令和元年度第1回柏フレイル予防プロジェクト2025推進委員会会議録
1 開催日時
令和元年8月8日(木曜日)午前10時から午前12時15分まで
2 開催場所
ウェルネス柏 研修室(柏市柏下65-1)
3 出席者
委員
宮島座長、後藤委員、岡田委員、浅海委員、山名委員、平野委員、八文字委員、柳田委員、庄子委員、中村(信)委員、西田委員、小野田委員、瀧澤委員、中村(禎)委員、相馬委員、幕内委員、吉田委員、石毛委員
計18人
アドバイザー
長瀬アドバイザー、鏑木アドバイザー、飯島アドバイザー
事務局
地域包括支援課 高木(貴)副主幹、長谷部副主幹、飯田主事、高木(美)主事補
福祉政策課 増田副参事、神津主事
4 議題
(1) 概念図及びプロジェクト推進体系の共有
(2) フレイル予防活動の取組み
ア フレイルチェック作業部会からの報告
イ フレイル予防啓発作業部会からの報告
(3) 意見交換
(4) その他
5 配付資料
- 次第
- 資料1 席次表
- 資料2 委員・アドバイザー名簿
- 資料3 概念図及びプロジェクト推進体系
- 資料4 フレイルチェック作業部会報告(東京大学提出資料)
- 資料5 フレイルチェック作業部会報告(柏市提出資料)
- 資料6 フレイル予防啓発作業部会報告
- 資料7 柏市のフレイル予防に関する活動のまとめ(柏市在宅リハビリテーション連絡会提出資料)
- 資料8 柏フレイル予防プロジェクト2025推進委員会設置要領
- 資料 柏の葉ウオーキングクラブ提出資料
6 議事
(1) 概念図及びプロジェクト推進体系の共有
意見等なし
(2) フレイル予防活動の取組み及び(3)意見交換
ア フレイルチェック作業部会からの報告
(長瀬アドバイザー) 東京大学の資料によると、高度リスク群の中でも「椅子立ち上がりテスト」「握力」「活舌」が赤信号である高齢者ほどリスクが高い。高度リスク群は赤信号8個以上であり、表を見ると死亡率は16パーセントから41パーセントという高いものもある。これは、調査対象者のうち、フレイルチェック後に死亡した者を対象として、そのリスク性を判断したのか、それとも違う方法で判断したのか。
(田中研究員) 柏市のフレイルチェックデータから統計処理した。具体的には、高度リスク群の中で、どの項目がリスクが高いのかを示したものである。ただ、フレイルチェックを受講者の持病などのバックグラウンドは把握できていないため、フレイルチェックの現場からでは、体力的な部分や身体的機能が低い場合には、より早くリスク対象者となる。
(長瀬アドバイザー)赤信号8個以上は全体から抽出したということか。死亡者のデータというのはもしかしたら亡くなるのが近かったことから症状が出てきた可能性もあるため、それに対してアプローチは誤っている場合もあるのではないか。
(田中研究員)赤信号が付いた項目の中でも、その中で実際に介護認定や死亡者が多かったのがこの3項目になる。また、データの対象者は、亡くなる直前だったとしても、介護認定を受けた者を除外し、自立のみとしている。
(宮島部長)全ての個人の把握は難しいが、傾向としては一定程度掴めているのではないか。
(小野田委員)ハイリスク者へのアプローチとして、地域包括支援センターの方でも介入や連絡を行っているが、そのあとの受け皿が課題となる。ハイリスク者をどうフォローしていくのか、その受け皿は多様なものがあるとよい。
(宮島部長)ハイリスク者の仕掛けや流れなどは、今後課題となる。
(西田委員)実際に、地域包括支援センターに紹介された方はどれくらいいるのか。
(髙木担当リーダー)現時点では、深掘りチェックで赤4つ以上をハイリスク者とし、地域包括支援センター主催のもののみ対応してもらっている。会場によるが、全体としては赤信号4個以上の方はそれほど多くはない。
(宮島部長)東京大学の資料によると、高度リスク群が15パーセントであり、低い数値ではない。ハイリスク者に対して、専門的な管理が必要になっていく。介入後の調査など引き続きやってほしい。
(飯島アドバイザー)全体としての意見だが、フレイルの認知度が少しずつ上がり、現在は約63市町村がフレイルチェックを導入し、また、厚労省もフレイルという言葉を用いるようになった。行政側が持ち合わせているデータとフレイルチェックのデータを組み合わせることによって、重要なデータになっていることは非常に意義がある。柏市のフレイルチェックは第2ステージに入ってきているとい言える。今まではフレイルチェックという活動の場をベース作りとして実施してきた。第2ステージでは、普段は参加しないような方まで参加させてほしい。フレイルチェックのリクルート方法で、赤信号数の結果が大きく変わってくる。普通のリクルート方法だと元気な方が集まるが、例えば民生委員に弱っていそうな人を誘ってもらうと赤信号の数が格段に増える。第2ステージでは、リクルート方法も鍵になってくる。また、全体に加えて、個々のデータを見ていく視点も必要。柏市行政及びかかりつけ医などと連動していく必要がある。来春より、厚労省の「保健事業と介護予防の一体的実施」がはじまっていく。集いの場で多面的な視点からフレイルチェックを実施し、それを自治体の持つデータベースに繋げ、そのデータからハイリスク者をあぶり出し、適切なサービス提供をしてほしい。それを部分的に実施するのではなく、また、ある専門職種だけでやるのではなく、自治体として一体的に実施する必要がある。
(宮島座長)柏市は多職種連携で取組みを行っており、柏市らしい仕組みができる。
イ フレイル予防啓発作業部会からの報告
(浅海委員)まずは、前回会議で提案した近隣センターののぼり旗設置を早速実施していことについて、この場を借りて御礼申し上げる。続けて提案だが、公用車や清掃車などにボディパネルを作って広報するのはどうか。
(中村信子委員)ポイントの対象を行政の講座だけでなく、市民主催の講座や多世代のボランティア活動なども含めると活動が活性化するのではないか。
(吉田課長)ポイント付与の対象事業や年齢については、財源の確保を含めて、今後検討していく。
(中村信子委員)チーパスの柏版を作って、それにポイントが付与されると子育て世代が興味を持つのではないか。
(岡田委員)民生委員が声をかけた人がフレイルチェックをすると、赤信号の方が増えるというのは納得であるが、そういった方が自分の足でフレイルチェックの場に行くというのはなかなか難しい。また、自分の活動している近隣センターではのぼり旗が目立たない場所に設置されていた。
(石毛課長)設置場所は各近隣センターの判断によるが、出来るだけ目立つところに設置してほしいというお願いはしている。
(宮島座長)会場への移動問題は重要課題であり、庁内部署と連携して、しっかりやっていく。
(飯島アドバイザー)移動問題についても、第2ステージの課題として地域の特性や現状を踏まえ検討してほしい。他自治体での高齢者の悉皆調査とフレイルチェックの結果を見たところ、フレイルの認知度と赤信号の数に相関があり、認知度が高い地域はチェックの結果も良い。自然の老いを妨げるのは良くないのではという意見もあるが、まずフレイルという言葉を知ってもらうことに加えて、栄養・運動・社会参加という3要素も伝わるように更に努力してほしい。
(中村禎宏委員)現在、年間で60数回のフレイルチェックを実施しているが、半数以上を地域サロンへの出前講座形式で実施している。拠点型で実施する場合、健康な方が自ら応募し参加するため、青信号がほとんどになる。また、拠点型参加者は継続して参加する人が少ない。出前講座参加者はサロンに通っている方々なので継続して参加しており、また、比較的自宅の近くなので杖をついて介助してもらいながら参加する方も多い。本来の意味のフレイルチェックを実施するのであれば、報告にあったとおり、軸足を出前講座形式として実施するのがよいと思う。
(八文字委員)フレイルの概念、特にフレイル予防のポイント「栄養」・「運動」・「社会参加」の3つの柱や、自己簡易フレイルチェックの取組み方の紹介、手軽にできる「テレビ体操」や「ウオーキング」の促進などフレイル予防に繋がる内容が記載された啓発用チラシを作成し、全世帯に配布できるとよい。できれば、独居や居住地周辺のみが活動範囲の方も結構いると思われるので、回覧板を活用するなどして全世帯に配布していければ、より周知に繋がる。
(庄子委員)布施新町いきいきネットワークでは、健康体操やコミュニティカフェなどの活動をしているが、参加者が特定の人になってしまっている。布施新町には1、500人程度の高齢者がいるが、健康体操などは40人程度しか参加がない。フレイルチェックも実施したが、参加者は41人であり、そのうち8割はリピーターであった。青信号が多い人は参加するが、参加者のすそ野が広がっていない。配付しているチラシなどでフレイル予防の内容は十分に啓発できているが、新規参加者への動機付けが難しい。
(宮島座長)フレイル予防の意味については繰り返し、丁寧に伝えるしかない。浸透してきたゆえに、見えてきた課題などもある。これからも推進委員会を通し検討していきたい。
(柳田委員)フレイルチェックの参加対象となり得る方に対し、民生委員を通じ参加を促すのもよいのではないか。また、家庭内においても気軽にチェックできる方法などを取り入れると、新たな展開もあるのではないか。
ウオーキングクラブの会員は130名であり、柏の葉公園で主に活動をしている。会員は柏の葉公園に行けば誰かに会える。このように地域に密着して取り組むことで、フレイル予防の理解がすすみ、フレイル状態を脱出する行動に結びつくと思う。
手賀沼ふれあいウオークが来年実施されないということが個人的には残念である。フレイルチェックを受けた人が、元気になる過程で活動先が多様に必要なのではないか。
ウオーキングクラブでは今年度も柏の葉ウオーキングフェスタを実施する。今年度はより気軽に取り組めるように短いコースを2コース設定し、600名規模で実施していく。参加者が高齢の場合、転倒など怪我のリスクが高く、対応に苦労している。
(後藤委員)ふるさと協議会を周知に活用してほしい。各ふるさと協議会ごとの会議などで各町会長に知らせ、フレイルチェックを実施してほしい。繰り返し周知をすることで、浸透していくのではないか。
(宮島座長)介護予防と保健事業の一体的連携について、庁内の連携について意見をいただきたい。
(幕内委員)フレイル度の度合いの低い方を主な対象として、予防の部分で連携連動をしていきたい。また、フレイル予防ポイントについては、健康セミナーや多くのスポーツイベントなどで付与することにより、市民の健康づくりやスポーツをするきっかけづくりに繋がればと考えている。
(野口課長)直近3年間の国保の特定健診の受診率は42パーセント程度、75歳以上の健診では39パーセント程度で推移しており、今後、受診率の底上げを図っていきたい。フレイル予防が第2ステージに移行していくにあたり、健診データを充実させることによって、個別のよりきめ細やかな活動につなげていけるのではないか。
フレイル予防ポイントについては、特定健診受診時に付与することによって、インセンティブとして活用していきたい。また、国の交付金の活用等も検討できる。
(宮島座長)専門職の関わりという点について、配付資料とあわせて西田委員から説明いただきたい。
(西田委員)~配付資料7の説明~
赤信号を青信号に変えるのは各活動ツールの紹介だけでは難しいところがあるのではないか。赤信号が付いた方と様々な各活動ツールの橋渡し役をリハビリテーション連絡会が担うことができるのではないか。具体的には、地域包括支援センターに半日在所して、早期発見や早期対応の役割を担うことや、赤信号となった原因のアセスメントなどは対応できるのではないか。
また、在宅リハビリテーション連絡会としては、赤信号が多い人は総合事業の対象者になると考えており、これらの対象者を支援できるシステムを作っていただくとありがたい。
(宮島座長)多職種との具体的な連携については、関係団体から意見を聞きながら進めていきたい。
(平野委員)健康づくり推進員には、推進員の活動がフレイル予防につながっていることを周知している。
(山名委員)民生委員の訪問活動を通じ、フレイルと思われる方は把握しているが、身体面や精神面に困難がありフレイルチェックに参加することが難しい人もいる。その点が解消されれば、多くの面で協力ができる。
また、多世代への周知は非常によい。こどもを巻き込むことによりフレイル予防がより推進されるのではないか。
(瀧澤委員)介護予防というくくりだけのチャンネルだけでフレイル予防をすることには限界がある。スポーツという機能が有効となるが、同時に多様な活動に市民をガイドする機能をオール柏で考えていく必要があるのではないか。
フレイル予防ポイント制度については、地域のサロン等で与える側、受け手という概念をつくらないためにも、参加者にもポイントを付与できるようにしてみてはいかがか。また、担い手確保の観点から多世代も含めた制度になっていくと非常に大きな武器になるのではないか。
(宮島座長)最後にアドバイザーから総括的にコメントをいただきたい。
(鏑木アドバイザー)顔の見える関係会議などを通して、連携を取れる体制が構築されてきている。フレイルになった後の見守りなどを考えると、よりこの連携関係は大切になってくる。市の部署がフレイル予防ということで連携するとともに、歯科医師会としても柏市が安心して暮らせるまちとなるようなモデル的な取組を検討していきたい。
(長瀬アドバイザー)フレイル予防ポイントについては、インセンティブを与えることも大切だが、それをどのように利用し、趣旨の理解に繋げるかということが重要になる。例えば、フレイル予防ポイント利用店舗に対しても、このフレイル予防ポイントがどのようなものであるか知ってもらうことができる。
また、フレイル予防ポイント制度が高齢者向けの施策として捉えられてしまうと、世代間で隔たりを生んでしまう施策になってしまう。例えば、フレイル予防ポイントを活用し子育てや若者支援など目的別の寄附ができるようにすると、多世代に対して理解が得られるような制度になるのではないか。
在宅医療の分野では、多職種が話し合いながら「かしわ家在宅医療ものがたり」を市広報紙に連載してきた。フレイル予防でも、同様に取り組んでもよいのではないか。
ウオーキングフェスタで怪我が多いことについて、市で後援しているのであれば、多少の財政的援助をして、救護班として看護師等を置き、対応すると安心できてよいのではないか。その時は、医師会でも対応できる。
(飯島アドバイザー)柏市のフレイル予防は第2ステージに入ってきたが、これからはフレイルチェックの実施体制が確立されてきたこととともに、ハイリスク者に対してはオール専門職で対応できるという総合力が問われている。この総合力にさらに産業界を加えて行ってほしい。無関心層にフレイル予防を浸透させていくためには、産業界との関わりが重要になってくる。
東京大学としては、フレイル予防が医療費や介護費の抑制にどのような効果があるかという点について、引き続き研究をしていきたい。また、要介護や死亡に繋がった原因分析を進めていくために、行政や多職種と連携し、研究を進めていきたい。引き続き、皆様からも意見や提案等をいただきたい。
(4) その他
(事務局)次回日程については、来年の3月中を予定している。
7 傍聴者
傍聴者なし
関連ファイル
○資料1 席次表(PDF形式 275キロバイト)
○資料3 概念図及びプロジェクト推進体系(PDF形式 1,124キロバイト)
○資料5 フレイルチェック作業部会報告(柏市提出資料)(PDF形式 1,494キロバイト)
○資料2 委員・アドバイザー名簿(PDF形式 208キロバイト)
○資料8 柏フレイル予防プロジェクト2025推進委員会設置要領(PDF形式 234キロバイト)
次第(PDF形式 66キロバイト)
○資料7 柏市のフレイル予防に関する活動のまとめ(柏市在宅リハビリテーション連絡会提出資料)(PDF形式 772キロバイト)
○資料4 フレイルチェック作業部会(東京大学提出資料)(PDF形式 2,547キロバイト)
○資料6 フレイル予防啓発作業部会報告(PDF形式 2,993キロバイト)
○柏の葉ウオーキングクラブ提出資料(PDF形式 230キロバイト)