令和元年度第1回柏市環境審議会会議録

1 日時

令和元年7月2日(火曜日)午前10時から午前11時40分まで

2 場所

柏市役所分室1 2階 第1会議室

3 出席者

(1)審議会委員

内山会長、村田副会長、吉田委員、川瀬委員、田口委員、星委員、川上委員、川津委員、皆川委員及び池田委員(計10名)

(2)事務局

鬼沢副市長、國井環境部長、鈴木環境部次長兼環境政策課長、阿部副参事、髙橋主幹、野村副主幹、小林副主幹、山﨑副主幹、澤畑副主幹、森山主任、宮﨑主事及び原主事補(計12名)

4 議題

(1) 柏市地球温暖化対策条例の改正について

(2) 柏市生きもの多様性プランの改訂について

ア 諮問

イ 改訂方針

ウ 部会委員選出

(3) その他

5 議事(要旨)

(1) 柏市地球温暖化対策条例の改正について

資料に基づき、事務局より説明。

その際に表明された主な意見は、次のとおり。

・(内山会長)削減目標について、市議会ではなぜ柏市だけこのように厳しい条件を課すのかという意見は出なかったか。

⇒(事務局)出ていない。どちらかといえば、柏市の目標は緩めではないかという意見が出たが、決してそんなことはなく、むしろ積極的な取組による数値であると答弁した。

(2) 柏市生きもの多様性プランの改訂について(諮問)

ア 鬼沢副市長より内山会長へ諮問書を交付。

イ 諮問書交付後、資料に基づき、事務局より説明。

その際に表明された主な意見は、次のとおり。

・(川瀬委員)柏市としては、手賀沼流域や手賀沼自体に重きを置いて水環境について取り組んでもらえるということだが、我孫子市の手賀沼課のような手賀沼自体をみてくれる課がない。他課と連携して市役所全体で水循環を資源として見てもらえるような取組をしていただきたい。

⇒(事務局)水循環は、計画改訂の中で非常に重要なキーワードであると考えている。これには様々な部署が関係してくるため、計画改訂にあたり協議していきたい。水循環の話は、審議会の中で行っていくので、ご意見をいただきながら進めていきたい。

・(内山会長)今の発言は、なぜ手賀沼課を作らないのかということである。手賀沼に焦点を当てると言うならば、結果的に手賀沼課が出来たというのが成果だと思う。そういう趣旨の発言であるとご理解いただきたい。

・(村田副会長)水は、木がないと綺麗にならない。先ほど出た手賀沼課というのは、水と木の両方のことを考えている。現状だとそれぞれが別の課の担当になっている。縦割りにならないためにも手賀沼課という意見は良いと思った。

・(内山会長)生物多様性プランはわかるが、それをやってどうなるのか。柏市は生物多様性を十分に考えた都市であると喧伝したいのか。また、それがあるとして、柏市とどのような関係性があるのか、社会構造をどうするのかというのが見えてこない。基本概念が薄いのではないか。

⇒(事務局)生物多様性自体が捉えにくい概念であるということが一因であると思う。子どもや高齢者など、対象が直接的で限定されていれば課題もわかりやすいが、地球温暖化や生物多様性などのテーマは、地球レベルや地域レベルで我々人間が様々な恩恵を受けていることに関する課題である。生物多様性が崩れれば人間の生活が脅かされる、生存さえ難しくなるという危機感や重要性が伝わりにくいことは否定できない。

また、世界レベルで見れば、そもそも日本自体が豊かな自然に恵まれている。柏市も実は自然に恵まれている。都内に比べると自然環境が全く違い、こんぶくろ池、河川、手賀沼、谷津など自然豊かで多様であり、ここでの主役は我々人間を含めた生物である。様々な生物を大事にしていきたいと考えており、これを生物多様性プランと称してやっていきたい。

手法は様々あるが、生物には水が不可欠であり、柏市は特に水環境が豊かであるので、これにフォーカスを当てて生物多様性を守っていく、あるいは作っていくプランを練れたらどうかという提案をしたい。

市民がわかりやすいように、手賀沼及び生物が多く生息する谷津などで、様々な生物を如何にしたら守れるか、学べるか、参加できるか、保全できるかを考えていきたい。

・(内山会長)非常に重要である事はわかった。この仕事は、広く曖昧な概念について市民の理解を得ること、理想と現実のギャップを埋めていくことでもある。

・(吉田委員)もう少し具体的に、手賀沼で生物を見るとか、例えば夏休みの自由研究のような形で学校を通して組織的にやると、市民の意識も高まるのではないか。子どもたちから徐々にやっていくと長い目で見れば良い方向にいくと思うので、具体的な仕掛けがあるとよいなと期待している。

・(村田副会長)日本は、世界で見ても、生物多様性のホットスポットといわれている。柏市も、日本の生物多様性ホットスポットだといわれるぐらいになればよい。生物多様性の概念の普及は、命の教育に繋がることであると思う。人間も自然の一部であり、生物多様性の種が減っていくということは、人間も住めなくなる可能性にも繋がっていく。

計画を出しただけでは一人ひとりが自分の問題だと捉えにくいと感じるので、教育などと結びつけるとよいと思う。例えば、自然の中で遊べる場所を作ってはどうか。そこで子どもの頃に遊んだ人は、その環境をすごく大事にする。環境に携わっている人は、自然環境に触れて育ってきているというデータも出ている。柏市にもそのような場があれば、生物多様性という概念が市民に少しずつ浸透していくのではないか。

⇒(事務局)平成23年度に生物多様性プランを作ったが、プランとしては、なかなか進まなかったという反省がある。生物多様性についての教育や、過去からの取組の積み上げがあるものの、それだけでは守っていけない。埋め立てによる谷津の消失や、虫がだんだん減るなどの事象が起こっている。今後はどこをどう守っていくのか具体性を持って進めなければならない。そこで、市民に最も親しまれている自然資源である手賀沼という言葉を出しながら施策を考えてみてはどうかということで提案している。

・(川上委員)市は、小学校4年生を対象に自然環境教育として手賀沼の船上見学を行っている。これをもう少し広げて実行してもよいと思う。

・(星委員)私は、手賀沼検定2級を持っている。試験会場には高齢者が多かったが、最近は高校生ぐらいの若い方が受験しているように感じた。ホームページなどでは少しだけしか掲載されていないが、大々的に広めてもよいのではと感じた。

ウ 部会委員選出について資料に基づき、事務局より説明。

⇒(事務局)部会委員候補者以外にも部会に参加したいという方がいれば、是非参加していただきたい。

(3) その他

・(内山会長)時系列的な変化などを科学的に証明していく必要があるのではないか。記憶を頼りにしていて、科学的なデータになっていないように思う。調査結果は、どのように表現されているかが重要である。生物の存在をデータベースとして押さえてはどうかと感じる。

・(川瀬委員)NPO法人かしわ環境ステーションで市内の植生状況のデータをまとめてある。また、手賀沼でも毎年子ども参加のイベントや、手賀沼に入って貝の調査などを実施している市民団体がいる。それらのデータは揃っている。

・(内山会長)色々なところで出された調査結果を一括してまとめるとか、フォーマットを揃えるとか、もう少し統合化したデータベースを作ったらよいのではないか。特に生物多様性プランでは、調査結果などの根拠データは重要であると思う。是非これらを念頭において、これからの新しい生物多様性プランを策定していただきたい。

6 傍聴者

1名

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