平成28年度柏市少年補導センター運営協議会の会議録

日時

平成28年5月12日(木曜日) 午前10時~11時40分

場所

柏市柏五丁目10番1号 柏市役所本庁舎5階第3委員会室

出席者

委員

中村会長、宇佐見副会長、田村委員、奥野委員、嶋田委員、藤田委員、馬渡委員、小林委員、吉田委員、中村委員、小溝委員及び工藤委員

事務局

河嶌教育長、篠原生涯学習部長、長谷川少年補導センター所長、麻生指導主事及び八巻副主幹

議事

平成27年度事業報告

麻生指導主事が配付資料に沿って説明を行った。その他追加した説明は次のとおり。

  • 携帯電話もスマートフォンも持っていないという回答は、平成24年度から平成26年度まで25パーセントから27パーセントくらいで安定していたのが、昨年度の回答は19パーセントに減りました。スマートフォンの本格的な普及が始まりおそらく8~9年が経つと思いますが、機種変更をして保護者が使っていたスマートフォンをお下がりで使うとか、あるいは家族の割引サービスで2台持つのも、3台持つのも同じという事で、御家庭で持たせるようになったというような、時代の流れと変化のようなものがあるようです。
  • FとGの中学校に関しては、私学にもご協力をいただいている関係で、私学の学校は携帯電話もスマートフォンを合わせると100パーセントに近いという特徴的な結果となっています。
  • 個人情報の公開という事で名前、住所、電話番号を書き込む子どももいますが、最近多いのはラインのQRコードを掲示板やツイッターに載せるケースです。QRコードはスマートフォンで読み取り、知らない者同士が連絡を取り合う事ができます。これも個人情報と同じ様な扱いですので、啓発活動ではQRコードの扱いも気を付けるようと指導しています。
  • 中学生でツイッターをしている生徒から、「ツイッターを消したいのだが、どうしたらよいか」「パスワードがわからなくなって、消せなくなってしまった」という相談もありました。ツイッターの使い方に問題があり、ツイート(投稿)の内容がかなり卑猥な言葉でした。プロフィール画像も自分の顔写真を登録し、名前もフルネームを漢字で登録しているので、その生徒の名前をヤフーやグーグルで検索すると、この画面がトップに出てきます。講演の時に話しているのですが、入試や就職活動の際に名前で検索する時代なので、このようなものが残っていると合否に影響します。ツイッターはパスワードの再設定ができますので、そうすれば消せると伝えたましたが、いまだにこの生徒のアカウントは残っているので、うまくいっていないのではないかと思われます。
  • ラインのグループについては、総務省や内閣府のアンケートでもほとんど行われておりません。
  • ラインは最大で200人までのグループを作ることができます。
  • フィリーは、アラート以外に繋がりの分析が出来ます。誰と頻繁にメッセージのやり取りをしているのかという事がわかります。また、使う時間、何時によく使うか、家庭のルールで11時以降は使ってはいけないのだが使っている、という分析もできます。
  • もしこの機能を使っているご家庭でアラートが届いた時には、まずご家庭でコミュニケーションを取っていただき、「最近どう使っているか」「友達関係はどうなっているか」というように話し合っていただきたい。それでも解決できない場合は、少年補導センターが窓口となって、解決まで支援するという体制をとっていきます。
  • フィリーの更なる活用には、クリアしなければならない問題があります。保護者が使う端末は何でも(パソコン、スマートフォン、タブレット)大丈夫ですが、お子様の端末はアンドロイドでないと分析出来ない、という点です。アイフォンを使っていると、このサービスを使えません。
  • ニュースで取り上げられる中で、監視という言葉がかなり出ましたが、そうではなく見守りというイメージを持っていただくのがいいかと思います。監視というとのぞき込んでいるようですが、決してそのような事はありません。何か問題があった時に親御さんに通知がいくシステムです。 

質疑応答は次のとおり。

  • 質疑応答なし

平成28年度事業計画

長谷川少年補導センター所長が配付資料に沿って説明を行った。その他追加した説明は次のとおり。

  • 補導活動では、生活安全課長の報告にもありましたように、補導人数は減ってきています。少年補導センターが行っている夜間の補導活動(午後7時から8時)では中高生はいません。その後の時間で多く徘徊しているところで補導されているかもしれません。
  • ネットトラブルの相談も増えてきていますので、校長会議、教頭会議の方でトラブルについての相談を強化していくと説明しました。今までトラブルの具体的な解決方法を伝えていましたが、今後はさらに、未然防止のために親が子にスマホを持たせる際のルール作り、フィルタリングのかけ方等に対応していこうと思っております。

質疑応答は次のとおり。

  • 質疑応答なし

意見交換

  • 3月に少年院の卒業式に参加しました。その少年院は各地からの中学生がいるのでかなりの人数でした。それぞれの生徒の学校の校長先生が来て一人ひとりに証書を渡し、最後に卒業の歌を歌って式場を出ていきました。多くの校長先生、担任、保護司がいたわけですが、みなさん涙していました。子ども達は、卒業式をしても、そこから出られるわけではありません。また、いつもの院での生活にもどるわけです。そういう子ども達を見ていますので、少年犯罪がどのように防げるか改めて考えさせられます。どの少年院の少年も複雑な生い立ちを持っていて環境が悪い中で育っておりますので、それを知ると仕方ないのかという気持ちにもなりますが、そこで終わっては、少年犯罪はなくならないわけです。そこで私が考えたのは、小学校を卒業し中学校へ上がる時に、中学校の校長先生、教頭先生、指導主任の先生から、中学校の入学説明会で子ども達に希望を持って入学してほしいと説明することです。その時は保護者も参加するので、中学校で現実に起きるかもしれない問題を、校長、教頭が承知して保護者にきちんとお知らせしていくこと、加えて、各学校の先生方がきめ細かく問題点に沿った指導をしていくということが大切かと思います。私は、私立で道徳の授業をしています。道徳の授業は普通の教科と違って難しい点もありますが、学校全体で行っております。子どもたちの挨拶や態度を見るに、道徳の授業の効果が出ているのではないかと感じています。(委員)
  • 今はSNS、スマホの問題が多いが、どこへ行っても「保護者が」「親が」というようにはね返ってくるので反省するばかりですが、SNSが止められない中で、禁止ではなくどう付き合うのかということになると思います。親は、自分の子どもについて、一般的な外からの恐怖に対しては勉強したり知恵もついてきているが、ごく近い仲間とひどい事になっているという事はわかっていなかったりします。また、友達同士だけでのやり取りとりだからと許可していたり、見知らぬ人や悪い人とは付き合っていないから安心しているという所もあるので、今回のフィリーは非常に有効だと思っています。親子の間で、コミュニケーションが取れているようで取れていなかったりするところが悩みです。ネットトラブル防止会議を中学生と一緒にやり、これを保護者に伝えるのですが、我が家は大丈夫とどこかで思ってしまいがちです。そこにフィリーがある程度の成果を出して、使った親、子どもの感想などがよければ、全体的に推奨という流れになりますでしょうか。そこが気になります。(委員)
  • 一つネックになっているのは、スマホの基本オペレーションシステムにより登録できるできないがあるということです。今日本では4対6でiPhoneの方が多いらしいのですが、フィリーは子どものスマホがアンドロイド対応のものしか登録出来ないので、需要があるのに加入しない場合がある。今回の実験ではあまり人数がいないのですが、も    っと大きく展開するとなんともいえないところがあるかと思います。今後の状況を見て検討していきます。(事務局)
  • ラインについてですが、夜中9、10時に集合がかかり、公園に集まる子ども達がいる。集まって何かするわけではなく、翌日学校で会うというのに、今暇だから集まるらしい。そのラインがきた子どもの親の一人は、夜遅いからと行かせていない。夜遅い時間に外出できる状況にある家庭はいかがなものか。親に知られないように出るのか、断ってから出るのか。断っているのだとすれば、「止めなさい」とは言わないのか。家庭内のコミュニケーションの問題なのか。夜中に集まる事は、何か事件に巻き込まれたりする事もあるので、警察に通報した方がいいのではという話もでた。フィリーを有効に使っていければいいか、と思う。(委員)
  • 我々が子育てをしていた頃からそうであるが、今は保護者から見えない世界で子どもが動いているような気がする。見るからに悪い事をしているというのは逆に安心できる。それよりも隠れた部分での部分が恐ろしいという印象です。委員)
  • 子どもだけでなく、親も道徳を考えてほしい、警察で、子どもだけでなく親も名前を言わない。夜中に友達に会いにいくといい、自分はよくても相手に迷惑がかかるかもしれないのに、親はそういう事をおしえていない。一度見過ごしてしまうと、ブレーキが効かなくなってしまう。ラインに関しては、近隣の署と情報交換をしながらやっている。引ったくりも多く、バイクや自転車も多い地域で、成功したやつがグループの中で情報交換をする。夜中出て、どこにいるかわからないと、最終的にたまり場を作っている。よく調べてみると、親がアパートを借りて息子を住まわせた場所がたまり場になっていた。さらには、車を盗んで無免許運転というのもあった。情報交換をし、早め早めに芽を摘んでいくべき。(委員)
  • 最近は、子ども会でも町会でも、会に参加してくれない家庭も多い。家のことに加えて子ども会の活動となると負担が多い、役員なども仕事で忙しいから、と断る人もいる。なにも負担になる活動を求めているのではなく、この時期しか出来ないことだからお子さんと一緒に楽しみましょうと伝えているのだが。クラブ活動に参加する家庭の子どもに非行や非常識などは見受けられない。活動しない家庭のこどもの話を聞くと、何かあるのかな、と思うことがある。また、子どもが小さいころは親も積極的に行事に参加したりするが、年齢が上がり役員等の話が出ると、ということもある。(委員)
  • 青少協では、自分の属する地域は社会福祉協議会との関係が中心だったが、最近は子ども達との関わりにも目を向けて取り組もうとしている。(委員)
  • 非行と関わる中で気づいたことだが、小学校から中学校に上がる過程で部活が重要。所属しない子が暇でラインに走り夢中になる。小学校ではゲーム機。親が簡単に買い与え、ゲームが第一になって自分勝手な振る舞いをする。(委員)
  • 小中学生のスマホ、いじめ等の問題がありますが、学校では、情報モラル教育などでの指導と、教科化する道徳教育などで心の耕しをさらに力を入れていこうとしている。学級指導、言語環境、フィリーでチェックされるような言葉は、普段の会話の影響でもある。よく小学校では、ふわふわ言葉(人の心を暖かくする言葉)やちくちく言葉(人の心を傷つける言葉)などというのがあります。クラスの中でそのような言葉があったら考えていく。また、年間何回もいじめ調査をして、子どもたちのSOSを早めにキャッチできるようにしている。生徒指導上の小学校と中学校、地域間でも差はあります。家の間が離れている地域では、親の安心のために持たせる子ども携帯から発展してスマホに変わる。ゲームやラインをかなりやるようになるが、保護者はそういう子どものスマホ利用の実態をあまりわかっていない。一部保護者のモラルも気になる。ある保護者は、子どもから聞いた話で確実でないものまで、ラインでつながっているクラスの他の保護者に流してしまい、不信感を生んでいる。保護者に対しても学校便りなどで(情報モラルの)啓発は必要であると考えており、学校としてどこまで出来るのか考えながら、子ども達がトラブルに巻き込まれないようにさまざまな対策を採っていかなければならない。(委員)
  • 児童相談所が関わっている家庭は、一般的な生活からずれている家庭が多い。そんな中で保護者が何とかしようとスマホを取り上げるところからうまくいかなくなる。取り上げると、子どもはそれを懸命に探してゲームをする、の繰り返し。問題を解決しようとしても、社会的つながりから漏れてしまっており、自分又は家庭の中だけで解決しようとする。児童相談所としても、子どもには接近しやすいが、大人はそれに身構えてしまう。要は大人の問題なのだが、取っ掛かりとしては、子どもがこういう状況だから、というところから入る。虐待と言うと、親である貴方のやり方が悪いと言われたと捉えられて難しい。(委員)
  • 更生保護女性会では、子どもよりも高齢者の方が問題になっている。(委員)
  • 相談員と名がついているが、子どもが相談に来るわけではない。子ども達が参加する事業をやって一緒に学ぼう。その中で、子どもが何かを感じ取ってもらえればよい、と思っている。(委員)
  • 大学生くらいの相談者からの電話が定期的にかかってくる。幼い頃、学校から帰ってきても家に誰もいなくて話をきいてくれなかったという記憶が残っているのか、電話は母親に話すように安心して相談してくる。相談員を選んでかけてくるような場合もある。その子の悩みについて、親は何も気づいていないようである。共稼ぎでも、親は子どもに関心を向ける時間をとってほしい。(委員)
  • 青少年健全育成では家庭の役割が大きい。行政は中々深くは入りづらい。行政がスマホの安全な利用を講演しても、講演会を聞きに来る親はいいが、来ない親は。スマホという便利なものを、中身が良く分からないまま与えてしまっている。本当は親の責任で貸しているもの。最近は親が子どもに擦り寄って友達感覚になっているが、親は親。(委員)
  • 見守りの子どものことです。中学校を卒業後、進学しない。弟やその友達に手をだしたりして困っている。ラインでつながり、不登校の子どもの所に集まっている。学校の先生と話をするが、結局は「見守り」ということになっていく。この後、この家庭についてどうしたものかな、と思う。地域全体の問題として捉えていかなくてはいけないと思っているのだが。(委員)
  • この2月にBBSをおこなった。これは、地域の人たちが保護観察中の少年達を応援するという活動で、今年は餅つき大会を行った。初めて少年に会う人も雰囲気で保護観察中の少年と分かるので、簡単に声をかけたりは中々出来ない。私は教員でしたからそのような状況に慣れています。そこで、私が手品と小噺をやるから司会をやってくれと頼み、引き受けてもらった。少年は、後からやってきて、僕はこういう経験をしたことが無かった。本当に楽しかった、有難うございました。と話してくれた。その後に担当の保護司と相談して、中学校を卒業したばかりのその少年に、頑張れば仕事があるから、と1つの会社を紹介した。保護司会の中には、協力雇用主会というのがあり、犯罪を犯した人でも採用しますよという会社(柏には44社)が参加しています。そこでしっかり働いてくれればいいな、と思います。(委員)

傍聴者

  • 1名

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