(第五次総合計画後期基本計画)柏市総合計画審議会(第1回)会議録

1 開催日時

令和2年2月13日(木曜日)午前10時00分~午後0時15分

2 開催場所

柏市役所 本庁舎5階 第5・6委員会室

3 出席者

(1)委員

浅野委員(副会長)、岩田委員、小野委員(会長)、川鍋委員、菅野委員、鈴木委員、関口委員、田中委員、長井委員、長瀬委員、花里委員、林委員、山田委員(13人/15人)

(2)市・事務局

秋山市長、鬼沢副市長、飯田企画部長、鈴木企画部次長兼行政改革推進課長、稲荷田企画調整課長、他9名

4 傍聴者

3名

5 議題等 

1.正・副会長の選出、諮問

2.柏市第五次総合計画後期基本計画について(策定方針の概要、審議会の進め方)

3.柏市の人口と財政の動向

6 配布資料

7 議事要旨

(1)市長挨拶

総合計画は柏市の大きな方向性を決める計画であり、平成28年度に策定した。策定当時と比べ環境が変わる中、随時軌道修正が大事であるため、委員の皆様の専門性や多様性を通して計画を再構築していきたい。

市民の皆様からの市役所への期待や行政ニーズは大きくなる一方、若干税収は増えているものの、消費税増税分は国が決めた幼保無償化などに使わねばならず、使途の自由度はない。

将来を見据え、優先順位をつけ選択するという難しい決断をしながら、市政運営をしていかねばならない状況である。

皆様には、日頃感じている市政への考えなど寄せていただきたい。

(2)委員紹介

事務局より、委員名簿に沿って委員を紹介した。

(3) 正・副会長の選出、諮問

会長に小野委員、副会長に浅野委員が決定された。

(4)柏市第五次総合計画後期基本計画について(策定方針の概要、審議会の進め方)

事務局より、資料1および参考資料1~3に基づき説明し、主に次のような質問や意⾒が出された。

(浅野副会長)

審議会のスケジュールについて、「重点取組事項」について議題とするのは第2回のみとなっている。今後の市のあり方を決める重要な議題だと思うが、その後は審議しないのか。 

(事務局)

第3回審議会では第2回の審議結果について、意見の反映状況を確認することにしている。1回のみの審議に拘らず、状況に応じてその後も審議していただきたいと考えている。

(浅野副会長)

ただいまの説明の中で、時々に応じて的確な実施手段を検討することが重要との課題認識あったが、重点取組事項についても柔軟にマネジメントしていかなければならない。手段が目的化することが最も恐ろしいことなので、本審議会では、柏市が目指すべきところは何かをしっかり議論していきたい。市には柔軟な会議運営に対応できるようにしてほしい。

(林委員)

各回での意見交換が大切だと思うが、説明を受けた後に、考えを深めて後日意見が出ることも多々あると思う。後日の意見についてはどのように取り扱われるのか。

(事務局)

限られた時間の中で議論できないこともあると思うので、後日メールなどにより追加で意見聴取する方法をとりたいと考えている。

(田中委員)

施策評価報告書98ページによれば、市東部は手賀沼を中心に交流人口を増やすため、手賀沼・沼南地域で事業を行ったが、観光客は減っている。効果のなかった事業を実施して、進捗率100パーセントとしているが、これは市民目線ではありえない。こうした施策評価報告書の内容について各課に聞きたいことがある。報告書の内容を熟読するので、説明会を実施してもらいたいが、いかがか。

(事務局)

ご指摘の箇所については、施策評価の「取組」をひとつの単位として、各課が課題として捉えたことを掲載している。おっしゃるとおり事業実施したが効果がなかったことの説明は必要であるため、報告書26~27ページにおいて、「施策」をひとつの単位として、これまでの振り返りを含めて今後やっていくことを記載している。各担当課でも事業をやりっぱなしではなく、見直すきっかけになったと考えており、施策評価は今後も継続してやっていきたい。

担当課の考えを知りたいというご意見については、ご要望をいただければ、文書での回答あるいは他の方法など、事務局で検討させていただきたい。

(関口委員)

前回の審議会では、私どもの柏商工会議所の寺嶋会頭(当時)が会長を務め、商工会議所内に市総合計画を検討する組織を設けた。今回も検討組織を設ける予定であり、この審議会では、商工会議所内での事前の検討を踏まえた意見を申し上げたい。このため、重点取組事項について、現時点でのイメージや内容をうかがいたい。現時点で回答できなければ、どのくらいの時期に示されるかご教示いただきたい。

(事務局)

資料1のスライド8のとおり、重点取組事項は、3つの重点目標を具現化するものである。前期基本計画では、重点目標の進捗や効果が分かりづらかったため、定義づけして、どういうまちを目指しているのかを再構築し、それを具現化するためにどういう取り組みや活動が必要か、分野や既存事業に捉われない形で、企画調整課内で考え方を整理している。現状では、各重点目標ごとに必要なまちの要素など枠組みを形作っているところで、まだ具体的な事業などには落とし込めていないが、今週末に開催する市民ワークショップの意見を踏まえ、市が目指すまちと市民ニーズにギャップがないかを確認しながら、今年度中に大きな枠組みを形作っていきたい。

(関口委員)

今年度中に重点取組事項の目途がつくということであれば、次回の5月開催の直前に示すのではなく、各団体等で検討する時間をとっていただけるとありがたい。

(事務局)

重点取組事項のアウトラインが固まり次第、審議できるよう資料をまとめてお示ししたい。

(山田委員)

前期基本計画では、少子高齢化や生産年齢人口の課題に対応するため、市の担税能力をつけて持続可能なまちとしようとしていた。先ほど、手段が固定化し硬直化してきたとの説明があったが、部門だけで集約されると全体が見えないのではないか。市民40万人を超えて、コミュニティが希薄化する中、地域の中核以上のことを担わなければならない。社会の変化を受けて、地方は、福祉、医療、教育、環境など横断的に担わなければならない中で、次世代責任へソフトだけで理解共生できるかなど、今後そういう議論をする余地はあるのか。

(飯田企画部長)

前期基本計画の策定時には、SDGsやスマートシティなどの話題はなかったように、この5年間だけでも様々な分野や社会情勢等の変化がある。各回でテーマについて審議いただいて、その場で判断するだけでなく、持ち帰って気づいた点を文書で寄せていただきたいと思っているので、柔軟に意見を寄せていただきたい。

(山田委員)

総合計画の基本は維持しながら、持続可能な活力都市として、柏市が発展すればよいと思っているので、必要な情報はどんどん提供していただきたい。

(花里委員)

資料1のスライド7、8について、後期基本計画の大きな変更点は、前期基本計画の「分野7マネジメント」が「序」となっていることである。この図を見ると、各分野をつなぐ視点が無くなったように感じてしまう。マネジメントを評価することが難しいなどの事情があったのか。行政に期待されるのは、セクショナリズムを超えて、各分野の連携を図り、つなぐ視点が重要だと思うが、後期基本計画ではどのように考えているのか。 

(稲荷田企画調整課長)

後期基本計画の序の経営視点(マネジメント)には、分野横断的な考え方も掲載する。これまで施策体系の最後に位置付けられていたことに違和感を覚えたため、一番前に持ってくることで、すべての職員に経営視点を持たせたいという意図がある。国の施策や方針は、概念的になる傾向があるため、柏市の現状や課題をしっかり把握した上で、国の施策等に反映させていくと考え方を、職員向けに標準化したいと考えている。決して横断的な取り組みを無くすそうというわけではないので、図については誤解のないよう工夫したい。

(浅野副会長)

今の説明は非常に理念的な話であると感じたが、実際にマネジメントを実行する担当部局はどこになるのか。

(稲荷田企画調整課長)

企画調整課が中心となって当たるが、複数の分野にまたがる事業等もあり、分野によって福祉や都市計画など濃淡があるので、企画調整課だけでなく、分野の主たる部署が横断的に当たる機能を持てるような組織づくりも見据えて、経営視点に文章化して盛り込みたい。

(浅野副会長)

部局ごとの強弱の力学が働くような仕組みはうまくないと感じる。マネジメントは外側から見ないとイノベーションが起きる可能性は低くなってしまうだろう。もう少し上の視点から見た方がよいと思う。

(小野会長)

前期基本計画策定時と比べて、柏市は吸引人口が減っただけでなく、ビッグデータの活用が当然になるなど、変化が急速になっている。大学でもAIの取組がどんどん進んでいる。柏市においても、将来を予測しながら、財政制約のもと、できるものを進めていけばと思っている。

(5)その他

事務局より、資料2をもとに、柏市の人口と財政の動向について説明し、主に次のような質問や意⾒が出された。 

(林委員)

資料2について、国全体では転入超過や転出超過の言葉を使ってよいと思うが、地方では違う言葉を使った方がよい。柏市は多くの人にもっと来てもらえるような表現とした方がよいだろう。それから、柏市の将来人口の推移のグラフについて、2020年の数値が実際より5千人ほど少ない。人口推移は今後も変わっていくと思う。

(事務局)

転入超過は、転入転出を比較するために使った言葉なので、柏市に来て住んでもらいたいという文脈においては、他の適切な言葉を用いるように考えたい。ご指摘のとおり、柏市の人口はすでに43万人を超えているが、2025年にピークになるという動きは変わらないと考えている。

(林委員)

柏市は商圏として非常に大きいので、定住だけでなく交流、多くの人に柏市に来て、買い物や食事をしてもらうという視点も重要と考えている。

(事務局)

定住促進だけでなく、交流人口の増加は現在の総合計画にも記載してあり、極めて重要な視点だと考えている。資料2にはうまく盛り込めなかった。

(林委員)

今後、外国から来られる方、住む方は推計よりも増えていくのではないか。市の人口構成に占める外国人の割合が増え、行政の施策や地域コミュニティでの受け入れも、今以上に大切になると思うので、ぜひ考えてもらいたい。

(事務局)

共生の視点で計画に盛り込んでいきたい。 

(長瀬委員)

まず全般的に、委員みんなが発言できるよう審議会を運営してもらいたい。特に女性の委員も発言できるよう時間配分をしてほしい。

先ほどの議題に戻るが、行政の施策評価はこれまで内部評価だけで、手段が目的化してしまっていた。しかし、今回の施策評価報告書の前半部分については、外部評価がされており、これは評価すべきことだ。

経営視点の標準化については、職員の考え方を変える意味があると思う。今までは他の部署を見ず、自分たちの仕事だけをしていた。マネジメントの視点を取り入れることはとても評価できる。例えば、医療分野では、地域包括ケアシステムの構築にあたり、国は柏市をモデルとした。この先駆的な柏市モデルを作り出せたのは、東京大学と手を組み、また厚労省職員の考えも直接聞きながら取り組んだからであり、これは他の分野でも実現可能である。

(浅野副会長)

審議会の時間配分については気を付けたい。市からの説明もできるだけ短くお願いしたい。女性の方、ご意見はいかがか。

(鈴木委員)

これまで福祉や保育の立場から行政を見てきたが、先ほどの説明から、柏市は将来こうなっていくのかなと想像できた。数字で物事を見ていくことは大切だが、加えて市民ニーズをしっかり捉える視点は忘れてはいけないと思う。乳幼児から学童期などすべての子どもたちにとっては柏市が故郷になる。20、30年後には市の中心を担う存在になる訳である。計画が市民や現場レベルとのギャップがなく、方向性が違わないように取り組んでほしい。

(長井委員)

柏市の市政にあまり関心がなかった。ふるさと納税など大したものがないなど、身近なものに漠然とした不満を抱いていたが、今日の会議に参加して市が魅力的に感じた。せっかくの機会なので、次回からもっと発言できるよう真剣に取り組んでいきたい。 

(関口委員)

人口は非常に重要な前提だと思うが、人口が予想より増加したのは前期基本計画の効果なのかといった分析、将来見通しを含めてどのように上方シフトしたのか、といったデータがあればいただきたい。また、生産年齢人口は税収の面でも大事だと思うが、その見通しはどのように変わったのか。それから、市外から買い物などで来る交流人口について、土日祝日の場合は昼間人口、平日の場合は市内で就労する人数などが参考になると思うが、平日と週末の昼間人口が増えることも経済上重要なことだと思うので、お示しいただけるデータがあれば、後期計画の検討の参考にいただければありがたい。

(事務局)

資料を用意したい。

(長瀬委員)

決算状況について、扶助費が重荷になっているとのことだが、資料2のスライド43の民生費内訳について、高齢者と小児それぞれにかかる扶助費の割合、一人当たりの割合を知りたい。それを見ればどこを検討すればよいか見えやすくなるだろう。

(事務局)

承知した。

(小野会長)

変化が激しい時代にあって、短期間で選択肢も変わっていくだろう。それを見越した対応ができるようなシステムを内在した計画にできればよいと思う。

  • 次回は5⽉14⽇(木)午後3時から午後5時の開催とする。                                                以上

関連ファイル