市による農産物の放射性物質検査結果(平成28年度)

市による農産物の放射性物質検査について

市では、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の拡散を受け、柏市産の農産物の安全性の確認と風評被害の防止を目的として、市内のJAや公設市場、農産物直売所などと連携を図りながら市のサンプリング計画に基づく検査を実施しています。

検査結果

これまでに市が実施した検査の結果からは、国の基準値を超える放射性セシウムは検出されていません。

過去の検査結果


千葉県が実施した農林水産物等の放射性物質検査結果

検査体制

ガンマ線分析の測定精度や測定下限値は、測定器内部の温度変化に加えて、調整後の試料密度や測定時間、減算に用いるバックグラウンドデータなどの条件によって変わります。より正確な測定結果を得るためには、測定器の性能はもとより、検査室の温度管理や試料の前処理を正しく行うなど、これらを適切に管理することのできる検査体制が不可欠です。

そこで市では、多くの放射線取扱主任者を有する株式会社アトックス技術開発センターに協力を要請し、しっかりとした検査体制のもとで試料のサンプリングや測定、分析を行い、また、測定下限値を超えた試料の精密検査までを一連の流れ作業の中で効果的に実施することが可能となっています。

(検査の様子はこちら「市による市内農産物の放射性物質検査の流れについて内部リンク」)

市の検査で使用する測定器の性能や、測定の条件などついては以下のとおりです。

測定器の名称

NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータ/EMFジャパン社製EMF211型ガンマ線スペクトロメータ

測定器の性能

測定器の性能

測定下限値

(15分測定の場合)

500ミリリットル マリネリ容器 Cs-137 Cs-134
5.8ベクレル/キログラム 6.4ベクレル/キログラム
測定上限 1,000,000ベクレル/キログラム (Cs-137を350ミリリットル容器で測定した場合)
エネルギー分解能 Cs-137の662keVにおいて6.5パーセント±(プラスマイナス)0.5パーセント(FWHM)
γ線測定エネルギー範囲 0.03~2MeV
  • 「測定下限値」とは、2012年4月1日施行の「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」で規定された「測定下限値」算出方法により、本機のバックグラウンドのネットレート(cps)や換算係数(ベクレル/キログラム/cps)の実測値から計算(3σ) によって求めた値であり、物理学上の「検出下限値」に相当します。上記の値は密度が1.00グラム/立法センチメートルの試料を測定した場合の値で、密度がそれより低い場合は密度に反比例して増加します。測定時間を15分より長くすると「測定下限値」は小さくなります。20分測定で約15パーセント、30分測定で約30パーセント、1時間測定で50パーセント、2時間測定で65パーセント、4時間測定で75パーセント小さな値となります。
  • 「エネルギー分解能」とは、核種ごとに異なる放射線エネルギーに対して、どのぐらいの精度で分別定量できるのかを表す指標です。一般に、NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータ のエネルギー分解能は5~15パーセント程度といわれており、この値が小さい測定器ほど精度が高いとされています。

測定条件

測定の条件や環境は、次のとおりです。

  • 測定容器 マリネリ容器(500ミリリットル)
  • 室温管理 25度(24時間空調)
  • バックグラウンド 24時間(上記の室温下で純水を測定)

参考文献等

市の検査は、以下の文献等に準拠して行われています。

  • 試料の測定 厚生労働省「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」 、「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」
  • 放射能計算法 文部科学省放射能測定シリーズ6「NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータ機器分析法」
  • 試料の前処理 食品衛生法「食品、添加物等の規格基準」、文部科学省放射能測定シリーズ24「緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリーのための試料前処理法」

専門の分析機関による精密検査の実施

市の検査で測定下限値を超えた場合には、専門の分析機関へ精密検査を依頼し、その結果を確定値として公表しています。

  • 分析機関名 株式会社アトックス技術開発センター
  • 測定器の名称 ゲルマニウム半導体検出器/ORTEC社製GEM-25P4-70
  • 検出下限値 セシウム-137、セシウム-134 合計値で20ベクレル/キログラム未満

地域区分

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