場する中学生もたくさん誕生しているので、世界に羽ばたくグローバル人材の育成という観点で、是非、外国語教育の一層の取り組みを示す必要性を感じている。このことについても検討を進めてもらいたいと思っている。

 その他いかがか。

(意見なし)

(市長)それではこれで協議を終えたい。

議題3 次回の開催について

 事務局(行政課)から、次回の総合教育会議の開催については、改めて日程調整する旨を報告した。

 

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