更新日令和4(2022)年12月16日

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令和4年度第3回柏市総合教育会議会議録

1 開催日時

令和4年11月17日(木曜日)10時00分から10時50分まで

2 開催場所

柏市役所本庁舎3階庁議室

3 出席者

(1)市長及び教育委員会

  • 柏市長 太田和美
  • 教育長 田牧徹
  • 教育長職務代理者 牧田謙太郎
  • 教育委員会委員 森秀夫
  • 教育委員会委員 氏田青津子
  • 教育委員会委員 渡部麻有

(2)事務局

  • 副市長 加藤雅美
  • 総務部長 飯田晃一
  • 生涯学習部長 宮島浩二
  • 学校教育部長 三浦邦彦
  • 学校教育部理事 原田明廣
  • 行政課長 橋本賢一郎
  • 教育総務課長 新井賢蔵
  • 生涯学習課長 沖本雅樹
  • 学校教育課長 松澤元
  • 教職員課長 福島紀和
  • 指導課統括リーダー 福田美和
  • 児童生徒課長 藤崎英明
  • 市立柏高等学校長 中村淳一
  • 行政課統括リーダー 鵜飼信行
  • 教育総務課統括リーダー 浦上義史
  • 学校教育課統括リーダー 野口 初
  • 教職員課統括リーダー 桑原市郎
  • 児童生徒課副主幹 中條範子

他6名

4 傍聴者

5名

5 議事

  1. 柏市における不登校対策
  2. 市立柏高校の部活動活動方針等に係る検討状況(報告)
  3. その他
  4. 事務連絡・次回の開催について

6 議事(要旨)

議題1 柏市における不登校対策

事務局(児童生徒課長及び児童生徒課副主幹)から資料に基づき説明を行った。主な協議内容及び委員からの意見は次のとおり。

(牧田委員)私は児童相談所で週1回勤務しているので、その視点から若干お話をさせてほしい。先ほどご紹介いただいた柏市児童相談所一時保護所と、きぼうの園が連携して、一時保護中のお子さんに対して学習支援をするというのは非常にいいことだと思っている。一時保護は長期化してしまう現状がある。親と児童相談所の交渉の中で一番割を食ってしまうのは子供たちなので、一時的とはいえ、集団で勉強したいという希望のある子であれば、是非このきぼうの園を活用して、学びを継続していただきたいと思った。それから、スクールソーシャルワーカーの件だが、不登校で学校に来られない子がいるというと、学校の方では学校に来られないということで、そこから先になかなか進めないという現状があると思う。特に介入を拒否する親御さんが一定数いて、例えば子供が学校に対して非常にアレルギーを持って、拒否反応を示しているから、これ以上かき乱さないでくれというお気持ちから学校には来ないでくれというケースもあるけれども、他方、子供が実は学校に行きたいんだけれども、親の方で独特な考えのもとに、学校に行ってはいけないということをしてしまっている家庭も一定数あり、そこに対して介入していくというのは必要になってくると思う。まずスクールソーシャルワーカーが基礎的な状況を把握した上で、児童相談所と連携して、一緒に対応していくということが目指すべき姿だと思うので、先ほどご紹介のあったスクールソーシャルワーカーの配置であるとか育成をきちんとやっていくことが大事だと思った。

(森委員)今回の資料の中で「Leave No One Behind」誰一人取り残さないという方針は正しいと思う。その中で、「ひろげる 多様な学びに対応できるよう、選択肢を増やす」となっているが、柏市の取り組みで充実させていただきたい部分を述べさせてもらう。一つは熊本の例で出ていたが、オンライン教育の充実を是非図っていただきたいと思う。今、オンラインを使えば大学の学士であるとか修士課程の卒業までできる時代なので、例えば小学校1年生の子供が学校に来られないという場合でも、アプリなどを使って十分に学力が伸ばせるように、それがこの選択肢を増やすということにつながると思うので、できるだけ多様な教育が受けられるように、可能性が広げられるように、このオンライン教育の充実を図っていただきたいと思う。可能であれば、その教育内容が、例えば小学校1年生の子が飛び級みたいに2年生や3年生にステップアップして、個別最適化というのはそういうことだと思うので、高いレベルまでも、学校には来られないけれども、自分の能力を伸ばせることが確認できるような場面を設定していただければと思う。そのオンライン教育の充実の中で、1人で勉強をやっているだけではなくて、オンラインの中につながりを持つことができると思うので、例え顔を画面に出さなくても、マスコットを自分の代わりにして他の人と話す場面を設けたりとか、そういったことで交流の場の充実を図ることも可能だと思うので、そういった意味でオンライン教育の充実を図っていただければと思った。

(氏田委員)私は小学校をずっと経験した観点からお話をさせていただきたいと思う。子供は、人と人との関わりの中から自分のことを知ったり、他人のことを知ったり、人と人の間で生きていく、成長していくものだと思っている。そうした中で不登校が増えてきている、特に小学校の時代から不登校が増えてきているというのは本当にこれから私たちが十分に考えていかなければいけない問題だと思っている。その中で、柏市が誰一人取り残さないと掲げていろいろ施策を考えているというのは本当にいいことだし、是非やっていただきたいことだと思っている。子供が一人一人社会的に取り残されないということが非常に大切、成長を考える上ですごく大切かと思う。学校は、一人一人にきちんとした学力をつけるところだと思うので、そういう意味でも学校の役割というのは非常に大きいと思う。きぼうの園など、いろいろ施設の面で充実をこれからしていく。それからSSW、ソーシャルケースワーカーのような人を配置する。今現在、柏市の先ほどの説明でいうと597人(人数は事務局が説明済)の不登校がいるということはかなりの人数だと思う。この中で、今現在、どれだけの子供たちが一人一人に合った教育を受けているかと考えると、多分そんなにはいないのではないかと思うので、これから是非、人、それから施設等を充実させていって欲しいと思っている。

(渡部委員)私は子供を育てる親として不登校対策についてお話させてほしい。現状として不登校の児童が増えているということだった。私の身近でも友人の子が不登校で悩む姿を目の当たりにしている。また、学校を遅刻しがちで、ときには休んだりして、病院で起立性調節障害と診断された子の親は、スクールソーシャルワーカーに話を聞いてもらい、共感してもらえたことで、すごく救われたそうだ。私はこの話を聞いて、スクールソーシャルワーカーの役割の重要性を感じた。不登校の子供と一番関わり、向き合っていかなければいけない家族に、まず寄り添える場所があること、そこに踏み込むまでにすごく不安で、時間も必要かもしれないが、そういう場所や人がいてくれるだけでも気持ちが前向きになっていくのではないかと思う。ソーシャルワーカーとのつながりをスタートラインに、その子に合った選択肢を広げてあげられるような施設の充実を誰一人取り残さないためにも進めていっていただければと思う。

(教育長)先ほど報告にあったとおり、現在柏市では600人近い小中学生が不登校と判断されているわけだが、これは中規模校の学校1校に相当する数である。1校の児童生徒が丸々学校に行けないという状況になっていると考えると、これは非常に重大な問題であると考えなければいけないと思う。小中学校の校長先生方との面接で、あなたの学校の一番の喫緊の課題は何かと私が聞くと、ほとんどの学校の校長先生が長欠対策、不登校が多くて困っているとおっしゃる。それを聞いて、現場は苦労をしていると改めて感じる。学校訪問に行くと、どこの学校に行っても人が座ってない机と椅子が必ず一定数ある。多い学級は5つ、6つ空いているところがある。私がどうしたのかと聞くと不登校だと申し訳なさそうに言うのを聞くと、行政として力を入れなければいけないものだと本当に感じる。以前の不登校のタイプというと、友達との関係がまずくなったとか、先生とうまくいかないというようなものが多かった。それを学校不適応というひとくくりにして済ませていたところがある。ここ最近は、いろいろなケースが出てきて、まずは家庭環境によるもの、貧困やヤングケアラー、こういった状況があって学校に行きたくてもいけない。また個人の問題で、ゲームのやり過ぎで朝起きられない、SNS等でのトラブルで学校に行けなくなったというような子供もとても増えてきていると思う。いろいろなケースがあるので、学校だけでは対応できない状況になっているというのが実際の状況だ。国の方針が学校に復帰させることが最優先ではないと変わっているので、学校現場も少しは気が楽になったのかなという気がする。これまで学校も行政もとにかく子供を学校に復帰させるということを合言葉にやってきたが、その方針が変わってきているので、我々の対応もこれから変えなければいけない。一番大事なことはどういう子供であっても学びの保障をしっかりしなければいけないということ。学びの方法、そして学びの場所をしっかり確保して、その子に合ったものを提供していくというのがこれからは求められるのではないかと思う。学校には行けるけれども教室には入れない子もいる。学校自体に行けない、でも他の建物だったら行けるという子もいる。そして一番心配なのは、家から外に出られないという子である。こういういろいろな子たちに、それぞれこういう場所がある、こういう勉強の仕方があるということを丁寧に教えてあげて、そしてその子に選択をさせるということがこれから必要になってくる。そのための司令塔というか中心になって仕分けをしていく組織が絶対必要である。それをこれからきぼうの園に担っていただきたいと思っている。こういったものがあることで、今までどちらかというと学校単位で別個にやっていたものが一つにつながって、そこから適切なアドバイスができると考えている。課題はいっぱいあるが、是非ともこれは我々行政として最優先課題でやっていかなければいけないことだと思っている。全力で取り組んでいく所存である。

(市長)様々な角度から皆さんにご意見をいただいた。私も今回の不登校者の増加について、なぜこんなに増えてしまったのかと大変危機感がある。その中で思うのが、今までの重要なものとは違う、新しい要因が昨今増えてきたのではないかと思っている。それは、まず一つとして、学校を休むということのハードルが低くなってきてしまったという観点も私は必要なのではないかと思っている。先ほどの文科省の通知では、不登校の対応は学校に登校するという結果のみを目標にするのではなくて、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があるということで、不登校の時期については、休養や自分を見つめ直す意味を持つということで、肯定的にとらえて、不登校者を無理やり学校に行かせる必要がないというふうに方向が変わった。これは、本当に深刻な問題を抱えている児童生徒に対しては、理解が進んで、その方向性は私は間違っていないと思っている。ただちょっと気になったのが、この通知が出たのが令和元年でコロナの前ということである。今その一方で、学校に行くことに対して、先ほどの説明にもあったけれども、不登校の要因も漠然としている。ここが私はキーワードになってくると思っていて、なぜ学校に行かないのかと聞くと、ちょっと面倒くさいとか、ちょっと学校に行きたくないというような児童生徒までが容認されてきてしまっているのではないかと思っている。例えば塾や習い事を休むように簡単に学校を休ませることにつながってしまっているのではないかというのが心配である。それがいつの間にか不登校になってしまうということが実際に起きているのではないかと思っていて、不登校の要因の背景が多様化、複雑化しているので、予兆への対応を含めた初期段階の支援というものが今日の資料の中になかった部分なので、あえてそのことに触れさせていただきたいと思った。そのために、不登校の要因の背景を的確に把握するために、スクールソーシャルワーカーがそのつなぎ役となって、いろいろな相談機関、地域、学校以外の支援に結びつけていくという説明だったと思うが、非常にそれは有効であると思っている。スクールソーシャルワーカーは、貧困やヤングケアラーなどの危険な欠席について、学校、家庭、関係機関等と効果的に連携を図る上では必要だということが今日の資料である程度理解ができる。命に関わる事件事故というのは絶対に防ぐべきだと思うし、積極的に活用していただきたいと思っている。一方で資料には、スクールカウンセラーの必要性についてはあまり触れられていなかったのではないかと思っている。私が先ほどから言いたかったことが、まず不登校の予兆への対応としても、スクールカウンセラーの役割というのは重要なのではないかと考えている。スクールカウンセラーは公認心理師、臨床心理士など一定の資格を持って、児童生徒や保護者にカウンセリングや教育相談を行う専門家だが、現在は学校への配置人数が限られていて、面接に至るにも少しハードルが高いという印象だ。今のところ誰でも気軽に相談できるというわけではないので、もはや今どの子が不登校になってもおかしくない状況であるので、全ての児童生徒がいつでも相談できる体制をとる必要性を感じている。ついては、スクールカウンセラーの必要性というものについても、さらに深掘りをしていただき、さらに教育委員会においては、さらに研究検討をお願いしたいと思っている。そしてもう一つ、不登校を生じさせない取り組みを推進するためにも多岐にわたる取り組みが紹介されていたが、あえて今日は少なかった部分や載っていなかった部分をお話させてもらっているが、もう一つ、小中の9年間を通した義務教育学校についても調査研究をお願いしたいと思っている。つまり小中一貫校を通じて蓄積される不登校への先進的な取り組み事例というのもあるので、そういったものも一つ選択肢として、柏市が不登校支援として目指していることは選択肢を増やしていくということであろうかと思っているので、そういう観点を是非教育委員会の方には進めていただきたいと思っている。

ただいまの各教育委員、そして私の意見を踏まえて、さらにご発言を皆さんにお願いしたい。

(牧田委員)先ほど市長からスクールカウンセラーや、ここに触れられていないことについても目配りしていただきたいというご意見だったと思う。それはそのとおりであり、もう現状、学校が置かれていることでいうと、授業が成立しないで立ち歩いている子がいたり、けんがが勃発したり、ときには教員に対する暴力があったり、それから放課後になると親からいわれのないクレームのような形で長時間突き上げられるという状況も現実としてある。その中で机が空になっている子たちにも配慮しなければならないというのがこの不登校の問題なので、やはり不登校だけ取り上げてというよりも、いろいろなお子さん、あるいは学校を取り巻くいろいろな環境も総合的に見ていかないといけないというのが最終的な解決策だと思うので、不登校の児童に対する取り組みをすると同時に、いろいろな観点から予算をつけて、学校を少しでも安全で、より良く過ごせるような形で改革していくという視点も非常に大事である。今回の話をすると、いろいろな意見があって、収拾がつかなくなると思うが、不登校対策も一つの学校改革、あるいは教育改革の一環として、他ともいろいろ連携しながら進めていっていただければと思った。

(森委員)今市長からあったようにスクールカウンセラーが若干敷居が高いのではないかという意見があったので、先ほど申し上げたが、インターネットを使ってズームカウンセリングなどが可能であれば、そのようなシステムを導入していただくと、市独自のシステムになっていくと思う。カウンセリングするということ自体が敷居が高いものだと思うので、誰でも相談できるような体制を整えていっていただければと思う。

(市長)今日の資料の中でもあるが、混乱期、低迷期、回復期ということで、お子さんの個々の状態に応じた取り組みをやっていると思うが、その予兆段階でしっかり拾っていくことも必要だと思って、そのような発言をさせていただいた。その他、意見はどうか。

(氏田委員)人はどういうふうに育っていくのかというところの話に根本的にはなってくると思う。学校だけで解決できることはなく、子供を取り巻く家庭、地域、それから学校、全ての子供を取り巻く大人の人たちの問題だと思う。なかなか難しい問題だと思うが、子供を取り巻く関わりの連携も必要かと思っている。

(渡部委員)市長がおっしゃる、学校を休むというハードルが低くなっているという話について、私もそれは感じている。子供を見ていて、インターネットやSNSを自分たちが学生だった頃以上にやっていて、そのせいで起きられないとか、実際にそれだけで学校を休んでしまう子も多分いると思う。それと本当に学校に行けない子との区別をつけられるようにするために、カウンセリングは本当に重要だと思う。本当に困っている子を逃がさないというか、区別する。そこができていければと思う。

(市長)特にこの1年間、コロナの影響などもあって、生徒に対して休む理由を探りづらい状況が起きてしまっているのではないかと思っている。文科省の通知で、学校に無理に登校させなくてもよいような方向性に変わったことも肯定的に捉えているが、急増している不登校の子たちを見ると、30日に満たない欠席者を含めると、コロナの影響も大きかったように推察している。令和4年度もこの傾向は続いていて、なかなか減少していくのが難しいのではないか、不登校者が高止まりしてしまうのではないかと大変心配をしている。本来であれば、学校は行ってもらった方がいいし、不登校が減ったほうがいいと思うし、学校が全てではないということも大切だが、その前提に、多様な教育の機会の確保や、学びを選べる居場所など子供たちの支援という言葉でそういう選択肢ができてこそだと思っているので、そういう観点からも本当に多様化していて全て答えがこれで一つ出るわけではないが、組織として、みんなで子供たちの不登校対策に向けて、あらゆる支援団体も含めて、チームになって、この対策に取り組んでいければいいと思っている。

その他さらにご発言があればお願いしたい。

(意見なし)

議題2 市立柏高校の部活動活動方針等に係る検討状況(報告)

事務局(教職員課統括リーダー)から資料に基づき報告を行った。

(意見なし)

議題3 その他

(市長)それでは「その他」について、教育全般について意見交換をしたい。ご意見のある方はお願いしたい。

(意見なし)

(市長)それではこのあたりで協議の時間を終わりたいと思う。不登校について、原因はさまざまだと思う。子供たちが抱える不安や悩みをしっかりと受け止め、その解消に向けて引き続き努めていただくようお願いする。また、市立柏高校の件では、検証委員会報告書やアドバイザリーボードでのこれまでの議論を生徒や保護者に丁寧に説明をし、再発防止に取り組んでいただくようお願いをする。

議題4 次回の開催について

事務局(行政課)から、次回の総合教育会議の開催について確認した。次回の開催日程は改めて調整することとなった。

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