平成28年度第2回 柏市在宅医療・介護多職種連携協議会会議録

1 開催日時

平成28年10月27日(木曜日)午後7時~9時

2 開催場所

柏地域医療連携センター 研修室

3 出席者

  1. 委員 
    長瀬委員、平野委員、松倉委員、古田委員、織田委員、古賀委員、赤羽委員、鏑木委員、中村委員、齋藤委員、大熊委員、片岡委員、小林委員、植野委員、染野委員、西田委員、長谷川委員、中村委員、下山委員、鈴木委員、横尾委員、村本委員、神谷委員、佐藤委員、辻委員、飯島委員、竹内委員、高林委員、間瀬委員
  2. 市・事務局 
    成嶋保健福祉部長、酒巻保健福祉部次長兼高齢者支援課長、永塚福祉政策課長、佐藤福祉活動推進課長、谷口保健所次長兼総務企画課長、髙木地域健康づくり課長、高橋保険年金課長 
    (以下、地域医療推進室)稲荷田室長、吉田専門監、小林副主幹、船越副主幹、鹿野主査、鈴木主査、串田主事、池畑主事

4 傍聴者

2名

5 議題等

  1. 各部会の取り組みについて
  2. 柏市在宅医療計画について 
  3. 報告事項
  4. その他 

6 配付資料

7 議事要旨

1 各部会の取り組みについて

(1) 多職種連携・情報共有システム部会

事務局・部会長からの説明後以下のとおり意見があった。

(委員)今年は評価をやっていく。評価をしっかりしたうえで今後広げるためのツールとしていきたい。皆様の御協力をお願いしたい。 

(2) 研修部会

事務局・部会長からの説明後以下のとおり意見があった。

(委員)今回の多職種連携研修会に参加させていただいた。感想だが、研修のプログラムも非常に勉強になったが、グループワークでの多職種の意見・考え方を知る事ができたのが非常に勉強になった。グループのメンバーも比較的近場の事業所の方が多く早速連携できる場となった。

(委員) 研修はすごくいいのだが、在宅医療の導入としてやっているが、医療職の色が強いがそろそろ介護職のミニレクチャーを入れてもよいのかなと思う。介護職に戸惑いもあるかもしれないが、大切だと思う。

(部会長) 介護職を入れなきゃという意見はあった。参加していただける事に一生懸命になっていて、どうしてもレクチャーとして声を出していただける事がなかった。

 (3) 啓発・広報部会

事務局・部会長からの説明後以下のとおり意見があった。

(委員) アンケートについて、薬剤師会での活動を報告させていただきたい。会として11月頭に会員に配布し、11月いっぱい患者さんへのアンケートをお願いする。患者さんへのお知らせも含め実施する。

2 柏市在宅医療計画について

市・事務局より説明後以下のとおり意見があった。

(委員)質問です。スライド4で訪問診療の需要が2035年まで上がって、2040年下がっている。他の職種は上がっているのに、訪問診療だけなんで下がるのか、よく理解できない。

(事務局)細かくまで確認できていないが、千葉県の地域医療構想の推計でも2035年がピークで下がっている。受療率のピークが他のサービスと違うのではと考えられる。しっかり調べてからお答えしたい。

(委員)団塊の世代が減少するという事も関係あるのではないか。 

(委員)他の職種が増えていて、なぜ訪問診療が減っているという点。あまり変らないと思うが。しかし、訪問診療は倍以上、他の職種も倍以上必要となるということがよく分かった。 

医師について

(委員)在宅医療の必要性が見えた。医者を増やさなければいけない。第2フェーズワーキングでもやっていただいているが、在宅をやっていない先生をバックアップして、いかに参加してもらうか。市内で在宅をやる先生を急激に増やすのは難しいから、研修を市外にも開放して柏市で在宅をやってもらうとか。少し乱暴かもしれないが。医者が多い県もある。医者が少ない千葉県に流入することもありえるのではないか。今後いろいろと考える必要がある。 

(委員)資料を見ると中々大変な数字。今、一生懸命やられている先生も忙しい。研修も他市の参加は見られるが、市内の参加がそれほど多くなく厳しい。この数字をみて切実に感じた。 

(委員)在宅を専門に柏でやっていただける若い先生が1人でも2人でも増えると。1人入っていただければ一月につき50人は見れる。そこに期待している。

(委員)市内の医療機関が行っている率が53パーセントであり、患者の増加を市内の医師だけに頼るわけではないが、2025年に向け患者が600人増えるから21箇所増やすというのはどうなのか。一箇所の診療所が数人診察するというのが理想的である。一人の先生が診る場合もあるかと思うので、それをバックアップするシステムが必要なので考える必要がある。

(委員)もう少しきめ細かくやる必要がある。在宅専門で診る人数とそれ以外の先生が診る人数は違うので分ける必要がある。恐らく歯科も同じことが言えると思う。訪問リハについてはオーダーを出してくれと言われるので分かるが、先行して立ち上げたところには凄く沢山のオーダーが行っていて、そうでないところはもっとできると言っている。それをデータを出す前に各機関がどれくらいできるのか聞き取りが必要。単に数で割るというのは余りにも乱暴すぎる。各団体にアンケートを取るとかそういった対応が必要。病院の意見としては病院のバックアップが必要。バックアップをするためには、地域包括ケア病棟を含め、在宅の先生方のニーズをしっかり理解して、市内の病院全体が支えるというより一緒にやるという考えも入れていかなければならない。以前は10病院会議を立ち上げるときに工夫してやっていたが、そのまま尻つぼみになっているのが気になる。病院をしっかり取り込もうという意識が必要。行政と一緒にしっかりやっていかなければと反省もこめて思っている。

(事務局)第2フェーズワーキングを本年の8月に立ち上げた。来月にはその会議があるので、その中でこういった推計を出しながらどのような手法がよいか議論していきたい。

看護師について

(委員)最大の課題は人材確保。特にオンコール対応の看護師確保が必要。潜在看護師の発掘であったり、在宅医師も看護師も相互に安心して在宅医療に携われる環境整備が必要と思う。

(委員)検討事項に書いてあるが、事業数の不足があるが、大規模化をする事で、人数も見れるし緊急対応の負担軽減に繋がると思う。大規模化のために予算を頂くなど検討してもらっているが、事業所が27箇所ある中で大規模は9箇所しかないということが課題であり、質の向上と人材確保に向け連絡会として取り組んでいきたい。

訪問リハビリテーションについて

(委員)訪問リハビリからは、特区事業所の格差があると感じている。今回、医療が入っていないので、病院から出ているみなし事業所も増えているようだ。厚労省からのリハビリに対するイメージも、いつまでダラダラやっているのかという声も聞く。目標設定をして取り組むことが通所も訪問にも求められている。卒業という事も念頭において通所リハビリも含め考えていく必要があると感じている。

(委員)自身の事業所では数がたりない。どのように増やしていくかが課題として挙がっている。在宅の場合、どのように通所につなげていくか。デイサービスでもやっているケースもある。ケアマネとも連携をとりながら、循環がひとつキーワードになると思う。

(委員)在宅リハビリの中でも格差とありましたが、指示を出していただける先生の場所も関係あるかと思う。北部は比較的少なく、中央・南部は手厚いというか、浸透しているところも多い。各事業所ではそれぞれ営業にまわらさせていただいている。

(委員)連絡会からは交流会について病院・クリニックにリハリハ連携を呼びかけさせていただいている。参加した方からは大事だとお聞きしているが、実務は難しい。

(委員)以前に病院に来ていただいてリハ職と意見交換をさせていただいた。とても印象的でおうちに帰ってからそんなに違うんだよと、できるだけ格差を無くすように教えていただいたのは、センセーショナルだった。ただ医者の意識は薄いのは事実。病院でも150日以上リハビリができなくなるので、患者さんの中でもリハビリ難民という言葉が出ており、本格的に病院から帰れなくなるのでただ在宅というだけでなく考えていかなければいけない。受け皿も含めて在宅のリハビリに頑張ってもらいたい。

(委員)特区の場合は研修を受けないと指示が出せない。将来をみると、在宅のリハビリを増やさないといけない。医師の意識は大切。外来の先生は研修を受けていないから指示が出せない。外来の先生でも受けられるような研修で指示をだせる先生を増やせないか。自身の患者では良い効果がいっぱい出ている。訪問リハビリはデイサービスと違い個別にやっているので違うと思うし、そのことを広報する必要がある。

薬剤師について 

(委員)訪問薬剤をやる薬局をいかに増やすか。聞いた話だが、訪問・在宅をやりたい薬剤師もいるが医師が在宅をやらないケースもある。退院共同指導に呼ばれる数も少ないので改善していただきたい。

(委員)潜在的に訪問をやりたいという薬剤師は多いと思う。薬剤師会でも指導をしているが、門前の先生がやっていないとどのように他の先生にアプローチしてよいか分からない。今後先生にアプローチするように言っており、ひとつ経験すると大分変わってくる。そういったことで市内の先生方にも訪問できるんだという事を知っていただくことも非常に大事かと感じている。
両方向から広げていきたい。

(委員)退院時共同指導に病院の薬剤師さんも呼ばれない事が多い。どのように解消すればよいか。

(委員)私たちの感触としては訪問をやってくれる薬局は増えた。7~8年前は麻薬や輸液をやってくれるところはどこか迷った。退院時共同指導について私は薬剤師さんを呼ぶようにしている。薬について複雑なとき必ず呼んでいる。必要性を感じればやってくれるはず。

(委員)病院は、在宅の医師とケアマネさんに声を掛ける。その医師がどこの薬局を使うかは指定できない。薬剤師は凄く知識があって医者には助かる。薬局側から積極的に参加する事を関係者にPRしていただけないか。

歯科医師・歯科衛生士について

(委員)歯科医師会としては、市内の歯科医師が担っているのが40パーセントと多職種に比べ少ない。1件あたりの診ている患者が少ない。60パーセントは在宅専門の医院と感じている。そういったところは施設にまとめていっているかと思う。本当に在宅が必要な人がどれくらいか把握できていない。特区で口腔ケアセンターを立ち上げているが、非常に立ち上げづらいので、まだ1ヶ所に留まっている。人数を増やすのも難しいので特別委員会を立ち上げて真剣に検討していきたい。

(委員)口腔ケアセンターの衛生士が1人で全てやっているのでかわいそうな状況。子育てが終わって働きたいという衛生士もいると思うので、掘り起こしてやっていきたい。

(委員)在宅をやっていて、イメージでは施設は在宅専門の歯科医院が入っている。個人宅の8割位は市内の歯科医師が入っている。個人宅からの需要は沢山あると思う。そのニーズを掴んでほしい。

栄養士について

(委員)今年度2件入らさせていただいた。1件はすぐ入れたのだが契約前に患者が鬱になってしまった。もう1件も契約直前までいったが医師の了解を得られなかった。在宅栄養士会では必要書類を揃えているが、ご説明の時間をいただけない。医師会として情報提供をお願いできないか。栄養士が入ったらどう良い事ができるかということが発信できていない。色々考えていきたい。低栄養の方をチェックするシートを活用したい。咀嚼についても内部で勉強し、他職種に理解してもらえるようにしたい。今、おおたかの森病院から相談がきているので、経験を積み上げていきたい。

介護支援専門員について

(委員)リハ職からも話があったが、漫然とやっているリハビリにゴールを設定し循環していこうという事が国から示されて、ケアマネージャーもゴールを設定し卒業があるということを利用者さんに理解していただくことが必要。栄養は、在宅では一番生活に密着しているところなので、栄養士さんに入っていただく事は個人的に非常に活躍して欲しいと思っている。

(委員)訪問栄養指導についてはケアマネも分かっていない人も多い。昨年研修会を開き東葛栄養士会の方を講師に招いて普及はしている。自分もうまく繋げたいと考えているが、認知症で理解が無かったり家族が台所に入れるのを反対したり、市外の医療機関でそこに栄養士がいるからとうまく繋げられていない。会のケアマネにも広げたいと思う。

地域包括支援センターについて

(委員)地域包括としては、自立支援の観点からも訪問リハビリと連携したい。包括では介護予防の講座なども開いているのでリハビリ・栄養士とも入っていただきたい。以前に特定高齢者等とか要支援になる前の介護予防という事で、栄養士の訪問指導に入っていただき非常に効果があった。口腔ケアも重要だと思うので今後連携を取っていきたい。

介護サービス事業者について

(委員)介護サービス事業者協議会としては、集計については専門ではないが、需要と供給のバランス。多く診ている先生もいて、あまり診ていない先生もいる。その点のバランスをとらないと、いくら増やしてもいっぱい診ている先生、あまり診ない先生もいると平均だけでは良くない。どこかの大企業では、待機されてる相談があると、ここが近いですよといった振り分けが下手だと聞いた。情報提供も必要だし、利用する方はお年寄りが多くネットも見ない。バランスよく情報提供していくことも検討していくと集計的にもいい集計ができると思う。

大学の立場から

(委員)この推計に基づく議論が今日の会議のメインだと思う。推計に関しては凄く難しい推計をなさっているんだろうと思うが、前提があって、その前提に基づいて作られる限界があるということが中々分かりづらい。数字だけがひとり歩きしてしまう事もある。そう考えると限界を認識できるような形で数字を提示していかなければならないと思う。実数なのかパーセントなのかでも議論は大幅にすれ違ってしまうので、そういったところを慎重に提示していかなければいけないと思った。その一方で、この会議では、この統計の数字を実態だと思わないで、数字を背景として生の声に修正してこの地域はどのようなことになっているかを正しく解釈しようとしている。数字をスタートラインにして構造的な問題まで聞かせてもらえるとは驚いている。

(委員)実績データをもとに議論できるのは有意義だしありがたい。2025年あるいはそれ以降の本番に向けて柏プロジェクトは取組んでいる。データはあまり得意ではないが、私の記憶では2012年はプロジェクトのエンジンがかかったところ。その時点から推計するのか、現在はかなりエンジンがかかって、かなり高いレベルになっているのでそこから推計を起こすのかで、大分将来推計は違う。これからどのように取り組んでいくか。平成30年度から介護事業計画・医療計画が本格的に発進する。そこからの人口トレンドがどうなるか。次なる本格推計が必要。もうひとつは、今の現状を年齢別の人口推計で伸ばしているが、病院も年齢別の受療者数が同じであれば、病院の患者も増え在宅に溢れる。もうひとつは、この取り組みの当初は予想していなかったが、地域医療構想というものが出てきて療養病床を再編する。このあたりは療養病床は少ないと思うが全国的には慢性期の療養病床は減る。その分も在宅で受けなくちゃいけない。その点も含め、今日の作業をスタート地点として整理しながら、数字を入れての見通しをみんなでコンセンサスを持って前進していけたらと思う。

3 報告事項

(1) 在宅医療第2フェーズワーキンググループについて 

市・事務局より説明。

委員からの意見・質問はなし。

(2) 柏地域医療連携センター相談状況

市・事務局より説明。

(委員)対象者50の南部・沼南が少ない。原因があるのか。遠い、認知の不足など分析しているか。 

(事務局)更に分析していきたい。開設当初は周辺の相談が多かったが、少しづつ市内に広がってきている印象がある。この点については分析を重ねて周知を図ってまいりたい。

 (委員)  相談の内容について、医療的なこと介護的なこと、一般のことについても相談の窓口になっているのか。 

(事務局)お時間の関係で資料に詳細は掲載しておりませんが、在宅医療に関することだけではなく、お体の心配ごと診断・治療のことの連絡を受ける事も多い。頂いた相談はこちらできちんと受け止めて必要なところに繋ぐよう心がけている。 

(委員) 治療内容の説明が不足しているなどの相談も受けているのか。

(事務局) そういった相談については、何に不安を感じて何が課題でどういった生活を送りたいかを整理させていただきながら、こんな風に伝えたらいいよということを一緒に考えさせていただいています。もしご不安な方がいましたらこちらにお繋ぎください。

(3) 東葛北部圏域在宅医療・介護連携に関する5市連携会議について

市・事務局より説明。

委員からの意見・質問はなし。

(4) フレイル予防PJ2025推進委員会について

市・事務局より説明。

(委員)フレイル予防PJ2025のアドバイザーとして東大も入れさせていただいている。先ほど説明のあったとおり、栄養・運動・社会参加の3つの柱をバランスよく底上げしていくため、多くのメンバーで話し合いを始めたところ。最後のフレイルチェックというのは、柏で私が些細な衰えをどういう風に気づくかということで作らさせていただいたものです。我々大学としては効果判定等を含めて、より件数をより生み出していくというところで一役買いたいと思っているので宜しくお願いしたい。

(5) 地域支え合い推進協議会について

市・事務局より説明。

(委員)豊四季台地域でも今度第3回の支えあい会議を開催する。着々と進んでいる。地域として粘り強くやっていきたい。地域社会としても今後重要な課題だと思うので行政と話し合いながら推し進めていきたい。

4 その他

(事務局)平成28年度第3回の柏市在宅医療・介護多職種連携協議会は、平成29年3月15日(水曜日)午後7時から柏地域医療連携センター研修室で開催予定。

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