平成29年度第3回 柏市在宅医療・介護多職種連携協議会会議録

1 開催日時

平成30年3月16日(金曜日)午後7時~9時

2 開催場所

柏地域医療連携センター 研修室

3 出席者 

  1. 委員
    柏市医師会金江会長(座長)・長瀬副会長・松倉副会長・古田理事・織田理事・平野顧問・古賀委員、柏歯科医師会鏑木会長・金剛寺副会長、柏市薬剤師会中村会長・齋藤副会長、柏市訪問看護ステーション連絡会大熊会長・板倉副会長、柏市介護支援専門員協議会小林会長・植野副会長、柏市立柏病院総合相談地域医療支援センター染野委員、柏市在宅リハビリテーション連絡会西田会長・長谷川副会長、東葛北部在宅栄養士会中村会長・鈴木副会長・松崎副会長、柏市介護サービス事業者協議会横尾会長・竹田理事、柏東口地域包括支援センター村本所長、柏東口第2地域包括支援センター神谷所長、柏市社会福祉協議会中谷会長、柏市ふるさと協議会連合会佐藤監事、東京大学高齢社会総合研究機構飯島教授、都市再生機構東日本賃貸住宅本部ストップ事業推進部間瀬部長
  2. 行政・事務局
    宮島保健福祉部長、酒巻保健福祉部次長兼高齢者支援課長、吉田福祉政策課長、佐藤福祉活動推進課長、谷口保健所次長兼総務企画課長、根本地域健康づくり課長、高橋保険年金課長 
    (事務局/地域医療推進課)稲荷田課長、浅野専門監、船越副主幹、森川副主幹、鹿野主査、串田主事、徳丸主事 、池畑主事

4 傍聴者

5名

5 議事項目

  1. 各部会の取り組みについて
  2. 在宅医療介護連携の評価指標について
  3. 意思決定支援の取組状況について
  4. 協議会委員の更新について

6 配付資料

平成29年度第3回次第(PDF形式 58キロバイト)

連携協議会名簿(PDF形式 65キロバイト)

席次表(PDF形式 50キロバイト)

【資料1】多職種連携・情報共有システム部会(PDF形式 226キロバイト)

【資料2】研修部会(PDF形式 568キロバイト)

【資料3】啓発・広報部会(PDF形式 1,157キロバイト)

【資料4-1】在宅医療介護連携評価 レセプト集計(PDF形式 1,724キロバイト)

【資料4-2】在宅医療介護連携評価 各職能団体の考え(PDF形式 208キロバイト)

【資料4-3】在宅医療介護連携評価 評価指標案(PDF形式 67キロバイト)

【資料5】救急医療・在宅医療連携の取組報告(PDF形式 573キロバイト)

【資料6】平成29年度病院連絡会議(PDF形式 174キロバイト)

【資料7】在宅医療に関するアンケート結果(PDF形式 234キロバイト)

【資料8】広報かしわの連載記事について(PDF形式 62キロバイト)

【資料9】地域に根ざした薬剤師薬局養成事業(PDF形式 118キロバイト)

【資料10】柏市在宅リハビリテーション連絡会トピックス(PDF形式 69キロバイト)

【資料11】さんあい祭り(PDF形式 632キロバイト) 

7 議事経過

議事(1) 各部会の取り組みについて

ア  多職種連携・情報共有システム部会

  • 事務局
    (資料1に沿って説明)
  • 柏市医師会 古賀委員(部会長)
    (事務局の資料1説明について補足)
    • 利用者の増加に向けて、部屋の開設件数を増やしていこうと今年度は取り組んだ。
    • 部会員、事務局の活躍もあって100件を越えるまで増加している。認知症患者の開設も増えている。
    • ICTシステムについて、今までは“カナミック”と呼んでいたが、柏市のネットの名前=「カシワニネット」をつけたのでよろしくお願いしたい。

イ 研修部会

  • 事務局
    (資料2に沿って説明)
  • 柏市医師会 古田理事(部会長)
    (事務局の資料2説明について補足)
    • 今年度開催した「がん医療フォーラム」に力を入れる必要があり、例年4回実施する顔会議のうち、1回分をアドバンス研修として実施した。
    • 今年度、研修部会では「深化と進化」というテーマをもって臨み、エリア別会議では「災害」というテーマで開催して、警察や消防の方にも御参加をいただき、たくさんの意見をいただいた。
    • がん医療フォーラムの開催を通じて、市民には柏市の在宅医療の取組がまだまだ知られていないことがわかったので、今後どのように広めていくのかが大きなテーマになると思う。 

ウ 啓発・広報部会

  • 事務局
    (資料3に沿って説明)
  • 柏市医師会 織田理事(部会長)
    • 啓発広報部会の取組の大きな柱は2つあり、一つ目は地域の中で啓発活動を行うこと、二つ目はわがやの発行だが、反響も少しずつ大きくなり、啓発活動も増加しているといった結果につながっていると思う。
    • しかし、まだまだ柏市の在宅医療の取組は認知されていないと思うので、引き続き頑張っていきたいと思う。
    • アンケートも引き続き実施して、しっかり評価をしていきたいと思う。
    • 部会としては市民の目線を重要視していることから、来年度の部会ではできるだけ多くの市民の方に参加いただき、市民目線での啓発を考えていきたい。
議事(1)ア~ウに関する意見、質問
  • 柏市薬剤師会 齋藤副会長
    多職種連携・情報共有システム部会の資料1スライド3「システム新規利用状況」の「申出者別内訳」について、ケアマネがとても増えたことが特徴であると思う。この理由について教えてもらいたい。
  • 事務局
    ケアマネ協議会の御協力の元、ケアマネ研修会等にて情報共有システムの普及啓発に取り組んだ結果、申出が増えたと考えている。
議事(1)についての決定事項
  • 各部会から報告があった取組を今後進めていく。

議事(2) 在宅医療介護連携の評価指標について

  • 事務局
    今年度6月及び10月に実施した当連携協議会で御議論いただいたことを踏まえ、以下3点をお示しする。
    1.診療報酬と介護報酬のレセプト分析結果
    2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について(各団体から発表)
    3.評価指標の素案
    これらのことについて委員の皆様に御意見をいただきたい。
  • 事務局
    (1.診療報酬と介護報酬のレセプト分析結果について、資料4-1に沿って説明)
  • 柏市医師会 古田理事
    (2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について、資料4-2に基づき説明)
    • 訪問診療料は年々増加傾向にあるが、在宅医療に取り組む医師は足りていない。
    • 主治医の負担が大きいのではないかと懸念されており、今年度は勇美財団の研究等で副主治医が出動するか等をチェックしてきた。その中では、実際にはそれほど負担が大きくないのでないかと考えられている。
    • このことを踏まえ、かかりつけ医が外来で診てきた患者さんを最期まで診ることができる体制が構築されているということを開業医の先生方や医師会の先生方に啓発していきたい。
    • 在宅医療の推進のために、顔の見える関係会議や病院との連携研修会といった取組を今後も継続していきたい。
  • 柏歯科医師会 鏑木会長
    (2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について、資料4-2に基づき説明)
    • 現状としては、市内高齢者施設のほとんどが訪問専門の歯科クリニックに委託をしている。一般の歯科診療所と訪問専門クリニックとの棲み分けが必要かとも考えている。
    • 歯科衛生士の不足が深刻な問題となっており、訪問診療の効率が悪くなっている。
    • お口のチェックシートが多職種の方々に活用されておらず、歯科診療や口腔ケアの優先順位が低い位置に置かれてしまっていると感じている。オーラルフレイルへの早期介入について多職種の方に理解を深めていただけるよう努力していかなければならない。
    • 今後の方向性としては、外来で診てきた患者さんをかかりつけ歯科医として、最期まで診ていけるようにしていきたい。施設に入ると診れなくなってしまう現状があるので、それを解消していきたいと思っている。
    • 歯科衛生士の不足については、歯科衛生士資格者の半分くらいが休職状態であるという状況を鑑みて、復職のための講習会を開催していきたいと考えている。
    • 高齢者施設と歯科介護支援センターとの連携を図り、口腔ケアの重要性を広めていきたいと思っている。
    • お口のチェックシートの活用事例や効果を検証するとともに、多職種の皆様に口腔機能低下の対応の必要性の認知を高めていきたい。
  • 柏市訪問看護ステーション連絡会 大熊会長
    (2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について、資料4-2に基づき説明)
    • 推計が示すとおり、今後も利用需要は上振れると思われる。
    • 今年度は事業所の母体法人や管理者の変更が多かったが、今後も課題となっていくと思われる。
    • 医師とは、会議や合同研修会を通じて、連携しやすい体制ができている。
    • 24時間の緊急コールにおいては、「訪看ファースト」という流れが根付いてきており、患者と看護師の信頼関係が構築できているかこそと考える。
    • 将来に向けての課題の一つには、主治医・副主治医との情報共有のあり方や連携の仕組みが統一されていない、ということがある。
    • 医師以外との連携が更に必要であり、今年度は薬剤師の先生と合同勉強会を実施した。他の職種とも連携していきたい。
    • 今後の方向性としては、主治医・副主治医と訪問看護ステーションのスムーズな連携体制構築を行うべく、情報共有の方法や内容について改善していきたい。
    • 多職種との更なる連携強化に向け、来年度は特に歯科医師と連携したいと考えている。
    • 訪看ステーションは経営的になかなか安定していないため、基盤強化にあたっては、大規模化だけでなく、看護師やステーションの定着化や質の向上も重要だと考えている。
    • 東葛北部地区の各訪看ステーションとの連携や情報共有もこれからの課題となっている。
  • 柏市介護支援専門員協議会 小林会長
    (2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について、資料4-2に基づき説明)
    • 退院時共同指導料や退院調整加算といった数値は徐々に確実に伸びているが、そのほかグラフでは表せないような、加算を算定する要件を満たさないために出てこない病院との連携を表す数字もあり、病院との連携は徐々に深まっていると思われる。
    • 病院医療関係者からケアマネジメントの理解が深まって、病院やクリニックに呼ばれる機会が増えている。
    • 将来に向けての課題として、多職種連携に積極的なケアマネージャーとそうではない者に分かれる、新任のケアマネージャーが現場にどんどん出てきているので経験値に差が出てきてしまう、というようなことが挙げられる。
    • 在宅医療を行う上で必要な生活面のサポートにおいて、例えば定期巡回型訪問介護や小規模多機能型居宅介護などは重要なサービスだが、なかなか認知されておらず、地域によってはサービスが行き届いていないところもある。
    • 今後の取組として、ケアマネージャーの質の向上・ボトムアップについて、新任や経験の浅いケアマネージャーへの研修を年間数回設けることを考えている。
    • また、ケアマネージャー間の温度差の違いに関しては、情報発信、情報共有していきたいと考えている。
    • 多職種間の研修も充実させていく考えを持っている。
    • 定期巡回型訪問介護や小規模多機能型居宅介護といった施設は、ケアマネージャーが活用していかなければ事業が成り立たないということもあるので、働きかけや情報発信をしていきたいと考えている。
  • 柏市在宅リハビリテーション連絡会 西田会長
    (2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について、資料4-2に基づき説明)
    • 訪問リハビリに携わるリハビリ専門職はここ数年でかなり多くなっている。これは特区事業者ができたことや、訪問看護ステーションに配属されているリハビリ専門職が増えていることが要因。
    • 多職種の方々には、リハビリに対する理解を深めていただいたり、理解していただける方が増えていると感じている。
    • ただし、リハビリのゴール・目標設定が甘い若しくは設定していないのではないか、患者本人の希望だけでリハビリを行っているだけではないか、といった声もあることから、きちんと必要なサービスを提供していくということを医師の先生方と一緒に考えたい。
    • 退院退所後の対応にタイムラグが生じやすいことから、シームレスなサービスを提供していきたい。
    • 今後の取組として、リハリハ連携、医療機関・老健施設等など必要なところに必要なサービスを提供できるように、特にモデルケースを通して実践ににつなげていきたいと考えている。
  • 東葛北部在宅栄養士会 中村会長
    (2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について、資料4-2に基づき説明)
    • 現状としては、低栄養状態の方への支援の相談は、ケアマネージャー、ヘルパー、地域包括支援センターからあるが、実際の訪問指導になかなかつながっていない。
    • 日本栄養士会認定の栄養ケアステーションが市内に2、3箇所設置される予定だが、活動の周知が不十分である。
    • 低栄養状態の改善、重症化予防のための栄養ケア支援の必要性が十分に理解されていない。
    • 病院や高齢者施設との連携の術が無い。
    • 将来の課題として、在宅療養支援を行う栄養士間、病院や高齢者施設に所属する栄養士との連携ができていない。
    • 低栄養状態の予防改善の必要性をもっとアピールする必要がある。
    • 来年度は、栄養士の研修会に多職種の方をお招きする計画をしている。
    • 柏市内の在宅療養支援に携わる栄養士が一堂に会する場づくりを求めていきたい。
    • 病院や高齢者施設、行政等に携わる栄養士との連携を検討する。
    • 病院や施設、在宅での情報ツールとして、食事・栄養サマリー(医療栄養情報提供書)の存在をアピールして、多職種の皆様の理解を進め、効果検証を行えるようにしたい。
  • 柏市介護サービス事業者協議会 横尾会長
    (2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について、資料4-2に基づき説明)
    • 医療介護連携の機会が増え、その垣根はだいぶ低くなったと感じている。
    • 24時間を支える小規模多機能等の地域密着型サービスは良いサービスではあるが、なかなか利用者に還元されていないと感じる。
    • 介護職員の不足が続いており、研修会等の参加機会が十分得られていない。
    • 看取りに関して、特に嘱託医の方と介護側の考え方によって、施設により対応の差がある。
    • 課題として、地域密着型サービスの周知が不足している。
    • 認知症の方の尊厳について軽視した対応がある。
    • 介護職員の医療知識不足はだいぶ改善されてきたが、まだまだ不足している。
    • 今後の取組として、地域密着型サービスをさらに周知しないと利用者は増えなく、必要な方が利用できない現状を改善する必要がある。
    • 介護職員の学ぶ機会の充実と対応力向上を図る必要がある。
    • 看取り体制の構築について、まずは看取りの現状がどうなっているのか調査したい。
    • 介護人材の確保について、「介護のしごと相談会」を年2回開催しているが、継続して開催したい。
  • 柏東口第2地域包括支援センター神谷所長
    (2.分析結果を踏まえた、各職能団体の現状・課題・今後の取組について、資料4-2に基づき説明)
    • 市内に11箇所ある地域包括支援センターで話し合いを行った。
    • 現状としては医療ニーズが高い方でも在宅医療生活が可能となっているが、医療介護の受け皿は十分とはいえない。
    • 特に、24時間の生活を支える定期巡回型サービス等の地域密着型サービスが十分でないことから、本人よりも介護者・家族側に施設入所の強い希望がある。
    • 将来に向けての課題として、様々な相談を受ける中での適切な情報提供や支援、多職種との密な情報共有と連携体制の構築が挙げられた。
    • 今後の取組の方向性として、各センターで実施している研修や交流の場において、医療介護連携の推進につながる内容を意識的に企画していくことや、市民への情報提供・啓発活動を効果的に行うことを挙げた。医療介護連携の中核としての役割、地域のネットワーク構築を行う役割を果たしていくことなど、地域包括支援センターとしての役割を担えるよう一つずつ取組を進めていきたい。
  • 事務局
    (3.評価指標の素案について、資料4-3に基づき説明)
    • ただいま各団体から発表いただいた意見を踏まえ、資料4-3のとおり、柏市としての評価指標の素案について作成した。
    • 国が示した枠組みに合わせ、ストラクチャー指標としてはサービス提供を行う資源の状況、プロセス指標としてはサービス提供実績と入退院時連携の実績、そして市民の方のニーズとして最期を迎えたい場所の希望割合、在宅医療の認知度と場所別の死亡割合を掲げた。
    • 最も大事なアウトカム指標としては、利用者及びその家族の満足度、サービス従事者の満足度、在宅療養率の3点を掲げた。
    • 本日は、1.評価指標の内容について 2.評価の視点で目指すこととして、分析結果で示した2025年の需要推計に向けて取組を進めることでよいか 3.評価のタイミングについて、柏市介護保険事業計画「柏市高齢者いきいきプラン21」が3年ごとに策定されることから、計画に合わせて評価することでよいか の3点について御意見をいただきたい。

議事(2)に関する意見・質問

  • 柏市医師会 松倉副会長
    • 市から示された資料4-1分析結果について、例えば訪問診療算定人数の右下のグラフ(市全体)では推計と実績がほぼ同じような動きをしているのに対して、訪問歯科算定人数は実績が推計値のほぼ2倍となっている。しかし、各4地域の数字を足しても2倍にはなっていない。集計方法として問題は無いか。
    • 集計方法として問題が無い場合、訪問歯科診療や訪問リハビリが2倍になっていることについて、人口が増えるのに比べて、実際のニーズが増えているということか。ないしは、供給側に何か理由があるということか。両方の面から考えなければならない。
    • 例えば、薬剤師の算定を見てみると、北部・南部・東部地域の実績と推計値はあまり変わらないが、中央地域の実績は突出している。これは、中央地域にはたくさんの薬局があり、サービスを供給できる体制があるからということか。また、中央地域のように供給側が増えるのが良いことなのかという解釈も含めてお聞きしたい。
      以上、3点について質問です。
  • 事務局
    • 集計方法についてだが、市全体の数値については住所が不明であった者も含まれるので、4つのエリアを合計したものよりも多くなる。また、誤解を招く示し方になっており申し訳ないが、市全体の実績値については2016年度まで抽出できているが、エリア別の実績値については2014年度までしかできていない。従って、2014年度までの数値で比較いただくと近い数値になっており、集計方法について問題は無いと考えている。
    • 今回お示ししている需要推計は2012年を基点として、今後増えていく人口を掛け合わせたものを需要推計とした。2012年はまだ本市の取組を進めたばかりの時期だが、その実績から需要推計を伸ばしている。その推計のあり方については、本来であれば直近の実績に基づいて再計算する必要があるが、一度2012年の実績から算出した需要推計に対して現状はどうか評価をする。直近の実績に基づく需要推計については今後の検討課題としたい。
    • 薬剤師の算定について、4つエリア分析は患者住所ベースになっており、供給拠点と必ずしもイコールになっていなく、市内薬局だけではなく市外薬局による算定も含まれている。このことも含め、薬剤師会様と供給拠点を増やすことが良いのか話し合いを行い、市外の薬局の算定が多い実態があることから、市内薬局については増やす方向が良いのではないかという意見をいただいている。
  • 柏市医師会 松倉副会長
    • 誘導する必要は無いが、各団体との話し合いの中で、「ここのところに需要があると思うので増やす必要があると思いますよ」「ここに増やすと利便性が上がりますよ」など、せっかく良いデータがあるので役立てていただきたいという願いを込めて質問させていただいた。
  • 東京大学高齢社会総合研究機構 飯島教授
    • 資料4-3の指標案について、アウトカム指標の「利用者・家族の満足度」は少し「ほわっ」とした表現になっているので、具体的な中身を考えてみると、実際のサービス提供に対してどれだけ満足されているかという視点と、もっと大きい枠組みの生活全般とか人生に対する満足度など大きな視点がある。これらの視点をごちゃ混ぜにすることは決して良くなく、特に生活全般や人生に対する満足度が重要だと考える。指標としては組みにくいものではあるが、QOLの重要な要素でもあるので、こだわって評価していく必要があると思う。
    • 主観的なものではあるが、地域包括ケアシステムを推進していく中の最大の指標・目標である。誤解されやすい、様々な意味を含んだ満足度ということになるので、例えば「生活満足度」や「生活全般に関する満足度」などといった具体性を持った名称にしたほうがよいかと思う。平成28年度に、厚生労働省のある研究班の議論では「生活満足度」という言葉を使っていこうということになっていた。そういうことを視野に入れて討議していただければと思う。
  • 柏市医師会 平野顧問
    • 資料4-1分析結果について、ここ最近有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅など色んな施設ができているが、この推計結果には、その影響が反映されていない。この推計値を引き摺って行くのではなく、見直しを今後検討してもらいたい。
  • 柏市訪問看護ステーション連絡会 板倉副会長
    • 指標に関しての意見だが、プロセス指標「最期を迎えたい場所の希望割合」について、最期という言葉に着目されてはいるが、在宅医療や介護が推進されることによって、例えば病院から在宅に戻られる方が介護予防で介護度が軽くなったとか、良くなることも在宅医療・介護が目指していることでもある。介護度の変化とか、病院側の視点で考えると在院日数が短縮されたとか、亡くなるということだけを着目せずに、実際に良くなったとか悪くなることを予防できたとかの指標を加えると違った視点も入るという印象を持った。

議事(2)についての決定事項

  • 評価指標については、資料4-3に示された案をベースにして、出された意見を酌みいれ確定する。
  • 評価のタイミングについては3年に一度実施する。

議事(3) 意思決定支援の取組状況について

  • 事務局
    (資料5-1に沿って説明、資料5-2について紹介)
  • 柏市医師会 松倉副会長
    (事務局の資料5-1説明の補足)
    • 柏市はこの問題について3年前から取り組んできたが、国も同様に動いている。
    • 柏市は、在宅医療・救急連携セミナーに全国16地域の一つとして選ばれ参加してきた。
    • 当協議会は、国のルールの一つを作るという意気込みでやっていかなければいけない。
    • 救急搬送についてはただ減らすということではなく、意思決定をきちっと支援できて、その結果として望まない救急搬送を減らしていければと考える。
    • 特に介護老人福祉施設については、意思決定支援について温度差があるということだが、その進め方が難しいということで、多職種連携・情報共有システム部会の協力も得てルール作りをしていきたい。また、そのルールについて啓発を通じて、市民にご理解いただきたい。
    • 問題の一つとして、施設の方から言われるのは急変と看取りの境界が難しいということだが、そこを同じ理解の中で進めていかなければいけないので、教育や研修がとても大事だと感じている。
    • 救急のレベルでは、プロトコールを作っていかなければいけない。メディカルコントロール協議会とも共有して進めていきたい。また、協議会の各部会の部会長の先生方であったり、各団体の協力を得て進めていきたい。
    • 自宅で看取ったご家族であり精神科医の方にもキックオフミーティングに参加いただきご意見をいただいた。やはり市民や患者さん、その御家族の意見というものも取り入れて慎重に進めていくべき課題であると考えている。

議事(3)についての決定事項

  • 当協議会でこの意思決定支援検討ワーキングを進めていくとともに、各団体の御協力をいただき取組を進める。

議事(4) 協議会委員の更新について

  • 事務局
    • 当協議会の設置根拠となる「柏市在宅医療・介護多職種連携協議会設置要領」の第4条において、委員の任期は2年として、再任を妨げないものとしている。
    • また、委員の途中交代があった場合はこの任期を引き継ぐものとしている。この規程に基づき、現委員の皆様におかれましては、再任されている場合においても今月末日をもって任期満了となる。
    • 後日事務局より、各団体に第3期目となる連携協議会の委員のご推薦について依頼文書を発送させていただく。

議事(4)に関する意見、質問

  • 柏市ふるさと協議会連合会 佐藤監事
    • 任期途中で各団体の長等を辞めた場合に、当協議会委員を交代しても構わないのか。
  • 事務局
    • その際には、事務局に御連絡をいただければ手続きをさせていただく。

議事(4)についての決定事項

  • 事務局からの依頼に基づき、各団体は事務手続きを進める。

報告(1) 平成29年度病院連絡会議

  • 事務局
    (資料6に沿って説明)

報告(2) 在宅医療に関するアンケート結果

  • 事務局
    (資料7に沿って説明)

報告(2)に関する意見・質問

  • 柏市社会福祉協議会 中谷会長
    • 柏市の職員の中で在宅医療の取組が3分の1程度しか認識されていないことは残念なことだが、出前講座に出た一般の方でも3分の1程度ということで、出前講座に出ている方は意識の高い人の結果でもあることから、出ていない方も含めれば、おそらく半分以下の結果になるのではないかと想像する。
    • 私も一般の方と話していると、在宅医療についてなかなかわかっていないと実感する。まだまだ広めていかなければいけない。
    • 社会福祉協議会で地域の支え合いを進めているが、在宅医療・介護と地域の支え合いは不可分なものだと思うので、支える側の人も在宅医療の現状を認識する必要があり、啓発活動を行っていかなければいけないと思っている。
    • 関心が無いと情報は過ぎ去ってしまい頭に残らない。繰り返し啓発を行うと頭に残ることもあるので、引き続き絶えずやる必要がある。
  • 柏市ふるさと協議会連合会 佐藤監事
    • 中谷会長の意見に全く同感だ。
    • 強いて言うなら、新たなものを啓発普及するには、ものすごい時間と労力が必要だ。関係者の努力を惜しまずにやっていけば必ず理解されると思うので頑張って欲しい。
    • 啓発の手法として、一方向の講演会のような形ではなく、ワーキンググループを組んで参加者の意見を受け止めることをまめに行っていけば浸透するのではないかと思っている。ワーキンググループの手法で地域の支えあい活動は良い形で進んでいる。

報告(3) 広報かしわ連載記事

  • 柏市医師会 織田理事
    (資料8に沿って説明)

各団体のトピックス

 (1) 柏市薬剤師会

  • 中村会長
    (資料9に沿って説明)

(2) 柏市在宅リハビリテーション連絡会

  • 長谷川副会長
    (資料10に沿って説明)

(3)豊四季台地域支えあい会議・ささえ愛実行委員会

  • 柏市ふるさと協議会 佐藤監事
    (資料11に沿って説明)
各団体のトピックスに関する意見・質問
  • 柏市医師会 松倉副会長
    • 柏市在宅リハビリテーション連絡会の報告について、病院と連携を取ることはとても大事なことだと思う。
    • 3月2日に行われた病院連絡会議の場でも、このことについて紹介ができれば良かった。
    • 患者さんが救急病院に搬送されそこでリハビリをして在宅に帰る、そこでブランクが空かないことが重要だと仰っていたが、同時に在宅で具合が悪くなって病院に搬送されるということもあるので、できるだけ色々な病院と連携してくだされば有り難いし、我々も一緒に話し合いができればと思う。
    • 病院の医師と在宅の医師の連携について、今年は色々なところでグループワークを行えたらと思っている。今年度に当病院にリハビリ職の方がお越しなった時は、病院のリハ職と在宅のリハ職が対峙して話し合っているような感じだったので、グループワークのような形式で一緒に話し合う環境ができるとお互い良いものができると思うので検討していただきたい。
  • 柏歯科医師会 金剛寺副会長
    • さんあい祭りに参加させていただいたが、地域住民のやる気の引き出し方がすごいと感じた。
    • このようなものを他の地域でもやりたいということになったら、行政が支援してくれることになるのか。
  • 柏市社会福祉協議会 中谷会長
    • 現在、既に市内各20地域で支えあい会議を開催している。支えあい会議は、ふるさと協議会も含めた地域団体、介護施設等の介護に関わる団体や地域包括支援センター等の方で構成されている。
    • この20地域の中で、東大の支援があるのは豊四季台地域のみとなっている。
    • ようやく組織が立ち上がったばかりのところもあるなど、それぞれの地域で進捗状況は違う状況となっている。
  • 東京大学高齢社会総合研究機構 飯島教授
    • 豊四季台地域の取組に東京大学が入っているが、豊四季台地域だけということではなく、次の地域に広がっていくことに意味があると思っている。取組の積み上げ方を見える化して、各地域がスムーズに進めるようにすることに我々が関わっている意味があることだと思うので、それを意識して今後も取り組んでいく。
  • 柏市医師会 金江会長
    • このようなお話を聞いていると、在宅医療・介護の取組を進めるにしても何にしても、連携が最初からとても重要だと思い、今は細かいところまで広がっているという印象を受けている。このようなことは柏の特長であって、他のところには無いものだと思うので、地域の皆様も是非進めていただきたいと思う。

その他

  • 第7期柏市高齢者いきいきプラン21(案)について紹介。平成30年4月から運用を開始する。
  • 平成30年度第1回の柏市在宅医療・介護多職種連携協議会は、平成30年6月29日(金曜日)午後7時から柏地域医療連携センター研修室で開催予定。