更新日令和4(2022)年5月16日

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令和3年度第3回柏市在宅医療・介護多職種連携協議会会議録

1 開催日時(Web形式)

令和4年3月18日(金曜日)19時

2 参加者

  1. 委員
    柏市医師会長瀬会長(座長)・松倉副会長・織田理事・古賀理事・平野顧問・古田参与、千葉県医師会金江副会長、柏歯科医師会中山会長・松岡専務理事、柏市薬剤師会齊藤会長・大塚副会長、柏市訪問看護ステーション連絡会杉山会長・三浦副会長・土屋副会長、柏市介護支援専門員協議会植野会長・齊藤副会長、千葉県医療ソーシャルワーカー協会鈴木委員、柏市在宅リハビリテーション連絡会金井会長・橋本副会長、認定栄養ケア・ステーション柏市連絡協議会中村会長・清水副会長・土橋副会長、柏市介護サービス事業者協議会横尾会長・柴田理事・曽根委員、柏北部地域包括支援センター山本センター長、柏南部第2地域包括支援センター橋本センター長、柏市社会福祉協議会中川会長、柏市ふるさと協議会連合会佐藤監事、東京大学高齢社会総合研究機構飯島機構長、辻客員研究員、千葉大学医学部附属病院患者支援部部長竹内特任准教授、医療法人社団鼎会三和病院高林顧問、都市再生機構東日本賃貸住宅本部ストック事業推進部西村担当部長
  2. 行政・事務局
    高橋保健福祉部長、橋本福祉政策課長、宮本高齢者支援課長、吉田地域包括支援課長、森川保健所総務企画課主幹、谷口保険年金課長、涌井救急課長(事務局/地域医療推進課)梅澤課長、浅野専門監、野口主幹、徳丸主査、佐々木主任、池畑主任、坂本主事、新名主事、吉田主事

3 議事項目

  1. 各部会の取り組みについて 
  2. 在宅医療・介護連携の評価について

4 配付資料

【1】次第(PDF:386KB)

【2】名簿(PDF:188KB)

【資料1】多職種連携・情報共有システム部会(PDF:1,400KB)

【資料1別添資料】個人情報保護研修会実施報告書(PDF:2,009KB)

【資料2】研修部会(PDF:3,177KB)

【資料3】啓発・広報部会(PDF:1,485KB)

【資料3別添資料】各チーム企画案(PDF:988KB)

【資料4】在宅医療・介護連携の評価(PDF:2,304KB)

【資料5】市内病院地域連携担当者連絡会議3か月後アンケート結果(PDF:770KB)

【資料6】かしわトータルヘルスケア協議会の設立について(PDF:1,410KB)

【資料7】豊四季台団地再生事業の進捗状況について(PDF:775KB)

事前意見(PDF:492KB)

5 議事経過

議事録のPDF版はこちら(PDF:1,770KB)

 

1 開会

事務局 (古田委員、清水委員欠席の旨報告)

2 議事(1) 各部会の取り組みについて

ア:多職種連携・情報共有システム部会

事務局 (資料1に沿って説明)古賀部会長、補足説明をお願いいたします。

古賀委員(部会長)市外事業所のカシワニネットへの参加についてですが、柏と市境の診療所が入ってくださっています。このような連携は非常に重要であり、今後も続けていきたいです。個人情報保護研修会については、内容が刷新され、非常にわかりやすくなり、アンケート結果通りだと思います。今後も広げていけるような内容だと思います。議事の方では様々な意見が出ました。コロナ禍で顔の見える関係が非常に出来にくくなっています。これまで病院との連携は随分出来てきたところでしたが、病院職員の入れ替わりが多い状況で、連携の形を改めて考えていく必要があると思っています。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、研修部会について事務局から説明をお願いします。

イ:研修部会

事務局(資料2に沿って説明)松倉部会長、補足説明をお願いいたします。

松倉委員(部会長)非常にしっかりとしたアンケートとその評価をしてくれているので、素晴らしいと思いますし、感謝しています。トライアルのWeb版顔会議も結果を見ていただいたとおり、割とうまくいったという実感があります。来年度は開催回数を増やして、再度アンケート・評価をし、柏発信で学会等に出して全国でも広がっていくといいと思います。意思決定支援の取り組みについては、撮影や動画作成を進めてくれています。様々な症例を蓄積し、ある程度まとまった段階で市外の地域でも観られるようにしたり、総集編等ができると夢があると思っています。事務局が頑張ってくれているので、いいものが出来てきているという印象です。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、啓発・広報部会について事務局から説明をお願いします。

ウ:啓発・広報部会

事務局(資料3に沿って説明)

長瀬座長 ありがとうございました。部会長の織田委員は遅れて出席されると聞いているので、後ほどコメントをお願いしたいと思います。

議事1 全体質疑

松倉委員 病院がカシワニネットになかなか参加出来てないのは、心苦しく思っています。今回ルールを改正することで病院の参加も増えたということですが、実際病院とのコミュニケーションは、どのようになっていますか。

古賀委員 Zoomを活用して退院前カンファレンスをするようになってきていますので、徐々に元に戻っていくと思っています。カシワニネットについては、まだまだこれからでICTを活用した新たな連携ができるといいと思います。今回のコロナ対応で病院の会議に在宅チームを呼んでいただいているので、そういう意味では新たな局面での病院と在宅の連携が生まれてきていると思います。

平野委員 多職種連携・情報共有システム部会が始まった時は、ICTの活用もあまりない時代で、退院時共同指導は病院に集まって実施するという形でした。つい先日もおおたかの森病院の松倉委員とZoomで退院前カンファレンスをおこないましたが、こういう時代だからこそICTを活用していただきたいと思います。

松倉委員 お互い移動もなくなりますし、コロナ禍で病院に来ていただくのも大変な状況なので、近くにはいなくてもしっかり顔を見ながら情報共有ができたのは、とてもよかったと思います。患者さんのためにもなるので、より一層増やしていきたいと思います。

竹内委員 資料3のスライド3、4のピラミッドについて伺います。このピラミッドの縦軸は関心あるいは認知度を表していますが、横軸は何を表しているのでしょうか。横軸を人数という風に捉えるのであれば、底辺が一番広くなっていますが、そうではない可能性もあると思っています。また、認知度を高めていくことは、上部を一番広い部分にするということになると思います。そう考えるとこれはピラミッドで示されるべきものではないと考えたのですが、いかがでしょうか。

事務局 御指摘ありがとうございます。こちらは概念図で、横軸については人数を示しているものではなく、関心層、無関心層、目指すべき状態を整理するためにピラミッドの形にしました。この形については、御指摘のとおり実情を把握しないと形が見えてこないというのは、検討事項として残っています。次年度の評価で、実際の数値を参考にしながら、どのような形をとるべきか検討したいと思います。

長瀬座長 竹内委員はどのような形がいいとお考えでしょうか。

竹内委員 現状を三角形とするのはいいと思います。これがひし形になり、最終的には逆三角形になるというような、段々と変化していく姿がわかりやすい仕組みにしたらどうかという提案でございます。

長瀬座長 ありがとうございます。大変参考になりました。

 

2 議事(2) 在宅医療・介護連携の評価について

事務局(資料4に沿って説明)

長瀬座長 ありがとうございます。それでは、「各職能団体の考え」を各職能団体代表の方から順番に御説明いただきたいと思います。まず、医師会の古賀委員お願いします。

古賀委員 「各職能団体の考え」はプライマリーケア委員会を通してまとめています。これまでの成果としては、多職種との連携がスムーズにできるようになり、コロナ禍の在宅療養支援も多職種連携のもと円滑に実施することが出来たこと、在宅専門のクリニックが増加しており、プライマリーケア委員会も参加者が増えていることが、これまでの成果として挙げられます。現状と課題としては、開業医に訪問診療に参加していただきたいという意図で研修会等を開催してきましたが、担い手が頭打ちになっていること、在宅専門のクリニックも手を広げていくという状況ではないこと、そして看取りの患者数も頭打ちになっているということがあります。今後は開業医を対象とした在宅医療に関する意向調査等を行っていきます。また外来と訪問診療を行う診療所の負担軽減や、バックアップ体制の検討を考えています。実際に、新型コロナウイルス感染症に罹患した先生や、隣市で体調が悪化した先生の患者さんへの対応をプライマリーケア委員会に諮って、委員の先生が実際に対応してくださったりと、緊急時にうまく連携できています。また今後もプライマリーケア委員での連携を進めていく目的で、お互いの現場を知る交換研修のようなものをやっていきたいと思っています。

長瀬座長 ありがとうございます。歯科医師会の中山委員お願いします。

中山委員 これまでの成果としては、入会間もない若手歯科医師の訪問診療への参入が多く見られたり、興味を持っていただいていたりすることです。一方で、頑なに訪問診療の依頼を断る方がいるのも確かです。かかりつけ医として、外来で来院された患者から訪問診療の依頼があった場合は、まずはかかりつけ医が調査、診断に行くということをスタンダードにしていきたいと考えております。患者の状態や主訴によっては、かかりつけ医では対応が困難な場合も出てくると思いますが、そのときの受皿がなくてはいけないと思っております。そのような場合でも、円滑に引継ぎができるような同職種での情報伝達、連携も強化していかなければいけないと考えています。現状の課題としては、情報共有の部分で、患者もしくは、その家族経由での状態の把握が多いように感じています。

長瀬座長 ありがとうございます。薬剤師会の齊藤委員お願いします。

齊藤委員 これまでの成果としては、地域包括支援センター毎に担当薬剤師を置いていることで、地域との繋がりが強化されていることが挙げられます。特に昨年のコロナ対応の時には各担当薬剤師がいたことで、自宅への薬の配布の要望にも応えることができました。現状と課題については、以前から同じことになりますが、入退院時のカンファレンスに薬剤師が呼ばれないというのもありますし、病院薬剤師でも参加できていないというのが実情のようです。中長期的な方向性としては、入退院時連携、それから薬薬連携の柏薬の会もコロナ禍で開催できていない状況なので、再構築していく予定になっています。特に入退院時連携に関しては、他の職種、例えば訪問看護の方々がどのように連携を進めているのかをレクチャーいただいて、取り組みに繋げていきたいと考えています。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、訪問看護ステーション連絡会の杉山委員お願いします。

杉山委員 これまでの成果としては、カシワニネットを活用し、ステーション間の情報共有、結束づくりの推進が挙げられます。また医師会と相談できる関係が構築され、有事の際にも連携が出来ました。訪問診療の先生方も増えていますが、スムーズに連携でき、薬剤師の先生方とも訪問の際に連絡をする等、以前よりも連携が構築されていると思います。看看セミナー、同行訪問も継続しておりまして、病院看護師との連携も促進されていると思います。現状と課題についてですが、多疾患を抱える高齢者が増加し、複数の医療機関、診療科を受診する患者が増加しています。ADLが低下して、遠方の医療機関へ同席してくれる家族もなく、医師の説明も理解できずに受診から帰ってきている患者が増えている実感があります。訪問看護は、訪問看護指示書を主治医にいただき訪問が出来ています。訪問診療の医師だけでは成り立たなくなってきていますので、指示書をいただいていない先生や医療機関との連絡調整を担うことが増えていることを課題に感じています。市内の訪問看護ステーションは着々と増加していますが、コロナ禍もあり、ステーション間のつながりが十分とは言えません。ICTの活用を含め、ステーション間の結束を図ってまいります。医師会を初め、他職種との関係作りも同様に推進してまいりたいと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、在宅リハビリテーション連絡会の金井委員お願いします。

金井委員 「各職能団体の考え」は、理事会で意見を募って作成しました。これまでの成果としては3点挙げられます。1点目は同職種連携についてですが、在宅のリハ専門職に加え病院のリハ専門職も在宅リハビリテーション連絡会の理事に参加していただいております。市内のリハ専門職が切磋琢磨できる環境が整いつつあると思います。東葛北部地域との連携、関わりも持ち始めているところです。在宅と病院の専門職が集まれる連絡会というのは柏市の中でも、また地域の中でも特有かと思います。ただ、まだ会員数が少ないので、この点は課題としても挙げられる点だと思います。2点目は介護予防に関してです。こちらは柏市と連携をしながら、少しずつリハ専門職が関われる環境が出来ています。3点目の多職種の連携推進も、コロナ禍で集まる機会がなく、多職種との連携も少なくなってきていますが、訪問看護ステーションに在籍するリハ専門職が増えていることもあり、看護師との連携は以前にも増して取れるようになってきてると思います。現状と課題に関してですが、高齢化社会が進むにつれて、フレイルハイリスク者や要支援者が増加することが想定されています。要支援者に関しては、リハビリで1年経過してしまうと減算になることもあり、要支援者に対してリハビリが出来ない状況になっていくことも想定されます。そこに対して早急に対応していく必要があると思っております。今後の方向性に関してです。柏市共通の連携評価指標の作成は、現状と課題の入退院支援でもリハサマリーという形で書いていますが、今まではフィードバックがなく、転院・退院してしまったら、その先のことは何もわからない状態でした。共通評価書を作成して、転院・退院前から病院がリハ専門職にフィードバックすることで、質の向上や連携強化を図れると思っています。病院間では少しずつ連携が始まっていますが、病院と在宅はまだ連携が取れていないので、今後取り組みを強化していきたいと思っています。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、認定栄養ケア・ステーション柏市連絡協議会の中村委員お願いします。

中村委員 在宅支援に関わる管理栄養士の組織化が出来ました。一昨年に認定栄養ケア・ステーションが6か所集まり、協議会をつくりました。在宅の土台が出来たことが一番の成果だと思います。ただ居宅療養管理指導をできるステーションが限られてしまっているので、もう少し時間をいただいて増えていけばいいと思います。課題としては、病院の食事の内容が、退院されてきた時にわからない状況になっています。栄養情報提供書の活用や病院の管理栄養士の方たちとの連携が、一番要望したいことです。同職種連携に力を入れるためにも、栄養情報提供書の活用をお願いしていきたいと思っています。食べられなくなると亡くなっていくという状況から考えて、管理栄養士としては、亡くなるまでに食べたいものをお聞きして、それが食べられるように協力するというのが役割だと思っています。他職種との連携を強化したり、同職種との連携を推進していくことが、中長期的な目標です。地域包括支援センターのかかりつけ栄養士を担当して、段々と顔の見える管理栄養士が増えているので、これからも継続したいです。管理栄養士ができることを他の職種の方々にご理解いただけるよう働きかけていくとともに、特にケアマネジャーに役割をご理解いただけるよう、それに向けてのスキルアップと標準化を進めていきたいと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、柏市介護支援専門員協議会の植野委員お願いします。

植野委員 これまでの成果ですが、私たちの仕事は多職種と関わらないと何も出来ない職種ですので、資料には多職種と書いてありませんが、多職種との連携強化を図っております。ICTの活用という面で、同職種間連携においてカシワニネットで情報共有をしています。会員が現在361名おりまして、カシワニネットには、会員のうち310名が登録をしてくださっています。そのうちの大体200名程度の方に、掲載している様々な情報をご覧いただいている状況です。また、Zoomの使い方に慣れるために、今年度はZoomで研修を開催しており、多いときには200人近くの参加がありました。現状と課題ですが、コロナ禍において、ケアマネジメントのやりづらさが出ております。御本人と御家族が面会出来ないことで、御本人の状況と御家族の認識がかなりかけ離れている中で、退院になるということが多く見受けられます。今後も連携強化や意思決定支援のスキルを身につけていかなければいけないと思っております。職能団体としての方向性については、ケアマネジャーの質の向上、ボトムアップ、情報共有・発信の充実、市民にとって必要なサービスの発信と効果的な活用を継続して行っていこうと思っております。今回新しく、ケアマネジャーが長く働き続けられる環境づくりという方向性を掲げました。他の職種と違い、試験を受け17日間の研修を受けるとすぐに「ケアマネジャーとして働きなさい」という職種です。なりたての場合は、右も左もわからない状態にも関わらず、1人のケアマネジャーとして働かなければいけない状況にあります。新人教育の強化や研修体系の強化・整理、経験年数に応じた研修という視点を持って取り組んでいかなければいけないと思っております。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、柏市介護サービス事業者協議会の横尾委員お願いします。

横尾委員 柏市の協力もあり、感染管理認定看護師を、グループホーム含め複数の施設に派遣していただきました。その際に感染対策について相談したり、また発生した際に相談ができるようになりました。消防署にも御協力いただいて、緊急時にスムーズに搬送するための指導を受ける等、医療と介護の連携は非常に深まったと思います。また、新たに訪問系の部会と通所系の部会を立ち上げました。今までは介護サービス事業者協議会の会員だけで活動してきましたが、この部会は柏市全域の事業所を対象に立ち上げました。徐々に会員も増え、様々な意見を聞くことが出来ました。それから、部会の中ではコロナ発生時のネットワークづくりもしています。研修や講演会を計画しましたが、コロナ禍で実施出来なかった一方、コアメンバーによる部会の立ち上げに向けた会議を行うことが出来ました。コロナ禍で医療との敷居は非常に低くなり、色々と話しができるようになった一方、地域資源との繋がりが希薄化し、インフォーマルサービスの支援が減少してしまったことが課題です。コロナが収束した際には、改めて考えていかなければいけないと思っています。急変時の対応につきましても、特に施設では、家族の意向をとっていても、実際に看取りになった際に延命を希望され、病院へ行った例も聞いています。看取りになった場合の家族の意見は、随時確認していても、その場になると変わってしまうことがあるという意見がありました。今後の取り組みですが、サービス種別毎の連携を引き続きおこなっていかなければいけないと思っています。1番問題なのは、制度上の問題もありますが、地域密着型サービス、特に小規模多機能の利用の仕方等を知らない患者やケアマネジャーに対して、理解を促す等改善していかないと地域密着型サービスは生き残っていけないと考えています。部会については、柴田委員がいますので、補足をお願いします。

柴田委員 訪問介護部会を立ち上げて、コロナが発生した際の支援救援システムの構築に取り組んでいます。まだ具体的な形にはなっていませんが、今後、横の繋がりを作っていければと思っています。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、医療ソーシャルワーカーの鈴木委員お願いします。

鈴木委員 市内の在宅医療・介護は、量、質、スピード感全てにおいて、他の市よりも充実していると考えます。在宅での医療介護連携が充実しているため、調整はスムーズに出来ています。在宅の医療的ケアの対応力が向上しているため、病院から医療処置が多い方等も非常に依頼しやすくなっています。現状と課題ですが、書面では伝わりきらない双方の情報共有の在り方を、今度さらに詰めていく必要性があると考えます。また、各場面においてACPの引き継ぎが難しいこともあり、よりよくできる余地はまだ多く残されていると考えます。在宅と病院の連携は適宜密に行われていますが、病院のソーシャルワーカー同士の繋がりが、まだ不十分と考えています。今後の取り組みとしましては、在宅との連携強化という点では、現状の課題の洗い出しや、共有に留まるだけではなく、連携の在り方を具体的に定めていくことが必要だと思います。病院同士の繋がりの強化についても、同様に現状と課題の洗い出しをしても具体的にはならないので、例えば、入退院支援に伴うどの医療機関においても必要な福祉資源、制度、地域資源等をシェアする等、一緒に資源情報を作成していくことを通して、繋がりを深めていく等の方法もあると考えています。

長瀬座長 ありがとうございます。最後に地域包括支援センターの橋本委員お願いします。

橋本委員 これまでの成果についてですが、3点ございます。まず1点目が、ICTの普及によりツールを活用した医療・介護連携の広がりが見られている点です。カシワニネットを通じた、各専門職同士の連携強化は図れているのではないかと思います。2点目としましては、包括単位の地区別研修やMSW会議を通じて、顔合わせの機会が増え、顔の見える関係が強化されたことで、業務上の連携に繋がっていることが挙げられます。3点目としては、地域包括支援センターから発信する地域資源の重要性を、医療職・介護職共に意識してくれるようになりました。現状と課題については、入退院支援で御本人や御家族に十分な説明がないまま退院する方が増えています。退院前の情報共有が不十分なため、ケアマネジャーが緊急対応する頻度も増えています。会議や研修等で顔の見える関係をつくっていますが、担当者の異動やコロナ禍で情勢が変わった場合に、対応が変わるということが課題として挙げられると思います。2025年に向けた具体的な取り組みとしては、担当圏域内の医療・介護・地域資源の現状の把握と課題抽出という点から、地域をつなげる社会資源とつなげ、そのつなぎ役を地域包括支援センターが担うという点で、具体的に取り組んでいきたいと考えております。また、特に入退院支援では、1度きりの研修・会議ではなく、継続的な関わりが持てる医療介護の連携推進のための場づくり、きっかけづくりに取り組んでいきたいです。ケアマネジャーの医療との連携スキルの向上支援では、入退院支援だけではなく日頃の関わりやどのような情報を共有したほうがいいのか、具体的な業務に繋がるような取り組みをおこなっていきたいと考えております。

長瀬座長 ありがとうございます。それでは事務局から議論いただくテーマとその意図について説明をしていただきたいと思います。

事務局 (資料4 スライド25から29に沿って説明)

本日は、ヒアリングや事前意見などを通して、特に課題として多く上がった入退院支援の取り組みについて、次年度以降具現化していくに当たり、皆様に取り組みのヒントとなるお話を伺いたいと思います。感染拡大という事態が発生し、今まで培ってきた病院と在宅との連携が出来なくなったことの弊害から、改めて連携の重要性を病院・在宅双方が認識しているということがわかりました。これまでも、病院と在宅チームによる地域包括ケアシステム研修会、別名出張版顔会議等で、病院に直接在宅チームが伺って相互理解の場を設ける等、病院と在宅の連携に取り組んできましたが、コロナ禍ではこれまでの取り組みを同じ形で続けることは困難となりました。また話し合いの場を設けることは重要ですが、ただWeb会議を開けばいいかというと、それだけでは十分とは言えない状況だと思います。市民が希望する療養場所で、患者主体の質の高いサービスを、病院・在宅、そして施設も併せて提供していくためには、どのように連携していけばよいか。Withコロナの時代に合わせて、入退院支援の取り組みを再構築していく必要があると考えております。意識だけではなく、行動変容に繋がるような取り組みにするためには、どのようなことが必要か。これまでの経験や各職能団体の中で取り組んできた内容から、皆様に御意見をいただければと思っております。

長瀬座長 ありがとうございます。それでは、入退院支援の場面での病院との連携強化について、在宅側と病院側それぞれの視点からご意見・ご提案をいただきたいと思います。病院との連携においては、同職種連携と多職種連携という観点があると思いますので、まず同職種連携の観点で歯科医師会の松岡先生御意見いただけないでしょうか。

松岡委員 歯科医師に関していえば、周術期に病院と連携をしています。オペ前・入院期間中・退院後等、できる限りシームレスな口腔の管理が必要ですが、医療保険の制度上、また時間的に制約があり、なかなか主治医の先生のオーダーもしにくい状況にあります。そのような中、歯科医師会では慈恵医大との連携において3・4か月に1回協議会を開催し、問題点を話し合っています。具体的な対応としましては、必要な書類の書式の簡略化を行ったり、病院の方に周術期の口腔ケアの大切さをアピールするリーフレットを置いてもらったりしています。また、歯科医師会の会員で1週間ごとの当番医を決め、輪番制にすることで、急な依頼があったときでも、当番医を中心に迅速に対応できるシステムを構築しています。試験的に始めて数年経ちますが、かなりスムーズな連携に繋がっていると思います。今後は、市内の他の病院ともそのようなシステムの構築ができればいいと考えております。

長瀬座長 ありがとうございます。リハビリテーション連絡会でも領域を超えた病院との連携を進めていると聞いております。在宅リハビリテーション連絡会の橋本委員、お話を伺えますか。

橋本委員 リハビリテーション連絡会は、市内のリハ職の集まりになっていますので、病院のリハ職と在宅のリハ職が一緒になって研修や交流をしております。実際の活動例としては、共通連携パスの作成を進めていることが挙げられます。これまで、脳卒中では地域連携パスという形で活用されているものが既にありますが、それと合わない部分、例えば脊髄損傷等に関して、急性期から回復期、回復期から生活期の連携のためのシートをつくる動きを進めています。リハビリは、量的な評価、ADLや、機能面で点数化出来る評価が多くありますので、急性期のスタッフから見ると、回復期が終わった時にどこまでよくなっているのか、回復期から在宅に帰った後にどこまで能力が上がるのか、という予後の部分を知ることで、急性期での関わり方が変わってきたり、連携が増してよいリハビリの質が保てたりするのではないか、というような話で今進めています。

長瀬座長 ありがとうございました。それでは、訪問看護ステーション連絡会で、同職種連携として病院の看護師との取り組みで成果を上げているということですが、その辺のところを杉山委員、お話いただけますか。。

杉山委員 今までも多くの病院で看看セミナーと言われる、訪問看護師が病院の看護師向けに出前セミナーを長年行ってきた実績があります。コロナ禍で現在縮小しているものの、今年はオンラインを活用して再開出来ました。2月に行われた看看セミナーでは、ALSの事例検討をさせていただきました。その疾患の特徴から、医療面だけではなく生活が大きく関わるため、病院看護師からの反響は大きなものでした。生活の視点や地域で生きていくことについても学びがあったようです。また、ALSのように外来でも意思決定支援が求められる方について、今後は外来との連携も構築されることを望みます。看看セミナーでは、病院看護師が訪問看護師と同行研修できる仕組みも作っております。在宅医療を知ってもらえるように、一つでも多くの病院で看看セミナーを開催させていただきたいと思います。その結果、外来や病棟の看護師からも直接訪問看護に電話で問合せがあることも増えてきました。

長瀬座長 ありがとうございました。3団体からお話いただきましたが、マネジメントするケアマネジャーの立場から、病院と効果的に連携を進めていく上での御意見をいただきたいと思います。介護支援専門員協議会の齊藤委員、ご意見伺えますか。

齊藤委員 これまでも病院との連携に取り組んでおり、連携は少しずつ出来てきていると思います。ただ退院時カンファレンスでは、御家族・御本人の参加が難しいことが多く、本人・家族が置いてきぼりになっているイメージがあります。そこはケアマネジャーとして、両者の間に立ち、例えばWeb会議を利用して、本人・家族が参加できるようにしてみる等関わっていけたら、さらに退院時連携がスムーズにいくのではないかと思っております。

長瀬座長 ありがとうございます。患者さんが満足できるかどうかが1番重要だと思います。利用する側の視点、観点から配慮いただくことがとても大事だと思いますので、引き続きお願いしたいと思います。ここからは病院側のご意見も伺いたいと思います。

今の在宅側からの御意見をお聞きして、実際に実現可能な部分はあるか、取り組みの留意点等御意見いただけますでしょうか。千葉県医療ソーシャルワーカー協会の鈴木委員、御意見をお願いします。

鈴木委員 病院で勤務する看護師やリハビリスタッフが、勤務中にアウトリーチして市民の方々のために、どういう方法で連携を構築したらよいか検討することが、非常に難しい状況にあります。しかし、柏市の場合は、各職能団体が連携の方法を様々検討されて、病院側に来てくださり、連携を構築しようとしてくださっています。それが非常に病院としてはありがたいですし、それがないと本当に繋がっていかないと思いました。共通連携パスの書式をつくったり、看看セミナーを開催してくださったり、歯科の先生がミーティングを一緒にやったりというところを、これからもぜひお願いしたいと思いました。また、コロナ禍でのいい側面として、ICTが非常に進み、院内に居ながら在宅の方々と画面越しでも顔合わせて、連携の在り方について相談したり等以前よりできるようになったと思います。これを生かさない手はないと思いますので、今後も、同職種連携とマネジメントの部分で、協力し合っていけたらありがたいと考えます。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして、松倉委員に病院長としての立場から、コロナ前には、地域包括ケアシステム研修会を1番目に取り組んでいただいた経緯もあり、院内への発信や共有という点で、普段から行っておられることや連携のポイントについて、御意見をお願いしたいと思います。

松倉委員 以前は、柏モデルを院内に伝えても実感を得られていないというところがありました。その中で、柏市の在宅チームと院内で出張版顔会議を行った際、「こういうことをやっているんだ」ということを肌で感じてくれていたので、とてもよかったと思っています。それがコロナ禍で遠ざかってしまっていることはとても残念です。ただ、高齢者がコロナに罹患し入院すると、リハビリが少し滞るだけで動けなくなるという状況があります。まさに今、在宅の方々と協力し合って、コロナと闘っていかなければいけないと思います。鈴木委員が先ほどおっしゃったように、コロナ禍で広がったICTの活用により、困っていることも改善していけるのではないか、柏モデルだからこそそれができるのではないか、と思っております。平野委員との退院時カンファレンスでもそうでしたが、退院前に患者や御家族が、在宅の先生やケアマネジャーの顔を見ることは安心材料にもなりますし、いいことだと思っていますので、どんどん取り入れていきたいと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。コロナ禍でこれまでとは違った状況が生まれてきていますので、少し振り返りをしたいと思います。資料4のスライド30以降にコロナ禍での対応と現状と課題について記載しています。織田委員に現状と課題について、御意見いただければと思います。

織田委員 遅れて出席となってしまい申し訳ありません。啓発・広報部会の報告につきましては、きちんと資料にまとめていただきましたので、事務局の説明のとおりで良いと思います。次に第6波の在宅チームの対応については、第5波の時とは違った様相になっておりまして、第5波の時のようにチームを組んで動いている状況ではなく、いつでも動けるように連携をとりつつ、待機しているような状態です。

長瀬座長 ありがとうございます。待機状態に至るまでに行政を含め、各職種と議論されていて、常に対応できるような体制をとってくださっているというところが安心感のあるところだと思います。それでは、話を戻しまして、竹内委員に大学病院の患者支援部のお立場で、お気づきの点やポイントとなる点についてお話をお伺いできればと思います。

竹内委員 千葉大学は高度急性期の病院なので、在院日数が非常に短いという特徴があります。この短さを実現している背景として、入院前に情報を取得しているということがあります。入退院支援加算という制度があり、入院前に看護師や薬剤師が面談して、情報を取っています。これが実は、介護の制度といまいち合っていません。患者の様々なことを取りまとめているケアマネジャーが、患者が入院するに当たって、早い時期から情報共有してくれれば役に立ちますが、入院してから情報が提供されても、病院側は「もう知っていますよ。」ということが起こります。ケアマネジャーにとってみれば、やる気がなくなってしまう原因になっていて、医療で考えられている情報共有と介護でデザインされている情報共有で、ちぐはぐなところがあると思っています。また、高度急性期の病院から転院あるいは在宅調整する時には、介護側からすると1週間や10日という単位で調整に時間がかかると思いますが、病院の医療はそれを待っていられません。そういった事情と介護の現場のスピード感や調整の在り方等、そうしたところにずれがあって、お互いに欲しい情報を出す、出したい情報を出しても喜ばれない、欲しい情報がないという状況が起こっているのではないかと思っています。入院した時からある程度計画的に目的を持って在宅に繋いでいく等、そういった調整ができるように心がけようと、今変えているところです。柏でもぜひ、高度急性期の病院が様々なことを計画するにあたって、入院時から何が始まっているかを考えると、より充実した退院調整ができる、あるいは退院前カンファレンス等が充実してできるのではないかと思います。平野委員が、Zoomを含めてしっかり退院時の情報を共有してもらわなくては困るとおっしゃっていましたが、これは非常に当たり前のことだと思います。こういうことが出来てない医師に対しては、入退院支援部門としてしっかりと注意を申し上げています。

長瀬座長 ありがとうございます。多職種の方々の意見やディスカッションを通しての御意見・御感想を伺いたいと思います。社会福祉協議会の中川委員、いかがでしょうか。

中川委員 在宅医療については、まだまだ一般の方が知らないことが多いです。私としては、できるだけふるさと協議会あるいは地区社協等を通じて町会・自治会に情報を提供していただいて、少しでも在宅医療を知ってもらうということが大事だと思います。そういった中で、わがやを配布する等で周知していくことが、在宅医療が自分の身近なものになった時に、役立つのではないかと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。ふるさと協議会の佐藤委員にも御感想いただきたいと思います。

佐藤委員 私たちにも、在宅医療についてこまめにお知らせいただく機会があれば、よりよい在宅医療・介護の啓発になっていくのではないかと思いますので、柏市社協の中川委員を始め、皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思っています。

長瀬座長 ありがとうございます。それでは、御意見を多方面からいただきたいと思います。高林委員、お願いします。

高林委員 松戸の取り組みの特徴の1つは2人主治医制で、これは病院と在宅それぞれの医師が1人の患者を共通に持つという考え方です。理想はいいのですが、うまく動いているかというと今一つなところもあります。ただ今日のお話をお聞きして、ICT観点から見たときに一つ考えられるのは、この2人主治医制も医師と医師の間の顔の見える関係が作られると非常にいいのではないかと思いました。もっと気軽に医師同士がICT等で連携できるといいと思います。電話では顔が見えませんし、多くは紹介状だけでやりとりをしているので、そうなると本当のところは見えないことがあります。特に知らない先生同士の場合には、ICTを使って顔の見える関係をつくられると、非常にスムーズにいくような気がしました。

長瀬座長 ありがとうございました。続きまして、今後在宅医療・介護連携をどういう風に進めていったらよいか、どういうところに問題があるのかを辻委員から御教示いただければと思います。

辻委員 丁寧に様々な意見が各団体から寄せられておりまして、本当にすばらしい形で柏のシステムが動いてると感じたことを申し上げたいと思います。私自身ずっと関わってきた人間として見てみますと、在宅相互間での連携にあれこれ問題点が挙げられておりますが、私は全国を見てますので、柏市の水準はすばらしいものになってると思います。問題は、かなり多くの職種から、病院と在宅の職種との連携がちぐはぐだということが共通して挙げられているところです。この問題に対しては、いわゆる出張版顔会議や看看連携等、柏でも努力されているわけです。それでもなお、病院とのちぐはぐ感があるというのは、共通した非常に大きなテーマだと思いました。原因としては2つありまして、1つは、病院の先生が退院後の生活についてあまり関心を示さない、ということは日本中で言われていることです。もう1つは、病院と在宅の関係者が個々の職種で繋がっていないということです。主治医間の連携が1番大きい課題なので、2人主治医まで行かなくても、ともかく医師同士が連携をとれるようにすることが、とても大事だと感じました。そういう意味では、急変時の対応につきましても、在宅医師がいるときには、在宅医師が病院に丸投げせず、よく判断してから病院に誘導する。在宅医師も、病院に対してかなりしっかりしたスタンスが要ります。病院と在宅の関係のすり合わせがかなり行われているのですが、病院の問題ばかり言うのではなく、在宅側のスタンスの問題もあるということを含めて、大きな課題だと感じました。それから、やはり在宅医療は、医師がどうされるかが全てのスタートになります。そういう意味では、これは長年の課題になりますが、医師会の意見の中で非常に率直に、かかりつけ医、開業医で在宅をやってくださる人が増えないという大きな課題をお示しになっております。これは医師会の責任というよりも、若い先生がなかなかやってくださらないという日本中の共通の課題です。柏は最大限の努力がされてるという前提ではありますが、患者の立場に立ちますと、かかりつけの先生にかかっている中で入院し退院した際に、在宅医療を希望しても、かかりつけの先生が診てくださらないという場合があると思います。かかりつけの先生で、在宅医療をする人がなかなか増えなければ、そういう場合もかなりあるのだろうと思います。そこで、ケアマネジャーが在宅医療専門クリニックを紹介することもいいと思いますが、私はかかりつけ医がいる限りは、かかりつけ医が在宅医療を行わなくても、退院したら「この医師にかかればいいよ」等、在宅医療についてかかりつけ医がきちんと説明をして、患者に方向づけをしてさしあげるというのは、かかりつけ医の仕事だと私は思います。患者から見れば、不安がいっぱいな中で、次の医師に繋いであげないとより不安になると思います。やはりかかりつけ医がきちんと患者に対して教示して、在宅医療専門の医師にかかったとしても、その在宅専門医師とかかりつけ医が繋がっている、かかりつけ医が在宅医療を出来ない、もしくは出来る人が少ないのであれば、まずそこをしっかり行っていただくことが大事だと思います。言わずもがなですが、そこが大事だと感じました。

長瀬座長 ありがとうございました。飯島委員、いかがでしょうか。

飯島委員 非常に充実したヒアリング情報が凝縮されており、改めて勉強になりました。御礼申し上げます。またコロナ禍で難しい中、ICT等のオンライン機能を駆使して、工夫を重ね合わせながら連携を深めていただいたことが、本当によく理解出来ました。感想になりますけども、各論的なことを1つと、総論的なことを1つお話しさせていただこうと思います。まず各論的なことに関しましては、先ほど在宅リハビリテーション連絡会と認定栄養ケア・ステーション連絡会から発表がありましたが、より重度の要介護の方だけではなく、その手前の軽度・要支援では、少しでも自立支援に繋がるような方向でリカバーできるようにという視点が強く求められています。ここ最近学術界では、栄養管理とリハビリが基本的にセットで考えられています。それをいかに住民にも認識していただき、両方をどうボトムアップするのか。そして、それを日々地道に継続することが、大きくプラスに転じると言われています。また、それをどうモニタリングして、継続させられるかというような連携についても、また次年度に向けてお聞きしたいと思いました。こうした各論を含め、今回入退院支援も含めて、連携をもう一回り強化しなければならない等の課題が、1枚のスライドに凝縮して短いセンテンスでまとめてあります。その言葉の裏にある具体性、事例ベースでの傾向と対策が、例えば顔の見える関係会議で広がっていく、そういう狙いが含まれてるリストアップという形で見させていただきました。また次年度に向けて期待したいです。これに連動して総論的な話になりますが、今回は最上位コミッティーの協議会ですので、資料に集約されたやや総論的なキーワードが並ぶことは仕方ないことだと思います。そういう意味で、この資料を見てみると、数年前と同じ課題がそのまま上がっているだけのように見えるキーワードがあります。地域包括ケアシステムが約10数年という歴史の中で、最初の5年間と次なる5年間、来年度からの次なる5年間は、成熟具合、進捗具合が違うと思います。もしかしたら全国の自治体での共通のパターンなのかもしれませんが、多職種連携が天井に行き着いてるような時期なのかもしれません。そこにどのように具体的な事例をもって、実際どうあるべきだったのか、どうすると次回に必ず反映されるのかという視点が、より部会から見出されて、こういう会議に参加されてない方にも伝わっていくのか、そういうところがさらに期待されると思います。最後に、今回各職能団体のヒアリングを行政の方々が網羅的にやっていただいて、非常にいい資料になっています。それにプラス期待も込めて、例えば、無関心の方々へのアプローチでわがやを配るというお話がありました。それと同時に、行政が持っている公的なデータベースを駆使して、リスクを抱えてるにも関わらず、医療機関にかかれていない理由がある等、単なる無関心ではないそうした方々にも、在宅医療という選択肢があるということを伝えるアプローチもあるのではないかと思いました。最後の点に関しましては、こう解析すればという具体的なことをお伝え出来ないので、少し弱いコメントになってしまいますが、全体のお話を聞かせていただいてそのような感想を持ちました。

長瀬座長 ありがとうございました。最後に千葉県医師会の副会長の金江委員から御意見お願いします。

金江委員 県医師会で4年間、地域包括ケアと在宅医療をどうするかを県庁とも様々話をしています。今日のお話を聞いていても、柏での取り組みを始めてから10年以上経っていますが、特に私が県医師会に行ってからの4年間は、この協議会の内容もかなり進んできたと感じています。柏と県を比較してみると、レベルが違います。県は今、10年前の柏のスタート時点と同じようなことをどうすればできるかを考えている状況です。他の県庁等でも話をする機会がありますが、1番感じたことは、最初から柏の行政が非常に頑張ってくれて、これだけの資料を集め、アンケートをとってまとめてもらえるというのは、やはり行政の力でないと出来ないことだと思います。これを各市町村でできるかというと、ある程度規模の大きな市町村はできるのですが、小さなところはなかなか難しいのではないかと感じています。これからどうするかについては、この2年間コロナ禍で話し合いがストップしているので、考えていきたいと思います。昨年日本医師会に行って、担当理事の先生から、柏モデルについて話を聞かせてほしいということがあり、説明をしてきました。さらに去年の12月には、厚労省から柏モデルについて話を聞きたいということで、説明をしてきました。そこでは「どうしてこんなことができるのか」と聞かれたのですが、これは多職種の方と行政の方が一緒になって頑張ってきたので、出来たのだと思っています。最近すごく感じているのですが、柏市は行政の方が頑張って、いろいろとやってくれているというのが最大のいいところだと思っています。

長瀬座長 ありがとうございます。お話をお聞きしまして、辻委員は病院と在宅のチグハグ感や温度差について、飯島委員は、一生懸命やってきて、今でき上がってきたけれど、そこに対しての何となくの物足りなさについてお話いただいたと思います。今回の資料は濃い内容で出来上がってきましたし、議論できる材料は揃ったと思うのですが、生煮え感があったのではないかと思います。しかし、足りないところがまだまだあると思います。多職種は一生懸命やって、行政も一生懸命やって、連携もとれています。例えば、柏市民のためのがんサポートハンドブックという冊子があります。ここでは、看取りの体制として、病院、在宅、緩和ケアで看取っていく方法が記載されています。また、これは相互に矢印がついており、在宅医療を受けていたけれども、合わなかった人は病院に戻る、病院から緩和ケアへ行きたいときは緩和ケアへ行けるという体制をつくってきています。このところで、果たして本当に在宅医療が皆さんにとって100%いい医療なのかということは、考えなくてはいけないところだと思うのです。人によっては在宅医療が向かなくて病院に戻られた方もいますし、緩和ケアのほうがいいと言った方もいらっしゃる。そして今のコロナ禍においてはなおのこと、2次3次の病院で亡くなっていく方もいれば、在宅で亡くなっていく人もいます。様々な職種、立場の方々が情報を共有し合って、そして支え合っていくという体制が必要だと思うのですが、ここで患者の満足度をきちんと調べていかなくてはいけないと感じています。市民の代表として中川委員、佐藤委員にも意見を言っていただきましたが、在宅医療を広めることが大事というところにとどまってしまいました。本来はやはり、利用する一市民として、どういう風に死にたいと思うのか、その時にどうやって何をしたいのか等、より具体性が出てくる必要があると思います。また患者の御家族の満足度、そしてサービス提供者の満足度も知る必要があると思います。さらに言うならば、提供者の方たちが自分がもし利用するとしたら、どの医療を利用するのか、どういう風に利用したいのか、どういうことがよくていやなのか、そういう具体的なところを出していかないと絵に描いた餅になってしまうとすごく感じました。その辺りを今後考えていくためには、在宅医療に関わるスタッフの方々、病院の中でのスタッフ、緩和ケアのスタッフ、高齢者福祉施設のスタッフ等、そういう方々がそれぞれ自分が一市民となって、「あなたはあと3か月ほどの命になりました」と言われたときに、どういうことを望むのか、自分はどのサービスを利用したいのか、自分が提供しているサービスを果たして受けるのか、それを考えないといけないのではないかと感じます。そこをクリアしないと、どうしても上っ面になってしまう感じがします。それを少し考えて、そういうアンケートをつくっていきたいと感じました。

古賀委員 今お話しにあった満足度の話は、これから先進めていかなくてはいけないことだと思います。ただ、家がいいのか、病院がいいのか、緩和ケア病棟がいいのか、というのは少し違うのではないかと思っています。それよりもその方の希望がしっかりと叶えられるかどうか。どこの場所で亡くなったとしても、そういう希望をきちんと聞けているのかどうか。病院でしっかりと本人の希望を聞けているのか。そういうことがとても大切で満足度に繋がると思います。在宅の現場として伝えると、おそらく在宅が1番患者さんの希望や望みを聞ける場所だと思います。病院・緩和ケア病棟・在宅の中で、どこが本当にその方の望み、満足度、QOL等を聞けているのかをアンケートに含めていただくのが1番いいのではないかと思います。そして、その方が亡くなった後、御家族がしっかりとその方の希望を叶えられたのか、希望を聞けたのかをぜひアンケートに含めていただきたいと思います。どこで亡くなったとしても、その人の本当の希望や、その人が本当に生きたいように生きていけたのかを聞けるようなアンケートをぜひやっていただきたいと思います。

辻委員 家族を亡くした方であれば、3つの場所を見たら比較できるかもしれませんが、なかなか比較が難しいという非常につらい問題があります。そういう意味で、御本人・御家族の満足度は、疑問に答える、納得できる状態をつくって差し上げることだと思うのです。1つは医師、看護師、あるいは介護職等の個々の人にそういう気持ちがあるかということと、もう1つすごく大事なことは、各職種が一体となって、きちんと分担して叶えているかという関係性だと思います。しかしながら、本当に望んでいる医療を受けられているのかということは、長瀬座長がおっしゃったように、何らかの形で聞き取る方法はないかと思いました。核心中の核心を最後のところで出していただいたと思います。私もよく考えてみたいと思います。

松倉委員 病院の医者は生活をあまり考えていないから、かみ合わないのだと思っています。国の方針で在院日数が短くなり、施設に移行する形になってしまったので、結局病院の医者はいつまで経っても、生活を考えられずにいます。出張版顔会議で、当院の看護師たちの看護サマリーが在宅側としては診療情報として1番役に立ったという話を、病院側の医者たちがそのまま聞いているのを横で見ていて、病院医師の現状を認識しました。生活や暮らしを見据えた上で、何が満足なのかを御家族も病院の医者も病院のスタッフも含めて、在宅の方たちと一緒に考えていけたらいいと思いました。

長瀬座長 例えばがんの治療をする時に、外科医は外科治療が1番、放射線科医は放射線治療が1番、化学療法士は化学療法が1番いいと言って、それぞれ別々になってしまう時があります。そういう医療だと患者が置いてきぼりになってしまうので、患者さんを中心に1番理想的な医療ができるようにするためには、やはり本人にとって何が一番よいのかを考えないといけないと思います。私が病院に勤めて初めて異動して、そこの看護師と話した時に、「うちの家族が病気になっても、ここの病院には入院させない」と言われたことがありました。それでいいのだろうか、やはり自分の家族を入院させられるような医療を提供したいと思った覚えがあります。在宅医療をよりよくしていくためには、自分たちがもしその立場になった時に自分たちのサービスを受け入れるのか、そこを考えていかないと本当のサービスは出来ないのではないかと思っています。そこを調べていく必要があるのではないかと感じてお話をさせていただきました。

高林委員 退院後の生活は非常に大事なポイントですが、確かにそれが病院の医者には欠落しています。私は必ずプロブレムリストに、退院後の生活という項目を立てています。一体何をゴールにして、この患者を診るのか。常にそれを考えながら診療をしています。私たちのような後方支援病院ではなくとも、急性期の病院から全ての病院の医師が、プログラムリストに立てるべきものだと思います。医学教育自身を変えなければいけないと強く思います。

 

3 報告 市内病院地域連携担当者連絡会議:3か月後アンケート結果

事務局(資料5に沿って説明)

長瀬座長 ありがとうございます。それでは引き続き取り組みの継続、充実に期待しております。

 

4 各団体トピックス(1) かしわトータルヘルスケア協議会の設立について

橋本委員 柏市の総合特区が、今月末をもって終了になります。特区事業所は、3事業所ありました。訪問看護ステーションで引き継ぐところもあれば、閉鎖をして基礎のデイサービスをやるというところもあります。これまで、皆様にはお力添えをいただきまして、本当に感謝をしています。今後の取り組みとしては、保険制度の中で動くことが難しくなってしまったので、より市民に近いところで動いていくというところで、社会福祉協議会と連携をとって行うような活動を検討しております。助成金が無事通り、来年度はリハビリ専門職による健康運動相談を実際に進めていける流れになっております。またコロナ禍の様子を見てにはなりますが、老人福祉センターを活用した連続講座を行いながら、要支援の方あるいはフレイルの方の重度化を防ぐための専門職の介入に力を入れていきたい考えております。

 

4 各団体トピックス(2) 豊四季台団地再生事業の進捗状況について

西村委員 豊四季台の進捗状況について2つ御報告します。まず第4期ですが、2月に建て替えが完了し、入居が開始されております。それからもう1つは、新しくできる商業施設(スポーツクラブとコミュニティー食堂)が予定されています。着工が遅れておりましたが、1月に無事着工し、10月に開業予定となっております。

 

その他

令和4年度第1回は、令和4年7月1日(金曜日)午後7時 開催予定

 

お問い合わせ先

所属課室:健康医療部地域医療推進課

柏市豊四季台1丁目1番118号(柏地域医療連携センター1階)

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