第8期第8回行政改革推進委員会会議録

1 開催日時

平成27年10月30日(金曜日) 午前9時30分~午前11時50分

2 開催場所

柏市役所本庁舎3階 庁議室

3 出席者

(1) 委員

髙野会長、溝口委員、岡田委員、薦岡委員、竹之内委員、村越委員

(2) 柏市

(執行部) 石黒副市長、岩崎企画部長、谷口総務部次長兼資産管理課長、岡村主幹、松﨑副主幹、相田営繕管理室長、山本主幹、青木主任、杉森人事課副主幹、山岸主事、藤井給与厚生室長、清水主幹
(事務局) 中山行政改革推進課長、小倉副参事、後藤副主幹、阿藤主査、栗原主査、薮﨑主事

4 議題等

(1)歳出抑制の取組みについて

(2)職員の能力向上について

(3)組織体制の最適化について

(4)アクションプランの取組みについて

(5)その他

5 配付資料

6 議事

(1) 歳出抑制の取組みについて

執行部から「歳出抑制の取組み」について説明を行い、これについて質疑と意見の聴取を行った。主な内容は次のとおり。

  • 正規職員以外の雇用形態の人数はどれくらいか。
    (回答)短時間再任用が約180人、臨時職員は不定期採用のため数値を捉えるのが難しいが、概ね2千人強である。
  • 職員一人当たりの世帯数の比較においても柏市は中核市平均よりも低くなるのか。また、職員数の増減状況では「その他」として病休・育休の加配の解消や加配補充措置とあるが、どのような取組みか。
    (回答)職員数に関する中核市平均との比較は、人口を平準化して比較しており、人口当たりの職員数に修正しても、中核市平均より本市の数値は低くなる。加配措置については、病休・育休が生じた場合に職員を採用して不足分を充てている。病休・育休が明ければ、次年度の採用数を抑制して加配を解消していく。
  • 育休の期間を短縮するということか。国では女性の活躍を推進しているが。
    (回答)そうではない。育休を取りやすい環境を作り、職場の能力を保ち、市民サービスを低下させないという観点から加配の対応をとっている。
  • メリハリのある職員配置とはどのような形を考えているのか。
    (回答)定型業務に関しては、臨時職員の配置やアウトソーシングを進め、職員が遂行すべき業務を特定している。また、今後は、第五次総合計画に基づき事業を重点化していき、重点化する事業については職員を手厚く配置し、それ以外のところはある程度抑制を図っていくことが考えられる。
  • 昇格試験を受験できる年齢は。
    (回答)最短で、4級昇格試験は32歳、6級昇格試験は40歳から受験できる。
  • 管理職に昇格しない職員の割合と、昇格しない理由は。
    (回答)受験対象者の2割程度が管理職試験を受験している。管理職に昇格しない理由は、私見であるが、給料が要因であるケース、マネジメントではなく特定の業務に携わりたいなど個人の考え方によって管理職にならないケースもあると思われる。
  • 人件費を削減できているのは、職員数が減少したことが大きな要因か。
    (回答)職員の年齢構成の変化が一番大きな要因である。
  • 人件費を削減するには、人数を減らすか定例給与を下げるかのどちらかになるが、定例給与を下げると職員のモチベーションが下がってしまうのではないか。また、昇格試験の受験機会は、1回のみなのか。
    (回答)本市は国家公務員に準じた給与体系となっている。国家公務員の給与水準が下がっており、本市の給与水準も下げている。また、ラスパイレス指数についても県を通じて国の水準に合わせるよう指摘を受けている。職員のモチベーションの維持は大切なことであるが、こうした状況の中、定例給与を全く下げないというわけにはいかない。人事考課を実施し、昇格や賞与に人事査定結果を加算するなどしてモチベーションの維持を図っている。昇格試験は、在級年数によって受験資格が得られるので、何回でも受験が可能である。
  • 地域手当とはどのようなものか。
    (回答)国家公務員の場合は勤務地が全国に跨ることから、勤務地による物価等の負担差額を埋めるために地域手当が支給されている。国家公務員の基準によると、柏市に勤務した場合は6パーセントの地域手当が支給される。本市では国家公務員に準じた給料表を作成しているため、国の制度に合わせて6パーセントの地域手当を支給している。
  • 職員の手当は、仕事の成果に関わらず支払われるとすると、人件費に占める職員手当の割合が高すぎはしないだろうか。仕事の成果に応じて支払われる給料の割合を高めれば、職員のモチベーションを高められるのではないか。
    また、9級ある区分を増やすことはできないか。区分が増えればよりメリハリの効いた処遇の反映が可能となり、やる気のある職員や成果が認められる職員にしてみれば昇給や昇格の機会が増え、モチベーションになると思う。9級の区分が他の自治体や民間と比べてどうなのだろうか。また、5級の階層を引き下げるよりも、6級の階層を増やすほうが、メリハリが効くのではないだろうか。
    (回答)県や大規模な自治体では9級制度をとっているところが多いが、市町村レベルでは、6級制度や5級制度のところもある。東京都では5級制度をとっており級数を少なくして昇格のメリットを出す考えもある。また、退職金は、給料の本俸額に基づいて積算されているため、退職金の制度設計にも影響が生じる。
    (回答)職員の勤務状況に応じて、弾力的に昇給の幅に差をつける仕組みはある。それがどこまで適用されているかは、まだ不十分であり、課題である。
  • 人件費が下がっているということは、アウトソーシングにかかる経費が増加していると思う。平成26年度の人件費とアウトソーシングした費用を合算した数値を平成22年度の数値と比較すれば、人件費の削減効果がわかる。
    市議会議員に対しては、期末手当、政務調査費等が支給される。議員定数の削減だけではなく、各委員会視察旅費を見直すなど、市議会議員も何らかの努力をするべきではないか。
    非常勤特別職報酬についても、日当で支給されている場合と月額で支給される場合がある。他市においては、非常勤特別職の報酬を日当に切り替えていくという動きがあることから、柏市でも月額としている非常勤特別職は、日当にすべきではないか。
    さらに、持ち家の人は固定資産税等を払っているにも関わらず住居手当が廃止されるが、固定資産税がかからない借家には住居手当が支払われれるというのは、手当を増やせということではないが、不公平と感じる。借家の住居手当も廃止するのか。
    最後に、船橋市は柏市と比較して、月額の平均給与は高いのに年間の平均給与は低くなっているが、この理由は何か。
    (回答)船橋市の数値については、船橋市のホームページの情報に基づいて作成した。月額の平均給与は、平成26年4月1日現在の地方公務員給与実態調査に基づく数値である。年額の平均給与については、決まった調査があるわけではなく、各自治体で条例に基づいて給料実態を公表しているデータを用いた。おそらく、月額と年額を積算した対象の時点が異なるのかもしれない。
    住居手当は、持ち家に対する住居手当廃止であり、借家については、今後も継続する。
  • 物品費、議員報酬も含めた人件費、人にかかる費用の全体像を見てみたい。柏市行政経営方針に基づいて給与制度の構造的な部分にまで組み込んで努力していることはわかった。地域手当、住居手当の見直しは課題を残しつつも、少なくとも取組んでいる。非常勤特別職報酬の見直しについては、審議会のあり方を含めて検討してもらえればと思う。また、給与については、非常にテクニカルで難しい部分だと思う。方向性として合理的かつ効率的な給与制度をどう築いていくかが課題である。

(2)職員の能力向上について

執行部から「職員の能力向上」について説明を行い、これについて質疑と意見の聴取を行った。主な内容は次のとおり。

  • 生産性の向上とはどのようなことを示すか。
    (回答)業務の性質上、数値で表すのは難しいが、主に職員の資質や能力向上をイメージしている。
  • 人材育成に取組んでいくのであれば、研修受講状況や自己啓発の実施状況をポイント制にするのが望ましい。在職年数ではなく、単位制なら昇格試験の対象者数が限られ、若くしてもやる気のある職員は、努力すれば昇格しやすいのではないか。
    (回答)研修の受講履歴は、試験において選考項目の一つとしてみている。在職年数が受験資格のため、規定の在職年数に満たない職員が昇格試験を受けられないことの問題は理解している。

(3)組織体制の最適化について

執行部から「組織体制の最適化 」について説明を行い、これについて質疑と意見の聴取を行った。主な内容は次のとおり。

  •  職員定数、人件費の適正化は歳出抑制の推進の位置づけではなく、組織体制の最適化に含めたほうがよいと思う。
  • 歳出抑制ではなく、別の視点で検討してはどうか。
  • 歳出抑制となると、初めから人件費を削減するという意味になるので、組織体制の最適化の中で職員定数や人件費を見直してはどうか。
    (回答)性質別の経費で歳出抑制に取組むという視点で、職員一人ひとりの人件費を削減するというよりも、人件費全体の適正化に向けて方策を定め、歳出抑制を推進するという位置づけで考えている。
    (回答)財政推計については、性質別に費目を分けているため、収支乖離の解消に向けて性質別経費での比較を行っていく。どの費目の経費を抑制していくかという視点でアクションプランを作成していく必要があると思うので、歳出抑制の位置づけで検討している。
  • 職員の新陳代謝が進んだことにより、若手職員の人材育成は大きな課題である。全体的に人件費が削減されたから良しとするのではなく、アウトソーシングとの兼ね合いも含めて人件費の全体像を捉えないといけない。派遣研修は、どのような機関に職員を派遣しているのか。
    (回答)派遣研修は、千葉県自治研修センター、市町村アカデミー、自治大学校等の幅広い機関に行っている。人事課から派遣している事例もあれば、所属部署の希望に応じて派遣している事例もある。
    (回答)人口が減少していく中で、単に退職者補充を新規職員採用で補うのがよいのかどうかは、長期的に見ると課題である。任期付職員を採用して、一定期間の人材確保をする方法もある。人件費抑制の問題だけではなく、職員定数をきちんと考えていくことが大切である。
  • 組織の見直しや人事制度等の見直しには、職員定数あるいは職員の年齢構成、雇用形態を総合的に行うことで組織の方向性を示すことができる。
  • 私も職員定数・人件費の適正化は歳出抑制の推進の取組みにあるよりも組織体制の最適化の取組みではないかと思う。また、6級以上の管理職が組織全体を牽引している中で、結果的に管理職の人事評価において、S評価者がゼロでA評価者も少なく、ほとんどがB評価であることに危機感を覚える。結果的にそうなってしまうのか、評価する側に要因があるのかはわからないが、成果を上げている人は適正に評価することで、組織は活性化すると考える。相対評価で分布率を設けている以上、全体のパフォーマンスを見ながら、成績優秀な職員を適正に評価し、牽引してもらうことで一層の向上を目指す組織であってほしい。
    (回答)管理職に対する評価については、評価基準はあるものの、評価者の主観に基づいて評価を実施している。
  • 年齢構成に35歳から45歳の間の職員数が他と比べて大分少ないが、雇用対策としてどのように対応していくのか。6級以上の昇格の状況はどのようになっているか。
  • アクションプランは、事業の重要度を位置づけるとともに事業に対する評価を行っている。一定の時間軸を決めて、例えば四半期に取組むべき業務が遅れている場合、マネジメントに起因するものであれば、課題を有するという評価とすることで、処遇に反映したほうがよいのではないか。アクションプランについて、一層期限に拘りをもった運営とした上で、成果を上げた項目については処遇においてさらに反映できないだろうか。
    (回答)査定昇給制度に関して、国では4割の職員がS評価またはA評価になる。その代わりB評価の昇給の号級数を3号に抑えており、高い評価の割合を高めていくように取組んでいる。現在、団塊の世代が退職して若い世代が入り新陳代謝が図れているものの、20年後、30年後にはその若い世代が次の団塊の世代になるので、業務の外部化等で採用を抑制していく考えもある。また、必要な時に必要な年齢層の能力を有する人材を雇用していくという方法や業務によっては任期付で雇用する方法もあるかと思う。現在の新規採用試験の年齢は35歳までを対象としており、幅広い年齢層を採用できるようになっている。こうした複合的な取組みにより、年齢構成のばらつきを解消していく。
    (回答)6級以上の昇格については、空いたポストに成績優秀な人材を昇格させる場合や処遇で対応する場合もある。
  • 管理職はある程度の仕事をするのが当然であるから、2級から4級までの職員の中で勤務成績が優秀な職員を昇給させることにより、若手職員のモチベーションも上がるし、自ら積極的に動く職員が出てくると思う。勤勉手当では勤務成績による加算措置ありとのことだが、この加算措置は、管理職以外にすべきである。それにより職員のモチベーションが上がるのではないか。試験に合格すれば管理職になれ、管理職ばかりが増えて頭でっかちの組織になるのではないか。また、職員を育成するだけでなく、一定のキャリアを有する人材を採用して、組織の牽引力を高めてはどうか。

(4)アクションプランの取組みについて

執行部から「アクションプランの取組み」について説明を行い、これについて質疑と意見の聴取を行った。主な内容はつぎのとおり。

  • C評価を得たアクションプランの傾向はどのようなものがあるか。
    (回答)関係機関との調整が遅れているもの、事業そのものの進捗が遅れているという傾向がある。
  • 資料8-5の1ページと2ページで、平成27年度の計画値が異なっているのはなぜか。
    (回答)1ページにある計画値は、平成26年度当初の計画値であり、平成27年度の新規事業を加える前の数値である。2ページにある計画値は、平成27年度の新規事業の計画値や、継続事業の効果額の変更を加味した数値である。
  • 平成25年度の歳出削減額は前年度を下回っているが、歳出総額が増加したために歳出削減の効果額が減少したのか。
    (回答)基準外繰出金の抑制に関するアクションプランにおいて、下水道会計が企業会計に移行したため集計から除いた。そのため、歳出削減効果額が減少した。

(4)その他

執行部から第8回会議の開催日程について、平成27年11月20日(金曜日)午前9時30分から開催予定であること、また、ICT活用による効率化・サービスの向上、民間活力の導入、マネジメントサイクルの活用、第五次総合計画の概要について説明を予定していることを伝えた。

7 傍聴

(1)傍聴者

3人

(2)傍聴の状況

傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。